前提を疑う01 医療費と財源/JAPAN
病院の『経営難』は、どこまで『新しい危機』なのか
「危機」の3層構造のうち②個別医療機関の経営難を、実際の収支構造まで分解して検証する。コロナ補助金の剥落、人件費と光熱費の内訳、病床稼働率という数量要因、そして公立病院だけが突出して悪いという開設者間の格差——集計された「赤字率」の裏側にあるものを一次資料で確認する。「前提を疑う」シリーズ第9回。
ダイジェスト解説 VIDEO
前回の記事で、「危機」という言葉が国家財政・個別医療機関の経営・医療提供体制という3つの異なるレベルを指しうることを整理し、②個別医療機関の経営については、複数の病院団体調査で赤字病院の増加を確認した。ただし本稿で調べ直した結果、「6〜8割台で一致している」という書き方は正確でなかった※訂正——後で見るとおり、信用調査会社の集計では48.2%と61.0%で、病院団体調査(65〜75%台)と合わせると15〜35ポイント開く。「赤字率」は調査主体・損益概念・集計単位によって大きく違う。しかも、そこで止めるべきではないと思う。
先に、この記事で扱う二つの指標を分けておきたい※追記。
| 中身 | |
|---|---|
| 赤字率 | 赤字の病院数 ÷ 病院数 |
| 損益率 | 収益に対する損益の大きさ |
この二つは別のものである。8割の病院が−0.5%で残りが+10%の場合と、4割が−20%で残りが+2%の場合とでは、「赤字率」と「財務の深刻さ」の印象が逆転する。病院の収入は何で構成され、費用は何が上がっているのか。その比率はどれだけ動いたのか。そして、その赤字は本当に「新しい」危機なのか、そもそも病院という業態にとって赤字自体がどこまで異常なのか——これらを実際の収支構造まで分解して検証する。「前提を疑う」シリーズ第9回。
エビデンス整理
病院の収入は、何で構成されているか
出発点として、収入の内訳を確認しておく。厚労省の第25回医療経済実態調査によれば、一般病院全体の収益構成は入院診療収益が66.7〜67.6%、外来診療収益が27.9〜28.5%(令和3〜6年度)で、入院が収益のおよそ3分の2を占める構造がこの間ほぼ一定していた1。公立病院についてはこれに加えて、保険診療収益とは別枠の収入がある。一般会計からの継続的な繰入金と、コロナ関連の国庫補助金である(次段落で詳述)2。
コロナ補助金の剥落——「危機」の少なくとも一部は基準年の問題
厚労省の第25回医療経済実態調査は、一般病院全体の損益率をコロナ補助金の有無で分けて公表している。補助金を除いた実質の損益率は、令和元(2019)年度から令和6(2024)年度にかけて-3.1%/-6.9%/-5.5%/-6.7%/-7.5%/-7.3%と、コロナ以前を含む全期間でマイナスだった。一方、補助金を含めた総損益率は+0.5%/+4.2%/+7.8%(令和3年度がピーク)/+5.1%/-2.4%/-3.9%と大きく振れており、しばしば参照される「令和3年度は黒字だった」という事実は、主に補助金によるものだったことが分かる1。
公立病院に限ると、この振れ幅はさらに大きい。国庫(県)補助金(主にコロナ関連)は令和元年度231億円から令和3年度6,224億円へ急増した後、令和6年度には319億円まで急減(対令和5年度-74.7%)した。これとは別枠の、一般会計からの継続的な繰入金はむしろ増加しており(令和元年度6,302億円→令和6年度6,923億円)、恒常的な補助が縮小しているわけではない2。会計検査院の検査では、令和2・3年度合計で3,477施設に3兆1,030億円の病床確保関連交付金が交付されたが、予算執行率は6〜8割にとどまり、令和3年度だけで32施設・9都道府県において合計55億円超の過大交付も検出されている3。福祉医療機構(WAM)は「2023年度は、コロナ補助金の終了等により非常に厳しい経営状況に陥っている」と明記しており、同一施設パネルの経常利益率は2019年度0.6%→2021年度7.0%(ピーク)→2023年度-0.3%と推移した4。
つまり、しばしば「過去最悪」と語られる直近の赤字は、その一部が「補助金という特殊要因があった年」との比較で生じている基準年効果による部分がある※訂正(現在の経営悪化そのものが実在しないという意味ではない)ものである。ただし、実質(補助金除外)の損益率自体も2024年度(-7.3%)は2019年度(-3.1%)より悪化しており、基準年の問題だけでは説明しきれない、正味の悪化も存在する。
費用側:何が上がっているのか
全国公私病院連盟の調査によれば、会員病院の費用構造(医業収益を100とした場合)は給与費55.3(5割超)、材料費29.7(うち医薬品費17.9)、経費17.0(うち委託費8.6)、減価償却費6.4である。材料費率は令和2年度以降28.0→28.7→28.9→29.7と一貫して上昇している5。中医協の分析でも「一般病院、一般診療所、歯科診療所においては、人件費が費用の5割以上を占めている」と明記されている(一般病院の人件費率平均64.3%)6。
前回の記事で確認した電気代・ガス代の高騰は、費用構造全体で見るとどの程度の重みを持つのか。第24回医療経済実態調査では、水道光熱費が医業収益比でわずか1.8%(令和3年度)から2.3%(令和4年度、伸び率+32.1%)へと急騰していたことが確認できる——ただし絶対水準としては費用全体の2%程度にすぎない7。四病協の中間報告では、令和6年度の医業費用の伸び+3.4%のうち、給与費の増加分が72.5%を占めたと報告されている8。つまり、光熱費の伸び率自体は突出して大きいが、費用増加への寄与度という点では、人件費の伸びの方がはるかに大きい。
人件費の伸びの背景として、四病協は最低賃金改定の影響による人件費高騰に直接言及している8。一方、しばしば人件費高騰の要因として名指しされる医師の働き方改革(時間外労働の上限規制、2024年施行)については、日本医師会自身の調査(病院・有床診療所4,082施設が回答)が「現時点では、全体的に想定したほどの影響は出ていないと言えるのではないか」と総括しており、コスト増の定量試算はどこにも見当たらなかった9。人件費増の主因として広く語られている割に、その規模を実際に測った公式資料が存在しないという事実自体が、一つの発見である。
病院と医薬品卸・医療材料メーカーの関係——薬は縮む差益、材料は広がる逆ザヤ
材料費(医薬品費・診療材料費)の内側には、病院と供給側(医薬品卸・医療機器メーカー)との業態上の関係が隠れている。病院・診療所は医薬品卸から市場実勢価格で薬剤を仕入れ、診療報酬上の公定価格(薬価)で保険請求する。この差額は薬価差益と呼ばれてきた。ただし、厚労省の薬価調査が測る「平均乖離率」を、そのまま病院の薬価差益と読むことはできない※訂正——これは薬価と実販売価格の差を販売数量で加重平均した市場全体の価格差であり、購入者ごとに価格は違い、卸の流通費用も含まれる。また、乖離率がそのまま次の改定の引き下げ幅になるわけでもない。薬価は市場実勢価格の加重平均に調整幅を加え、さらに各種の再算定ルールを経て決まる。
R幅の年代についても訂正する※訂正。1992年度から加重平均値一定価格幅方式に移り、そのときの一定価格幅(R幅)は15%だった。1994年度13%、1996年度11%、1997年度10%、1998年度5%と段階的に縮小し、現在の2%の「調整幅」になったのは2000年である。公開時の本文は2%を1992年の設定として書いていた。
乖離率は、この縮小の過程を経て、10平成30(2018)年度7.2%→令和元(2019)年度8.0%→令和2(2020)年度8.0%→令和3(2021)年度7.6%→令和4(2022)年度7.0%→令和5(2023)年度6.0%→令和6(2024)年度5.2%11→令和7(2025)年度4.8%12と、2021年度からの毎年改定への移行を経て一貫して縮小し続けている。薬価と市場実勢価格の平均的な幅は大きく縮小しており、かつてほど大きな価格差を期待できる環境ではなくなっている※訂正。(ただし病院と薬局、大病院と小病院、特許品と後発品では事情が違うので、全国平均の縮小がそのまま個々の病院の差益の縮小を意味するわけではない。)
