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構造から診る03 総合診療という領域/JAPANOTHER

継続性は、誰について測られているのか

継続性は総合診療の中心概念で、死亡率との関連まで報告されている。だが大規模データで頻用されるCOCやFCIは受診履歴から作られ、受診が1回の人では数学的に定義できない。日本の研究を追うと、対象者は年4回以上の受診者、多疾患併存者、かかりつけを持つ人と、それぞれ別の条件で切り取られていた。全国調査の一本は、かかりつけが無いと答えた47%に設問自体を配っていない。一方、2025年に始まったかかりつけ医機能報告制度が測るのは患者が経験した継続性ではなく、医療機関側の提供能力である。誰について、何を継続性として測っているのかを確かめる。

公開2026-08-19
更新2026-09-01
出典16 SOURCES

ダイジェスト解説 VIDEO

前回、私は一つの言い方で記事を閉じた。沖縄の離島14島を追った研究について——分母は人口なのに、分子は来た人だった。

書いたあとで、同じ形が別のところにもあるのではないかと思った。総合診療がいちばん頼りにしている概念で確かめてみることにした。継続性である。

このサイトは繰り返しそこに着地してきた。専門医の数ではなく継続性、フリーアクセスか否かではなく継続性、そして継続性は40年かけて測れるようになった数少ない概念だ——と。

その「測れるようになった」の中身を、今回は式のところまで開いた。

まず、語が三つに割れていた

私はこれまで「継続性」と「連続性」をほとんど同じ意味で使ってきた。一次資料に当たったら、二語で三つの別のものを指していた。

Haggerty らの定義(共著者にBarbara Starfieldが入っている)はこうである1。

Continuity is the degree to which a series of discrete healthcare events is experienced as coherent and connected and consistent with the patient’s medical needs and personal context.

そして同じ論文が、継続性を隣接概念から切り離している。

…distinguishes continuity from attributes such as integration of services and coordination, which are often used interchangeably with continuity.

ただし公開時の本文は、これを「統合も連携も、国際的な定義では継続性ではない」と切り離した。同じ論文の次の一文を落としていた※訂正。

the unit of measurement of continuity is fundamentally the individual. Continuity is not an attribute of providers or organisations. Continuity is how individual patients experience integration of services and coordination.

Haggerty らは、統合や連携を継続性と無関係な別物だと言っているのではない。統合と連携は提供側・システム側の概念であり、それが個々の患者に時間軸を通じてどう経験されるかが継続性である、という整理である。同義ではないが、切り離されてもいない。前回の記事の一つ前で扱った「医療と介護の継ぎ目」は、提供側の連携の話だった。それが患者にどう経験されるかを問うと、継続性の問いになる。

もう一つ、Starfield らの一次医療の四属性を見ると2、

first-contact access for each need; long-term person- (not disease) focused care; comprehensive care for most health needs; and coordinated care when it must be sought elsewhere

第一接触アクセスと、長期の人中心のケアは並んだ別属性である。「そもそも医療に繋がっているか」は継続性の一種ではない。前回の記事が扱った領域は、継続性の手前にある。

ここは私の理解が間違っていたので、はっきり書いておく。「受診の入口の連続性」という言い方は、この枠組みには無い。

そして Starfield の定義文には、見落としやすい括弧がある——person- (not disease) focused。縦断性は「病気を追い続けること」ではなく「人を追い続けること」と定義されている。これが最後に効く。

層国際文献での呼称日本の公式語
第一接触first-contact access「起点」(総合確保方針)
継続性continuity of care「継続的」。名詞は無い
連携・統合coordination / integration「有機的な連携」「切れ目のない」

以下は、真ん中の層だけの話である。

継続性指標の分母は、受診回数である

Salisbury らが継続性指数(COC)をこう定義している3。

an individual-based measure that takes account of the proportion of consultations with the same doctor, adjusted for the number of consultations

分子も分母も受診回数だ。

日本で初めて断片化を測った金子らの研究が、式をそのまま書いている4。FCI は 1 − COC で、分母は n(n−1)(n は総外来受診回数)である。

つまり——n = 1 の人では、分母が 0 になる。

受診が1回の人のこの指標の値は、低いのではない。計算できない。受診が0回の人に至っては、式に入る前に消える。

ここで公開時の本文は「32種類あるという継続性指標は、分子が受診である以上、構造的に全部そうなる」と書いた。誤りである※訂正。Jee と Cabana が44論文から同定した32指標の内訳は、提供者との関係の期間が2、受診密度が17、提供者の分散が8、提供者の順序が1、そして主観的評価が4である5。患者報告型も、関係の長さを測る型もある。すべてが n(n−1) 型ではない。

言えるのはこうである。COC・FCI・UPC など、受診履歴から算出する主要な利用ベースの指標には、一定回数の医療利用を前提とするものが多い。そして「継続性そのものが定義不能」なのではなく、その指標では定義不能である。この一語の差が、この記事のこれ以降を左右する。

金子らは、そこからさらに切り上げている。

we targeted the people with at least four ambulatory visits during a year. The reason is that the previous report indicated that the measure of fragmentation among older adults is reliable in people with at least four visits.

