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かかりつけは、なぜ失われるのか

かかりつけが無ければ継続性は始まりにくい。ただし、かかりつけを持つことと第一接触は同じではない。2021年の全国調査では20〜75歳の57.5%が普段頼る医師を持ち、慢性疾患のある人ほど保有率が高かった。さらに、かかりつけを持つ40〜75歳を12か月追うと12.8%が失っていた。高い縦断性・包括性・地域志向性を経験していた人ほど、その後の喪失が少ない。問うべきは一時点の保有率だけでなく、誰が医療との接続を得て、誰が失うのかである。

公開2026-08-19
更新2026-09-01
出典8 SOURCES

ダイジェスト解説 VIDEO

前回の記事に、こういう指摘をもらった。

第一接触がなければ継続性も生まれない。その意味で、非常に大切な指標ではないか——と。

その通りだと思う。Saultz の階層も同じ形をしている。情報の継続性がなければ縦断的継続性は成り立たず、縦断的継続性がなければ対人的継続性は存在しない。順番がある。

だから今回は、一段手前を見にいった。

ただし公開時の本文は、その「一段手前」を「第一接触——かかりつけを持っているかどうか」と書いた。この等号が誤りである※訂正。

かかりつけを持っているか(usual source of care、以下USC)は、健康問題があるときに普段頼る医師や場所が存在するかという、医療システムへの接続の有無である。一方 Starfield の first contact は、新しい健康上のニーズが生じたときに、その一次医療が最初に使われるかという機能である。普段の医師を持っていても、新しい症状で最初にそこへ行くとは限らない。別の変数だ。

層を引き直す。

0. USC(接続)——普段頼る医師・医療機関があるか 1. 第一接触——新しい問題が起きたとき、そこを最初に使えるか、実際に使うか 2. 縦断性・継続性——時間を通じて関係が続くか

この記事が扱うのは、第一接触ではなくその手前の第0層である。

予想していたのは「ほとんど何も測られていない」だった。外れた。測られていて、しかも矢印が私の思っていた向きだけではなかった。

成人の57.5%が、普段頼る医師を持っている

青木・松島が、National Usual source of Care Survey(NUCS)という全国調査をやっている1。

回答率87.9%は、日本の社会調査としてかなり高い部類に入る。そして重要なのは、この調査が分岐していないことだ。前回の記事で見た調査は「かかりつけがある」と答えた人だけが先の設問に進んだが、こちらは持っている人も持っていない人も両方数えている。

設問はこうである。

Is there a doctor that you usually go to if you are sick or need advice about your health?

1,757人中1,011人(57.5%)がかかりつけを持っていた。診療所が769人(76.1%)、病院が227人(22.5%)。

論文は先行データも並べている。日本のかかりつけ保有率は2017年と2020年に約55%。米国は2000年に84%だったものが2019年に74%まで下がり、2020年に75%へ戻した。

前回の記事で扱ったweb調査の52.9%とも、大きくは外れていない2。この調査では、4割強が持っていなかった。

「日本人の57.5%」と書くのは正確でない※訂正。対象は20〜75歳であって全人口ではない。全国代表性を意図したパネルからの抽出であり、著者ら自身がパネル調査の性質上一般化には注意が要ると述べている。そして大学病院に勤務する医師を挙げた者は、かかりつけ保有に含めていない。

(なお二つの調査は同じものを聞いていない。NUCSは「医師」を尋ね、web調査は「医療機関」を尋ねている。数字が近いことに意味を読み込みすぎないほうがいい。)

持っていないのは、誰か

ここからが本題である。多変量解析で、かかりつけを持つことの調整有病率比が出ている。

因子調整有病率比(95%CI)
慢性疾患あり(対 なし)1.51(1.35–1.69)
社会的孤立あり(対 なし)0.84(0.77–0.93)
女性(対 男性)1.12(1.02–1.23)
ヘルスリテラシー 1SD上昇1.05(1.01–1.10)