この薬剤費のかなりの部分は、そもそも病院の収支を通過していない。外来処方箋を院外の調剤薬局に出す医薬分業は、2024年度の院外処方率が全体で81.4%、病院に限ると83.6%に達しており13、外来で処方された薬剤の費用・収益の大部分は、病院自身の医業収益・医業費用ではなく、薬局側の調剤報酬として計上される。このため病院の決算上の「材料費(医薬品費)」は主に入院分の薬剤費を指しているはずだと考えがちだが、実際にはそれほど単純ではない。日本総合研究所の推計では、2017年度の出来高払い薬剤費(9.46兆円)のうち、病院入院分(出来高分のみ)はわずか0.5兆円にとどまる一方、病院外来分は1.97兆円とむしろ大きい。ただし同レポートは、DPC(包括払い)の拡大により入院薬剤費の相当部分が統計上「見えなく」なっているため、この0.5兆円という数字は入院薬剤費の実態を過小評価しているとも注記しており、入院と外来のどちらが病院にとって主たる薬剤費なのかを、一次資料だけから明確に判定することはできなかった14。
医薬品卸との関係にも、病院の規模による非対称性がある。医薬品卸売業連合会が中医協に提出した資料によれば、卸と医療機関・薬局が個別に交渉している場合は95%が品目ごとの単価交渉になっているのに対し、法人・グループの本部が一括して交渉している場合はわずか34%、価格交渉代行者を介する場合は15%しか単価交渉になっておらず、大規模チェーンほど内訳の不透明な総価取引に傾いている。同じ資料は、2022年度と比べて2024年度の特許品の仕入原価対薬価比率が上昇し、特許品の約25%が納入価格が流通コストを下回る「流通不採算品」になっていると指摘し、毎年の薬価改定の見直しを求めている15。一方、特定の卸1社しか扱っていない医薬品(1社流通品)については、個別の病院が価格交渉力を失っているという指摘もある——ある大学病院だけで約100品目が1社流通品にあたり、その数は減るどころか増えているという報告もある16。厚労省自身も、購入主体の規模別に取引価格の偏在を調査する枠組みを設けており、大規模グループへの薬価差の偏在を公式な検討課題として扱っている17。
医療材料・医療機器については、薬とは逆の現象が起きている。特定保険医療材料の価格は「市場実勢価格加重平均値に一定幅(4%)を上乗せする」方式で改定されており、薬価の調整幅(2%)とは異なる算定方式である18※訂正。ただしこの4%は、個々の病院に4%の利益を保証するものではない。算定式の一定幅であって、実際の調達価格にはばらつきがある。しかし実際の乖離率は平成23(2011)年度8.9%から令和5(2023)年度2.5%まで一貫して縮小しており、直近の速報値では医薬品4.8%に対し材料はわずか1.3%と、現在は材料の方が薬より乖離が小さい12。それどころか、購入価格が償還価格を上回る「逆ザヤ」となっている機能区分が、2025年時点で1,314区分中460区分(35%)にのぼり、この割合は2018年の22%から年々拡大している。ただしこの35%は「病院が仕入れるほど損をする」という意味ではない※訂正。機能区分単位で、平均的な実勢購入価格が償還価格を上回っている区分の割合である。言えるのは、そうした機能区分が拡大している、ということである19。この事態を受け、中医協は2026年度改定で、実勢価格を踏まえた償還価格の引き上げを(本稿では確認できなかったため「史上初」という表現は外す※訂正)新たな特例としてめて導入することを決めている。
材料価格は、薬価ほど頻繁に見直されているわけでもない。令和6年度改定では、薬価が-0.97%(国費ベースで約1,200億円)引き下げられたのに対し、材料価格の引き下げはわずか-0.02%(約20億円)で、薬価の引き下げ幅は材料価格の約48倍だった20。薬価が2021年度以降ほぼ毎年改定されるようになった一方、材料価格には毎年改定に相当する仕組みがなく、2年に1度の診療報酬改定時のみ見直される。ある学術研究は、この2年サイクル自体が企業側に価格を戦略的に調整する余地(ラチェット効果)を与えていると分析している21。医療機器の内外価格差についても、2009年の国会質問への政府答弁では、2004年の公正取引委員会統計をもとにPTCAカテーテルが日本17.2万円対米国8.1万円(約2.1倍)、ペースメーカーが日本133万円対米国83.2万円(約1.6倍)という水準が示されていたが、これは20年以上前のデータであり、直近の定量的な内外価格差を示す一次資料は見つからなかった。ただし外国価格調整の基準(外国平均価格の一定倍率を超えた場合に価格を引き下げる仕組み)はその後の改定でも繰り返し厳格化されており、政府がこの論点を現在も重視し続けていることは確認できる18。なお、材料費のすべてが個別に価格づけされているわけでもない。2015年の厚労省資料では、病院1施設あたりの材料費のうち、個別に請求できる特定保険医療材料費は41.9%にとどまり、技術料に包括されて別建て請求できない材料費の方が58.1%とむしろ多かった(ただしこれも10年以上前のデータである)22。
MS法人という第三の関係——制度はあるが、集計されない
薬価差益や材料の逆ザヤとは別に、病院と供給側との関係には、独立した当事者間の市場価格での取引とは言い切れない、もう一つの経路がある。医療法54条は医療法人による剰余金の配当を禁じているため、周辺業務(医薬品・医療機器の共同購入、不動産管理、リネン類の管理、売店運営など)を役員が実質的に支配する別の株式会社(いわゆるMS法人)に担わせ、その対価として医療法人側から委託料・賃料等を支払う構造が、少なくとも1993年の厚生省通知の時点から公式に把握されている23。2013年の衆議院厚生労働委員会では、厚労省医政局長(当時)が「そういう仕組みがあることは十分理解しております」と答弁し、厚労大臣(当時)も不当な価格設定による利益蓄積を防ぐことを課題として認めている24。2014年の医療法人会計基準は、一定規模以上の医療法人(社会医療法人はより低い基準額で対象となる)に対し役員が支配する関連法人との取引が収益・費用それぞれの10%を超える場合の注記を義務づけており、そのモデル例には医薬品卸取引が明示されている——MS法人型の物品供給が会計制度上も想定された取引類型であることを示している25。
実は、この開示義務は社会医療法人などの一部に限られたものではない。医療法51条・52条は、配偶者や二親等以内の親族が代表を務める会社、あるいは役員が議決権の過半数を実質的に支配する会社(まさにMS法人型の構造)との取引について「関係事業者との取引の状況に関する報告書」の作成を、2017年4月2日以降に開始する会計年度から、ほぼすべての医療法人に義務づけている(取引額1,000万円以上かつ収益・費用総額の10%以上が対象)26。ところがこの報告書は都道府県知事に提出された後、「請求があった場合には閲覧に供する」(52条2項)、つまり都道府県ごとの個別開示請求でしか閲覧できず、国が全国集計して公表する仕組みにはなっていない27。前段落で触れた2023年開始のMCDB(経営情報データベース)についても、実際の報告様式(様式1・様式2)を直接確認したところ、委託費や器機賃借料など費目別の合計金額を報告する項目はあるが、取引相手が関連会社かどうかを区別する項目は一切含まれていない。WAMは45,285法人分のMCDBデータに基づく分析結果を既に公表しているが、そこにも関連当事者取引の内訳は出てこない28,29。つまり、関連当事者との取引を開示する法的義務自体はほぼすべての医療法人に及んでいるにもかかわらず、それを全国規模で集計・可視化する仕組みが、MCDBを含めてどこにも存在しない。2013年の国会答弁で厚労省自身がこの構造を認めていながら、10年以上経った今も、それを検証するための統計インフラは作られていないということになる。
この記事で確認した医療法人立病院と公立病院の損益率の差を、MS法人による利益移転と直接結びつける一次資料もなかった。この論点は、材料費・委託費という費用項目が常に独立当事者間の市場価格を反映しているとは限らないという留保として記録するにとどめ、開設者間格差の説明としては採用しない。
患者数と病床稼働率——価格だけでなく、数量も動いている
前回の記事は診療報酬とコスト上昇の板挟みという「価格」の側面を中心に検証したが、病院収入は入院・外来ともに患者数(数量)にも大きく依存する。病床利用率は2019年度80.5%から2020年度77.0%(コロナ)へ落ち込んだ後、2024年度には77.0%(前年比+1.4ポイント)まで持ち直したが、依然として2019年度水準を3.5ポイント下回ったままである。平均在院日数も2015年29.1日から2024年25.6日へと長期的な短縮傾向が続いている30。2025年6月時点の患者数は、コロナ禍前(2019年6月)と比べて入院が12.2%減、外来が14.7%減で、5年以上経っても回復していない31。在宅患者数は2020年から2023年にかけて37.7%増加しており、慢性期・高齢者ケアの一部が病院から在宅へ構造的にシフトしていることも確認できる32。人口10万人未満の2次医療圏では、受療行動が変わらなくても2040年までに入院患者数が減少する圏域が半数を超えると推計されており、価格政策とは無関係に人口減少そのものが患者数を押し下げている地域が既に相当数存在する33。
