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構造から診る02 アクセスと提供体制/JAPANEUROPEOTHER

説明のつかない症状は、誰が診るのか

医学的説明がつかないこと自体は、DSM-5以降、精神疾患の診断根拠ではなくなった。一方、持続する身体症状に心理的介入が無効なわけでもない。既存の診療に6時間の研修を足した介入は患者の生活の質をむしろ下げ、研修・監督・構造化された説明・長い診察枠を一体にした専用サービスは改善を示した。問われているのは身体科か精神科かという所属ではなく、紹介した後も誰が問題を引き受け続けるかである。日本には心療内科も心身医学療法も傷病名コードもある。ただしそれらは、現代の症状概念と一対一に対応していない。

公開2026-08-19
更新2026-09-01
出典21 SOURCES

ダイジェスト解説 VIDEO

前回、説得の効果量が小さいことを見た。禁煙の短時間助言で1〜3ポイント、動機づけ面接でオッズ比1.55、日本の全国プログラムで1年後に0.29kg。

今回は、もっと難しい場面を見にいく。症状はあるが、検査で説明がつかない。

日本の臨床で、この場面によく出てくる言葉がある。「心療内科か精神科に紹介しましょう」。私はこの記事を、その紹介が届かないことを示すつもりで書き始めた。半分は当たり、半分は外れた。

「説明がつかない」を診断の基礎に置くのは、やめになった

まず、この分野の土台が10年前に入れ替わっている。

DSM-5 の改訂点をまとめた米国精神医学会の公式文書に、「Medically Unexplained Symptoms」という独立した見出しがある1。

The reliability of medically unexplained symptoms is limited, and grounding a diagnosis on the absence of an explanation is problematic and reinforces mind-body dualism.

「説明がつかないこと」を診断の基礎に置く操作そのものが、心身二元論を強化する——診断体系を作った側が、そう書いている。

同じ文書は、こうも書いている。

These disorders are primarily seen in medical settings, and nonpsychiatric physicians found the DSM-IV somatoform diagnoses problematic to use.

ただし公開時の本文は、これを「『説明がつかない → 心の問題 → 精神科へ』という推論の第一歩が、公式に否定されている」と書いた。否定された範囲を広げすぎている※訂正。

DSM-5が否定したのは、医学的に説明できないことそれ自体を診断の根拠にすることである。身体疾患が明確に存在していても身体症状症は成立しうるし、逆に医学的説明がつかないだけでは身体症状症とは診断できない。「精神科に紹介してはならない」と判断したわけではない。

正確にはこうである。「医学的説明がない」ことだけを根拠に心理的病態とみなす考え方が、DSM-5で放棄された。

分類は、すでに分業に対応していない

ICD-11 はもっと踏み込んだ。WHO が公開している分類ファイルを開くと、機能性症候群がどこに置かれているかが分かる2。

コード名称所属章
6C20Bodily distress disorder(身体的苦痛症)第06章 精神
DD91.0過敏性腸症候群第13章 消化器
MG30.01Chronic widespread pain(線維筋痛症に相当)第21章 症状・徴候
8E49Postviral fatigue syndrome第08章 神経

(同じファイル全体に、somatoform という語は一度も出てこない。)

ここで公開時の本文は「同じ人が、どの科の入口から入るかで、精神疾患にも消化器疾患にもなる」と書いた。これは導けない※訂正。この四つは同じ症状群につける競合ラベルではなく、それぞれ異なる診断要件を持つ別の疾患概念である。併存することはあるが、入口の診療科だけで診断名が入れ替わるという意味ではない。

言えるのは、持続する身体症状を分類する枠組みが一つではなく、章をまたいで分散している、というところまでである。

そして、定義が変われば切り出される集団も変わる。ドイツの全国代表標本2,531人で三つの定義を同時に当てた研究がある3。

28.1% of FMS cases satisfied SSD criteria. 28.8% of any BDS cases met the criteria of SSD.

Case definitions of the three disorders partially captured different groups in the general population.

線維筋痛症の患者のうち、DSM-5 の身体症状症の基準を満たすのは3割。

ここで一つ、用語の取り違えを訂正する※訂正。この研究が使っている BDS(Bodily Distress Syndrome)は、ICD-11の 6C20 BDD(Bodily Distress Disorder)とは別の概念である。BDSは複数臓器系にまたがる症状パターンを中心に組み立てられた構成概念で、ICD-11のBDDは身体症状への過剰な注意といった心理行動的特徴を要求する。上の表に並べた6C20と、この研究のBDSを同じものとして読んではいけない。

そして「同じ現象を指しているはずの三つの定義」という書き方も改める。SSD・BDS・FMSは、そもそも異なる構成概念を操作化したものである。同じ集団に当てても重なりが部分的にしかならないのは、当然といえば当然である。言えるのは——持続する身体症状を測る物差しは一つではなく、どれを選ぶかで対象集団が変わる。

紹介は、患者が求めたものではなかった

ここで、紹介そのものを観察した研究がある。一般医が「説明されない症状」と判断した連続420名の診察を録音し、逐語化して発話単位でコーディングした研究だ4。

The findings suggest that the explanation for the high level of physical intervention for MUS lies in GPs’ responses rather than patients’ demands

同じ420診察を、発話の順序で追った解析はもっと具体的である。

Whether physicians proposed medical care was unrelated to patients’ attributions to disease or demands for treatment. Proposals of explicitly somatic responses (drugs, investigation or specialist referral) became more likely after patients had elaborated their symptoms

専門医紹介は、患者が求めたときにではなく、患者が症状を詳しく語った後に出てくる。著者らは「この所見は、医師が検査や紹介を出すのは患者が身体疾患の治療を求めるからだ、という有力な前提と両立しない」と書いている。

ただし二点、限定が要る※訂正。第一に、ここでいう specialist referral は精神科紹介に限らない。この研究が扱っているのは検査・薬物治療・専門医紹介を含む身体医療的介入全体である。第二に、したがって「紹介は患者のニーズへの応答ではなく医師の側の反応である」と一般化するのも行き過ぎである。

書ける範囲はこうである。少なくともこの診察分析では、検査・薬物治療・専門医紹介といった医療的介入は、患者が身体治療を要求したから出された、とは説明できなかった。

心理療法は効く。ただし、届かない

では、紹介した先ではどうなるか。

コクランのレビューは、無作為化比較試験21件・2,658名をまとめている5。

psychological therapy resulted in less severe symptoms at end of treatment (SMD -0.34; 95% CI -0.53 to -0.16)… This effect was considered small to medium; heterogeneity was moderate and overall quality of the evidence was low.