慢性疾患の有無が、特に大きな関連を示している。

ただし「最大の因子」と順位づけするのは適切でない※訂正。慢性疾患・性別・社会的孤立は二値だが、ヘルスリテラシーは「1SD上昇あたり」という別のスケールである。尺度の違う回帰係数を並べて大小を言うことはできない。また、このモデルが推定しているのは「USCを持つこと」の有病率比であって、「持っていないこと」の予測因子を直接推定したものではない。

記述統計でも同じ差が出る。慢性疾患を2つ以上持つ人の割合は、かかりつけあり群で34.5%、なし群で11.9%。

前回の記事で、日本の継続性は疾患の上に乗っているのではないかと書いた。安藤らの469万人のデータで、通院上位の高血圧・糖尿病・脂質異常症は受診先の数をほとんど増やさない下位群だった。

その一段手前でも、疾患が関連していた。

ただし公開時の本文は、ここを「疾患が入口を作っていた」「病気になって初めて、人は入口に立つ」と因果で書いた。撤回する※訂正。この調査は横断研究である。著者ら自身も「causal relationships … cannot be definitively established」と明記している。少なくとも三通りの説明がある——慢性疾患があるから定期受診先ができる、USCがあるから慢性疾患が診断・認識されやすい、年齢や受診頻度などの残余交絡。言えるのは「慢性疾患のある人ほどUSCを持っていた」までである。

Starfield の定義は person- (not disease) focused だった3。そこから引き出せる問いはこうである。日本ではUSCとの接続が、健康な時点よりも慢性疾患を持った後に形成されやすい可能性がある。ただしその順序自体は、この研究では証明されていない。person-focused な一次医療を目指すなら、疾患のない段階でどう接続を作るかという問いが残る。

そして社会的孤立とヘルスリテラシーが、他の共変量を調整した後もUSC保有と関連している。この二つは、このシリーズがこの先に予定している主題そのものだ。

なお公開時の本文はこれを「読み書きの能力」と書いたが、誤りである※訂正。この調査が測っているのは CCHL——伝達的・批判的ヘルスリテラシーで、基礎的な識字能力ではなく、健康情報を入手し、理解し、評価し、活用する力である。接続の手前で関連している変数が、社会関係と、健康情報を扱う力である——という形は、記憶しておきたい。

かかりつけは、失われる

同じコホートを12か月追跡した論文がある4。ベースラインでかかりつけを持っていた725人を、2021年5月から2022年4月まで追った。

喪失の定義は「ベースラインで持っていると答え、追跡時に持っていないと答えた移行」である。

このコホートでは、1年で8人に1人が失っている。

これは、私が持っていた像を壊した。私はUSCを、あるかないかの状態として書いてきた。三層の表を作り、その一番上に置いた。だが実際には動く。

ただし公開時の本文は、ここを「毎年一定割合が入り、一定割合が抜けていく」と書いた。流入の側は、この研究では測っていない※訂正。対象はベースラインでUSCを持っていた725人であって、持っていなかった人が新たに獲得した数は分からない。そして観察されたのは40〜75歳の、COVID-19流行下の12か月である。12.8%が平時にも毎年繰り返されるとは限らない。

言えるのはこうである。USCは固定的な属性ではなく、12か月という短期間でも失われたり変更されたりする、動的な状態だった。57.5%という数字は、ある時点のスナップショットでしかない。

入口を守っているのは、入口ではなかった

この論文の本題は、そこではない。何がその喪失を防いだかである。

曝露は JPCAT——Starfield の枠組みを日本語で測る道具で、第一接触・縦断性・連携・包括性・地域志向性の五つのドメインを持つ。

抄録の結論はこうである。

the JPCAT total score was associated with decreased loss of USC and change in USC. Among the JPCAT domains, longitudinality, comprehensiveness (services available), and community orientation were associated with reductions in both USC loss and change.

