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前提を疑う02 アクセスと提供体制/JAPAN

専門医偏重は、本当に多疾患併存ケアに非効率なのか

総合診療の必要性を支える中心的な因果推論だが、総論自身が「国際知見の輸入であり日本国内の実証研究は見つからなかった」と認めていた前提を検証する。国際文献では「専門医偏重」自体を直接検証した研究は少なく、より頑健な説明変数は継続性(continuity)と分断(fragmentation)であることが分かった。日本では233万人規模の全国データがまさにこの検証に迫っているが、国内の学会誌自身が数年前まで該当する日本語原著論文がゼロだったと認めている。「前提を疑う」シリーズ第3回。

公開2026-08-15
更新2026-09-01
出典39 SOURCES

ダイジェスト解説 VIDEO

総論の「エビデンス整理」を書き終えたとき、専門医偏重が多疾患併存(multimorbidity)ケアに非効率だという主張の根拠に、あるかすかな不安が残った。医局制度が形成してきた専門医偏重の医療提供体制が高齢化社会と噛み合っていない、という論点自体は、国際的なプライマリケア研究の知見を日本の文脈に適用した推論であり、日本国内でこれを直接検証した実証研究は見つからなかった、と当時率直に書いた。これは総合診療・地域医療の必要性を支える、サイトの存在意義そのものに関わる主張である。だからこそ、この前提を検証せずに放置するわけにはいかない。本稿は「前提を疑う」シリーズの第3回として、専門医偏重という論点そのものに、国際文献と日本国内の一次資料の両面から向き合う。

先に、この記事で扱う「専門医偏重」という言葉を分けておきたい※追記。以下の議論では、少なくとも四つの別の意味が行き来している。

中身
供給地域や国に専門医が多い
アクセス患者が専門医へ直接かかれる
受療の分散一人の患者を複数の医師・施設が診る
分断その複数受診が調整されていない

これらは同じものではない。循環器・腎臓・家庭医が情報を共有し、家庭医が全体を調整しているなら、専門医を複数使っていても分断ではない。逆に医師が一人でも、毎回担当が変わり情報が引き継がれなければ継続性は低い。

そして本稿の発見は、「専門医偏重が悪いという仮説が否定された」ことではない。その曝露自体が曖昧で、代理として使われてきた専門医供給・施設数・継続性・分断が、同じものではなかったということである。

国際的な基礎文献——強いプライマリケアと死亡率

専門医偏重批判の理論的な土台になっているのは、Barbara Starfieldらによる一連の研究である。18のOECD諸国を対象とした時系列比較では、地理的分布・longitudinality(継続的な関わり)・調整(coordination)・地域志向性といったプライマリケアの特性の強さが、全死因死亡率および心血管・呼吸器疾患による早期死亡率の低下と関連していた1。米国国内でも、プライマリケア医師の供給増加(人口1万人あたり1人増)は全死因死亡率の平均5.3%低下と関連していた2。

しかし、この基礎文献群を注意深く読むと、そこで語られているのは「専門医が少ないほど良い」という単純な主張ではないことが分かる。プライマリケアの中核属性はファーストコンタクト・person-focusedな継続的ケア・包括性・調整であり3,4、過剰な専門医供給が紹介の閾値を下げ、検査や偽陽性、コスト増を通じてプライマリケアの効果を弱めうるという議論は、あくまで仮説的・生態学的な論証として提示されている3。さらに、Macinkoらの米国研究自体が「これは生態学的関連であり、専門医偏重を直接検証したものではない」と明記している2。つまり、この分野で最も引用される基礎文献からストレートに導けるのは「包括的・継続的なプライマリケアは健康アウトカムを改善する」であって、「専門医偏重が原因で非効率である」と断定することではない5。

専門医偏重そのものを検証した研究の少なさ

この点を裏づけるように、専門医偏重そのものを独立変数として直接検証した比較研究は、実のところ乏しい。プライマリケアにおける多疾患併存介入に関する一連のコクランレビュー(2007年・2012年・2016年・2021年と版を重ねている)を見ても、既存研究の多くが測っているのは専門医の数そのものではなく、継続性・受療集中度・分断指数といった代理指標である6,7。「専門医偏重」という言葉は広く使われる一方、それを厳密に操作変数として扱った準実験的研究はほとんど存在しない。