小〜中の効果。だが、比較対象を変えると消える。

comparing some psychological therapy with enhanced care, and found no clear evidence of a difference at end of treatment (pooled SMD -0.19; 95% CI -0.43 to 0.04)

「心理療法 対 強化された通常診療」では、明確な差を示せていない。しかも心理療法群のほうが脱落が7%多い。

ただし公開時の本文は、これを「優越性が示されていない」と書き、差がないことが示されたかのように読める形にしていた※訂正。信頼区間は −0.43〜0.04 と広く、エビデンスの質は low である。明確な差を示せなかったのであって、同等性が示されたのではない。また「enhanced care」は標準化された一つの介入ではなく、研究ごとに中身が違う。

そして2014年のレビューだけでは古い。その後の系統的レビューは、一次医療の持続する身体症状に対する心理的介入が身体症状を改善する方向を報告しており、2024年のレビューも「小さいが統計学的に有意な効果」と整理している。現在のエビデンス全体としては、心理療法は平均として小さな有効性を持つ。ただし効果は介入・対象・比較条件で不均一で、すべての患者に届くわけでもない。

そして著者らが、限界の項でこう書いている。

all studies in this review included participants who were willing to receive psychological treatment. In daily practice, there is also a substantial proportion of participants not willing to accept psychological treatments… It is unclear how large this group is

その大きさを、全段階記述した研究がある6。

1084 consultations of 796 patients were screened. The GP classified the symptoms of 104 patients aged 25-79 as unexplained. Of these, 71 patients were not considered to be eligible… The research interview was offered to 33 patients, 16 of them declined and 12 were interviewed. Seven out of the 12 eligible patients accepted treatment.

104名から、7名。

ただし公開時の本文は、これを「治療の前に、97人が消える」と書いた。読み方が誤っている※訂正。104人中97人が心理療法を拒否したわけではない。内訳を追うと、71人は主治医が治療対象として適格でないと判断した——患者が断ったのではなく、選別の過程で外れている。研究面接を提示された33人のうち16人が辞退し、12人が面接を受け、7人が治療を受諾した。

正確にはこうである。この一次医療でのフィージビリティ研究では、主治医が説明のつかない症状と判断した104人のうち、最終的に集団認知行動療法を開始したのは7人だった。ただしこの到達率の低さの大半は、患者の拒否ではなく治療適格性の選別によって生じている。

そして「効果量の議論は、この7人の中で行われている」という一文は削除する※撤回。コクランの効果量は21試験・2,658人から出ている。この7人は別のフィージビリティ研究である。

(同じグループの先行研究では、適応のあった98人のうち79人(81%)が心理的治療を受け入れた。条件が違う——主治医が持ちかけ、治療を一般内科外来の中で行った場合である。ただし対象も選別条件も時代も異なる別研究なので、提供の場所が原因だと特定はできない。受諾率が提供の仕方によって大きく変わりうる、という可能性を示すところまでである。)

短時間の研修を足すのでは届かず、専用サービスは届いた

ここが、この記事で予想が外れたところである。

まず、失敗した二つ。

一般医に6時間の再帰属訓練を行ったクラスター無作為化試験7。

the proportion of consultations mostly consistent with reattribution increased (31 v. 2%, P=0.002). Training was associated with decreased quality of life (health thermometer difference -0.9, 95% CI -1.6 to -0.1; P=0.027)

医師の話し方は15倍になった。患者の生活の質は下がった。

一般医による強化ケアを集めたコクランも、効果はゼロを含む(精神的健康 SMD −0.04、CI −0.18〜0.10)。そして介入群のほうが脱落が多い(RR 1.25、1.08〜1.46)8。

二次医療で訓練された療法家が横断的認知行動療法を届けた試験も、主要評価項目で通常医療に勝てなかった(WSAS 差 −1.48、CI −3.44〜0.48、p=0.139)9。

では、何が効いたか。

2024年の Lancet に、イングランドの108診療所・354名の試験が出ている10。

a sequence of up to four medical consultations that aimed to elicit a detailed clinical history, fully hear and validate the participant, offer rational explanations for symptoms… delivered by general practitioners with an extended role

結果——

The adjusted between-group difference of -1.82 (95% CI -2.67 to -0.97) was statistically significantly in favour of the intervention group (p<0.0001).

費用対効果は15,751ポンド/QALY。

公開時の本文は、ここから「差は時間だった」と読んだ。介入の中身を軽く見すぎている※訂正。MSS3は「長い診察を4回した」だけの介入ではない。報告書を読むと、こうである11。

一方、失敗した Morriss の介入は6時間の再帰属訓練だけである。訓練量・監督・構造化モデル・診察枠が同時に違う。「差は時間だ」と特定することはできない。

効果の大きさも正確に書いておく。PHQ-15の臨床的に重要な差は2.3点とされ、平均群間差1.82はそれを下回る。一方、その2倍にあたる4.6点の大きな改善を得るための必要治療数は5である11。明確に成功した試験だが、「大きな平均効果」とは書けない。

三つを並べ直す。

何を、どこで、どれだけ結果
二次医療で療法家が横断的CBT(n=324)主要評価項目で陰性
既存診療に6時間の技法訓練を足す(n=141)失敗。QOLはむしろ低下
研修・監督・説明モデル・長い診察枠を一体化した専用サービス(n=354)成功(p<0.0001)

証拠に忠実に書くとこうなる。短時間の研修を既存の診療に付け足しただけの介入は、患者の転帰を改善しなかった。一方、十分な研修と監督、長い診察枠、構造化された説明モデルを一体にした専用サービスは、改善を示した。

これは「医師個人に技法を教える」という話ではない。その診療を可能にするサービス設計そのものが要る、という話である。

同じ方向を向いた研究が、コンサルテーション・レターにもある。精神科医が主治医に助言を返し、患者は主治医の手元に残るという形の介入である。ただし「効く」と書くのは強すぎる※訂正。コクランの評価は、医療費や身体機能に一定の改善を示す可能性があるものの、研究は小規模で質は中程度、ほぼ米国の研究であり他国に直接一般化はできない、というものである。限定的ながら有効性を支持する無作為化試験のエビデンスがある、が正確である。

「紹介では解けない」は、言いすぎだった。そして「移すことは効かない」も、まだ言いすぎである。書ける範囲は——問題を丸ごと別の場所へ移す形の介入は、まだ明確な成功を示していない。一方、患者がもといた診療関係に留まったまま専門性を足す形の介入には、支持する証拠がある。

日本では、複数の置き場が、互いに噛み合っていない

ここから日本の話をする。公開時の本文は、この節を「日本では、この症状に置き場がない」と題した。撤回する。置き場は複数ある。噛み合っていないだけである。

心療内科は、「内科+心療」として標榜される

医療法施行令第三条の二が、広告できる診療科名を定めている12。

ハ 内科又は外科と次に定める事項とを…組み合わせた名称  (3) 整形、形成、美容、心療、薬物療法、透析、移植、光学医療、生殖医療若しくは疼痛緩和… ニ …次に掲げるもの  (1) 精神科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、皮膚科…

「精神科」は独立した診療科名として名指しで存在する。「心療内科」という語は、条文のどこにも無い。あるのは「心療」という一事項で、それは「整形、形成、美容、透析、移植」と同じ列に並んでいる。

ただし公開時の本文は、ここから「心療内科は、法令上は診療科ではない」「2008年の制度改正で、内科の一形容に戻された」と書いた。誤りである※訂正。法令は「内科」と「心療」を組み合わせた名称を明示的に認めている。心療内科は、現在も法的に広告可能な診療科名である。

経緯も書き直す。心療内科は1996年に、アレルギー科・リウマチ科と同じ改正で標榜科として追加された(精神科は1948年の創設16科の一つ)。2008年に変わったのは、制度全体が「基本の科名+臓器・年齢・疾病・領域等の組み合わせ」という方式へ再編されたことである。心療内科が診療科でなくなったわけではない。