厚労省は中医協向けの資料で、自治体病院を対象に価格要因と数量要因を分解した分析を示している。令和元〜5年度の平均で、一般病院は入院単価+19.5%・外来単価+24.8%の上昇に対し患者数は入院-9.4%・外来-6.9%の減少にとどまり、価格効果が数量減を上回って医業収益は+12.2%増えた。ところが療養型病院・精神科病院では患者数の減少率が単価の増加率を上回り、収益がむしろ減少した——同じ「単価は上がっているのに苦しい」という現象でも、病院類型によって価格要因と数量要因のどちらが効いているかが異なる。厚労省自身はこの資料で「近年の医療機関の経営状況の実態やその要因について、どのように考えるか」と中医協委員に論点提示するにとどめており、コスト増・患者減・補助金終了それぞれの寄与度を定量的に按分する分析は、政府サイドにも存在しない34。
病院の赤字は、そもそも異常なのか——国内外の「正常」水準との比較
ここで一度、視点を変えたい。マイナスの利益率という状態そのものが、病院という業態にとってどこまで異常なのか。米国では、2023年の病院の営業利益率(中央値)は5.2%まで回復したが、それでも病院の39%が営業赤字であり、22%は-5%を下回る赤字だった。非営利病院4.4%・公立病院3.4%と、非営利・公立病院はもともと低マージンで運営されている35。MedPACについては、読み方を訂正する※訂正。「相対的に効率的」と分類された病院のFFSメディケア・マージンの中央値が、コロナ関連補助金を除いて約−3%(含めると約−2%)だった36。これはメディケア部門だけの採算であって、病院全体の財務状態ではない。同じ報告書は、all-payer の営業利益率を別の指標として扱っている。そして MedPAC はこの数字を「そうなるよう設計されている」証拠としてではなく、メディケアの支払いが効率的な医療の費用を賄えているかを検討するために用いている。——公的保険部門の採算と、病院全体の財務状態は分けて読む必要がある。2025年通年の米国病院の営業利益率(中央値)はわずか1.3%で、業界団体自身がこれを「新常態」と位置づけている37。
他の国民皆保険国も同様である。イングランドのNHSトラストは2023/24年度、205法人中112法人(約55%)が赤字だった38。ドイツでは2024年に病院の70%、2025年には80%が赤字を見込むと報告されている39。フランスでは2024年、公立病院の純損益が2005年以来最悪を更新した40。医療経済学の理論的な蓄積も、この現象を裏づける。非営利病院の行動理論の多くは、病院が「利潤ゼロ制約」の下で効用を最大化すると定式化しており41、実証研究でも、非営利病院には利益率をゼロよりわずかに上という狭いレンジに意図的に着地させるインセンティブがあることが示されている——損益分岐点近辺へ収斂するインセンティブが働く※訂正。ただし非営利法人は利益を分配できないのであって、利益を出してはいけないわけではない。設備更新・借入返済・耐震化・新規投資には内部留保が要る。持続的な赤字が正常だという意味ではない。損益分岐点近辺での運営こそが、非営利病院にとって「正常」な経営行動なのである42。
日本国内のデータも、この構造を裏づけている。医療経済実態調査によれば、コロナ補助金を除いた一般病院全体(国公立含む)の損益率は2017〜2019年度で-3.0%〜-3.1%とコロナ前から既にマイナスだったが、医療法人立の一般病院に限ると同時期+1.8%〜+2.8%と黒字だった——コロナ前の「赤字」は、主に公立病院が全体平均を押し下げていたことによるものである43。なお、四病協自身の過去データにも食い違いがある。ある資料は2018年度の経常赤字割合を47.7%とする一方、四病協が2019年に公表した別の報告書は同じ年度の医業赤字割合を57.9%としており、同一調査主体でも公表資料ごとにコロナ前の基準値が一致しない44。
「赤字」は、本当に一様に広がっているのか
最新の医療経済実態調査は、この開設者間の差を正式に開示している。令和6年度の一般病院の総損益率(施設数ベース平均)は、医療法人-1.0%、国立-5.4%、公的-4.1%、その他-4.7%に対し、公立が-18.5%と突出して悪い。公立を含む「国公立」全体は-16.3%だが、公立を除いた「国公立を除く全体」はわずか-2.9%にとどまる45。病床規模別に見ると、この格差は単純な「大きい病院ほど苦しい」あるいはその逆、という単調な傾向ではない。20〜49床が-0.7%と最も軽微で、200〜299床が-4.5%と最も悪く、すべての規模で前年度から悪化した。地域別(医療機関の所在地域による報酬の級地区分)でもほぼ全区分で悪化する中、3級地のみが黒字を維持している46。
健康保険組合連合会(けんぽれん)の分析は、この公立病院の悪さが、単に稼働率が低いからではないことを示している。病床利用率80%以上の医療法人立病院は+1.0%の黒字を確保する一方、同じ稼働率でも公立病院は-13.4%の赤字であり、病床利用率の違いは公立病院の医業収支比率のばらつきの4割弱しか説明できないという。ただし、ここから「開設者としての属性そのものが赤字の主因」と読むことはできない※訂正。残る6割には、救急・周産期・小児といった不採算の政策医療、過疎地域での立地、病院機能、病床規模、職員の給与体系、減価償却、医師派遣、教育機能、患者構成などが含まれ、いずれも公立であることと強く相関する。開設主体は原因というより、未調整の要因を束ねたラベルかもしれない。
言えるのは、稼働率という数量要因を揃えてもなお公立と医療法人の損益差が大きく残る、したがって病床利用率だけでは公立病院の赤字を説明できない、というところまでである47。
2024年度は、本当に「過去最悪」なのか——指標によって答えが違う※訂正
同じけんぽれんの分析は、もう一つ重要な時系列データを示している。一般病院の総損益差額率(全体加重平均)は令和元年度-2.0%→令和2年度-5.6%(コロナで段差)→令和3年度-4.7%→令和4年度-5.8%→令和5年度-6.2%→令和6年度-6.1%と推移しており、令和6年度の数値は令和5年度からむしろ0.1ポイント改善している47。悪化の主要な段差はコロナ元年の令和2年度に生じ、それ以降はおおむね同じ水準で高止まりしている——「2024年度は過去最悪」という報道の多くが伝えているのは、実際には「2020年のコロナショック以来、ずっと同じ深さの谷にいる」という状態に近い。
赤字率の定義自体が、調査主体によって大きく異なることも確認できる。信用調査会社の独自集計では、病院を経営する法人の赤字率は東京商工リサーチが48.2%、帝国データバンクが61.0%と報告しており、病院団体の会員調査(65〜75%台)を含めると、同じ「病院の赤字率」という言葉で15〜35ポイントもの開きが生じている。定義(経常/医業、営業損益ベースかどうか)、サンプル(誰が回答したか)、調査対象年度によって、数字は大きく変わりうる48,49。財政審自身も、政府の医療経済実態調査について「サンプル数が限られていることや、調査対象が毎回異なることなど、統計的な課題が指摘されてきた」と認めており、これを受けて2023年の医療法改正で、医療法人の悉皆報告を義務づける経営情報データベース(MCDB)が整備されている——公式統計自体が、標本調査の限界を認めて作り直されている最中なのである50。ただし、このMCDBが埋められるのはあくまで標本の限界であって、前段で確認した関連当事者取引の不可視性は埋められない。統計インフラの再設計は、そこまでは及んでいないということである。
私見・考察