喪失に対する調整相対リスク比(10点上昇あたり)——

ドメイン喪失に対する aRRR(95%CI)
縦断性0.80(0.73–0.88)
地域志向性0.78(0.69–0.88)
包括性(提供可能)0.85(0.77–0.93)
包括性(提供された)0.85(0.78–0.92)

そしてJPCATの第一接触ドメインと連携ドメインの二つは、喪失と変更の両方に共通して効いたドメインには挙がっていない。

ここで公開時の本文は「縦断性——つまり継続性——が、かかりつけの喪失を防いでいる」と書き、②→①という矢印を「実証されている」とした。撤回する※訂正。

これは観察コホートである。論文の表現も一貫して “associated with” である。ベースライン時点で「この医師は自分を長くよく知っている」と感じていた人が、その後USCを失いにくかった、という予測的な関連にすぎない。もともと関係の強い患者ほど縦断性の点数が高い、満足度、通院頻度、医師の退職や転勤、患者の転居、疾患の重症度、診療所の安定性——これらが双方に影響しうる。「縦断性の点数を10点上げれば喪失を20%防げる」とは言えない。

矢印はこう書き直す。

① USC(接続) ──→ ② 縦断性・継続性     (これは書いた)
① USC(接続) ←?── ② 縦断性・継続性     (関連は観察されている。因果は不明)

用語の混線も直しておきたい※訂正。ここで「効かなかった」JPCATの第一接触ドメインは、すでにUSCを持っている人が、新しい問題の最初の相談先としてそこをどれだけ使えるかを測るものである。私が①として書いていた「USCを持っているかどうか」とは別の変数だ。だから「入口の維持に効いていたのは入口の性質ではなかった」という一文は、そのままでは意味をなさない。

正確にはこうである。USCを既に持つ人のなかでは、JPCATの第一接触スコアはその後のUSC喪失と有意に関連しなかった。一方、縦断性・包括性・地域志向性は喪失の少なさと関連した。

含意は小さくない。USCという接続を持たせる政策と、その接続を良質な継続関係として維持する政策は、別に考える必要がある。

国が長期に測ってきたアクセス指標の一つは、地理だった

ここまでは研究の話だった。国が定期的に測っているものは何か。

公開時の本文は、ここで無医地区等調査を「人口の側から第一接触を測っている唯一の公式統計」と書いた。二重に誤りである※訂正。

第一に、無医地区は地理的な利用可能性・到達可能性の指標であって、first-contact primary care を測るものではない。地域に医療機関があっても、新患を受けていない、夜間対応がない、専門外来しかない、という場合には第一接触の機能は弱い。逆に無医地区でも巡回診療やオンライン診療で一定の第一接触が成立しうる。

第二に、「唯一」ではない※訂正。内閣府は2019年7月に「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査」を実施しており、「かかりつけ医(例えば、健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれるような身近にいて頼りになる医師)」がいるかを尋ねて、「いる」52.7%、「いない」40.7%という結果を公表している5。「いない」と答えた1,141人への理由の設問まである(最多は「かかりつけ医の必要性について考えたことがないから」27.6%)。国の公式調査にも、人口側からかかりつけ医の有無を尋ねた調査は存在する。

正確に言い直すとこうなる。国の公式調査にも、かかりつけ医の有無を尋ねた単発の調査はある。一方、USCの獲得と喪失を同じ個人で継続的に追う全国的な定期統計は、今回確認した範囲では見つからなかった。

その上で、国が長期の時系列で測ってきたアクセス指標の一つが、無医地区等調査である。3週間前に、最新の結果が出ていた6。

無医地区数は、前回調査(令和4年10月末日:557地区)に比べて18地区増加の575地区となっている。また、無医地区人口は、前回調査(122,206人)に比べて12,547人増加の134,753人となっている。

時系列を並べる7。

調査年無医地区数無医地区人口
昭和59年1,276319,796
平成11年914203,522
平成26年637124,122
令和元年590126,851
令和4年557122,206
令和7年575134,753

