旅行で使える本格ハンガリー語レッスン

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Language/2026-06-19

旅行で使える本格ハンガリー語レッスン

海外旅行で現地の言葉を少しでも話すと、店員さんの表情がふっとほどける瞬間があります。とりわけハンガリーは、英語が通じにくい場面も残る国。「ありがとう」をハンガリー語で言えるだけで、旅の温度がぐっと上がります。この記事は単なるフレーズの暗記ではなく、「なぜそう読むのか」から理解して自分で発音できるようになることを目指した、旅行者向けの本格レッスンです。順番に読めば、知らない単語に出会っても声に出せるようになります。

はじめに ― ハンガリー語ってどんな言語?

ハンガリー語(magyar nyelv/マヂャル ニェルヴ)は、ヨーロッパの真ん中にありながら、周りのドイツ語・スラブ語・ラテン系言語とはまったく系統が違います。実は遠い親戚にあたるのはフィンランド語やエストニア語。そのため英単語からの推測はほぼ効きません。

特徴は大きく2つ。1つは「膠着語(こうちゃくご)」であること。単語のお尻に意味のパーツをどんどんくっつけるので、一語がやたら長くなります。もう1つは、後で詳しく見る発音規則が非常に規則的なこと。文法は手強いですが、旅行者にとっての朗報は「決まり文句を丸ごと覚えれば、文法を知らなくても十分通じる」という点です。

このレッスンでは難しい文法には踏み込みません。発音の土台だけ作ったら、あとは場面ごとの「使える型」を覚えていきましょう。

第1章 発音 ― 「書いた通りに読める」ルールを身につける

ここがこのレッスンの心臓部です。ハンガリー語は表音文字で、英語やフランス語のような「綴りと発音のズレ」がほとんどありません。つまりルールさえ押さえれば、初見の単語でも読めるということ。最初にここへ時間を投資すると、あとがすべて楽になります。

大原則その1:アクセントは必ず最初の音節

例外はありません。どんなに長い単語でも、強く読むのは先頭です。Budapest なら「ブ」を強く、ブ・ダ・ペシュト。これだけで「ハンガリー語っぽさ」が一気に出ます。

大原則その2:母音の「長さ」で意味が変わる

母音の上に点(´)や二重の点(˝)が付くと「長音」になります。長短は飾りではなく、別の単語になることすらあるので、しっかり伸ばしましょう。

文字

読み方

a

「オ」に近い、口をすぼめた短いア

alma(オルモ=りんご)

á

明るく長い「アー」

lát(ラート=見える)

e

口を大きく開けた「エ」

nem(ネム=いいえ)

é

長く澄んだ「エー」

szép(セープ=美しい)

i / í

イ / イー

itt(イット=ここ)

o / ó

オ / オー

jó(ヨー=良い)

ö / ő

「ウ」と「エ」の中間(ドイツ語のö)

öt(ウト=5)

u / ú

ウ / ウー

út(ウート=道)

ü / ű

「イ」の口の形のまま「ウ」(ドイツ語のü)

üveg(ウヴェグ=瓶)

大原則その3:気をつけるべき子音はこれだけ

多くの子音はローマ字読みでOKですが、日本人がいちばん間違えるのが ssz です。英語と逆だと思ってください。

文字

読み方

s

「シュ」(英語のsh) ※要注意

piros(ピロシュ=赤い)

sz

「ス」(英語のs) ※要注意

szia(スィア=やあ)

c

「ツ」

cukor(ツコル=砂糖)

cs

「チ」(英語のch)

csak(チャク=〜だけ)

zs

「ジュ」(フランス語のj)

zsír(ジール=脂)

z

「ズ」(濁った音)

zene(ゼネ=音楽)

gy

柔らかい「ヂ」(「ジ」寄り)

magyar(マヂャル=ハンガリーの)

ny

「ニャ・ニュ・ニョ」(ñ)

nyár(ニャール=夏)

ty

「チ」寄りのティ

kutya(クチャ=犬)

ly

「ヤ行」(jと同じ音)

hely(ヘイ=場所)

j

「ヤ行」

jó(ヨー=良い)

r

巻き舌の「ル」(イタリア語のr)

répa(レーパ=にんじん)