「個別医療機関の経営難」という一つの言葉で語られてきたものを分解すると、少なくとも5つの異なる要素が重なっていることが分かる。第一に、コロナ補助金という特殊要因の剥落——比較対象になっている令和3年度がそもそも異常な黒字年だったという、基準年の問題。第二に、それでも残る正味の悪化——実質損益率は2024年度の方が2019年度より悪く、これは主に人件費の伸び(給与費の増加が費用増の7割超を占める)によるもので、しばしば名指しされる医師の働き方改革ではなく、より広い賃金・物価上昇と最低賃金改定が主因である。第三に、価格とは独立した数量要因——病床稼働率・患者数はコロナ前水準に戻っておらず、人口減少という、診療報酬をどう改定しても解決しない構造的な下押し圧力が一部の地域では既に効き始めている。第四に、開設者間の巨大な格差——公立病院を除けば、赤字はごく軽微であり、公立病院の深刻な赤字は、国内外の理論・実証研究が示す「非営利・公立病院は元々ゼロ近傍で運営されるよう設計されている」という構造とも整合的である。第五に、費用そのものの中身の不透明さ——薬価差益は年々縮小し、医療材料はむしろ病院が仕入れるほど損をする逆ザヤが拡大しているという、供給側との関係の変化。そして医療法人が関連法人(MS法人)との取引を開示する法的義務は既にほぼすべての医療法人に及んでいるにもかかわらず、それを全国規模で集計する統計インフラがどこにも整っていないという、②で見た「施設別アウトカム指標が公開されていない」という測定インフラの欠如と同型の空白である。
前回の記事の私見で立てた③(高齢化)④(専門医数)⑤(ゲートキーピング)⑥(自己負担率)、公平性と価値を1本の指数に統合しようとした回、そして前回(対GDP比)と同じパターンが、ここでも繰り返されている。「病院の経営難」という一つの数字は、単独では、その原因も、深刻さの水準も、正しく語れない。基準年をどう取るか、開設者をどう分けるか、稼働率や人口動態という価格とは別の軸をどう扱うか、そして費用がどのような取引関係を通じて流れているのかによって、まったく違う結論が導かれる。
それでも、この分解を経てなお残る、正味の懸念もあると思う。費用増への最大の寄与項目は給与費だった。ただしその内訳は分解できていない※訂正——最低賃金、ベースアップ、人材不足による採用賃金の上昇、処遇改善、人員構成、時間外手当、働き方改革。四病協が最低賃金に言及していることと、その寄与度を推定したことは違う。(あわせて、医師の働き方改革が人件費増の主因ではないという断定も外す。日医調査は回答率28.7%の自己回答調査で、財務コストを直接推計したものではない。言えるのは、その寄与を定量的に裏づける全国データを確認できなかった、までである※訂正。)
人件費の伸びが賃金・物価上昇によって押し上げられているという構造は、コロナ補助金のような一時的な要因ではなく、今後も続く可能性が高い。そして公立病院の深刻な赤字は、「非営利病院はゼロ近傍が正常」という理論だけでは正当化しきれない部分もあるはずだ——人口減少が加速する地域ほど、まさにその地域を支えているのが公立病院であることが多いからである。「経営難」という言葉を、財政の危機としてではなく、価格・数量・開設者属性・取引関係という4つの軸に分けて捉え直したとき、本当に手当てすべき場所がどこなのかが、ようやく見えてくるのだと思う。
最後に、この記事の答えを書き直しておく※訂正。
公開時の結びは「赤字は病院にとって必ずしも異常ではない」に寄っていた。だが資料を並べ直すと、そこまでは言えない。
病院の経営難は、2024年に突然始まった新しい危機ではない。しかし、単に「コロナ補助金がなくなっただけ」でもない。
コロナ前から存在した低マージンの構造の上に、患者数の減少と人件費・材料費の上昇が重なり、その影響が公立病院や急性期病院に偏って現れている。
だから、全国の「赤字病院率」という一つの数字だけでは、いま何が起きているのかを捉えられない。
問うべきは「病院の何割が赤字か」ではない。どの機能の、どの開設主体の病院で、価格・数量・費用のどの要因が損益を押し下げているのか。そして——赤字は経営の指標である。それが「医療危機」になるのは、その赤字が必要な医療の供給を失わせるときである。
訂正 CORRECTIONS
公開後に直したこと。本文は直したうえで、何をどう変えたかをここに残している。本文中の※ が、直した箇所を指す。
- 追記赤字率(赤字病院数÷病院数)と損益率(収益に対する損益の大きさ)を別の指標として分ける表を冒頭に追加した。2026-09-01 · akaji-soneki赤字率(赤字病院数÷病院数)と損益率(収益に対する損益の大きさ)を別の指標として分ける表を冒頭に追加した。両者は別物で、分布次第で印象が逆転する
- 訂正逆ざや機能区分35%を「病院が仕入れるほど損をする」と書いていたのを訂正した。2026-09-01 · gyakuzaya逆ざや機能区分35%を「病院が仕入れるほど損をする」と書いていたのを訂正した。機能区分単位で平均的な実勢購入価格が償還価格を上回っている区分の割合であり、全購入で損をするという意味ではない
- 訂正医師の働き方改革が人件費増の主因ではないという断定を外した。2026-09-01 · hatarakikata医師の働き方改革が人件費増の主因ではないという断定を外した。根拠とした日医調査は回答率28.7%の自己回答調査で、財務コストを直接推計したものではない
- 訂正非営利病院のゼロ利益制約から「持続的な赤字が正常」と読める書き方を訂正した。2026-09-01 · hieiri非営利病院のゼロ利益制約から「持続的な赤字が正常」と読める書き方を訂正した。非営利法人は利益を分配できないのであって出してはいけないわけではなく、設備更新・借入返済・耐震化・新規投資には内部留保が要る
- 訂正コロナ補助金の剥落による損益悪化を「見かけ上のもの」と書いていたのを、基準年効果と表現し直した。2026-09-01 · hojokinコロナ補助金の剥落による損益悪化を「見かけ上のもの」と書いていたのを、基準年効果と表現し直した。現在の経営悪化そのものは実在する
- 訂正「独立した複数の調査が6〜8割台の赤字率で一致している」という冒頭の記述を訂正した。2026-09-01 · ichi「独立した複数の調査が6〜8割台の赤字率で一致している」という冒頭の記述を訂正した。信用調査会社の集計では東京商工リサーチ48.2%、帝国データバンク61.0%であり、病院団体調査の65〜75%台と合わせると15〜35ポイント開く。記事自身が後半でそれを示していた
- 訂正人件費増の主因を「賃金・物価上昇と最低賃金改定」と書いていたのを訂正した。2026-09-01 · jinkenhi人件費増の主因を「賃金・物価上昇と最低賃金改定」と書いていたのを訂正した。費用増への最大の寄与項目が給与費であることは言えるが、その内訳を最低賃金・ベースアップ・採用賃金・処遇改善・人員構成・働き方改革などに定量的に分解した資料は確認できなかった
- 訂正薬価調査の平均乖離率を病院の薬価差益そのものとして扱い、「そのまま次の薬価改定の引き下げ幅に反映される」と書いていたのを訂正した。2026-09-01 · kairi-ritsu薬価調査の平均乖離率を病院の薬価差益そのものとして扱い、「そのまま次の薬価改定の引き下げ幅に反映される」と書いていたのを訂正した。乖離率は薬価と実販売価格の差を販売数量で加重平均した市場全体の価格差であり、購入者ごとに価格は違い卸の流通費用も含む。薬価は市場実勢価格の加重平均に調整幅を加え各種再算定ルールを経て決まる
- 訂正「2024年度は本当に過去最悪なのか——多年度で見ると」という見出しを「指標によって答えが違う」に改めた。2026-09-01 · kakosaiaku「2024年度は本当に過去最悪なのか——多年度で見ると」という見出しを「指標によって答えが違う」に改めた。全体加重平均の総損益差額率では前年より0.1ポイント改善しているが、赤字病院割合など別指標では悪化が報告されている
- 訂正同一年度の経常赤字率47.7%と医業赤字率57.9%を「同一主体内でも食い違う」と書いていたのを訂正した。2026-09-01 · keijou-igyou同一年度の経常赤字率47.7%と医業赤字率57.9%を「同一主体内でも食い違う」と書いていたのを訂正した。医業損益と経常損益は別の指標であり、割合が違って当然である。むしろ『赤字』という言葉だけではどちらか分からないことの実例である
- 訂正結びを書き直した。2026-09-01 · ketsuron結びを書き直した。「赤字は病院にとって必ずしも異常ではない」に寄りすぎていた