言えるのは、独立して列挙されている「精神科」と、組み合わせによって成立する「心療内科」とでは、法令上の置かれ方が違う、というところまでである。

「心身症」は、診断名ではない

日本心身医学会の心身症の定義は1991年から変わっていない。日本内科学会雑誌のガイドラインレビューが、それを引いたうえで書いている13。

従って、心身症そのものについてのガイドラインはない。

わが国の定義によると、心身症とは診断名ではなく病態である。同じ疾患であっても心身症としての病態を呈する患者とそうでない患者が存在するわけである。

そして著者ら自身が問題点を三つ挙げている。一つ目——「心理社会的因子の評価能力が個々の医師により異なる」。二つ目——「経過に心理社会的因子が関与する病態を考慮に入れると、多くの患者は心身症として取り扱わねばならなくなる」。

診断名ではないものは、誰が診るかを決める基準になれない。

現代の概念と、診療報酬の要件が対応していない

診療報酬を見ると、もっとはっきりする。心身医学療法の算定要件14。

(4)心身医学療法を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の傷病名欄において、心身症による当該身体的傷病の傷病名の次に「(心身症)」と記載する。 例 「胃潰瘍(心身症)」

心身医学療法を算定するには、身体的傷病名が先に要る。

ただし公開時の本文は、これを「『説明のつかない症状』そのものは、日本の診療報酬の上では存在できない」と一般化した。誤りである※訂正。厚生労働省の傷病名マスターを取得して検索したところ、身体化障害(8835100)、身体表現性障害(8835104)、診断不明疾患(8835110)、不定愁訴症(8839790)などが収載されている15。レセプトに書ける傷病名は存在する。

正確な問題はこうである。この身体傷病名+「(心身症)」という算定要件は、心身症という日本固有の病態概念に合わせて設計されている。そして日本のレセプト傷病名マスターは現在もICD-10に対応しており、ICD-11のBDDや、現代のPPS/SSDという概念と一対一に対応していない。「置き場がない」のではなく、置き場と概念がずれている。

点数はこうなっている。

心身医学療法(I004)通院・在宅精神療法(I002)
再診80点290〜410点
時間の下限(再診)規定なし5分超
算定できる医師精神科標榜でなくても可精神科標榜機関の精神科担当医のみ
病名の要件「○○(心身症)」が必須なし

そして、実際にどれだけ算定されているか。NDB の全数集計がある16。

そして最大の限界を、公開時の本文は書いていなかった※訂正。I004心身医学療法とI002通院・在宅精神療法は、併算定できない。留意事項通知に「区分番号『I001』入院精神療法、区分番号『I002』通院・在宅精神療法又は区分番号『I003』標準型精神分析療法を算定している患者については、心身医学療法は算定できない」と明記されている14。対象患者も算定主体も違う。

したがってこの比は、I004がI002に比べてきわめて小さな診療報酬カテゴリであるという記述には使えるが、心身医学的な診療の必要量や実施量の比較には使えない。

さらに内訳を見ると、精神科病院での心身医学療法の算定は、月に22回だけである(入院と初診はゼロ)。一方で、精神科病院の49.9%(527/1,057施設)が「心療内科」を標榜している17。

公開時の本文は、これを「妙なことが起きている」と書いた。妙ではない※訂正。精神科病院では精神科医がI002を算定するのが通常であり、その患者についてI004は算定できない。制度上、ほぼそうなる。看板と算定回数の対比から、診療の実態を読み取ることはできない。

日本には、全国代表性のある推計が見当たらない

日本語で「プライマリケア外来の15〜30%」といった数字をよく見る。原典を辿ろうとして、多くは欧米研究に行き着いた。

ただし公開時の本文は「それらはすべて欧米研究の引き写しである」「日本で実際に測られた数字は二つしかない」と書いた。排他的すぎる※訂正。2020年の日本心身医学会誌には大学病院総合診療科の年次統計として25〜35%という自施設データが引かれているし、初診の身体症状患者を対象に説明のつかない症状を判定した国内研究も存在する。「二つしかない」を維持できる根拠を、私は持っていない。

書ける範囲はこうである。日本にも単施設の総合診療科・心療内科のデータは存在する。ただし、全国代表性のある診療所ベースの有病率調査や、現代的な統一された症例定義を用いた全国推計は、確認できなかった。

以下は、私が原典まで辿れた二つである。どちらも単一施設である。

大学病院の総合診療科、2016年の初診1,975名18——機能性身体症候群 33%、器質的疾患45%、精神疾患 5%。

総合診療科の初診の三分の一がこの領域で、精神疾患は20人に1人しかいない。

大学病院の心療内科、2015年の初診871名19——紹介状ありが61.5%、そして初診後に治療を継続しなかった者が262名(30.1%)。

日本の心療内科初診の6割は紹介で来て、3割はその後に来なくなる。

診療所の場でこれを測った研究は、見つけられなかった。J-STAGE の全文検索も、学会誌も、Europe PMC も当たった。日本のプライマリケアにおける有病率を、統一された症例定義で全国規模に推計したものは、確認できた範囲では存在しない。

これは前回までの記事と近い形である。症例定義が一つに定まっていない領域では、全国推計も作られにくい。

総合診療にとって、これが何を意味するか

三つ書いておきたい。

第一に、問われているのは「紹介するかどうか」ではなく、「所有権を手放すかどうか」である※訂正。精神科、心理職、神経内科、消化器内科、疼痛外来への紹介が必要な患者は当然いる。2024年のレビューも多面的・段階的なケアを支持している。

証拠が示しているのは別のことだ。効果を示した二つ——精神科医が主治医に助言を返す形と、拡張役割の一般医が構造化された説明を重ねる形——に共通するのは、専門性を足しているが、身体症状を「精神科の問題」として丸ごと移管してはいないことである。紹介した瞬間に、元の医師が問題の所有権まで手放すかどうか。そこが分かれ目かもしれない。

第二に、必要なのは技法でも時間でもなく、サービス設計かもしれない※訂正。6時間の訓練は医師の話し方を15倍にしたが、患者の生活の質は下げた。成功した介入は、10回の研修と3回の更新会議、継続的な監督、REALという構造化モデル、50分の初回診察を一体にしたものだった。どれが効いたのかは分離できない。言えるのは、既存の診療に短時間の研修を足す方向では、まだ誰も成功していないということである。

第三に、日本の問題は「置き場が無い」ことではなく、置き場どうしが噛み合っていないことである。心療内科という標榜科があり、心身医学療法という診療報酬項目があり、身体表現性障害という傷病名コードもある。だがそれらは、分類(ICD-11のBDD)とも、現代の持続する身体症状という概念とも、一対一に対応していない。分類の章は割れ、標榜科は「内科+心療」として成立し、診療報酬は心身症という別の病態概念を要件にし、統計は統一された症例定義を持たない。複数の置き場の間で、責任が分断されやすい。

そして WHO の診断ガイドライン自体が、この患者について「精神医療専門家への紹介を勧められると否定的な反応をすることがある」と書いている20。紹介が届きにくいことは、この病態の付帯的な問題ではなく、記述の内側にある。

最後に、このシリーズの前の回と直接つながる所見を一つ。WHO の14か国15施設の研究に、こういう一文がある21。

A somatic presentation was more common at centers where patients lacked an ongoing relationship with a primary care physician than at centers where most patients had a personal physician (odds ratio, 1.8; 95% CI, 1.2 to 2.7).