年3回以下の受診者は、指標が不安定だという理由で最初から外れる。方法論的には正しい判断だ。だが結果として、この研究が語れるのは横浜市の75歳以上のうち、年4回以上通った41万3600人についてだけになる。

日本の研究は、それぞれ違う条件で切り取っている

日本のレセプト・調査データで継続性や断片化を測った研究のうち、ここで取り上げるのは四本である(網羅を主張するものではない)。

研究指標落ちる人
金子ら 2022(横浜市・75歳以上・41.4万人)FCI = 1 − COC年3回以下の受診者
安藤ら 2023(川崎市・85〜89歳・968人)6RVF(定期受診施設数)—
安藤ら 2026(全国・469.7万人)RVF多疾患併存でない人
山田・金子 2026(全国web調査・800人)通院年数かかりつけが無い377人

公開時の本文は、ここに「四本とも、別々の理由で、繋がっていない人を落としている」と書いた。同じ表の中で安藤2023の欄を「—」としており、自分の表と矛盾している。撤回する※訂正。また安藤2023は継続性の研究というより、polydoctoring/ケアの断片化を簡便に測る指標を提案した研究である。

正確にはこうである。この四本は、それぞれ異なる対象集団と測定条件を持っている。そのうち三本では、繋がっていない人が別々の理由で解析の外に出る。

いちばん直接的なのは最後の一本だ7。この調査は冒頭でこう尋ねる。

Do you have a medical facility that you usually visit when ill or for health advice?

「はい」423人、「いいえ」377人。そして——

Those answering no (USC = 0; n = 377) did not receive PCPCM items and were excluded from outcome analyses, consistent with recommended gating in non-registration systems.

「いいえ」と答えた人は、継続性の設問そのものを受け取っていない。画面が分岐して、そこで終わる。

論文はこれを隠していない。結論にこう書いてある——“These findings do not extend to adults without a USC”。これは研究の欠陥ではない。この研究の問いが「すでにかかりつけを持つ人の中で、通院年数と患者報告のケアの質がどう関連するか」だからである。言えるのは、この研究が答えられる問いは、既にUSCを持つ人の内部に限定されている、ということである。だが、その47%についての問いが誰かによって別に立てられなければならないことも、同時に成り立つ。

(この47%を日本人の割合として読んではいけない。webパネル調査で、1112人に配信して800人回答。論文自身も先行研究から「約55%」を見込んでいたとしている。ただし設問が分岐するという構造は、標本の性質とは関係なく成り立つ。)

安藤らの全国コホートも同じ壁の内側にある8。RVF0——定期的なかかり先がゼロ——の死亡ハザード比は3.23で、このサイトで扱ってきた数字の中でも最も悪い部類だ。だがこのコホートはレセプトデータであり、保険診療を一度も使わなかった人は入っていない。RVF0 は「使ったが定期的なかかり先が無い」であって、「来なかった」ではない。

その下に、まだ一段ある。

何の上で測られているのか

ここまでは「誰が落ちるか」の話だった。もう一つ、「残った人の何を測っているか」を確かめられる研究が出ている。

安藤らの2026年の論文は、DeSCレセプトの469万6790人を、個人固定効果ポアソン回帰で解析している9。各疾患の新規発症月とそれ以外の月を、同じ人物の中で比べる設計だ。時間で変わらない交絡はすべて吸収される。

アウトカムは RVF——定期的に通っている施設の数。Fortin’s list の20疾患それぞれについて、発症すると RVF が何倍になるかを出している。

上位と下位だけ引く。

順疾患RR
1悪性腫瘍1.102
2骨粗鬆症1.065
3関節症1.061
4肥満1.049
8筋骨格系疾患1.035
⋮
16糖尿病1.019
18高血圧1.017
19脂質異常症1.014
20腎疾患1.008

ここで前回の記事の表を思い出したい。日本で最も多く通われている傷病は、高血圧症・糖尿病・脂質異常症だった。最も多く訴えられている症状は、腰痛・肩こり・関節痛だった10。

日本が最も多く通っている三つの疾患は、20疾患中18位・16位・19位である。発症しても、受診先の数がほとんど増えない。

ここは慎重に読む必要がある※追記。RR 1.014 が意味するのは「脂質異常症の発症が定期受診施設数をほとんど増やさなかった」ということであって、「継続性が高い」ではない。同じ施設で新たに管理された、すでに複数施設に通っていた、健診の後に既存の施設へ戻った、高齢・多疾患併存で施設数がすでに飽和していた——どれでも同じ低いRRが出る。絶対的な受診施設数が少ないことすら意味しない。

一方、症状が訴えられている側——骨粗鬆症2位、関節症3位、筋骨格系疾患8位——は、発症すると受診先が増える側にある。

ここで注意しておきたい。書き始める前、私はこう予想していた——「筋骨格系は継続性指標の外にあるのではないか」。外れていた。筋骨格系は Fortin’s list にもレセプトにも入っていて、きちんと測られている。測られていないのではなく、測ると断片化の側に大きく出る。

もう一つ、潰せていない解釈がある。高血圧と脂質異常症の RR が低いのは、これらが健診で拾われ、すでに通っている施設で診断されるからかもしれない。前回の記事で見たとおり、日本の外来患者の28.1%は初診時に自覚症状がなく、その45.2%は健診で指摘されて来ている。だとすれば低い RR は「継続性が高い」ではなく「発見場所が受診先と同じ」ことの反映になる。

どちらの解釈でも、慢性三疾患が受診先の数を増やさないことは変わらない。変わるのは、それを継続性の達成と呼んでよいかどうかである。

そして、ここで Starfield の括弧を思い出したい。person- (not disease) focused。

ただし公開時の本文は、ここから「日本の継続性がいちばん高く出る場所は、疾患を追い続ける回路かもしれない」と続けた。この推論は、いま手元にある根拠では立たない※訂正。安藤らが測っているのは RVF(定期受診施設数)であって、同じ医師を診た割合でも、同一の提供者との関係の長さでも、対人的継続性でもない。数段落前で自分で置いた留保を、結論のところで解除していた。