この章のまとめ:「アクセントは頭」「母音は長さに注意」「s=シュ、sz=ス」。この3つを意識するだけで、以降のフレーズの読みが自分で確認できるようになります。本文中のカタカナはあくまで目安。最終的にはこのルールが頼りです。

第2章 あいさつと敬語 ― 丁寧形とくだけた形を使い分ける

ハンガリー語には、相手によって言い方を変える文化があります。初対面の大人・店員・年上には「丁寧形(magázás)」、友人や若い人には「くだけた形(tegezés)」。旅行者は基本「丁寧形」を使っておけば失礼になりません。

基本のあいさつ

ハンガリー語

発音(目安)

意味・使う場面

Jó napot kívánok!

ヨー ナポト キーヴァーノク

こんにちは(丁寧・万能)

Jó reggelt!

ヨー レッゲルト

おはよう

Jó estét!

ヨー エシュテート

こんばんは

Jó éjszakát!

ヨー エーイサカート

おやすみなさい

Szia! / Sziasztok!

スィア / スィアストク

やあ/じゃあね(くだけた。1人/複数)

Viszontlátásra!

ヴィソントラータースラ

さようなら(丁寧)

Viszlát!

ヴィスラート

またね(やや軽い)

お礼と返事 ― 最重要

ハンガリー語

発音(目安)

意味

Köszönöm szépen.

クスヌム セーペン

どうもありがとう

Köszönöm. / Kösz.

クスヌム / クス

ありがとう/ありがと(軽い)

Szívesen.

スィーヴェシェン

どういたしまして

Kérem.

ケーレム

どうぞ/お願いします

Tessék.

テッシェーク

どうぞ(物を渡すとき)/はい?(聞き返し)

Igen. / Nem.

イゲン / ネム

はい/いいえ

Elnézést!

エルネーゼーシュト

すみません(呼びかけ・謝罪)

Bocsánat!

ボチャーナト

ごめんなさい

Köszönöm(クスヌム)はこの旅でいちばん使う言葉です。öは「ウとエの中間」。完璧でなくても、口にすれば必ず喜ばれます。

第3章 基本のやりとり ― 旅の生命線フレーズ

言葉が通じないときに「打つ手がある」と思えると、心の余裕がまるで違います。次の数フレーズは丸暗記しておきましょう。

ハンガリー語

発音(目安)

意味

Beszél angolul?

ベセール アンゴルル

英語を話せますか?(丁寧)

Nem beszélek magyarul.

ネム ベセーレク マヂャルル

ハンガリー語は話せません

Nem értem.

ネム エールテム

分かりません

Értem.

エールテム

分かりました

Lassabban, kérem.

ラッシャッバン ケーレム

もっとゆっくりお願いします

Hogy van?

ホヂ ヴァン

お元気ですか?(丁寧)

Jól, köszönöm.

ヨール クスヌム

元気です、ありがとう

A nevem ...

ア ネヴェム ...

私の名前は…です

Örvendek.

ウルヴェンデク

はじめまして(お会いできて嬉しい)

第4章 レストラン・カフェで使う

注文の基本の型は 「(欲しいもの)+ kérek(ケーレク=〜をください)」。これさえ覚えれば応用が効きます。

ハンガリー語

発音(目安)

意味

Egy kávét kérek.

エヂ カーヴェート ケーレク

コーヒーを1つください

Egy sört kérek.

エヂ シュルト ケーレク

ビールを1つください

Egy pohár vizet kérek.

エヂ ポハール ヴィゼト ケーレク

お水を1杯ください

Az étlapot, legyen szíves.

アズ エートラポト レヂェン スィーヴェシュ

メニューをお願いします

Ez mi?

エズ ミ

これは何ですか?

A számlát, legyen szíves.

ア サームラート レヂェン スィーヴェシュ

お会計をお願いします

Kártyával lehet fizetni?

カールチャーヴァル レヘト フィゼトニ

カードで払えますか?

Finom!

フィノム

おいしい!

Egészségére!