継続性(continuity)という、より頑健な説明変数

代わって国際文献が一貫して支持しているのは、継続性という説明変数である(継続性〈continuity of care〉とは、同じ医師や医療チームが一人の患者を時間をかけて継続的に診ることで、病歴や生活背景の蓄積された理解に基づいたケアができている度合いを指す。毎回別の医療者が初対面で対応する断片的な受診の対極にある概念で、受診先を一箇所に集約すること自体ではなく、診る側と診られる側の関係が途切れずに続いているかどうかを問う指標である)。死亡に関する系統的レビューでは、22件中18件(81.8%)の質の高い研究が、医師の継続性向上と死亡率低下の有意な関連を報告した8。糖尿病・高血圧患者を対象とした系統的レビューでも、継続性の高さは入院・救急受診・死亡率・合併症・医療費の減少と関連していた9。

なお継続性も一枚岩の概念ではない※追記。同じ医療者との関係が続く relational continuity、情報が引き継がれる informational continuity、治療方針が一貫して調整される management continuity は別のものであり、レセプトから計算する指標が測っているのは受診の集中度である。実際、上記のレビューでも、レセプト由来の継続性指標では逆方向の結果を示した研究が1件あった。

そしてこのレビューには、本稿の題に直接答える発見がある※追記。継続性の保護的な関連は、総合診療医だけでなく専門医との継続性においても認められていた。「総合診療医だから良い」のではなく、継続した関係を持つこと自体に便益がある可能性を示している。

個別のコホート研究も同じ方向を向いている。オンタリオの大規模コホートでは、高い継続性は2番目・3番目・4番目の慢性疾患が新たに診断される率を約8・8・9%低下させた※訂正(レセプトデータであり、疾患の発症そのものを防いだことを示すものではない)。同コホートは慢性疾患診断率をそれぞれ約8%・8%・9%低下させ、感度分析でも頑健性が確認された10。別のオンタリオ・コホートでも、多疾患併存と入院の関連は継続性ケアによって修飾され、継続性の低い群では多疾患併存の増加に伴う入院リスクの上昇がより急峻だった11。糖尿病患者を対象とした研究では、継続性の高い群は死亡・入院の複合アウトカムが有意に低く(7.2%対13.5%)、この保護効果は多疾患併存の有無で大きく変わらなかった12。デンマーク全国コホートでは、かかりつけ医との接触割合が25%未満の患者は、完全な継続性を持つ患者に比べて不適切処方のIRRが1.49、死亡のHRが2.59と有意に高かった13。ノルウェーの慢性疾患患者を対象とした登録データ研究でも、COPD・糖尿病・心不全の患者において継続性が低いほど死亡率が高いことが観察されている14。オンタリオのエビデンス評価analysisも、継続性ケアが医療サービス利用(入院・救急受診)の減少と関連するとしているが、これはGRADE基準で「低」評価の、主に観察研究に基づくエビデンスである点には留意が必要である15。

もっとも、継続性と多疾患併存の関係は単純な一方向ではない。スイス50歳以上を対象とした請求データ分析では、多疾患併存の疾患数と全体的な継続性の間にむしろ弱い正の相関が見られ、複雑な高需要患者ほど継続性が高い傾向があった16。複雑な患者ほどかかりつけ医との接触を増やして継続性を維持している可能性が考えられるが、これはこの研究自体が明示した結論というより、結果から導かれる自然な解釈である。いずれにせよ、この結果は「専門医が多いこと自体」ではなく「誰が全体責任を持ち、受療が紹介と情報共有で束ねられているか」が主要な説明変数である可能性を補強するものである。

分断(fragmentation)の効果は文脈依存

分断(fragmentation、複数の医療機関に受療が散らばること)の効果についても、単純な結論は成り立たない。統合医療システムである米国退役軍人省(VA)の高リスク患者を対象にした研究では、ケアの分散は大半の入院指標と関連せず、ACSC(外来ケア可能状態)による入院についてはむしろ分散ケアの方が低いという結果すら見られた。複数のプロバイダーがタイムリーで専門的なアクセスを提供し、リスクを相殺しうるためと考えられる17。分断の悪影響は、それを補う調整の仕組みが機能しているかどうかに左右されるということである。