ただしここで測られているのは、持続する身体症状一般ではない※訂正。Simonらが見ているのは、うつ病の患者が、心理症状ではなく身体症状だけを主訴として受診する割合である。そして比較は施設単位である。

正確に書けばこうなる。うつ病の患者が身体症状だけで受診する形は、かかりつけ医との継続的な関係が乏しい施設ほど多かった。因果は言えないし、説明のつかない身体症状一般に広げることもできない。だが方向は、この記事の他の所見と同じほうを向いている。

説明のつかない症状は、渡す先を探す問題ではなく、渡したあとも誰が引き受け続けるかの問題だったのかもしれない。

訂正 CORRECTIONS

公開後に直したこと。本文は直したうえで、何をどう変えたかをここに残している。本文中の※ が、直した箇所を指す。

  1. 訂正DSM-5が否定した範囲を広げすぎていた2026-09-01 · dsm5DSM-5が否定したのは、医学的に説明できないことそれ自体を診断の根拠にすることである。身体疾患が明確に存在していても身体症状症は成立しうるし、逆に医学的説明がつかないだけでは身体症状症とは診断できない。「精神科に紹介してはならない」と判断したわけではない。「『医学的説明がない』ことだけを根拠に心理的病態とみなす考え方が、DSM-5で放棄された」に改めた。
  2. 訂正ICD-11の章が分かれていることから「入口で同じ人が別の病気になる」を撤回した2026-09-01 · icd-shou6C20、過敏性腸症候群、慢性広範疼痛、ウイルス感染後疲労症候群は、同じ症状群につける競合ラベルではなく、それぞれ異なる診断要件を持つ別の疾患概念である。併存することはあるが、入口の診療科だけで診断名が入れ替わるという意味ではない。「持続する身体症状を分類する枠組みが一つではなく、章をまたいで分散している」に改めた。
  3. 訂正BDS(bodily distress syndrome)とICD-11のBDD(bodily distress disorder)を混同していた2026-09-01 · bds-bdd引用したドイツの研究が用いるBDSは、複数臓器系にまたがる症状パターンを中心に組み立てられた構成概念であり、ICD-11の6C20 BDD(身体症状への過剰な注意などの心理行動的特徴を要求する)とは別物である。同じ記事の表に並べた6C20と、この研究のBDSを同じものとして読んではいけない。あわせて「同じ現象を指しているはずの三つの定義」という書き方も改めた。SSD・BDS・FMSはそもそも異なる構成概念を操作化したもので、重なりが部分的なのは当然である。
  4. 訂正診察分析の結果を「紹介は医師の側の反応である」と一般化していた2026-09-01 · ringこの研究のspecialist referralは精神科紹介に限らず、扱っているのは検査・薬物治療・専門医紹介を含む身体医療的介入全体である。「少なくともこの診察分析では、検査・薬物治療・専門医紹介といった医療的介入は、患者が身体治療を要求したから出された、とは説明できなかった」に限定した。
  5. 訂正「強化された通常診療と比べて優越性が示されていない」を同等性の主張として書いていた2026-09-01 · cochrane-2014信頼区間は-0.43から0.04と広く、エビデンスの質はlowである。明確な差を示せなかったのであって、同等性が示されたのではない。また「enhanced care」は標準化された一つの介入ではなく研究ごとに中身が違う。あわせて2014年のレビューだけでは古いため、その後の系統的レビューが一次医療の持続する身体症状に対する心理的介入の小さな有効性を報告していることを補い、「平均として小さな有効性を持つが、効果は不均一である」に改めた。
  6. 訂正「治療の前に97人が消える」という読み方を撤回した2026-09-01 · 104-7104人中97人が心理療法を拒否したわけではない。71人は主治医が治療対象として適格でないと判断したもので、患者が断ったのではなく選別の過程で外れている。「この到達率の低さの大半は、患者の拒否ではなく治療適格性の選別によって生じている」と明記した。あわせて、受諾率81%の先行研究との比較についても、対象も選別条件も時代も異なるため提供の場所が原因だとは特定できない旨を補った。
  7. 撤回「効果量の議論は、この7人の中で行われている」を削除した2026-09-01 · kouka-7ninコクランの効果量は21試験・2,658人から出ている。この7人は別のフィージビリティ研究であり、両者を接続することはできない。
  8. 訂正「技法は失敗し、時間は成功した」という因果の特定を撤回した2026-09-01 · jikanMSS3は「長い診察を4回した」だけの介入ではない。報告書によれば、10回の初期セッションと3回の研究アップデート会議からなる研修、介入開発者による継続的なスーパービジョン、REAL(Recognition, Explanation, Action, Learning)という構造化された説明モデル、初回約50分とその後15〜20分の追加セッション最大3回、を一体にしたものである。一方、失敗したMorrissの介入は6時間の再帰属訓練だけである。訓練量・監督・構造化モデル・診察枠が同時に違うため「差は時間だ」と特定することはできない。「短時間の研修を既存の診療に付け足しただけの介入は転帰を改善しなかった。一方、十分な研修と監督、長い診察枠、構造化された説明モデルを一体にした専用サービスは改善を示した」に改めた。あわせて効果の大きさについても、PHQ-15の臨床的に重要な差2.3点に対し平均群間差1.82はそれを下回ること、4.6点の大幅改善のNNTは5であることを明記した。節見出しも「訓練は届かず、時間は届いた」から「短時間の研修を足すのでは届かず、専用サービスは届いた」に改めた。
  9. 訂正コンサルテーション・レターを「効いた介入」と書いたのを限定した2026-09-01 · letterコクランの評価は、医療費や身体機能に一定の改善を示す可能性があるものの、研究は小規模で質は中程度、ほぼ米国の研究であり他国に直接一般化はできない、というものである。「限定的ながら有効性を支持する無作為化試験のエビデンスがある」に改めた。あわせて「移すことは効かない」も、「問題を丸ごと別の場所へ移す形の介入は、まだ明確な成功を示していない」に弱めた。
  10. 訂正「心療内科は、法令上は診療科ではない」を撤回した2026-09-01 · shinryo-naika医療法施行令第三条の二第一項第一号ハは「内科」と「心療」を組み合わせた名称を明示的に認めており、心療内科は現在も法的に広告可能な診療科名である。また平成8年8月12日健政発第699号は「標榜診療科名として、心療内科…を追加」と明記している。2008年に変わったのは、制度全体が「基本の科名+臓器・年齢・疾病・領域等の組み合わせ」という方式へ再編されたことであり、「内科の一形容に戻された」わけではない。節見出しも「心療内科は、『内科+心療』として標榜される」に改めた。言えるのは、独立して列挙されている精神科と、組み合わせによって成立する心療内科とでは法令上の置かれ方が違う、というところまでである。
  11. 訂正「説明のつかない症状は、レセプトに書けない」を撤回した2026-09-01 · receipt厚生労働省の傷病名マスターを取得して検索したところ、身体化障害(8835100)、身体表現性障害(8835104)、診断不明疾患(8835110)、不定愁訴症(8839790)などが収載されている。レセプトに書ける傷病名は存在する。正確な問題は、心身医学療法の算定要件が心身症という日本固有の病態概念に合わせて設計されていること、および日本のレセプト傷病名マスターが現在もICD-10に対応しており、ICD-11のBDDや現代のPPS/SSDという概念と一対一に対応していないことである。節見出しも「現代の概念と、診療報酬の要件が対応していない」に改めた。
  12. 訂正心身医学療法と通院・在宅精神療法の1対99を診療実態の比較に使っていた2026-09-01 · 1-99留意事項通知は「I001入院精神療法、I002通院・在宅精神療法又はI003標準型精神分析療法を算定している患者については、心身医学療法は算定できない」と定めており、両者は併算定できない。対象患者も算定主体も違う。この比は、I004がI002に比べてきわめて小さな診療報酬カテゴリであるという記述には使えるが、心身医学的な診療の必要量や実施量の比較には使えない。
  13. 訂正精神科病院の心身医学療法が月22回であることを「妙なこと」と書いたのを訂正した2026-09-01 · 22ken精神科病院では精神科医が通院・在宅精神療法を算定するのが通常であり、その患者について心身医学療法は算定できない。制度上ほぼそうなる。看板(心療内科の標榜49.9%)と算定回数の対比から、診療の実態を読み取ることはできない。
  14. 訂正「日本で実際に測られた数字は二つしかない」「すべて欧米研究の引き写し」を撤回した2026-09-01 · nihon-2排他的すぎる主張だった。2020年の日本心身医学会誌には大学病院総合診療科の年次統計として25〜35%という自施設データが引かれており、初診の身体症状患者を対象に説明のつかない症状を判定した国内研究も存在する。「日本にも単施設の総合診療科・心療内科のデータは存在する。ただし、全国代表性のある診療所ベースの有病率調査や、現代的な統一された症例定義を用いた全国推計は確認できなかった」に改めた。節見出しも「日本には、全国代表性のある推計が見当たらない」に改めた。
  15. 訂正WHO14か国研究の対象を「説明のつかない身体症状一般」と読んでいた2026-09-01 · simonSimonらが見ているのは、うつ病の患者が心理症状ではなく身体症状だけを主訴として受診する割合(somatic presentation)である。また比較は施設単位である。「うつ病の患者が身体症状だけで受診する形は、かかりつけ医との継続的な関係が乏しい施設ほど多かった」に限定し、説明のつかない身体症状一般に広げられない旨を明記した。
  16. 訂正結論の軸を「紹介するかどうか」から「所有権を手放すかどうか」に変えた2026-09-01 · ownership精神科、心理職、神経内科、消化器内科、疼痛外来への紹介が必要な患者は当然いる。2024年のレビューも多面的・段階的なケアを支持している。証拠が示しているのは、効果を示した二つの介入に共通して、専門性を足しているが身体症状を「精神科の問題」として丸ごと移管してはいない、という点である。「紹介した瞬間に、元の医師が問題の所有権まで手放すかどうか」が分かれ目かもしれない、という形に結論を書き直した。あわせて第三の節も、日本の問題は「置き場が無い」ことではなく置き場どうしが噛み合っていないことである、という整理に改めた。