- 訂正「稼働率を揃えてもなお開設者としての属性そのものが赤字の主因になっている」という因果解釈を訂正した。2026-09-01 · kouritsu-inga「稼働率を揃えてもなお開設者としての属性そのものが赤字の主因になっている」という因果解釈を訂正した。残る6割には救急・周産期・小児などの政策医療、立地、病院機能、病床規模、給与体系、減価償却、教育機能、患者構成が含まれ、いずれも公立であることと強く相関する。開設主体は原因というより未調整の要因を束ねたラベルかもしれない
- 訂正MedPACの−3%を「メディケアの支払い制度は相対的に効率的な病院ですらマージンが−3%になるよう設計されている」と読んでいたのを訂正した。2026-09-01 · medpacMedPACの−3%を「メディケアの支払い制度は相対的に効率的な病院ですらマージンが−3%になるよう設計されている」と読んでいたのを訂正した。これは相対的に効率的な病院のFFSメディケア・マージンの中央値(コロナ補助金を除く。含めると約−2%)であって病院全体の財務状態ではなく、同報告書はall-payerの営業利益率を別指標として扱っている。またMedPACはこの数字を、支払いが効率的な医療の費用を賄えているかを検討するために用いている
- 訂正薬価の調整幅2%を「1992年設定」と書いていたのを訂正した。2026-09-01 · rhaba薬価の調整幅2%を「1992年設定」と書いていたのを訂正した。1992年度から加重平均値一定価格幅方式に移り、そのときのR幅は15%。1994年度13%、1996年度11%、1997年度10%、1998年度5%と縮小し、現在の2%の調整幅になったのは2000年である
- 訂正「薬価差益の余地自体がかなり小さい」という断定を弱めた。2026-09-01 · sayaeki「薬価差益の余地自体がかなり小さい」という断定を弱めた。全国平均の乖離率の縮小は確かだが、病院と薬局、大病院と小病院、特許品と後発品で事情が違う
- 訂正2026年度改定の材料価格の見直しを「史上初めての償還価格引き上げ」と書いていたのを削除した。2026-09-01 · shijou-hatsu2026年度改定の材料価格の見直しを「史上初めての償還価格引き上げ」と書いていたのを削除した。不採算品再算定など価格が上方向へ修正される仕組みは過去にもあり、確認できなかった
- 訂正特定保険医療材料の一定幅4%を「薬価の調整幅2%より大きいマージンを制度上組み込んでいる」と書いていたのを訂正した。2026-09-01 · zairyou-4pct特定保険医療材料の一定幅4%を「薬価の調整幅2%より大きいマージンを制度上組み込んでいる」と書いていたのを訂正した。算定式の一定幅であって、個々の病院に4%の利益を保証するものではない
出典 SOURCES
- 1第25回医療経済実態調査の概要(令和7年11月26日版)中央社会保険医療協議会(厚生労働省) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 一般病院全体(n=732)の損益率をコロナ補助金の有無で分けて公表しており、補助金を除いた実質の損益率は令和元(2019)〜6(2024)年度にかけて-3.1%/-6.9%/-5.5%/-6.7%/-7.5%/-7.3%と、コロナ以前を含む全期間でマイナスだった。一方、補助金を含めた総損益率は+0.5%/+4.2%/+7.8%(ピーク)/+5.1%/-2.4%/-3.9%と大きく変動しており、令和3年度の黒字は主に補助金によるものだったことを示している。あわせて収益の内訳(医業・介護収益に占める割合)も公表しており、入院診療収益が66.7〜67.6%、外来診療収益が27.9〜28.5%(令和3〜6年度)と、入院が収益の3分の2を占める構造がこの間ほぼ一定していた
- 2公立病院の現状と課題について総務省自治財政局準公営企業室 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 公立病院の国庫(県)補助金(主にコロナ関連)は令和元年度231億円から令和3年度6,224億円(ピーク)へ急増した後、令和6年度には319億円まで急減(対令和5年度-74.7%)した。これとは別枠の他会計繰入金(一般会計からの継続的な補助)は令和元〜6年度で6,302億円から6,923億円へむしろ増加しており、恒常的な繰入れは縮小していない
- 3新型コロナウイルス感染症患者受入れのための病床確保事業等の実施状況等について(随時報告)会計検査院 · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 病床確保事業を含む包括支援交付金事業により、令和2・3年度合計で3,477施設に3兆1,030億円が交付された。予算執行率は令和2年度62.1%・令和3年度80.2%にとどまり、令和3年度だけで32施設・9都道府県において合計55.09億円の過大交付(一施設で22億円超)も検出されている
- 42023年度 病院の経営状況について独立行政法人福祉医療機構(WAM)経営サポートセンター · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 「2023年度は、コロナ補助金の終了等により非常に厳しい経営状況に陥っている」と明記。同一施設パネル(n=411)の経常利益率は2019年度0.6%→2021年度7.0%(ピーク)→2023年度-0.3%と推移し、赤字病院割合も2019年度42.3%→2021年度21.4%→2023年度46.0%(コロナ前より悪化)と変動した
- 5令和5年病院運営実態分析調査の概要(令和5年6月調査)全国公私病院連盟 · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 会員病院520施設の医業収益を100とした費用構造は、給与費55.3(5割超)、材料費29.7(うち医薬品費17.9)、経費17.0(うち委託費8.6)、減価償却費6.4。材料費率は令和2年度以降28.0→28.7→28.9→29.7と一貫して上昇している。開設者別では自治体病院の総費用比率が令和元年度時点で既に117.1%と、コスト構造の格差はコロナ前から存在していた
- 6医療経済実態調査のデータ分析(参考資料2)中央社会保険医療協議会(公的価格評価検討委員会向け) · 2022 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 「一般病院、一般診療所、歯科診療所においては、人件費が費用の5割以上を占めている」と明記(一般病院の人件費率平均64.3%、中央値62.2%)。あわせて「一般病院・公立における人件費の割合は、他の経営主体と比べて大きくなっている」「公立における医師、看護師の月収については、他の経営主体と比べて多くなっている」とも指摘している
- 7第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告-令和5年実施-中央社会保険医療協議会 · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 一般病院全体の1施設当たり医業収益比で、給与費は令和3→4年度56.9%→56.8%とほぼ横ばいだった一方、水道光熱費のみは1.8%→2.3%(伸び率+32.1%)と急騰しており、電気・ガス代の高騰は令和3→4年度の時点で既に始まっていた
- 82025年度病院経営定期調査-中間報告(集計結果)-日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会(四病院団体協議会構成団体) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 令和6年度の100床あたり医業費用の内訳は給与費49.2%、材料費27.0%、委託費7.0%、設備関係費8.6%、経費5.9%(うち水道光熱費1.9%)で、医業費用の伸び+3.4%のうち給与費の増加分が72.5%を占めた。2018〜2024年度の7年連続追跡では、コロナ特需の3年間を除けば赤字病院割合は構造的に悪化基調(2018年度67.6%→2024年度87.0%)で、最低賃金改定の影響による人件費高騰にも直接言及している。開設主体別では自治体病院の経常利益率が-3.9%→-7.5%へ悪化した一方、医療法人は+1.0%→-0.6%にとどまり、給与費の伸び率も自治体+5.8%対医療法人+2.1%と、自治体病院の人件費膨張速度が私的病院の3倍近かった
