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医療×社会学

受診する・しない、孤立する、通い続けるを、個人ではなく関係と構造から見る。

04本の記事

この分野の基礎から学ぶ

FIELD & MEDICINE

この分野と医療

受診しない、通院が途切れる、孤立する。これらを個人の意志や性格の問題として扱う説明に対して、社会学は関係・地域・制度の側から見直してきた。ここでは、病人役割や疾病行動といった社会学の概念を医療の現場の数字に当て、問題がどこに置かれているかを確かめる。

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社会学
測る道具の点検

その地区が消えたのは、医者が来たからか、人がいなくなったからか

無医地区の数は昭和59年から一度も増えず、令和7年に初めて増えた。だが数の増減より、増減の理由のほうが重要だった。厚労省が令和元年度から公表している内訳表を開くと、無医地区と準無医地区を合わせて減った109地区のうち「医療機関ができた」は2地区、「人口が50人未満になった」は35地区、そして理由の書かれていない「その他」が36地区である。医療が届いたことと、住民が50人を割ったことが、同じ「地区数の減少」として集計されている。しかもこの内訳は合算でしか公表されておらず、無医地区単独の増減理由は、国が地区名つきで持っているのに公表されていない。4kmと50人という線の来歴は、国の研究班自身が「未見である」と書いている。

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社会学
構造から診る

孤立への処方箋は、なぜ何度も書き直されるのか

診る側の苦痛に、70年間ずっと処方が出され続けてきた。1957年のバリント群、1981年の測定尺度、2016年の「組織の問題である」という所見、2024年の労働時間の上限。だが同じ病気に処方が変わったのではない。医師患者関係、燃え尽き、組織環境、労働時間と、切り出すレンズが組み替えられてきた。MBIには妥当性検証済みの閾値が無く、日本の一標本でも定義次第で17.1%と64.6%に分かれる。ただし測れないのではない。得点は測れる。境界が定まっていないだけである。問題は測定器の不在ではなく、医師のwell-beingを一つの指標に畳み込めないことだった。

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社会学
構造から診る

かかりつけは、なぜ失われるのか

かかりつけが無ければ継続性は始まりにくい。ただし、かかりつけを持つことと第一接触は同じではない。2021年の全国調査では20〜75歳の57.5%が普段頼る医師を持ち、慢性疾患のある人ほど保有率が高かった。さらに、かかりつけを持つ40〜75歳を12か月追うと12.8%が失っていた。高い縦断性・包括性・地域志向性を経験していた人ほど、その後の喪失が少ない。問うべきは一時点の保有率だけでなく、誰が医療との接続を得て、誰が失うのかである。

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社会学
構造から診る

受診しない人は、どれだけいるのか

日本では通院者率409.2が有訴者率255.7を上回る。しかしこれは「症状の大半は医療に持ち込まれない」という症状の氷山と矛盾しない。無症候性の慢性疾患管理が通院者を積み上げるからである。では病気やケガがあっても受診しない人は何%か。全国標本調査でも、広く尋ねれば2022年JGSSで24.2%、費用に限定すれば2023年調査で3.6%。未受診者が数えられていないのではない。何を「未受診」と数えるかが、まだ一つではない。

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