だから、結論ではなく問いとして置き直す。慢性疾患の反復管理が、日本の縦断的継続性をどの程度生み出しているのか——これは RVF からは答えられない。疾患別の UPC や COC、あるいは対人的継続性を測る研究が要る。私が探した範囲では、日本で継続性指数を疾患別に出した研究は見つからなかった。この記事から出てくるのは、その空白の位置である。

制度は、継続性を施設の属性にした

2025年4月、日本はかかりつけ医機能報告制度を始めた。継続性にいちばん近い測定インフラである。条文はこうなっている11。

かかりつけ医機能報告対象病院等の管理者は、慢性の疾患を有する高齢者その他の継続的な医療を要する者……に対するかかりつけ医機能の確保のため……次に掲げる事項を……都道府県知事に報告しなければならない。 一 かかりつけ医機能のうち……診療を総合的かつ継続的に行う機能……の有無及びその内容

Haggerty らの定義の、同じ論文の一節を並べる1。

The unit of measurement of continuity is fundamentally the individual. Continuity is not an attribute of providers or organisations.

公開時の本文は、ここで「三つずれている」として、報告するのは施設の管理者であり、形式は有無の二値であり、対象者はすでに継続的な医療を受けている人である、と書いた。後ろ二つが誤りである。

第一に、形式は有無の二値ではない※訂正。厚生労働省の報告マニュアルの報告項目一覧を見ると、1号機能だけでも、院内掲示の有無に加えて、かかりつけ医機能に関する研修の修了者数(常勤換算)、修了した研修の種別、総合診療専門医の有無と人数(常勤換算)、17の診療領域ごとの一次診療の対応可否、一次診療を行うことができる40分類の疾患、患者からの相談への対応可否、特記事項までを報告する。診療報酬に関する項目はNDBからの集計結果があらかじめ反映される12。報告期間は毎年1〜3月で、初回の報告は2026年1〜3月に行われた。

第二に、「継続的な医療を要する者」を「すでに継続的な医療を受けている人」と読んだのは誤読である※訂正。「要する」は need であって receipt ではない。制度の検討会でも、法律の前提は継続的な医療を要する人だが将来的にはこれから病気になる人にも役立つ仕組みに、という議論がなされている。

残るずれは一つ、そして本質的なものである。報告するのは施設の側であり、報告される内容は医療機関の提供能力と実績である。Haggerty らが個人の経験として定義した継続性とは、測っている対象が違う。

正確に書けばこうなる。かかりつけ医機能報告制度は、患者が経験した継続性を測る患者レベルの指標ではなく、医療機関が総合的・継続的な診療を提供できる能力を報告する提供者側の仕組みである。これを「日本には継続性の指標が無い」と書くのは誤りだ。測っている対象が違う指標がある、が正確である。そして提供能力の総和は、患者が経験した継続性にはならない。

もう一つ、日本には継続性を診療報酬で代理させた仕組みがある。外来管理加算——計画的な医学管理を評価する項目で、継続的な外来管理の代理指標として使われてきた。安定した慢性疾患を持つ高齢者を傾向スコアでマッチさせた分析の結果はこうである13。

ACSC入院率 算定あり 1.4% 対 算定なし 1.7%、p=0.472

差が出なかった。

ただし公開時の本文は、ここを「継続性そのものは死亡率と関連するのに、それを診療報酬項目で代理させると関連が消える」と書いた。この比較は成立しない※訂正。Morita らの研究は、外来管理加算を検証済みの継続性の代理指標として妥当性評価した研究ではない。目的は「安定した慢性疾患を持つ高齢者で、計画的な医学管理への診療報酬インセンティブがACSC入院と関連するか」である。アウトカムも違う(死亡とACSC入院)し、曝露も違う(継続性指標と診療報酬の算定)。

言える範囲はこうである。診療報酬の上で「継続的・計画的に見える行為」が、そのまま患者レベルの継続性の代理になるとは限らない。その一例として、外来管理加算の算定はACSC入院と有意な関連を示さなかった。

では入口はどこにあるか。総合確保方針に〈医療・介護サービス利用の起点〉という項がある14。

自らこうした医療機関を選択することで、国民は、地域において「治し、支える」医療やこれと連携した介護を提供してくれる地域包括ケアシステムへの起点を持つこととなる。

主語は国民、動詞は「自ら選択する」。選択しなかった人、選択できなかった人については、この告示は何も定めていない。

ついでに書いておくと、医療法・介護保険法・医療介護総合確保促進法の本則を全文検索したところ、「継続性」「連続性」「切れ目」はいずれも0回だった。医療法本則にあるのは「連携」229回と「継続的」13回である。

ただしここから「日本の法律には継続性という概念が無い」を導くことはできない※訂正。「総合的かつ継続的に行う機能」という形で、概念そのものは法的に記述されている。言えるのは言語上・制度上の差である——法令は継続性を独立した名詞的な指標として定義せず、「継続的な診療」という提供機能として記述している。測る対象が提供側に置かれていることと、この語法は対応している。

総合診療にとって、これが何を意味するか

三つ書いておきたい。

第一に、継続性のエビデンスの相当部分は、繋がっている人についてのエビデンスである。質の高い22件中18件が継続性と死亡率低下の関連を報告した、という所見は本物だ15。