- 9医師の働き方改革と地域医療への影響に関する調査結果を公表日本医師会 · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 病院・有床診療所4,082施設からの回答(回答率28.7%)に基づき、医師の働き方改革(時間外労働の上限規制)について「現時点では、全体的に想定したほどの影響は出ていないと言えるのではないか」と総括しており、コスト増の定量試算は示されていない
- 10薬価のしくみ入門 vol.3mMEDICI Library(元厚労省薬系技官による解説) · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 薬価調査の平均乖離率は1990年代前半には10%を超える水準にあり、当時の調整幅(R幅)も10%超だったが、(誤記を訂正)2000年に現行と同水準の2%へ引き下げられたと説明している
- 11令和6年医薬品価格調査(薬価調査)の速報値中央社会保険医療協議会薬価専門部会(厚生労働省) · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 薬価調査の平均乖離率は令和6年度速報値で約5.2%(過去最小)。平成30年度7.2%→令和元年度8.0%→令和2年度8.0%→令和3年度7.6%→令和4年度7.0%→令和5年度6.0%→令和6年度5.2%と単調に縮小しており、後発品シェアは数量85.0%・金額62.1%に達している
- 12薬価調査、特定保険医療材料価格調査の結果速報について(第632回中医協総会)厚生労働省 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 令和7年度薬価調査の速報値で平均乖離率は約4.8%(材料は約1.3%)、後発品シェアは数量88.8%・金額68.7%に達し、前年度の5.2%からさらに縮小した
- 13令和6年社会医療診療行為別統計の概況厚生労働省 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医科入院外における院外処方率は総数81.4%(前年度比+1.2pt)、病院83.6%(+1.0pt)、診療所80.9%(+1.3pt)で、2020年度以降ほぼ一貫して上昇している。使用薬剤の統計は「入院」「院内処方(入院外)」「院外処方(薬局調剤)」を明確に3区分している
- 14薬剤費の推計-2001~2017年度JRIレビュー 2020 Vol.5 No.77(日本総合研究所、西沢和彦) · 2020 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2017年度の出来高払い薬剤費(計9.46兆円)の内訳は、調剤薬局5.82兆円、病院外来1.97兆円、診療所1.16兆円に対し、病院入院(出来高分のみ)はわずか0.5兆円。ただしDPC等の包括払いの拡大により入院薬剤費の相当部分が統計上「見えなく」なっているため、この数字は入院薬剤費の実態を過小評価しているとも注記している(包括払い分の薬剤費は別途約1.2兆円と推計)
- 15持続的な医薬品の流通に係る4つの環境要因(意見陳述資料)日本医薬品卸売業連合会(中医協薬価専門部会提出) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 卸と医療機関・薬局が個別交渉している場合は95%が単品単価交渉だが、法人・グループ本部が一括交渉している場合は34%、価格交渉代行者を介する場合は15%にとどまる(全体平均48%)。2022年度対比で2024年度の特許品の仕入原価対薬価比率は上昇しており、特許品の約25%が納入価格が流通コストを下回る「流通不採算品」になっていると指摘し、毎年の薬価改定の見直しを求めている
- 16「1社流通」への問題指摘相次ぐ(医療用医薬品の流通改善に関する懇談会報道)dgs-on-line · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 全国公私病院連盟・日本私立医科大学協会の委員が、特定の卸1社しか扱っていない医薬品(1社流通品)をめぐり病院側の価格交渉力低下を指摘。ある大学だけで約100品目が1社流通品にあたり、議論が続いても件数は減るどころか増えていると報告された
- 17流通改善ガイドラインの改訂前後の取引情報の把握と過度な薬価差の偏在対応について厚生労働省医政局医薬産業振興・医療情報企画課流通指導室 · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 購入主体別・カテゴリー別に大きく異なる取引価格の実態を問題視し、過度な薬価差の偏在の是正に向けた方策の検討を明記。医療機関を病床規模・開設者別に、薬局を店舗数規模別に区分し、全国展開の卸4社と地方展開の卸4社から取引データの提供を受ける調査枠組みを設計している
- 18特定保険医療材料制度 概要厚生労働省(中医協総会参考資料) · 2012 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 特定保険医療材料の価格は「市場実勢価格加重平均値に一定幅(4%)を上乗せする」方式で改定される(薬価の調整幅2%より大きい)。材料はA1(包括)・A2(特定包括)・B(個別評価)等に分類され、縫合糸や静脈採血用注射針、眼内レンズなど技術料に包括される材料は別途請求できない。外国価格調整の基準は、その後の改定でも繰り返し厳格化されている
- 19新時代の医療機器償還制度のあり方に関する検討会 報告書公益財団法人医療機器センター附属医療機器産業研究所 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 特定保険医療材料の平均乖離率は平成23年度8.9%→平成25年度7.9%→平成27年度7.9%→平成29年度7.0%→令和元年度5.8%→令和3年度3.8%→令和5年度2.5%と一貫して縮小し、公式に確立した「材料価格差益」という用語は存在しないと指摘。購入価格が償還価格を上回る「逆ザヤ」の機能区分は2025年時点で1,314区分中460区分(35%)にのぼり、2018年の22%から年々拡大している。外保連加盟学会調査では逆ザヤ品目が7,689品目に上ると報告されている
- 20診療報酬改定について(令和5年度予算大臣折衝を踏まえた決定)厚生労働省保険局医療課(中医協総-7) · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 令和6年度診療報酬改定で薬価は-0.97%(国費ベース約1,200億円)引き下げられたのに対し、材料価格の引き下げはわずか-0.02%(約20億円)にとどまり、薬価の引き下げ幅は材料価格の約48倍だった。施行時期も薬価が令和6年4月、材料価格は令和6年6月と分離されている
- 21ラチェット効果の定量分析:特定医療機器に関連してRIETI Discussion Paper 25-E-118(磯川大也・大橋弘) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 材料価格調査の対象期間や2年に1度の改定サイクルが、企業側に価格を戦略的に調整する「ラチェット効果」のインセンティブを与えていると分析し、薬価のように毎年改定に移行すればこの操作インセンティブが縮小すると指摘している
- 22特定保険医療材料費と特定保険医療材料以外の材料費について(診調組 税-1)厚生労働省保険局医療課診療報酬調査専門組織 · 2015 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 平成27年当時、病院1施設当たり材料費(401,367千円)のうち、個別に請求できる特定保険医療材料費は168,195千円(41.9%)にとどまり、技術料に包括され別建て請求できない材料費の方が233,173千円(58.1%)とむしろ多かった
- 23医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について厚生労働省(旧厚生省健康政策局長通知、平成5年2月3日) · 1993 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医療機関の非営利性確認基準として「運営上生じる剰余金を役職員や第三者に配分しないこと」を明記し、医療機関が土地・建物を第三者から借りる場合は「借料が医療機関の収入の一定割合とするものでないこと」と定めている。関連法人を介した利益移転を明示的に想定した規定である