昭和59年から令和4年まで、地区数は一度も増えていない。令和7年は、少なくとも厚生労働省が公表している昭和59年以降の調査系列では、初めて前回を上回った※訂正。前回調査の報告書は「減少傾向が続いている」と書いていた。

だが、この指標が測っているものを確かめておきたい。定義はこうである。

医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、おおむね半径4kmの区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区

単位は地区であって、人ではない。そして基準は距離と人口密度である。

第1回の記事で読んだJGSSの図を思い出したい8。受診を控えた理由の中で、「病院に行くほどの病気・ケガではないと判断した」が最多で、「病院が近くにない」「交通手段がない」は下位だった。

公開時の本文は、ここに「約5%」「約1%」「約57%」という具体的な数値を書いた。撤回する※訂正。論文本文に個別の百分率は記載されておらず、これは私が図から目視で読み取った概算である。論文が書いているのは「最多」と「下位」までである。しかもこれは2008年の調査である。

そしてこの二つを同じ尺度で比べることはできない。JGSSの図の分母は「過去1年間に受診を控えた人」で、その人たちが挙げた自覚的な理由の複数回答である。無医地区調査の分母は「そこに住んでいる人口・地区」であり、受診しない理由を測ってはいない。したがって公開時の「唯一の公式統計は、受診しない理由のうち下位のものを測っている」という一文は成立しない。

書ける範囲はこうである。無医地区調査が継続的に捉えているのは地理的アクセスである。一方、2008年のJGSSでは、受診を控えた人が自覚的な理由として挙げた地理的要因は下位だった。この二つは分母も概念も異なるので直接比較はできないが、アクセスの障壁を地理だけで代表させることの限界は示唆する。

これは無医地区の問題が小さいという意味ではない。134,753人という数は全国人口に占める割合としては小さいが、該当地域に住む人にとって障壁が軽いことを意味しない。そして昭和59年以降の系列で初めての増加は重い。ただそれはアクセスの一面でしかなく、残りの部分を継続的に追う公式統計を、私は見つけられなかった。青木らの NUCS は研究者の調査であって、国の定期統計ではない。

総合診療にとって、これが何を意味するか

三つ書いておきたい。

第一に、接続と疾患は強く結びついている。USCを持つことと最も強い関連を示した変数の一つが、慢性疾患の有無だった(有病率比1.51)。前回、日本の継続性は疾患の上に乗っている可能性があると書いた。その手前でも同じ形が見えた。

ただし公開時の本文は、ここを「入口は疾患が開けている」「健康な人は入口に立たない」と断定した。撤回する※訂正。横断研究から言えるのは関連までで、順序は分からない。残る問いはこうである——person-focused な一次医療を目指すなら、疾患のない段階でどう接続を作るのか。予防も、まだ病名のついていない不調も、この問いの中にある。

第二に、接続は維持する仕事である。このコホートでは12か月で12.8%が失った。かかりつけ医機能報告制度は2025年4月に施行され、初回の医療機関からの報告は2026年1〜2月に行われた。特定機能病院等を除く病院・診療所が、日常的な診療の総合的・継続的な実施、時間外対応、入退院支援、在宅医療、介護連携などを報告する仕組みである※訂正。

つまりこれは医療機関側の提供能力と実績を定期報告させる制度であって、同じ住民が今年USCを持ち、翌年失ったかという個人レベルの移行を追跡する制度ではない。(公開時は「施設が機能を持っているかを年に一度報告させる仕組み」と単純化していた。)人の側の移行は、この制度の設計上、見えない。

第三に、接続と継続性は別の層だが、独立ではない。私は前回、層をまたいでエビデンスを流用するなと書いた。それは今も正しいと思う。だが層が独立だとは書いていない——というより、そこまで考えていなかった。接続と縦断性は別のものを指しており、少なくとも関連はしている。指摘をもらって、初めてそこを見にいった。