介入研究(RCT)の限界

ここで扱う介入は、専門医偏重そのものを操作したものではない※訂正。ケア調整・自己管理支援・薬剤管理は、専門医の比率を減らす介入ではない。専門医偏重そのものをRCTで操作した研究が乏しいため、隣接するエビデンスとして見る、という位置づけである。その効果はRCTで確認できるはずである。しかし、この領域の介入研究は一貫して力不足である。2021年のレビューでは16件のRCT・参加者4753人を対象に、ケア調整・自己管理支援・薬剤管理を含む全介入を通じて、主要アウトカムのエビデンスの確実性は「低」と評価された18。2012年のBMJ誌のレビュー(コクラン版とは別の独立したレビュー)でも、10件のRCT・患者3407人を対象に複合介入を検討し、処方・服薬アドヒアランスの改善傾向はあったものの、全体としての効果は限定的で一貫しなかった19。2025年の最新レビューでも、33研究・参加者9449人を対象に、入院減少の示唆はあったものの、大半のアウトカムでは明確な便益は限定的だった20。多疾患併存に対する「共同設計(co-design)」ケアのレビューに至っては、対象となった13件の研究のうち、健康アウトカムを実際に報告したのはわずか2件にとどまり、この分野でアウトカム評価そのものが乏しいことを浮き彫りにしている21。最近のレビューは、RCTという研究デザイン自体が、複雑な介入の評価に適していない可能性を指摘してもいる22。

それでも一貫して見えてくるパターンはある。組織レベルの介入や、複数の要素を組み合わせた複合的介入は、医療利用やケアプロセスのアウトカムに効果を示しやすい23。ACSCによる入院削減に成功した介入(32件を分析)に共通していた特徴は、プライマリケア医の関与とケアマネジメントの実施だった24。プライマリケアチーム(専門医と連携する型・非専門職と連携する型・従来型の3類型)によるケアも、多疾患併存患者のケアプロセス・満足度・精神心理的アウトカムの改善とは関連していたが、臨床アウトカムへの効果は一貫せず、すべての地域・医療制度に適合する単一のチーム型モデルは存在しないとされている25。つまりここでも効いているのは「専門医を減らすこと」自体ではなく、「総合的に束ねる」介入そのものである。

日本国内の実証研究——ポリドクタリングと分断

では、日本国内ではどうか。日本語文献も含めて調べると、この論点についての国内エビデンスは「皆無」ではない。むしろ近年、急速に蓄積されつつある。

分断の実態を示す基礎的なデータから見ていく。横浜市の75歳以上高齢者41万3600人の悉皆診療報酬データを用いた研究では※訂正、Fragmentation of Care Index(FCI)が0を超える割合は85.0%、平均受診医療機関数は3.42件だった26。85〜89歳の高齢者968人を対象にした横断研究(Kawasaki Aging and Wellbeing Project、川崎)でも、65.3%が定期受診医療機関数(regularly visited facilities、RVF)2以上のポリドクタリング状態にあり、RVFの上昇はポリファーマシーの有病率比や外来医療費の増加と有意に関連していた27。別の分析でも、63.4%が定期的に2施設以上を受診しており、受診医療機関数が多いほど処方薬剤数やポリファーマシー有病率比が有意に高かった28。

しかし、日本のデータが示す実態は「専門医が多いほど悪い」という単純な図式には収まらない。全国規模の診療報酬データベース(254万7456人)を用いた解析では、RVF0(定期的なかかり先がゼロ)の群はRVF1の群より全入院・ACSC入院とも有意にリスクが高かった一方、RVF2以上の群ではACSC入院がむしろ減少する傾向にあった29。前向きコホート研究でも、2-4疾患の多疾患併存高齢者ではRVF3以上が有意な死亡リスク低下(HR 0.43)と関連していたが、5疾患以上の重症患者ではRVFによる有意差は見られず、両群に共通していたのはRVF0が数値上最も予後不良な群だったという点である30。

そして、この論点にとって最も重要な研究が、233万8965人を含む大規模レセプトコホートを用いた2025年の分析である※訂正。「全国コホート」ではない——用いられたのは商用レセプトデータベースで、対象は北関東・近畿・東海・四国などの後期高齢者医療制度データに限られ、著者ら自身が一般化可能性の制約を明記している。

そしてRVFは継続性の指標ではない※訂正。Regularly Visited Facilities——年3回以上かつ6か月以上継続して受診した医療機関の数であり、著者らはこれをポリドクタリングの代理指標と定義している。RVF=3は「3施設を定期的に受診している」という意味であって、「継続性が高い」という意味ではない。同論文の限界にも、RVFは施設数しか測らずケアの質や医療者間の調整を評価できないと明記されている。

