ハンガリーで病院へ行く前に知っておくこと
「体調が悪い。でも、どこへ行けばいい?」ハンガリーで暮らし始めてすぐにぶつかるのが、こんな疑問です。言葉の壁に加えて、医療のしくみが日本とかなり違うので、あらかじめ知っておくと安心です。今日は、ハンガリーの公的医療制度の基本を、TAJカードの話を中心にご紹介します。
TAJカードって何?
ハンガリーで医療サービスを受けるための「保険証」にあたるのが、TAJカード(TAJ kártya)です。9桁の番号が印字された水色のカードで、公立病院や薬局の窓口で提示します。このカードがあれば、受診料がほぼかからない(または大幅に割引される)のが公的保険のうれしいところです。
留学生の場合、Stipendium Hungaricum(スティペンディウム・フンガリクム)などの奨学金受給者は無料で発行してもらえます。奨学金なしでフルタイム在籍している留学生は月ごとの保険料の支払いが必要です。申請から発行まで3〜4か月かかることもあるため、到着後すぐに大学の留学生担当窓口で手続きを始めましょう。
まず「家庭医」に行く、というルール
ハンガリーでは、救急以外の受診は基本的に家庭医(ハーズィオルヴォシュ/háziorvos)への相談が起点になります。日本でいう「かかりつけ医」に近い存在で、居住地に応じて担当の家庭医が割り当てられています。
専門医(眼科・整形外科など)への受診には、原則として家庭医の紹介状(beutaló)が必要です。「いきなり総合病院へ」というのは、ハンガリーではあまり一般的ではありません。まず家庭医に診てもらい、必要があれば専門医へ回してもらう――という流れを覚えておきましょう。
ブダペストや大学都市では、英語対応の家庭医クリニックも増えています。BME(ブダペスト工科大学)やコルヴィヌス大学など多くの大学が、留学生向けに英語対応のGPを紹介してくれます。
薬局と処方箋の話
ハンガリーの薬局はgyógyszertár(ジョージセルタール)といい、緑の十字マークが目印です。風邪薬や痛み止めなど処方箋なしで買える薬もありますが、抗生物質などは家庭医の処方箋(receptドtár)が必要です。TAJカードを持っていれば、処方薬は定価より大幅に安く手に入ることが多いです。
緊急の場合は、救急(Mentő、電話番号 104)や、夜間・休日対応のügyelet(オジェレット)と呼ばれる緊急診療所を利用できます。
最初は手続きが多くて面倒に感じるかもしれませんが、TAJカードを取得して担当の家庭医を把握しておけば、いざというときに慌てずに済みます。健康な留学生活のために、渡航直後の「保険の手続き」だけは早めに済ませておくのがおすすめです。