出典 SOURCES

  1. 1Highlights of Changes from DSM-IV-TR to DSM-5American Psychiatric Association · 2013 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 「Medically Unexplained Symptoms」という独立した見出しを設け、「DSM-IV criteria overemphasized the importance of an absence of a medical explanation for the somatic symptoms. Unexplained symptoms are present to various degrees, particularly in conversion disorder, but somatic symptom disorders can also accompany diagnosed medical disorders. The reliability of medically unexplained symptoms is limited, and grounding a diagnosis on the absence of an explanation is problematic and reinforces mind-body dualism. The DSM-5 classification defines disorders on the basis of positive symptoms (i.e., distressing somatic symptoms plus abnormal thoughts, feelings, and behaviors in response to these symptoms)」と述べる。また「These disorders are primarily seen in medical settings, and nonpsychiatric physicians found the DSM-IV somatoform diagnoses problematic to use」とも記す。別途 APA が公表した somatic symptom disorder のファクトシートには「an SSD diagnosis does not require that the somatic symptoms are medically unexplained」「Because those suffering from SSD are primarily seen in general medical settings as opposed to psychiatric settings, the criteria in DSM-5 clarify confusing terms and reduce the number of disorders and sub-categories to make the criteria more useful to non-psychiatric care providers」とある。なお本文書は2013年の DSM-5 についてのものであり、DSM-5-TR(2022)で診断基準本文が変更されたかは確認していない
  2. 2ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics, Simple Tabulation (Version 2025 Jan 24)World Health Organization · 2025 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: WHO が公開する ICD-11 MMS の単純表。機能性症候群に相当する分類の所属章は次のとおり。6C20 Bodily distress disorder は第06章(精神、行動又は神経発達の疾患)、DD91.0 Irritable bowel syndrome は第13章(消化器系の疾患)、MG30.0 Chronic primary pain および MG30.01 Chronic widespread pain(線維筋痛症に相当)は第21章(症状、徴候又は臨床所見、他に分類されないもの)、8E49 Postviral fatigue syndrome は第08章(神経系の疾患)。6C20 には重症度別の 6C20.0 Mild、6C20.1 Moderate、6C20.2 Severe、6C20.Z unspecified が置かれている。なお本ファイル全体に somatoform という語は一度も出現しない
  3. 3Prevalence and overlap of somatic symptom disorder, bodily distress syndrome and fibromyalgia syndrome in the German general population: A cross sectional studyJournal of Psychosomatic Research 133:110111 (Häuser W, Hausteiner-Wiehle C, Henningsen P, Brähler E, Schmalbach B, Wolfe F) · 2020 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: ドイツの全国代表サンプル2531人(平均48.8±17.85歳、女性53.3%)を対象とした横断研究。「4.5% of participants met the criteria of SSD… 9.6% met the criteria of single-organ BDS and 1.3% of multi-organ BDS. Prevalence of FMS according to 2016 criteria was 3.4%. 82.3% of FMS cases met any BDS criteria. 28.1% of FMS cases satisfied SSD criteria. 28.8% of any BDS cases met the criteria of SSD. 75.1% of SSD cases met the criteria of any BDS」と報告し、結論を「In the general population, there is a substantial overlap between FMS and BDS, but not of FMS and SSD, and not of SSD and any BDS. Case definitions of the three disorders partially captured different groups in the general population」とする。症例定義は構造化面接ではなく自記式質問紙により、SSD の B 基準は心気傾向尺度 WI-7 で代用されている
  4. 4The somatising effect of clinical consultation: what patients and doctors say and do not say when patients present medically unexplained physical symptomsSocial Science & Medicine 61(7):1505-1515 (Ring A, Dowrick CF, Humphris GM, Davies J, Salmon P) · 2005 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 一般医が医学的に説明されない症状と判断した連続420名の診察を録音・逐語化し、発話単位でコーディングした研究。「Physical intervention was, as predicted, proposed more often by GPs than patients. Also as predicted, almost all patients provided cues concerning psychosocial difficulties or their need for explanation. Although, contrary to prediction, most GPs did provide explanations other than physical disease, most also suggested physical disease. Few GPs empathised. The findings suggest that the explanation for the high level of physical intervention for MUS lies in GPs' responses rather than patients' demands, and we propose that explanations for 'somatisation' should be sought in doctor-patient interaction rather than in patients' psychopathology」と結論する。同じ420診察の逐次解析(Salmon P, et al. Psychosomatic Medicine 2006;68(4):570-577)では「Whether physicians proposed medical care was unrelated to patients' attributions to disease or demands for treatment. Proposals of explicitly somatic responses (drugs, investigation or specialist referral) became more likely after patients had elaborated their symptoms and less likely after patients indicated psychosocial difficulties」「The findings are incompatible with the influential assumption that physicians offer medical care to patients with unexplained symptoms because the patients demand treatment for a physical disease」と報告している
