ハンガリー日記

文化・習慣/2026-06-06

ハンガリーの「名前の日」を祝う文化

ハンガリーに来てまず驚いたことのひとつが、「今日は誰々の名前の日だよ」という話題が日常会話に自然に出てくることでした。日本では誕生日を祝うのが一般的ですが、ハンガリーではnévnap(ネームナップ)、つまり「名前の日」を誕生日と同じくらい——ときにはそれ以上に——大切にする文化があります。

名前の日とは何か

ネームデーはカトリックの聖人暦に由来する習慣です。1年365日、それぞれの日にひとつ(または複数)の名前が割り当てられており、その名前を持つ人がお祝いされます。ハンガリーのカレンダーには日付の横に必ずその日の名前が印刷されているほど、生活に深く根づいた慣習です。

たとえば6月6日は「Norbert(ノルベルト)」の日。その日、職場でノルベルトという名前の同僚がいれば「Boldog névnapot!(ボルドグ・ネームナポット=お名前の日おめでとう!)」と声をかけるのがマナーです。

どうやってお祝いするの?

祝い方はシンプルですが心がこもっています。家族や友人からは花束や小さなプレゼント、チョコレートなどが贈られます。職場では同僚がケーキを持ってきたり、ランチをおごったりすることも。誕生日ほど大がかりなパーティーにはならないことが多いですが、SNSには「Boldog névnapot!」のメッセージが飛び交い、メッセージの量は誕生日に引けを取りません。

また子どもの頃から学校でも祝ってもらえるため、自分の名前の日を把握しているハンガリー人はほぼ全員。逆に、相手の名前の日を覚えておいてさりげなく祝うと、とても喜ばれます。留学生として友人の名前の日にメッセージを送ったら、「ちゃんと知ってたんだね!」とかなり感動してもらえた経験があります。

日本人にはちょっと不思議?でも温かい習慣

日本では「名前の日」という概念はほぼ存在しないので、最初は「誕生日でもないのに祝うの?」と不思議に感じるかもしれません。でも実際に体験してみると、自分の名前そのものを大切にしてもらえる感覚がとても温かく、ハンガリー社会のつながりの深さを感じるひとつの場面だと思うようになりました。

ハンガリーを旅行するときや留学するときには、ぜひカレンダーをチェックしてみてください。その日の名前を持つ友人や知人にひとこと「Boldog névnapot!」と伝えるだけで、ぐっと距離が縮まるはずです。