ただし公開時の本文は「その22件が測ったのは、受診記録を持つ人の受診の集中度である」と書いた。22件すべてではない※訂正。最も多く使われた指標が usual provider of care 指数で、22件中10件(45.5%)である。残りにはレセプトベースの別の継続性指標、患者報告による継続性、家庭医の支援的訪問、接触の喪失など、異なる定義が含まれている。そして22件はすべて観察研究で、著者らも関連としか述べていない。

正確にはこうである。死亡率についてのエビデンスの相当部分は、すでに医療を利用している患者の提供者集中度をもとに構築されている。だから「繋がっていない人は継続性が低い」ではない。「繋がっていない人は、その多くの指標の外にいる」である。この二つを混ぜると、第一接触の空白が継続性のエビデンスで埋まっているように見えてしまう。

第二に、日本が達成している継続性が疾患の上に乗っているのかどうかは、まだ答えられない※訂正。高血圧・糖尿病・脂質異常症は、定期処方が反復受診を自動的に生む。それは Saultz の言う縦断的継続性を満たしうるが、対人的継続性を保証しない。Saultz 自身がこう書いていた16——多くの研究が「measuring longitudinal continuity even though they are trying to make inferences about interpersonal continuity」である、と。

そして今回わかったのは、日本ではその縦断的継続性の側さえ、疾患別に測られていないということである。RVF は施設数であって継続性指数ではない。「慢性疾患の反復管理が、日本の縦断的継続性をどの程度作っているのか」——これが、この記事から出てきた問いである。答えではない。

第三に、単位を選ぶことが仕事に含まれる。Haggerty らは継続性を個人の属性と定めた。日本の報告制度は施設の属性として測り始めた。どちらが正しいかという話ではない——施設の機能を数えることには行政上の意味がある。ただ、施設の機能を全部足しても、一人の人についての継続性にはならない。足し算の方向が違う。

前回、私はこう書いた。来なかった人を数えるには、人口の側に立つしかない、と。今回はその一段手前が見えた。繋がっている人についてさえ、大規模データで測られているものの多くは受診の集中度であって、その人が誰かに継続的に把握されているかどうかではない。(患者報告による関係性の継続性を測る指標は存在する。だが日本の大規模研究で使われているのは、ほぼ利用ベースの指標である。)

継続性研究には、二つの層がある。患者が経験する情報・管理・関係の継続性という概念そのものと、レセプトから計算できる提供者集中度という操作的な測定である。後者は大規模な研究を可能にした一方、主に一定の医療利用がある人を観察している。だから「継続性が高い人ほど予後が良い」というエビデンスを、そのまま「医療につながっていない人をどうするか」の答えにはできない。

継続性は40年かけて測れるようになった※訂正。大規模データで最も測りやすくなったのは、来た人の、受診の分布である。


なお、本稿の用語整理は docs/continuity-terms.md に作業台として残してある。この記事で継続性という語を使うとき、それは Haggerty の三分類(情報・管理・関係)の意味であって、第一接触でも連携でもない。