  5. 5Non-pharmacological interventions for somatoform disorders and medically unexplained physical symptoms (MUPS) in adultsCochrane Database of Systematic Reviews 2014(11):CD011142 (van Dessel N, den Boeft M, van der Wouden JC, Kleinstäuber M, Leone SS, Terluin B, Numans ME, van der Horst HE, van Marwijk H) · 2014 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 無作為化比較試験21件、無作為化された参加者2658名のレビュー。うち14件が認知行動療法で、理学療法の研究はゼロ。通常ケアまたは待機リストとの比較では「the psychological therapy resulted in less severe symptoms at end of treatment (SMD -0.34; 95% confidence interval (CI) -0.53 to -0.16; 10 studies, 1081 analysed participants). This effect was considered small to medium; heterogeneity was moderate and overall quality of the evidence was low」。強化ケアとの比較では「Five studies (624 analysed participants) assessed symptom severity comparing some psychological therapy with enhanced care, and found no clear evidence of a difference at end of treatment (pooled SMD -0.19; 95% CI -0.43 to 0.04; considerable heterogeneity; low-quality evidence)」。脱落については「Compared with usual care, psychological therapies resulted in a 7% higher proportion of drop-outs during treatment (RR acceptability 0.93; 95% CI 0.88 to 0.99; 14 studies, 1644 participants; moderate-quality evidence)」。著者らは限界として「An important issue was that all studies in this review included participants who were willing to receive psychological treatment. In daily practice, there is also a substantial proportion of participants not willing to accept psychological treatments for somatoform disorders or MUPS. It is unclear how large this group is and how this influences the relevance of CBT in clinical practice」と記す。検索は2013年11月まで。更新版の有無は確認できていない
  6. 6Medically unexplained physical symptoms: the feasibility of group cognitive-behavioural therapy in primary careJournal of Psychosomatic Research 57(6):517-520 (Arnold IA, Speckens AE, van Hemert AM) · 2004 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: オランダのプライマリケアで集団認知行動療法の実行可能性を検討した研究。選別の経過を「From January to March 1999, 1084 consultations of 796 patients were screened. The GP classified the symptoms of 104 patients aged 25-79 as unexplained. Of these, 71 patients were not considered to be eligible for treatment, mainly due to a psychological attribution of the symptoms. The research interview was offered to 33 patients, 16 of them declined and 12 were interviewed. Seven out of the 12 eligible patients accepted treatment」と全段階記述している。結論は「In primary care, 18% of patients aged 25-79 years was estimated to have MUPS. For only a minority of these patients, group CBT was considered suitable and acceptable」。なお同じグループの先行研究(Speckens AE, et al. J Psychosom Res 1995;39(7):855-863)では、治療の適応があった98人のうち79人(81%)が心理的治療を受け入れており、その条件は「The study was introduced to the patient by the attending physician, and the treatment took place in the general medical outpatient clinic itself」であった
  7. 7Cluster randomised controlled trial of training practices in reattribution for medically unexplained symptomsBritish Journal of Psychiatry 191:536-542 (Morriss R, Dowrick C, Salmon P, Peters S, Dunn G, Rogers A, Lewis B, Charles-Jones H, Hogg J, Clifford R, Rigby C, Gask L) · 2007 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 16診療所、一般医74名、患者141名のクラスター無作為化比較試験。介入は6時間の再帰属訓練。「With training, the proportion of consultations mostly consistent with reattribution increased (31 v. 2%, P=0.002). Training was associated with decreased quality of life (health thermometer difference -0.9, 95% CI -1.6 to -0.1; P=0.027) with no other effects on patient outcome or health contacts」。結論は「Practice-based training in reattribution changed doctor-patient communication without improving outcome of patients with medically unexplained symptoms」。訓練は6時間のみで非専門のトレーナーが実施しており、他の研究では20時間以上の訓練が用いられている。効果がなかったのが技法によるものか訓練量によるものかは、この試験では区別できない。なお同じ試験で訓練を辞退した一般医への質的研究(Salmon P, et al. J Gen Intern Med 2007;22(5):565-571)は「these coexisted, in the same practitioners, with evidence of intuitive and elaborate psychological work with these patients. However, these practitioners devalued their psychological skills」と報告している
  8. 8Enhanced care by generalists for functional somatic symptoms and disorders in primary careCochrane Database of Systematic Reviews 2013(10):CD008142 (Rosendal M, Blankenstein AH, Morriss R, Fink P, Sharpe M, Burton C) · 2013 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: クラスター無作為化比較試験7件(解析可能6件)、一般医233名、参加者1787名。すべて欧州で実施。「Outcomes relating to mental health showed less heterogeneity and we conducted meta-analyses, which found non-significant overall effect sizes with SMDs for changes at 6 to 24 months follow-up: mental health (3 studies) SMD -0.04 (95% CI -0.18 to 0.10), illness worry (3 studies) SMD 0.09 (95% CI -0.04 to 0.22), depression (4 studies) SMD 0.07 (95% CI -0.05 to 0.20) and anxiety (2 studies) SMD -0.07 (95% CI -0.38 to 0.25)」。脱落については「We analysed study discontinuation and found that both short term and long term discontinuation occurred more often in patients allocated to the intervention group, RR of 1.25 (95% CI 1.08 to 1.46) at 12 to 24 months」。結論は「Current evidence does not answer the question whether enhanced care delivered by front line primary care professionals has an effect or not」だが、あわせて「Attention should be paid to difficulties including limited consultation time, lack of skills, the need for a degree of diagnostic openness, and patient resistance towards psychosomatic attributions. There is some indication from this and other reviews that more intensive interventions are more successful in changing patient outcomes」と留保している
