国民的おやつ、トゥーロー・ルディの話
ハンガリーに来て最初の一週間、ホームステイ先の子どもに「これ知らないの!?」と半ば呆れられながら渡されたお菓子がある。赤い水玉模様の細長いパッケージ、中身はチョコでコーティングされた白いバー。名前は「トゥーロー・ルディ(Túró Rudi)」。スーパーでもキオスクでも、ハンガリーならどこでも必ず売っている、まさに国民的おやつだ。
ルーツは意外にもソ連
てっきり昔からある伝統菓子だと思っていたら、意外と歴史は新しい。きっかけは1954年、ハンガリーの乳製品技術者3人がソビエト連邦を視察した際に出会った「シロク(Syrok)」というお菓子だったそうだ。カード(凝乳)にバターや脂肪を混ぜてチョコレートで包んだこの菓子にヒントを得て、ブダペストの乳製品研究所の技術者たちが約12年もの歳月をかけて改良を重ねた。試行錯誤の末、1968年についに発売されたのが今のトゥーロー・ルディだという。
正体は「フレッシュチーズ×チョコ」
中身はトゥーロー(túró)と呼ばれるハンガリーの甘くないフレッシュチーズをベースにした、ほんのり甘いフィリング。それを薄いチョコレートコーティングが包んでいる。爽やかな酸味とチョコの甘さのバランスが絶妙で、最初は「チーズのお菓子?」と身構えたが、一口食べたらすっかり気に入ってしまった。ちなみに名前の「ルディ」は、ハンガリー語で棒を意味する「rúd」に由来するらしい。
今も色あせない定番
バニラやココア、季節限定のフルーツ味など種類も豊富で、学校帰りの子どもたちがキオスクで当たり前のように買っている光景をよく見かける。日本で言えば、ポッキーやガリガリ君のような立ち位置だろうか。値段も手頃で、ちょっと小腹が空いたときのおやつにちょうどいい。
スーパーの冷蔵コーナーに並ぶ赤い水玉パッケージを見かけたら、ぜひ手に取ってみてほしい。ハンガリー人の子ども時代の思い出が詰まった、小さなソウルフードに出会えるはずだ。