この記事は当初これを「継続性と同時に追跡した理想的な研究デザイン」と書いていたが、どちらも正確でない※訂正。調整変数は年齢・性別・Charlson指数・地域が中心で、所得や教育などの社会経済的地位は調整できていない。この論点に国内データから最も近づいた大規模観察研究の一つ、という位置づけが妥当である。結果は次の通りだった。RVF0の死亡ハザード比は3.23で最も悪く、RVF5以上は0.67で最も良かった。ところがACSC入院のリスクはU字型を描き、RVF5以上で再び上昇していた(HR 1.13)。外来医療費もRVF5以上ではRVF1の群の3.21倍に達していた。ただし「総合した最適値」が示されたわけではない※訂正。死亡はRVFが多いほど低く(≥5でHR 0.67)、外来費用はRVFとともに増え、ACSC入院だけがU字型を描く。著者らが2〜3を挙げているのは、ACSC入院を最小化するという一点についてのバランスであって、死亡・入院・費用を何対何で重みづけするかという社会厚生関数を置いた上での最適解ではない31。

そしてこの研究は、「専門医偏重=悪い」への反証材料でもある。著者ら自身が、RVFの増加と死亡低下の関連を専門的な医療の便益で説明しうるとし、日本の専門医主導のプライマリケアが死亡率の低下に寄与した可能性まで論じている。この結果は「専門医が多いほど悪い」でも「専門医が多いほど良い」でもなく、「定期的なかかり先がゼロであることが最も悪く、複数施設受診の効果は疾患の複雑性とアウトカムの種類によって異なる」ということを、これまでで最も高い解像度で示している。

なぜ多疾患併存の高齢者は複数の施設を受診するようになるのか、その理由を探った研究もある。ポリドクタリングを促す疾患として眼科疾患・骨粗鬆症・前立腺疾患・変形性関節症が挙げられており、これらはいずれも総合診療の守備範囲内にあるとして、総合診療医の育成が受療の分断とコスト・治療負担の軽減につながりうると論じられている32。

施設構造そのものの比較研究もある。複雑な多疾患併存患者492人を対象とした横断研究では、診療所ベースのプライマリケアは病院ベースのプライマリケアに比べ、ポリファーマシーの有病率が低く、ケア調整・地域志向性のスコアが高く、自己評価健康感も良好だった33。ただしこれは横断研究であり、専門医偏重の因果効果までは証明できない。日本とミシガンの家庭医を対象にした質的比較研究では、診察時間の不足やケア調整専門職の不足が日米共通の課題として、複数機関受診の問題を内包するフリーアクセス制度が日本特有の課題として挙げられている34。これはメカニズム仮説を補強する質的研究であって、転帰そのものを検証した研究ではない。統合ケアを重視する医師の特徴を調べた調査でも、経験年数の長さや在宅医療の提供、複数医療機関受診患者への対応経験などが挙げられている35。

日本語文献が明かす、国内エビデンスの薄さそのもの

ここまでの日本国内の実証研究は、その大半が英語論文として国際的な学術データベースで発見できるものである。しかし、日本語文献を当たり直すと、この分野そのものの発展の経緯が見えてきた。

日本プライマリ・ケア連合学会誌に掲載された2019年のレビューは、医中誌(いしゅうし)を検索した結果を率直に報告している。日本語で書かれたmultimorbidityの原著論文は該当がなく、確認できたのは英語で発表された横断研究4件のみだった。同レビューは、日本には海外と比べて縦断研究・介入研究が不足していると明記している36。つまり、総論を書いた時点で私が感じた「日本国内の実証研究が見つからない」という印象は、2019年時点では国内の学会誌自身が認めていた事実だったということになる。ここまで見てきたAndoらの一連の研究(2023-2025年)は、まさにこの空白を埋めるべく、この数年で急速に蓄積されてきたものだと理解するのが正確だろう。

政策の側でも、この論点への対応は進みつつある。厚生労働省が委託した令和5年度の調査研究事業の報告書は、重複検査・重複受診・ポリファーマシーを単なる費用の問題としてだけでなく、患者のケアの質の問題としても捉えるべきだとし、日本のフリーアクセス制度下ではケアの調整が患者自身に委ねられがちであるために、かかりつけ医が構造的に必要だと論じている37。中央社会保険医療協議会の資料でも、かかりつけ医機能は特定の医師一人が単独で担うものではなく、地域の医療機関間の連携によって提供されるべきだという議論がなされている一方、紹介率が目標を下回り、紹介状なしでの大病院受診が増加している実態も示されている38。