  9. 9Efficacy of therapist-delivered transdiagnostic CBT for patients with persistent physical symptoms in secondary care: a randomised controlled trialPsychological Medicine 53(2):486-496 (Chalder T, Patel M, Hotopf M, Moss-Morris R, Ashworth M, Watts K, David A, McCrone P, Husain M, Garrood T, James K, Landau S) · 2023 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 二次医療における持続性身体症状に対し、訓練された療法家が横断的認知行動療法を実施した無作為化比較試験。324名(介入161、標準医療163)、52週の追跡率74%。主要評価の Work and Social Adjustment Scale では「estimated difference -1.48 points, 95% confidence interval from -3.44 to 0.48, p = 0.139」で有意差なし。副次評価では WSAS 20週(p=0.016)、PHQ-15 52週(p=0.013)、CGI 52週(p=0.011)が有意だった。結論は「We have preliminary evidence that TDT-CBT + SMC may be helpful for people with a range of PPS. However, further study is required to maximise or maintain effects seen at end of treatment」
  10. 10Effectiveness of a symptom-clinic intervention delivered by general practitioners with an extended role for people with multiple and persistent physical symptoms in England: the Multiple Symptoms Study 3 pragmatic, multicentre, parallel-group, individually randomised controlled trialThe Lancet 403(10444):2619-2629 (Burton C, Mooney C, Sutton L, White D, Dawson J, Neilson AR, Rowlands G, Thomas S, Horspool M, Fryer K, Greco M, Sanders T, Thomas RE, Cooper C, Turton E, Waheed W, Woodward J, Mallender E, Deary V) · 2024 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: イングランドの108診療所、354名を対象とした実用的多施設個別無作為化比較試験(2018年12月-2023年6月)。介入は「a sequence of up to four medical consultations that aimed to elicit a detailed clinical history, fully hear and validate the participant, offer rational explanations for symptoms, and assist the participant to develop ways of managing their symptoms; it was delivered by general practitioners with an extended role」。主要評価は52週時点の PHQ-15 で、「PHQ-15 scores were 14.1 (SD 3.7) in the group receiving usual care and 12.2 (4.5) in the group receiving the intervention. The adjusted between-group difference of -1.82 (95% CI -2.67 to -0.97) was statistically significantly in favour of the intervention group (p<0.0001)」。結論は「Our symptom-clinic intervention, which focused on explaining persistent symptoms to participants in order to support self-management, led to sustained improvement in multiple and persistent physical symptoms」。NIHR の全報告書(Health and Social Care Delivery Research 2025;13:1-24)は増分費用効果比を15,751ポンド/QALY とし、機序について「The intervention appeared to act through the hypothesised mechanism of explanation as a bridge from uncertainty about the cause to actions to manage symptoms」と述べ、限界として「The intervention was delivered by a small number of GPs in long consultations」と明記している
  11. 11Multiple Symptoms Study 3 - An extended-role general practitioner clinic for patients with persistent physical symptoms: a Randomised Controlled Trial (NIHR Journals Library)NIHR (Burton C ほか) · 2024 · accessed 2026-08-31裏付けた主張: MSS3の詳細報告。介入は「長い診察を4回行う」だけのものではない。拡張役割一般医への研修は10回の初期セッションと3回の研究アップデート会議からなり、訓練された一般医は介入開発者による継続的なスーパービジョンを受けた。説明の枠組みとして Recognition, Explanation, Action and Learning(REAL) という4段階の構造化アプローチが用いられ、診察は初回およそ50分、その後15〜20分の追加セッションを最大3回、計最大4回の医学的診察である。効果の大きさについては、PHQ-15の臨床的に重要な差(clinically important difference)が2.3点とされる一方、観察された調整群間差は1.82点(95%CI -2.67から-0.97)であり平均差はCIDを下回る。ただしCIDの2倍にあたる4.6点の大幅な改善を達成するための必要治療数(NNT)は5と報告されている。すなわち研修量・監督・構造化モデル・診察枠が同時に異なる複合介入であり、単一の要素に効果を帰属させることはできない
  12. 12医療法施行令 第三条の二(広告することができる診療科名)e-Gov 法令検索(昭和二十三年政令第三百二十六号) · 2024 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 広告可能な診療科名を定める規定。医業については「イ 内科」「ロ 外科」に加え、「ハ 内科又は外科と次に定める事項とを厚生労働省令で定めるところにより組み合わせた名称」として「(3) 整形、形成、美容、心療、薬物療法、透析、移植、光学医療、生殖医療若しくは疼痛緩和」等を挙げ、「ニ イからハまでに掲げる診療科名のほか、次に掲げるもの (1) 精神科、アレルギー科、リウマチ科、小児科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科、放射線科、病理診断科、臨床検査科又は救急科」と定める。すなわち「精神科」は独立した診療科名として名指しで規定されているが、「心療内科」という語は条文中に存在せず、あるのは組み合わせ事項としての「心療」のみである。ただしこれは心療内科が法令上の診療科名でないことを意味しない。ハの規定により「内科」と「心療」を組み合わせた名称は広告可能であり、心療内科は現在も法的に広告できる診療科名である。医療法施行規則第一条の九の四は不合理な組み合わせとして「内科/整形又は形成」「外科/心療」を挙げており、消去法として内科との組み合わせのみが残る。平成8年8月12日健政発第699号は「標榜診療科名として、心療内科…を追加」と明記している。厚生労働省医道審議会診療科名標榜部会資料(平成19年6月11日)によれば、心療内科は平成8年の政令改正でアレルギー科・リウマチ科・リハビリテーション科・歯科口腔外科とともに追加された標榜科名であり、精神科は昭和23年の現行医療法制定時の16診療科名の一つである
  13. 13診療ガイドラインレビュー 2. 心療内科日本内科学会雑誌 91(11):3222-(中井吉英、福永幹彦、石野振一郎) · 2002 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 日本心身医学会による心身症の定義(1991年、以後改訂されていない)を「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」と示したうえで、「従って、心身症そのものについてのガイドラインはない。また、心身症の病態を呈する各疾患、すなわち心身医学的因子を取り込んだガイドラインは作成されていない」と述べる。さらに「わが国の定義によると、心身症とは診断名ではなく病態である。同じ疾患であっても心身症としての病態を呈する患者とそうでない患者が存在するわけである」とし、ガイドライン作成上の問題として「① 心理社会的因子の評価能力が個々の医師により異なる。② 経過に心理社会的因子が関与する病態を考慮に入れると、多くの患者は心身症として取り扱わねばならなくなる。③ 機能的障害の知識や診断能力が医師により様々である」を挙げている
  14. 14医科診療報酬点数表 I004 心身医学療法、および実施上の留意事項通知厚生労働省(令和6年厚生労働省告示第57号別表第一、保医発0305第4号別添1 令和6年3月5日。令和8年度改定後の点数は令和8年厚生労働省告示第69号 別紙1-1 https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001662535.pdf で確認) · 2026 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 点数はI004心身医学療法(1回につき)が「1 入院中の患者 150点」「2 入院中の患者以外の患者 イ 初診時 110点 ロ 再診時 80点」。注1に「精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できるものとする」、注2に初診日は「診療に要した時間が30分を超えたときに限り算定する」とある。通知は「(1) 心身医学療法とは、心身症の患者について、一定の治療計画に基づいて、身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにするとともに…」と定義し、「(4) 心身医学療法を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の傷病名欄において、心身症による当該身体的傷病の傷病名の次に「(心身症)」と記載する。例 「胃潰瘍(心身症)」」と定める。また「(8) 「I001」入院精神療法、「I002」通院・在宅精神療法又は「I003」標準型精神分析療法を算定している患者については、心身医学療法は算定できない」。対照となるI002通院・在宅精神療法は再診相当(ハ)が30分以上410点・390点、30分未満315点・290点で、注2により「診療に要した時間が5分を超えたときに限り算定する」とされ、通知(2)により「精神科を標榜する保険医療機関の精神科を担当する医師が行った場合に限り算定する」。なお令和8年度改定(令和8年厚生労働省告示第69号、令和8年6月1日適用)の新旧対照表で確認したところ、I004心身医学療法は点数・注ともに改正がなく150点・110点・80点のまま据え置かれている。一方I002は初診日の区分が改められ、60分以上が精神保健指定医650点・それ以外550点となり、指定医による30分以上60分未満550点が新設された。再診相当(ハ)は据え置き。また留意事項通知は「区分番号「I001」入院精神療法、区分番号「I002」通院・在宅精神療法又は区分番号「I003」標準型精神分析療法を算定している患者については、心身医学療法は算定できない」と定めており、通院・在宅精神療法との併算定はできない。心身医学療法の定義は「心身症の患者について、一定の治療計画に基づいて、身体的傷病と心理・社会的要因との関連を明らかにするとともに、当該患者に対して心理的影響を与えることにより、症状の改善又は傷病からの回復を図る治療方法」である