訂正 CORRECTIONS

公開後に直したこと。本文は直したうえで、何をどう変えたかをここに残している。本文中の※ が、直した箇所を指す。

  1. 訂正「32種類の継続性指標は構造的に全部そうなる」を撤回した2026-09-01 · 32shuJee と Cabana が44論文から同定した32指標の内訳は、提供者との関係の期間が2、受診密度が17、提供者の分散が8、提供者の順序が1、主観的評価が4である。患者報告型も関係の長さを測る型もあり、すべてが n(n-1) 型ではない。「COC・FCI・UPCなど、受診履歴から算出する主要な利用ベースの指標には、一定回数の医療利用を前提とするものが多い」に改めた。あわせて「継続性そのものが定義不能」ではなく「その指標では定義不能」であることを明記した。
  2. 訂正「統合も連携も、国際的な定義では継続性ではない」を修正した2026-09-01 · haggerty同じ論文の次の一文を落としていた——「Continuity is how individual patients experience integration of services and coordination」。Haggertyらは統合や連携を継続性と無関係な別物だと言っているのではなく、統合と連携は提供側・システム側の概念であり、それが個々の患者に時間軸を通じてどう経験されるかが継続性である、と整理している。同義ではないが切り離されてもいない、と書き改めた。
  3. 訂正「四本とも、別々の理由で繋がっていない人を落としている」を撤回した2026-09-01 · yonhon同じ表の中で安藤2023の欄を「—」としており、自分の表と矛盾していた。また安藤2023は継続性の研究というより、polydoctoring/ケアの断片化を簡便に測る指標を提案した研究である。「この四本はそれぞれ異なる対象集団と測定条件を持ち、そのうち三本では繋がっていない人が別々の理由で解析の外に出る」に改めた。あわせて節見出しの「日本の四本は、四通りに落としている」を「日本の研究は、それぞれ違う条件で切り取っている」に改め、網羅を主張しない旨も添えた。
  4. 追記低いRVFのrate ratioを「継続性が高い」と読まないよう明記した2026-09-01 · rvf-contRR 1.014が意味するのは「脂質異常症の発症が定期受診施設数をほとんど増やさなかった」ということであって、継続性が高いという意味ではない。同じ施設で新たに管理された、すでに複数施設に通っていた、健診の後に既存の施設へ戻った、高齢・多疾患併存で施設数がすでに飽和していた——どれでも同じ低いRRが出る。絶対的な受診施設数が少ないことすら意味しない旨を補った。
  5. 訂正「日本の縦断的継続性すら疾患が作っているのかもしれない」を問いに戻した2026-09-01 · shikkan-tsukuru安藤らが測っているのはRVF(定期受診施設数)であって、同じ医師を診た割合でも、同一の提供者との関係の長さでも、対人的継続性でもない。数段落前で自分で置いた留保を、結論のところで解除していた。「慢性疾患の反復管理が日本の縦断的継続性をどの程度生み出しているのかは、RVFからは答えられない。疾患別のUPCやCOC、あるいは対人的継続性を測る研究が要る」という形に置き直した。これは答えではなく、この記事から出てきた問いである。
  6. 訂正「22件が測ったのは受診の集中度」を撤回した2026-09-01 · pg22最も多く使われた指標がusual provider of care指数で22件中10件(45.5%)である。残りにはレセプトベースの別の継続性指標、患者報告による継続性、家庭医の支援的訪問、接触の喪失など異なる定義が含まれる。「死亡率についてのエビデンスの相当部分は、すでに医療を利用している患者の提供者集中度をもとに構築されている」に改め、22件がすべて観察研究であることも明記した。
  7. 訂正かかりつけ医機能報告の「形式は有無の二値」は誤りだった2026-09-01 · houkoku-nichi厚生労働省の報告マニュアルの報告項目一覧によれば、1号機能だけでも、院内掲示の有無に加えて、かかりつけ医機能に関する研修の修了者数(常勤換算)、修了した研修の種別、総合診療専門医の有無と人数(常勤換算)、17の診療領域ごとの一次診療の対応可否、一次診療を行うことができる40分類の疾患、患者からの相談への対応可否、特記事項を報告する。診療報酬に関する項目はNDBからの集計結果があらかじめ反映される。報告期間は毎年1〜3月で、初回の報告は2026年1〜3月に行われた。残るずれは「報告するのは施設の側であり、報告される内容は医療機関の提供能力と実績である」という点であり、そこに絞って書き直した。
  8. 訂正「継続的な医療を要する者」を「すでに継続的な医療を受けている人」と読んだのは誤読だった2026-09-01 · yousuru「要する」は need であって receipt ではない。制度の検討会でも、法律の前提は継続的な医療を要する人だが将来的にはこれから病気になる人にも役立つ仕組みに、という議論がなされている。この誤読は「既に繋がった人だけを制度も見る」という主張を直接支えていたため、結論も書き直した。
  9. 訂正外来管理加算を継続性の代理指標として扱った比較を撤回した2026-09-01 · gairai-kasanMoritaらの研究は、外来管理加算を検証済みの継続性の代理指標として妥当性評価したものではない。目的は「安定した慢性疾患を持つ高齢者で、計画的な医学管理への診療報酬インセンティブがACSC入院と関連するか」である。アウトカムも曝露も、死亡率と継続性指標の研究とは違う。「診療報酬の上で継続的・計画的に見える行為が、そのまま患者レベルの継続性の代理になるとは限らない。その一例として、外来管理加算の算定はACSC入院と有意な関連を示さなかった」に改めた。
  10. 訂正症状別有訴者率と疾患別RVFの照合を主論証から外した2026-09-01 · mapping通院者率・有訴者率・疾患発症に伴うRVF増加率は、まったく別の三つの測定系である。とくに「手足の関節が痛む」を骨粗鬆症に対応づけるのは無理がある(骨粗鬆症それ自体は通常、関節痛と直接対応しない)。探索的な照合として読むよう明記し、確度が高いのは通院者率上位の三疾患についての部分だけであるとした。
  11. 訂正「日本の法律は継続性という名詞を持っていない」の含意を限定した2026-09-01 · meishi名詞が無いことから、日本法に継続性の概念が無いことは導けない。「総合的かつ継続的に行う機能」という形で概念そのものは法的に記述されている。「法令は継続性を独立した名詞的な指標として定義せず、継続的な診療という提供機能として記述している」という言語上・制度上の差の指摘に限定した。
  12. 訂正結びの「測れるようになったのは、来た人の受診の分布である」を限定した2026-09-01 · saigo患者報告による関係性の継続性を測る指標は存在するため、この言い方は広すぎた。「大規模データで最も測りやすくなったのは、来た人の、受診の分布である」に改め、あわせて記事全体の結論を「継続性研究には、患者が経験する情報・管理・関係の継続性という概念そのものと、レセプトから計算できる提供者集中度という操作的な測定の二つの層がある。後者は大規模な研究を可能にした一方、主に一定の医療利用がある人を観察している」という形に整理した。