エゲースシェーゲーレ

乾杯!(丁寧)

ハンガリーでは食前に Jó étvágyat!(ヨー エートヴァーヂャト=召し上がれ)と言い合う習慣があります。同席者にひとこと言えると会話のきっかけになります。

第5章 数字とお金・買い物

値段の聞き取りや支払いに、数字は欠かせません。ハンガリーの通貨はフォリント(forint/フォリント、略号 Ft)。桁が大きくなりがちなので、100・1000を押さえておくと安心です。

1〜10

ハンガリー語

発音(目安)

1

egy

エヂ

2

kettő / két

ケットゥー / ケート

3

három

ハーロム

4

négy

ネーヂ

5

öt

ウト

6

hat

ハト

7

hét

ヘート

8

nyolc

ニョルツ

9

kilenc

キレンツ

10

tíz

ティーズ

大きな数

ハンガリー語

発音(目安)

20

húsz

フース

50

ötven

ウトヴェン

100

száz

サーズ

1000

ezer

エゼル

買い物フレーズ

ハンガリー語

発音(目安)

意味

Mennyibe kerül?

メンニベ ケるル

いくらですか?

Ez túl drága.

エズ トゥール ドラーガ

これは高すぎます

Kérek egy ilyet.

ケーレク エヂ イイェト

これを1つください

Csak nézelődöm.

チャク ネーゼルドゥム

見ているだけです

第6章 移動・道案内

場所を尋ねる基本は 「Hol van ...?(ホル ヴァン=〜はどこですか?)」。地図アプリと組み合わせれば、地名を当てはめるだけで通じます。

ハンガリー語

発音(目安)

意味

Hol van a vécé?

ホル ヴァン ア ヴェーツェー

トイレはどこですか?

Hol van a megálló?

ホル ヴァン ア メガーッロー

(バス等の)停留所はどこ?

Egy jegyet kérek.

エヂ イェヂェト ケーレク

切符を1枚ください

Ez megy a központba?

エズ メヂ ア クズポントバ

これは中心街へ行きますか?

balra

バルラ

左へ

jobbra

ヨッブラ

右へ

egyenesen

エヂェネシェン

まっすぐ

第7章 緊急・困ったとき

使う場面が来ないのがいちばんですが、知っているだけで安心感が違います。いざというとき大きな声で言えるよう、発音を確認しておきましょう。

ハンガリー語

発音(目安)

意味

Segítség!

シェギーチェーグ

助けて!

Eltévedtem.

エルテーヴェドテム

道に迷いました

Rosszul vagyok.

ロッスル ヴァヂョク

気分が悪いです

Hívjon orvost!

ヒーヴョン オルヴォシュト

医者を呼んでください!

Hívja a rendőrséget!

ヒーヴャ ア レンドゥールシェーゲト

警察を呼んでください!

Ellopták a táskámat.

エッロプターク ア ターシュカーマト

カバンを盗まれました

ハンガリーの緊急通報番号はEU共通の 112 です。言葉が出てこなければ、まずこの番号にかけましょう。

第8章 一目置かれるひとこと

最後に、言えると「お、分かってるな」と思われる、ちょっと気の利いた表現を。旅の締めくくりや、現地の人との距離を縮めたいときにどうぞ。

ハンガリー語

発音(目安)

意味

Nagyon szép!

ナヂョン セープ

とても美しい!

Csodálatos!

チョダーラトシュ

素晴らしい!

Imádom Magyarországot.

イマードム マヂャロルサーゴト

ハンガリーが大好きです

Nagyon kedvesek az emberek.

ナヂョン ケドヴェシェク アズ エンベレク

人々がとても親切です

Sok sikert!

ショク シケルト

頑張ってね!/幸運を!

まとめ ― 完璧でなくていい、声に出すことが鍵

ハンガリー語は系統こそ独特ですが、「書いた通りに読める」という発音の規則性のおかげで、土台さえ作れば独学でぐんと話せるようになります。旅行であれば、第1章の発音ルールと、各章の「型」になるフレーズ ―― Köszönöm(ありがとう)、... kérek(〜をください)、Hol van ...?(〜はどこ?)―― を押さえれば十分に渡り合えます。

発音が不安なら、スマホの翻訳アプリで単語を再生して耳で確認するのがおすすめです。多少たどたどしくても、現地の言葉で話そうとする姿勢そのものが歓迎されます。Jó utat!(ヨー ウタト=よい旅を!)