そして今回、その層の切り方自体が粗かったことも分かった。「かかりつけを持っているか」と「新しい問題で最初にそこへ行けるか」を、私は同じ①として扱っていた。別の層である。

前回はこう閉じた。継続性が測れるようになったのは、来た人の受診の分布である、と。今回はもう一段前に戻る。

来た人が、来続けるとは限らない。そして来続けている人ほど、関係の質を高く報告していた。測るべきなのは一時点の保有率だけではない。誰が医療との接続を得て、誰がそこから離れ、その関係の質がどう変わるかである。

訂正 CORRECTIONS

公開後に直したこと。本文は直したうえで、何をどう変えたかをここに残している。本文中の※ が、直した箇所を指す。

  1. 訂正「かかりつけを持っていること」と「第一接触」を同一視していた2026-09-01 · usc-fcかかりつけを持っているか(usual source of care)は、健康問題があるときに普段頼る医師や場所が存在するかという医療システムへの接続の有無である。一方Starfieldのfirst contactは、新しい健康上のニーズが生じたときにその一次医療が最初に使われるかという機能であり、別の変数である。層を「0. USC(接続)/1. 第一接触/2. 縦断性・継続性」に引き直し、この記事が扱うのは第一接触ではなくその手前の第0層であることを明示した。またJPCATの第一接触ドメインは「すでにUSCを持つ人が新しい問題の最初の相談先としてそこをどれだけ使えるか」を測るもので、私が①として書いていた「USCを持っているかどうか」とは別の変数であるため、「入口の維持に効いていたのは入口の性質ではなかった」という一文も書き直した。
  2. 訂正「縦断性がかかりつけの喪失を防いでいる」「②→①が実証されている」を撤回した2026-09-01 · keizoku-mamoruこれは観察コホートであり、論文の表現も一貫して "associated with" である。ベースライン時点で高い縦断性を報告していた人がその後USCを失いにくかったという予測的な関連にすぎない。もともと関係の強い患者ほど点数が高い、満足度、通院頻度、医師の退職や転勤、患者の転居、疾患の重症度、診療所の安定性などが双方に影響しうる。「縦断性の点数を上げれば喪失を防げる」とは言えない。矢印を「関連は観察されている。因果は不明」に書き直し、含意も「USCという接続を持たせる政策と、その接続を良質な継続関係として維持する政策は別に考える必要がある」に改めた。
  3. 訂正「疾患が入口を作っていた」「健康な人は入口に立たない」を撤回した2026-09-01 · inga-shikkanこの調査は横断研究であり、著者ら自身も因果関係は確定できないと明記している。慢性疾患があるから定期受診先ができる、USCがあるから慢性疾患が診断・認識されやすい、年齢や受診頻度などの残余交絡——少なくとも三通りの説明がある。言えるのは「慢性疾患のある人ほどUSCを持っていた」までである。残る問いを「person-focusedな一次医療を目指すなら、疾患のない段階でどう接続を作るのか」という形に置き直した。
  4. 訂正「毎年一定割合が入り、一定割合が抜けていく」を撤回した2026-09-01 · nagare流入の側はこの研究では測っていない。対象はベースラインでUSCを持っていた725人であり、持っていなかった人が新たに獲得した数は分からない。また観察されたのは40〜75歳の、COVID-19流行下の12か月である。「USCは固定的な属性ではなく、12か月という短期間でも失われたり変更されたりする動的な状態だった」に改めた。
  5. 訂正「人口の側から測っている唯一の公式統計は無医地区」は誤りだった2026-09-01 · yuiitsu内閣府は2019年7月に「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査」を実施し、かかりつけ医がいるかを尋ねて「いる」52.7%、「いない」40.7%という結果を公表している。「いない」と答えた1,141人への理由の設問まである。国の公式調査にも人口側からかかりつけ医の有無を尋ねたものは存在する。正確には「国の公式調査にも単発の調査はあるが、USCの獲得と喪失を同じ個人で継続的に追う全国的な定期統計は、今回確認した範囲では見つからなかった」である。