  15. 15傷病名マスター(傷病名コード) 令和8年3月版厚生労働省 診療報酬情報提供サービス · accessed 2026-08-31裏付けた主張: 診療報酬請求に用いる傷病名のマスターファイル。本稿で全文検索したところ、身体化障害(8835100)、身体表現性障害(8835104)、診断不明疾患(8835110)、不定愁訴症(8839790)、口腔心身症(8843710)などが収載されている。すなわち説明のつかない身体症状に対応する傷病名コードは存在し、レセプトに記載すること自体は可能である。なお日本のレセプト傷病名マスターはICD-10に対応しており、ICD-11の6C20 bodily distress disorder に一対一で対応する項目は存在しない
  16. 16令和6(2024)年 社会医療診療行為別統計 第22表(医科診療 診療行為別 算定回数)厚生労働省 · 2025 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 令和6年8月審査分として審査決定された明細書のうち、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)に蓄積されているもの全てを集計対象とした全数集計。心身医学療法の算定回数は、入院中の患者2,358回(病院2,160、うち精神科病院0、診療所198)、入院外・初診時3,102回(病院489、うち精神科病院0、診療所2,608)、入院外・再診時45,954回(病院22,240、うち精神科病院22、診療所23,635)で、合計51,414回。通院精神療法は4,970,179回(うち30分未満・精神保健指定医による315点が3,772,470回)、在宅精神療法は96,941回で、合計5,067,120回。なお令和6年度改定に伴い集計対象月が6月審査分から8月審査分に変更されており、概況は令和5年の数値との比較に留意が必要としている。算定回数は延べ回数であり患者実数ではない
  17. 17令和5(2023)年 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況 統計表第5表・第6表厚生労働省 · 2024 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 令和5年10月1日現在の診療科目別施設数(重複計上)。一般病院は総数7,065施設で、うち精神科を標榜するもの1,807(25.6%)、心療内科を標榜するもの630(8.9%、前年637)。精神科病院は総数1,057施設で、うち精神科1,057(100%)、心療内科527(49.9%、前年514)。一般診療所は総数104,894施設で、うち内科64,747(61.7%)、精神科7,761(7.4%)、心療内科5,314(5.1%、平成29年は5,063)。概況本文は「精神科病院では、「15 心療内科」(13施設増)などが増加している」と記す。重複計上のため1施設が複数の診療科を標榜すればそれぞれに計上されており、この統計から「心療内科のみを標榜する施設数」は算出できない。また平成20年の標榜制度改正で診療科の分類が変更されているため、それ以前との単純比較はできない
  18. 18Characteristics of outpatients with functional somatic syndromes at a university hospital's general medicine clinicJournal of General and Family Medicine 23(4):268-274 (Nishiyama J, Abe T, Imaizumi S, Yamane A, Fukunaga M) · 2022 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 西日本の都市部にある大学病院総合診療科の2016年1月1日から12月31日までの初診外来1975名を分類した研究。「The proportion (number) of patients classified in each diagnostic category was as follows: FSS, 33% (653); AI, 15% (306); OD, 45% (881); PSYD, 5% (86); and UC, 2.5% (49)」。FSS は機能性身体症候群、PSYD は精神疾患、UC は分類不能。「93% of the supposed MUS (FSS and UC) were diagnosed with FSS」であり、FSS 群では心理行動的要因の関与が最も高かった(46.7%、305/653)。著者らは「The term medically unexplained symptoms (MUS) is unhelpful for both patients and physicians, and more acceptable illness categories are needed as substitutes for MUS」と述べる。限界として単一施設であること、機能性か否かの判断が「partly subjective on the part of the examining physician」であること、各患者について第一診断名のみを用いたことを挙げている
  19. 19Clinical features of outpatients with somatization symptoms treated at a Japanese psychosomatic medicine clinicBioPsychoSocial Medicine 11:16 (Nakamura Y, Takeuchi T, Hashimoto K, Hashizume M) · 2017 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 東邦大学医療センター大森病院心療内科の2015年の初診871名を対象とした研究。「Of the patients studied, 68% suffered from somatization. Among them, 11% met the definition of Functional Somatic Symptoms (FSS) and 74% had somatization associated with mood disorder or anxiety disorder」。紹介との関連については「a positive correlation (p < 0.05) was found between somatization and patients who had been referred by their doctor」「Many of the patients suffering from somatization in this study, regardless of their age and sex, had been referred to us by doctors from other hospitals」とする。全文によれば紹介状ありは535名(61.5%)、初診後に治療を継続した者は501名(57.6%)、継続しなかった者は262名(30.1%)であり、身体化と紹介の関連は調整後オッズ比1.46(95%CI 1.09-1.98)。なお継続と非継続の合計は763で総数871に届かず、欠測があるとみられる
  20. 20ICD-11「精神,行動,神経発達の疾患」分類と病名の解説シリーズ:各論⑤ 身体的苦痛症または身体的体験症群精神神経学雑誌 123(8):515-520(山田和男、東北医科薬科大学病院精神科) · 2021 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: ICD-11 の CDDR(臨床記述と診断要件)を著者が要約・翻訳した解説。「身体的苦痛症の患者は精神医療よりもむしろ身体医療の場に現れることが多い.抱えている問題に心理的要因があると認めたがらない場合があり,精神医療専門家への紹介を勧められると否定的な反応をすることがある.患者はしばしば,以前に受けた医療に対する不満を表明し,受診先を頻繁に変えることがある」と記す。また「両者の最も大きな違いは,身体表現性障害の主な病像であった『所見は陰性が続き症状にはいかなる身体的基盤もない』という条件が,身体的苦痛症では必須ではないという点であろう」「重症度が増すにつれて,心理学的な説明を拒絶しやすくなる」とも述べる。重症度は、軽度が「症状に集中する時間は1日1〜2時間を超えない」、中等度が「症状に集中する時間が1日数時間」、重度が「医療機関への受診が患者の生活の中心となり」と区分される。DSM-5 の身体症状症との差については「診断をするさいの持続期間(身体的苦痛症は3ヵ月以上,身体症状症は6ヵ月以上)などに若干の相違がみられる」とする。本論文は WHO 原文そのものではなく著者による要約訳である
  21. 21An international study of the relation between somatic symptoms and depressionNew England Journal of Medicine 341(18):1329-1335 (Simon GE, VonKorff M, Piccinelli M, Fullerton C, Ormel J) · 1999 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: WHO による14か国15施設(うち1施設は長崎)の研究。25,916名をスクリーニングし5,447名に構造化面接を実施した。「A somatic presentation was more common at centers where patients lacked an ongoing relationship with a primary care physician than at centers where most patients had a personal physician (odds ratio, 1.8; 95 percent confidence interval, 1.2 to 2.7)」と報告する。うつ病患者のうち身体症状のみを訴えた者の割合は施設により45%から95%(全体69%、P=0.002)であった。これは施設単位の生態学的比較であり、個人レベルの因果を示すものではない。長崎の施設別数値は本文から確認していない

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