出典 SOURCES

  1. 1Continuity of care: a multidisciplinary reviewBMJ 327(7425):1219-1221 (Haggerty JL, Reid RJ, Freeman GK, Starfield BH, Adair CE, McKendry R) · 2003 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 継続性を「Continuity is the degree to which a series of discrete healthcare events is experienced as coherent and connected and consistent with the patient's medical needs and personal context」と定義する。測定単位について「The unit of measurement of continuity is fundamentally the individual. Continuity is not an attribute of providers or organisations」と明記し、時間軸について「Care over time...is an intrinsic part of continuity」と述べる。三分類は informational continuity「The use of information on past events and personal circumstances to make current care appropriate for each individual」、management continuity「A consistent and coherent approach to the management of a health condition that is responsive to a patient's changing needs」、relational continuity「An ongoing therapeutic relationship between a patient and one or more providers」。さらに継続性を「attributes such as integration of services and coordination, which are often used interchangeably with continuity」から区別している。共著者に Barbara Starfield が入っている
  2. 2Contribution of Primary Care to Health Systems and HealthThe Milbank Quarterly 83(3):457-502 (Starfield B, Shi L, Macinko J) · 2005 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 一次医療の質を四つの要素で評価するとし、「Primary care is assessed as 'good' according to how well these four features are fulfilled: first-contact access for each need; long-term person- (not disease) focused care; comprehensive care for most health needs; and coordinated care when it must be sought elsewhere」と述べる。第一接触アクセスと長期の人中心のケアは並列の別属性として扱われており、縦断性は「person- (not disease) focused」すなわち疾患ではなく人を追い続けることと定義されている。継続性については「Continuity of care, which implies that individuals use their primary source of care over time for most of their health care needs, is associated with greater satisfaction, better compliance, and lower hospitalization and emergency room use」と、別途記述している
  3. 3How should continuity of care in primary health care be assessed?British Journal of General Practice 59(561):e134-e141 (Salisbury C, Sampson F, Ridd M, Montgomery AA) · 2009 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 継続性の測定方法を検討した研究。冒頭で「Researchers attempting to operationalise and measure continuity face a minefield of conceptual and practical problems」と述べる。継続性指数(continuity of care index)を「an individual-based measure that takes account of the proportion of consultations with the same doctor, adjusted for the number of consultations」と定義し、その欠点を「the scores it provides do not have an intuitive meaning」と認めたうえで usual provider of care 指数も併算している。解決の方向として「it is important to distinguish between three distinct but related concepts, longitudinal continuity from a minimum number of health professionals, caring relationships between patients and professionals, and well-coordinated care between professionals」と概念の分割を提案する。なお継続性指標の乱立については Jee SH と Cabana MD の系統的レビュー(Medical Care Research and Review 2006;63(2):158-188)が44論文から32種類の指標を同定しており、定量指標の起点は Bice TW と Boxerman SB による1977年の Medical Care 誌の論文である
  4. 4Fragmentation of ambulatory care among older adults: an exhaustive database study in an ageing city in JapanBMJ Open 12(8):e061921 (Kaneko M, Shinoda S, Shimizu S, Kuroki M, Nakagami S, Chiba T, Goto A) · 2022 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 横浜市(人口約370万、日本で最も人口の多い基礎自治体)の Yokohama Original Medical Database を用い、2018年4月1日から2019年3月31日の1年間に医療機関を4回以上受診した75歳以上41万3600人を分析した横断研究。指標は Fragmentation of Care Index(FCI)で、論文は「FCI = 1 - Continuity of Care Index」と定義し、その式の分母を n(n-1)(n は総外来受診回数)としている。4回以上に限った理由を「we targeted the people with at least four ambulatory visits during a year. The reason is that the previous report indicated that the measure of fragmentation among older adults is reliable in people with at least four visits」と明記する。結果は平均受診施設数3.42(最大20)、FCI>0 の割合85.0%、FCI>0 群の平均FCI 0.583、全体(FCI≧0)の平均0.492。生活保護受給者(3.4%)の平均FCIは0.381で非受給者0.496より低かった。95歳以上では0.394と低下する。層別は年齢・性・保険種別・最も多く受診した施設種別のみで、疾患別の層別は行われていない。結論に「To our knowledge, this is the first study to demonstrate care fragmentation in Japan」とある
  5. 5Indices for Continuity of Care: A Systematic Review of the LiteratureMedical Care Research and Review 63(2):158-188 (Jee SH, Cabana MD) · 2006 · accessed 2026-08-31裏付けた主張: 44論文から32種類の継続性指標を同定した系統的レビュー。指標を五つのカテゴリに分類しており、提供者との関係の期間(duration of provider relationship)が2、受診密度(density of visits)が17、提供者の分散(dispersion of providers)が8、提供者の順序(sequence of providers)が1、主観的評価(subjective estimates)が4である。すなわち32指標のすべてが受診回数を分子・分母とする利用ベースの指標ではなく、患者報告型や関係の長さを測る型も含まれる。著者らは「the diversity of COC indices reflect differences in how this measure is conceptualized」と述べ、いずれの指標も受診の種類(visit type)を考慮していない点を限界として指摘している