  6. 訂正無医地区等調査を「第一接触を測る統計」と呼んだのを訂正した2026-09-01 · muishi無医地区は地理的な利用可能性・到達可能性の指標であって、first-contact primary careを測るものではない。地域に医療機関があっても新患を受けていない・夜間対応がない・専門外来しかない場合には第一接触の機能は弱く、逆に無医地区でも巡回診療やオンライン診療で一定の第一接触が成立しうる。節見出しを「公式統計が測っている入口は、地理だけである」から「国が長期に測ってきたアクセス指標の一つは、地理だった」に改めた。
  7. 訂正JGSSの「約5%」「約1%」「約57%」を撤回し、無医地区との比較の仕方も改めた2026-09-01 · jgss論文本文に個別の百分率は記載されておらず、これらは筆者が図から目視で読み取った概算だった。論文が書いているのは「最多」と「下位」までである。またJGSSの図の分母は「過去1年間に受診を控えた人」がその人たちの自覚的な理由を複数回答したものであり、無医地区調査の分母は「そこに住んでいる人口・地区」で、受診しない理由を測ってはいない。したがって「唯一の公式統計は、受診しない理由のうち下位のものを測っている」という一文は成立しない。分母も概念も異なるので直接比較はできないが、アクセスの障壁を地理だけで代表させることの限界は示唆する、という形に改めた。なおこのJGSSは2008年の調査である。
  8. 訂正「最大の因子は慢性疾患」という順位づけを撤回した2026-09-01 · saidai慢性疾患・性別・社会的孤立は二値だが、ヘルスリテラシーは「1SD上昇あたり」という別のスケールであり、尺度の違う回帰係数を並べて大小を言うことはできない。またこのモデルが推定しているのは「USCを持つこと」の有病率比であって、「持っていないこと」の予測因子を直接推定したものではない。記事の説明文にあった「持っていない最大の予測因子は慢性疾患が無いこと」も改めた。
  9. 訂正「日本人の57.5%」という書き方を限定した2026-09-01 · 575対象は20〜75歳であって全人口ではない。全国代表性を意図したパネルからの抽出であり、著者ら自身がパネル調査の性質上一般化には注意が要ると述べている。また大学病院に勤務する医師を挙げた者はかかりつけ保有に含めていない。節見出しも「日本人の57.5%が、かかりつけを持っている」から「成人の57.5%が、普段頼る医師を持っている」に改めた。
  10. 訂正「読み書きの能力」というヘルスリテラシーの説明を訂正した2026-09-01 · cchlこの調査が測っているのはCCHL(伝達的・批判的ヘルスリテラシー)で、基礎的な識字能力ではなく、健康情報を入手し、理解し、評価し、活用する力である。また「独立に効いている」も「他の共変量を調整した後もUSC保有と関連している」に改めた。
  11. 訂正かかりつけ医機能報告制度の説明を正確にした2026-09-01 · houkoku「施設が機能を持っているかを年に一度報告させる仕組み」と単純化していた。制度は2025年4月施行で初回の医療機関からの報告は2026年1〜2月に行われ、特定機能病院等を除く病院・診療所が日常的な診療の総合的・継続的な実施、時間外対応、入退院支援、在宅医療、介護連携などを報告する。医療機関側の提供能力と実績を定期報告させる制度であって、同じ住民が今年USCを持ち翌年失ったかという個人レベルの移行を追跡する制度ではない、と書き改めた。
  12. 訂正「40年で最初の増加」と無医地区人口の評価を限定した2026-09-01 · 40nen「少なくとも厚生労働省が公表している昭和59年以降の調査系列では、初めて前回を上回った」に改めた。また134,753人という数について、全国人口に占める割合としては小さいが、該当地域に住む人にとって障壁が軽いことを意味しない、と書き添えた。