- 24医療法人における透明性の確保等について厚生労働省医政局(医療法人の事業展開等に関する検討会 資料2) · 2014 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 「MS法人は…医療法人と密接な関係をもって、医薬品や医療機器など医療機関で使用される物品の共同購入や、不動産の管理、シーツ等のクリーニング、病院内の売店の管理など様々な業務」を担うと明記し、市場価格を超える取引は医療法54条(剰余金配当禁止)違反として指導監督の対象になるとした。2013年の衆議院厚生労働委員会では厚労省医政局長(当時)が「そういう仕組みがあることは十分理解しております」と答弁し、厚労大臣(当時)も不当な価格設定による利益蓄積の防止を課題として認めている
- 25医療法人会計基準に関する検討報告書四病院団体協議会 会計基準策定小委員会 · 2014 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 一定規模以上の医療法人(社会医療法人はより低い基準額で対象)に対し、役員が支配する関連法人との取引を財務諸表の注記表に記載することを義務化(収益・費用それぞれの合計額の10%超が対象)。計算書類のモデル例では「役員が支配している法人」からの医薬品卸取引(15億1,884万円)を関連当事者取引の記載例として明示しており、MS法人型の医薬品供給が会計基準上も想定された取引類型であることを示している
- 26医療法人会計基準の適用等について(医政発0420第5号)厚生労働省医政局長通知 · 2016 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医療法51条・52条に基づき、配偶者や二親等以内の親族が代表を務める会社、あるいは役員が議決権の過半数を実質的に支配する会社(MS法人型の構造を含む)との取引について「関係事業者との取引の状況に関する報告書」の作成を、社会医療法人に限らずほぼすべての医療法人に義務づけ、2017年4月2日以降に開始する会計年度から適用するとした
- 27関係事業者について石川県(医療法51条・52条の実施基準) · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 「関係事業者」を役員・その配偶者や二親等以内の親族が代表を務める会社、または役員らが議決権の過半数を実質的に支配する会社と定義し、取引額が1,000万円以上かつ収益・費用総額の10%以上の場合に開示対象となるとする基準を示している。報告書は都道府県知事に提出されるが、公表は「請求があった場合の閲覧」にとどまり、国による全国集計は行われていない
- 28医療法人に関する情報の調査及び分析等の取扱い(第3版)/経営情報データベース報告様式厚生労働省 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: MCDB(経営情報データベース)の報告様式(様式1・様式2)を確認すると、委託費・器機賃借料・材料費・給与費など費目別の合計金額を報告する項目はあるが、取引相手が関連会社(MS法人等)かどうかを区別する項目は一切含まれていない
- 292023年度決算(法人)医療法人経営情報データベースシステム(MCDB)を活用した分析結果独立行政法人福祉医療機構(WAM) · 2026 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2023年度決算について45,285法人分のデータをもとにした分析結果を公表しているが、費目別の損益状況の集計にとどまり、関連当事者・関係事業者との取引に関する内訳は含まれていない
- 30令和6(2024)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況厚生労働省 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 病院の病床利用率は2019年度80.5%→2020年度77.0%(コロナ)→2023年度75.6%→2024年度77.0%(前年比+1.4pt)と推移し、直近で改善したとはいえ2019年度水準を3.5ポイント下回ったまま。平均在院日数も2015年29.1日→2019年27.3日→2024年25.6日と長期的に短縮を続けている(2020年度のみコロナで28.3日へ一時的に上昇)
- 312025年6月の病院患者数はコロナ禍前(2019年6月末)と比べて入院12.2%減・外来14.7%減、患者は病院に戻らずGemMed(厚生労働省「病院報告」に基づく報道) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2025年6月時点の病院患者数はコロナ禍前(2019年6月)と比べて入院患者数が12.2%減、外来患者数が14.7%減で、5年以上経過してもコロナ前水準に回復していない
- 32令和5(2023)年患者調査の概況厚生労働省 · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 在宅患者数は2020年の約17万3,600人から2023年に約23万9,000人へ37.7%増加しており、慢性期・高齢者ケアの一部が病院から在宅へ構造的にシフトしていることを示している。全国の入院患者数(1日あたり)は2020年比でも3.0%減少し、2008年から続く減少傾向の「過去最低」を更新した
- 33新たな地域医療構想における病床数の必要量(推計)の考え方GemMed(厚生労働省「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」資料に基づく報道) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 人口10万人未満の2次医療圏では、受療行動が変化しなくても2040年までに入院患者数が減少すると見込まれる圏域が半数を超えると推計しており、価格政策とは無関係に人口減少そのものが患者数を構造的に押し下げる地域が既に相当数存在することを示している
- 34医療機関等を取り巻く状況について厚生労働省保険局医療課(中央社会保険医療協議会総会資料) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 自治体病院(総務省地方財政状況調査)を対象に、病院類型を問わず診療単価は上昇する一方で患者数は減少していると分析。令和元〜5年度の平均で、一般病院は入院単価+19.5%・外来単価+24.8%に対し患者数は入院-9.4%・外来-6.9%で価格効果が数量減を上回り医業収益は+12.2%増えたが、療養型病院・精神科病院では患者数の減少率が単価の増加率を上回り収益がむしろ減少した。厚労省自身はこの資料で「近年の医療機関の経営状況の実態やその要因について、どのように考えるか」と中医協委員に論点提示するにとどめ、コスト増・患者減・補助金終了それぞれの寄与度を定量的に按分する分析は行っていない
- 35Profit Margins — Key Facts About HospitalsKFF(RANDの病院データに基づく) · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2023年、米国病院の営業利益率(中央値)は5.2%まで回復したが、それでも病院の39%が営業赤字であり、22%は-5%を下回る赤字だった。非営利病院4.4%・公立病院3.4%と、非営利・公立病院はもともと低マージンで運営されている
- 36March 2024 Report to the Congress: Medicare Payment PolicyMedicare Payment Advisory Commission(MedPAC) · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 「相対的に効率的」と分類された病院ですら、メディケアからの支払いに基づくマージンは-3%であり、公的医療保険の支払設計自体が医療提供者に利益を生ませることを目的としていないことを示している