  6. 6Measurement of polydoctoring as a crucial component of fragmentation of care among patients with multimorbidity: Cross-sectional study in JapanJournal of General and Family Medicine 24(6):343-349 (Ando T, Sasaki T, Abe Y, Nishimoto Y, Hirata T, Haruta J, Arai Y) · 2023 · accessed 2026-08-20裏付けた主張: 川崎市在住で自立している85-89歳の地域高齢者968人(Kawasaki Aging and Wellbeing Project のベースライン調査)を対象とした横断研究。RVF(regularly visited facilities、定期受診施設数)という指標を提案し、その妥当性を検討している。平均併存慢性疾患数は4.70で、65.3%がRVF2以上であった。RVFは Fragmentation of Care Index(FCI)と有意に相関し、修正ポアソン回帰でRVFが高いほどポリファーマシーの有病率比と外来医療費が高かった。著者らは「Unlike complex indices, RVF is simple and intuitively comprehensible」と述べる一方、「Further research is needed to evaluate the impact of care fragmentation on patient outcomes, considering factors such as RVF thresholds」と留保している
  7. 7Association Between Duration of Usual Source of Care and Patient-reported Primary Care Quality in Japan: A Nationwide Cross-sectional StudyJournal of Primary Care & Community Health 17:21501319251413952 (Yamada H, Kaneko M) · 2026 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 2022年に実施した全国web横断調査。性・年齢層化無作為抽出で20-74歳の1112人に配信し、800人が回答(回答率71.9%)。冒頭の設問は「Do you have a medical facility that you usually visit when ill or for health advice?」で、「はい」と答えた423人が Person-Centered Primary Care Measure(PCPCM)に進み解析対象となった。論文は「Those answering no (USC = 0; n = 377) did not receive PCPCM items and were excluded from outcome analyses, consistent with recommended gating in non-registration systems」と記す。結果は PCPCM 中央値2.47、通院年数(対数変換)と PCPCM の間に量反応関係があり、医師レベルの継続性で最も強かった(β=0.20、95%CI 0.09-0.31、P<0.001)。結論に「These findings do not extend to adults without a USC and should be interpreted within this population」とある。なお標本設計の項で「From prior studies we anticipated a USC prevalence of ~55%」と述べており、web パネル調査であるため回答者の割合をそのまま人口推計として扱うことはできない
  8. 8Polydoctoring and health outcomes among the very old population with multimorbidity: a retrospective cohort study in JapanScientific Reports (Ando T, et al.) · 2025 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 全国規模の後ろ向きコホート(75-89歳の多疾患併存者233万8965人)で、RVF0の死亡ハザード比は3.23(最悪)、RVF5以上は0.67(最良)だが、ACSC入院リスクはU字型でRVF5以上で再上昇(HR 1.13)し、外来医療費もRVF5以上でRVF1の3.21倍。著者らは「最適なRVFは2-3」と結論しているが、これはACSC入院を最小化するという一点についてのバランスであり、死亡・入院・費用を重みづけした総合的な最適解ではない(死亡はRVFが多いほど低く、外来費用はRVFとともに単調に増え、U字型を描くのはACSC入院だけである)。コホートはレセプトデータに基づくため、保険診療を一度も利用しなかった者は含まれない
  9. 9Determinants of polydoctoring among patients with multimorbidity: a Nationwide Longitudinal Fixed-Effects Study in JapanFamily Medicine and Community Health 14(2):e003809 (Ando T, Jani BD, Haruta J, Goto R) · 2026 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: DeSC レセプトデータベース(2014年4月-2024年6月、健保・国保・後期高齢者医療を含む)を用い、慢性疾患2つ以上かつ2年以上の追跡がある469万6790人を対象とした後ろ向きコホート研究。追跡期間中央値53か月、指標日の年齢中央値75.3歳、RVF中央値1(IQR 1-2)。アウトカムは RVF(regularly visited facilities)で、ローリング12か月窓の中で(1)3か月以上レセプトがあり(2)初回と最終の間隔が6か月以上ある施設の数と定義される。疾患分類は Fortin's list の20カテゴリ。個人固定効果ポアソン回帰(暦年固定効果、個人クラスタ標準誤差)により、各疾患の新規発症月とそれ以外の月を同一人物内で比較している。Figure 2 の全20疾患の rate ratio は、Malignancy 1.102(1.101-1.103)、Osteoporosis 1.065(1.064-1.065)、Arthritis 1.061(1.060-1.061)、Obesity 1.049(1.044-1.055)、Stroke 1.044(1.041-1.048)、Cardiovascular disease 1.043(1.042-1.044)、Mental disorders 1.041(1.040-1.043)、Musculoskeletal disorders 1.035(1.034-1.035)、Urinary disease 1.034(1.033-1.035)、Thyroid disease 1.033(1.032-1.035)、Colon disease 1.031(1.030-1.032)、Congestive heart failure 1.022(1.022-1.023)、Stomach disease 1.021(1.020-1.022)、Hepatitis 1.021(1.020-1.022)、Obstructive lung disease 1.020(1.019-1.021)、Diabetes 1.019(1.018-1.020)、Dementia 1.017(1.016-1.019)、Hypertension 1.017(1.016-1.018)、Dyslipidemia 1.014(1.013-1.015)、Kidney disease 1.008(1.007-1.010)。ベースラインの有病率は Hypertension 71.8%、Dyslipidaemia 59.5%、Musculoskeletal disorders 55.7%、Diabetes 37.1%。論文は「An RVF value of 0 does not indicate absence of healthcare utilisation, but rather absence of facilities meeting the predefined criteria for regular care within the observation window」と注記している
  10. 102025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況 Ⅲ 世帯員の健康状況厚生労働省 · 2025 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 傷病別の通院者率は男女とも高血圧症が最も高く、男では次いで糖尿病・脂質異常症、女では脂質異常症・眼の病気。症状別の有訴者率は男女とも腰痛が最も高く、男では次いで頻尿・肩こり、女では肩こり・手足の関節が痛む。通院者率は人口千対409.2、有訴者率は255.7で、全年齢階級で通院者率が有訴者率を上回る