出典 SOURCES

  1. 1Factors associated with the status of usual source of care during the COVID-19 pandemic: a nationwide survey in JapanBMC Primary Care 24:193 (Aoki T, Matsushima M) · 2023 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: National Usual source of Care Survey(NUCS)のベースライン調査。2021年5月実施の全国郵送調査で、20-75歳の全国代表パネルから層化無作為抽出した2000人に配信し1757人が回答(回答率87.9%)。かかりつけの判定は「Is there a doctor that you usually go to if you are sick or need advice about your health?」という二択で、大学病院に勤務する医師を挙げた者はかかりつけ保有とみなしていない。結果は1757人中1011人(57.5%)がかかりつけあり。その内訳は診療所769人(76.1%)、病院227人(22.5%)、その他・欠測15人(1.5%)。多変量修正ポアソン回帰による、かかりつけを持つことの調整有病率比は、女性(対男性)1.12(95%CI 1.02-1.23)、社会的孤立あり(対なし)0.84(0.77-0.93)、CCHL(伝達的・批判的ヘルスリテラシー)1SD上昇あたり1.05(1.01-1.10)、慢性疾患あり(対なし)1.51(1.35-1.69)。記述統計では、かかりつけを持つ群と持たない群で、慢性疾患2つ以上が34.5%対11.9%、70歳以上が15.4%対5.1%、社会的孤立ありが26.6%対35.7%。本文は先行研究として日本のかかりつけ保有率が2017年と2020年に約55%であったこと、米国では2000年84%から2019年74%へ低下し2020年に75%へ微増したことを挙げている。社会的孤立はLSNS-6(12点未満を孤立)、ヘルスリテラシーはCCHLで測定
  2. 2Association Between Duration of Usual Source of Care and Patient-reported Primary Care Quality in Japan: A Nationwide Cross-sectional StudyJournal of Primary Care & Community Health 17:21501319251413952 (Yamada H, Kaneko M) · 2026 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 2022年の全国web横断調査。1112人に配信し800人が回答(回答率71.9%)。「Do you have a medical facility that you usually visit when ill or for health advice?」に「はい」と答えた423人(52.9%)が解析対象となり、「いいえ」と答えた377人(47.1%)は「did not receive PCPCM items and were excluded from outcome analyses」とされた。標本設計の項で「From prior studies we anticipated a USC prevalence of ~55%」と述べている。webパネル調査であるため、回答者の割合をそのまま人口推計として扱うことはできない。なお設問は医療機関について尋ねており、医師について尋ねる NUCS とは対象が異なる
  3. 3Contribution of Primary Care to Health Systems and HealthThe Milbank Quarterly 83(3):457-502 (Starfield B, Shi L, Macinko J) · 2005 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 一次医療の質を四つの要素で評価するとし、「Primary care is assessed as 'good' according to how well these four features are fulfilled: first-contact access for each need; long-term person- (not disease) focused care; comprehensive care for most health needs; and coordinated care when it must be sought elsewhere」と述べる。第一接触アクセスと長期の人中心のケアは並列の別属性として扱われている
  4. 4The role of primary care attributes in preventing loss or change of usual source of care: a nationwide cohort studyFamily Practice 41(5):726-731 (Aoki T, Zukeran S, Matsushima M) · 2024 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 同じNUCSを用いた全国コホート研究(2021年5月ベースライン、2022年4月追跡)。40-75歳のうちベースラインでかかりつけを持っていた725人を12か月追跡し、93人(12.8%)が喪失、46人(6.3%)が変更した。喪失の定義は「Loss of a USC was defined as the transition from reporting having a USC at the baseline survey to reporting no USC at the follow-up survey」。