- 37National Hospital Flash Report (December 2025 Metrics)Kaufman Hall · 2026 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2025年通年の米国病院の営業利益率(中央値)は1.3%にとどまり、Kaufman Hall自身がこの低水準を「新常態(new normal)」と位置づけている
- 38NHS provider deficits are back: how bad is the situation?Nuffield Trust · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2023/24年度、イングランドのNHSトラスト205法人のうち112法人(約55%)が赤字で、セクター全体では収入比0.9%の超過支出。コロナ禍の2020/21・2021/22年度は特例的に小幅黒字だったが、それ以前・以後とも赤字が「通常」の姿である
- 39Krankenhaus Rating Report 2024RWI - Leibniz Institute for Economic Research · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2024年にはドイツの病院の70%、2025年には80%が赤字決算を見込むと報告している
- 40La dégradation des comptes financiers des hôpitaux publics se poursuit en 2024DREES(フランス保健省) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2024年、フランス公立病院の純損益は-27〜29億ユーロと2005年以来最悪を更新し、公立病院10施設中約7施設が赤字と報じられている
- 41Not-for-profit ownership and hospital behaviorHandbook of Health Economics, Vol.1 · 2000 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 非営利病院の行動理論の多くは、病院が「利潤ゼロ制約」の下で効用を最大化すると定式化しており、非営利病院の利益率が営利企業よりも構造的に低くなるべきだという理論的根拠を提供している
- 42How do nonprofit hospitals manage earnings?Journal of Health Economics, 24(4), 815-837 · 2005 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 米国の非営利病院の決算データを分析し、利益率をゼロよりわずかに上という狭いレンジに意図的に着地させるインセンティブがあることを実証し、損益分岐点近辺での運営が非営利病院にとってむしろ「正常」な経営行動であることを示した
- 43医療機関等をとりまく状況(経営状況・人材確保等)厚生労働省(第118回社会保障審議会医療部会資料1) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医療経済実態調査によれば、コロナ補助金を除いた一般病院全体(国公立含む)の損益率は2017〜2019年度で-3.0%〜-3.1%とコロナ前から既にマイナスだったが、医療法人立の一般病院に限ると同時期+1.8%〜+2.8%と黒字であり、コロナ前の「赤字」は主に公立病院が押し下げていたことを示している
- 442023→24年度にかけて病院経営はさらに悪化、医業「赤字」病院割合は74.6%、経常「赤字」病院割合は65.6%——四病協(最終報告)四病院団体協議会(GemMedによる報道) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医業赤字病院割合が2023年度70.8%から2024年度74.6%へ、経常赤字割合が52.1%から65.6%へ悪化したと報告している。同じ資料内の別表では2018年度の経常赤字割合を47.7%とする一方、四病協が2019年に公表した別の報告書は同じ2018年度の医業赤字割合を57.9%としており、同一調査主体でも公表資料ごとにコロナ前の基準値が食い違っている
- 45第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告(令和7年11月26日公表)の概要中央社会保険医療協議会(厚生労働省) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 令和6年度の一般病院の総損益率(施設数ベース平均)は開設者別で、医療法人-1.0%、国立-5.4%、公的-4.1%、その他-4.7%に対し公立が-18.5%と突出して悪く、公立を含む「国公立」全体は-16.3%、公立を除いた「国公立を除く全体」はわずか-2.9%にとどまった
- 46第25回中医協医療経済実態調査(医療機関等調査)結果報告に対する見解中央社会保険医療協議会 二号委員 江澤和彦(日本医師会常任理事) · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 一般病院の病床規模別総損益率(令和6年度)は20〜49床-0.7%、50〜99床-1.3%、100〜199床-4.4%、200〜299床-4.5%(最悪)、300〜499床-3.8%、500床以上-4.4%と、規模による単調な傾向は見られず、すべての病床規模で前年度から悪化した。**これは統計の食い違いではない**[!fix:keijou-igyou]。医業損益は本業の医療活動、経常損益はそこに医業外の収益・費用を加えたものであり、割合が違って当然である。**むしろこれは「赤字」という言葉だけでは、医業赤字なのか経常赤字なのか分からない、ということの実例である。**地域別(1〜7級地・その他)でもほぼ全区分で悪化し、3級地のみ黒字を維持した
- 47第25回医療経済実態調査の結果に対する見解健康保険組合連合会 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 一般病院の総損益差額率(全体加重平均)は令和元年度-2.0%→令和2年度-5.6%(コロナで段差)→令和3年度-4.7%→令和4年度-5.8%→令和5年度-6.2%→令和6年度-6.1%と推移しており、令和6年度はむしろ令和5年度から0.1ポイント改善している。病床利用率別分析では、稼働率80%以上の医療法人立病院は+1.0%の黒字を確保する一方、同じ稼働率でも公立は-13.4%の赤字であり、病床利用率の違いは公立の医業収支比率のばらつきの4割弱しか説明できないとした
- 48病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る東京商工リサーチ · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 病院を経営する6,266法人の決算を独自集計したところ赤字法人は3,021法人(48.2%)で、3期前23.8%から急上昇したが、病院団体の会員調査(65〜75%台)よりは10〜25ポイント低い
- 49全国「病院」経営動向調査(2024年度)株式会社帝国データバンク · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 民間病院約900法人のうち営業赤字は61.0%で過去20年で最悪、前年から6.2ポイント悪化したが、東京商工リサーチの48.2%とは調査対象・定義の違いにより13ポイントの開きがある
- 50社会保障①財務省財政制度等審議会財政制度分科会 · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医療経済実態調査について「サンプル数が限られていることや、調査対象が毎回異なることなど、統計的な課題が指摘されてきた」と明記し、これを受けて2023年の医療法改正により医療法人の悉皆報告を義務づける経営情報データベース(MCDB)が整備されたと説明している
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