  11. 11医療法 第三十条の十八の四(かかりつけ医機能報告)e-Gov 法令検索(昭和二十三年法律第二百五号、令和7年4月1日施行部分) · 2025 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 「地域におけるかかりつけ医機能を確保するために必要な病院又は診療所として厚生労働省令で定めるもの(以下この条において「かかりつけ医機能報告対象病院等」という。)の管理者は、慢性の疾患を有する高齢者その他の継続的な医療を要する者として厚生労働省令で定める者……に対するかかりつけ医機能の確保のため、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を当該かかりつけ医機能報告対象病院等の所在地の都道府県知事に報告しなければならない。一 かかりつけ医機能のうち、継続的な医療を要する者に対する発生頻度が高い疾患に係る診療その他の日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能(厚生労働省令で定めるものに限る。)の有無及びその内容」。報告主体は医療機関の管理者、報告形式は機能の有無、対象者は継続的な医療を要する者と定められている。なお e-Gov 法令API で医療法・介護保険法・医療介護総合確保促進法の本則を全文検索したところ、「継続性」「連続性」「切れ目」はいずれも0回で、医療法本則には「連携」が229回、「継続的」が13回出現する
  12. 12かかりつけ医機能報告マニュアル(医療機関用) (参考)報告項目一覧厚生労働省医政局総務課(令和8年2月) · 2026 · accessed 2026-08-31裏付けた主張: かかりつけ医機能報告の実務マニュアル。特定機能病院及び歯科医療機関を除く全ての病院・診療所が対象で、「毎年1月から3月の間に、かかりつけ医機能について都道府県知事に報告を行います」とし、報告基準日は原則として毎年1月1日時点の体制や状況、実績に関する報告事項は直近1年分である。報告項目一覧によれば、1号機能(日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能)の報告事項は有無の二値にとどまらない。院内掲示による公表の有無に加えて、「かかりつけ医機能に関する研修の修了者」の有無と「修了者数(常勤換算)」、修了した研修の種別(日本医師会生涯教育制度、日医かかりつけ医機能研修ほか)、「総合診療専門医」の有無と「総合診療専門医数(常勤換算)」、「17の診療領域ごとの一次診療の対応ができる領域」、「一次診療を行うことができる発生頻度が高い疾患」(40分類および その他)、「医療に関する患者からの相談に応じることができること(継続的な医療を要する者への継続的な相談対応を含む)」、特記事項を報告する。診療報酬に関する報告事項はNDBからの集計結果があらかじめ反映(プレプリント)される。報告内容は医療情報ネット「ナビイ」で公表される
  13. 13外来管理加算が避けられる入院に与える影響保健医療科学 74(2):169 (Morita ら) · 2025 · accessed 2026-08-20裏付けた主張: 安定した慢性疾患を持つ高齢者を対象とした傾向スコアマッチング分析。継続的な外来管理を評価する診療報酬項目である外来管理加算の算定の有無で、ACSC(外来ケア鋭敏疾患)入院率に有意な差は認められなかった(1.4%対1.7%、p=0.472)。診療報酬上のインセンティブを継続性の代理指標として使う設計が、必ずしも期待通りに機能していない可能性を示す、数少ない国内の定量的エビデンスである
  14. 14地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)厚生労働省(平成26年9月12日告示、平成28年12月26日・令和3年11月4日・令和5年3月17日一部改正) · 2023 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 「切れ目」が3回出現し、「連続」は0回である。第2 一(1)行政の役割に「医療・介護サービスを利用する国民の視点に立って、どの地域にあっても、切れ目のない医療・介護サービスの提供を安心して受けられる体制を構築していくこととする」、第2 一(2)サービス提供者等の役割に「利用者の視点に立って、入退院支援、日常の療養支援、急変時の対応、看取り等の場面に応じて切れ目ない医療及び介護の提供体制を確保し」とある。〈医療・介護サービス利用の起点〉の項には「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行うかかりつけ医機能を担う医療機関やその連携が明らかになっていることが重要である。自らこうした医療機関を選択することで、国民は、地域において『治し、支える』医療やこれと連携した介護を提供してくれる地域包括ケアシステムへの起点を持つこととなる」と記されている
  15. 15Continuity of care with doctors—a matter of life and death? A systematic review of continuity of care and mortalityBMJ Open 8:e021161 (Pereira Gray DJ, Sidaway-Lee K, White E, Thorne A, Evans PH) · 2018 · accessed 2026-08-20裏付けた主張: 継続性と死亡率の関連を検討した系統的レビュー。「Of the 726 articles identified in searches, 22 fulfilled the eligibility criteria」とし、結果を「We found such heterogeneity of continuity and mortality measurement methods and time frames that it was not possible to combine the results of studies. However, 18 (81.8%) high-quality studies reported statistically significant reductions in mortality, with increased continuity of care. 16 of these were with all-cause mortality」と報告する。結論は「This first systematic review reveals that increased continuity of care by doctors is associated with lower mortality rates. Although all the evidence is observational, patients across cultural boundaries appear to benefit from continuity of care with both generalist and specialist doctors」。最も多く用いられた指標は usual provider of care 指数で、22件中10件(45.5%)であった。すなわちこのレビューが束ねているのは、いずれも受診記録を持つ人について計算された指標である
  16. 16Defining and Measuring Interpersonal Continuity of CareAnnals of Family Medicine 1(3):134-143 (Saultz JW) · 2003 · accessed 2026-08-19裏付けた主張: 継続性を階層として整理する。informational continuity は「An organized collection of medical and social information about each patient is readily available to any health care professional caring for the patient」、longitudinal continuity は「An ongoing pattern of health care interaction that occurs in the same place, with the same medical record, and with the same professionals, so that there is a growing knowledge of the patient by those providing the care」、interpersonal continuity は「A special type of longitudinal continuity in which an ongoing personal relationship between the patient and care provider is characterized by personal trust and responsibility」。階層について「By arranging these concepts as a hierarchy, it is implied that at least some informational continuity is required for longitudinal continuity to be present and that longitudinal continuity is required for interpersonal continuity to exist in a physician-patient relationship」と述べる。また多くの研究が「measuring longitudinal continuity even though they are trying to make inferences about interpersonal continuity」であると指摘している

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