曝露は日本語版Primary Care Assessment Tool(JPCAT)で測った一次医療の属性(first contact, longitudinality, coordination, comprehensiveness, community orientation)。多項ロジスティック回帰の結果、抄録は「the JPCAT total score was associated with decreased loss of USC and change in USC. Among the JPCAT domains, longitudinality, comprehensiveness (services available), and community orientation were associated with reductions in both USC loss and change」と述べる。喪失に対する調整相対リスク比(10点上昇あたり)は縦断性0.80(95%CI 0.73-0.88)、包括性(提供可能なサービス)0.85(0.77-0.93)、包括性(提供されたサービス)0.85(0.78-0.92)、地域志向性0.78(0.69-0.88)。第一接触と連携の二つは、喪失と変更の両方に共通して関連したドメインとしては挙げられていない。なお本稿では各ドメインの信頼区間が重なっており、ドメイン間の大小を比較する設計にはなっていない
  5. 5医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査(令和元年7月調査)内閣府大臣官房政府広報室(2019年11月22日掲載) · 2019 · accessed 2026-08-31裏付けた主張: 内閣府が実施した世論調査。「『かかりつけ医(例えば、健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれるような身近にいて頼りになる医師)』はいるか聞いたところ、「いる」と答えた者の割合が52.7%、「いない」と答えた者の割合が40.7%となっている」と報告する。「いない」と答えた者は1,141人で、その理由(複数回答)は「かかりつけ医の必要性について考えたことがないから」27.6%、「かかりつけ医を選ぶ際の必要な情報が不足しているから」16.3%、「その他」15.0%、「大きな(複数の診療科があり、病床数も多い)医療機関に行けばよいから」14.9%、「かかりつけ医に適していると思う医師がいないから」14.6%、「市販の医薬品などで自己管理すればよいから」6.4%、「かかりつけ医がいても、医療費が安くなるとは思わないから」1.9%。都市規模別では「いない」が大都市で高く、年齢別では「いる」が60歳代・70歳以上で高い。すなわち国の公式調査にも、人口の側からかかりつけ医の有無を尋ねたものが存在する。ただし単発の世論調査であり、同一個人の獲得・喪失を追跡する定期統計ではない
  6. 6令和7年度無医地区等及び無歯科医地区等調査の結果厚生労働省(令和8年7月30日公表) · 2026 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 調査時点は令和7年10月末日。「無医地区数は、前回調査(令和4年10月末日:557地区)に比べて18地区増加の575地区となっている。また、無医地区人口は、前回調査(令和4年10月末日:122,206人)に比べて12,547人増加の134,753人となっている」。無歯科医地区数は784から750へ34地区減少したが、人口は188,647人から196,640人へ7,993人増加した。無医地区の定義は「医療機関のない地域で、当該地区の中心的な場所を起点として、おおむね半径4kmの区域内に50人以上が居住している地区であって、かつ容易に医療機関を利用することができない地区」。調査対象は無医地区等を有する市町村であり、地区を単位として数える
  7. 7令和4年度無医地区等及び無歯科医地区等調査の概況厚生労働省 · 2023 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 無医地区数の時系列は、昭和59年1,276、平成元年1,088、平成6年997、平成11年914、平成16年787、平成21年705、平成26年637、令和元年590、令和4年557。無医地区人口は同順に319,796人、285,034人、236,193人、203,522人、164,680人、136,272人、124,122人、126,851人、122,206人。地区数は昭和59年以降一貫して減少しており、令和4年度調査の本文も「減少傾向が続いている」と記す。なお人口は平成26年124,122人から令和元年126,851人へ一度増加している
  8. 8医療と健康の格差——JGSS-2008に基づく医療アクセスの分析日本版総合的社会調査共同研究拠点 研究論文集[10] JGSS Research Series No.7 pp.99-110(埴淵知哉) · 2010 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: JGSS-2008(有効回収2,060、回収率58.2%)の二次分析。過去1年間に受診を控えた経験がある者は42.6%。控えた理由(複数回答)は図2として示され、本文に個別の百分率は記載されていない。図には「病院に行くほどの病気・ケガではないと判断した」が最多で、「病院が近くにない」「交通手段がない」は下位に位置する。著者は「この理由を、単純にさほど問題のないケースとして扱うことは早計であろう」として、必要性の認識自体が社会経済的地位によって異なる可能性を指摘している

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