ここまでの検証を踏まえると、「専門医偏重が多疾患併存ケアに非効率だ」という命題は、総論で率直に書いた通り、依然として直接には十分検証されていない。より頑健に支持されているのは、専門医の数そのものではなく、継続性の低さ、情報共有の弱さ、そして複数機関受診が調整されないまま重なることが不良な転帰と結びつく、という命題である。国際文献のどこを探しても、「専門医の数」を独立変数として操作した準実験的研究はほとんど見当たらず、測られているのは一貫して継続性や分断の指標である。

日本国内の状況は、当初の予想よりもずっと動きがあった。2019年の時点で国内の学会誌自身が「日本語の原著論文は該当なし」と認めていたこの分野は、この数年でAndoらの一連の研究によって急速に埋められつつある。とりわけ233万人規模の全国コホートは、継続性・死亡・ACSC入院・医療費を同時に追跡するという、この論点にとって理想的に近い研究デザインをすでに実現している。総論を書いた時点での「国内の実証研究は見つからなかった」という記述は、もはや正確ではない。

ただし、この研究群が実際に示しているのは、当初想定していたよりもずっと繊細な構造である。「専門医が多いほど悪い」のではなく、「定期的なかかり先がゼロであることが一貫して最も悪く、複数施設受診の効果は疾患の複雑性とアウトカムの種類によって異なる」というのが、現時点で最も正確な要約だろう。ACSC入院と医療費についてはRVFが増えすぎるとむしろ悪化するU字型のパターンが見られる一方、死亡についてはより単純に、かかり先がないことそのものが最大のリスクだった。これは総合診療の意義を、「専門医を減らすこと」としてではなく、「かかり先ゼロの患者をゼロにすること」「複数受診を無秩序な分断ではなく調整された分業に変えること」として語るべきだということを示唆している。

ここで、「専門医偏重」という言葉そのものへの違和感も記しておきたい。医師の目的を突き詰めれば、患者の病を解決することに尽きる。その目的に照らせば、複数の疾患を横断的に診る総合診療医もまた、一つの専門性を持った、れっきとした「専門医」に過ぎない。実際、日本では2018年に総合診療専門医が19番目の基本領域として制度化されており39、総合診療はすでに他科と並ぶ「専門医」として国内で位置づけられている。だとすれば、本当に問われるべきは専門医の「数」ではなく、それぞれの専門医が整合性のある体系的な医療システムの中で、自らの役割にふさわしい責任を持ち、情報を共有し合えているかどうかである。専門医偏重の傾向自体があったとしても、この基盤さえ整っていれば、必ずしも問題にはならないはずだ。

この見方に立てば、総合診療という分野の発展は、専門医偏重という傾向そのものを否定する話ではない。むしろそれとは全くレイヤーの異なる話——専門医たちが責任を持って連携し合えるシステムそのものの基盤を補強する話——として理解した方が正確だろう。そして、専門医を重んじる日本の文化・慣習は、この前提に立てば今後むしろ有利に働きうる。総合診療医がすでに国内で正式な「専門医」として確立されている以上、他科と同じ専門性と責任感を備えた新世代の総合診療医が育っていくことが期待できるからである。

最後に、この記事を書く過程で意識が変わったのは、議論の焦点の置き方そのものである。「専門医か総合診療か」という対立軸は、少なくとも実証研究のレベルでは、あまり生産的な問いではない。より正確な問いは、「誰が全体責任を持ち、継続性・調整・情報共有をどう実装するか」である。日本ではまだ、紹介の有無・通常のかかり先・施設間の情報共有・受診集中度・ACSC・入院・死亡・医療費を同時に追う準実験的研究はほぼ存在しない。233万人コホートのような観察研究が急速に蓄積されている一方で、政策側の議論(かかりつけ医機能の制度化)と、それを検証する実証研究との間には、まだ埋まっていない距離があるように見える。この距離を埋めていくことこそが、総合診療の必要性を「輸入された理論」から「国内で検証された知見」へと格上げしていく作業なのだろう。


最後に、この記事の答えを書き直しておく※訂正。

公開時の結びは「専門医の数ではなく、継続性・情報共有・分断が本質」だった。だが資料を厳密に読むと、「分断が悪い」だけでも足りない。

米国VAでは複数の医療者を使うことがACSC入院をむしろ減らす場合があり、日本の233万人の分析でも、定期受診施設が多いほど死亡は低かった。

国際・国内文献を通じて、「専門医が多いこと自体が多疾患併存ケアを非効率にする」という直接のエビデンスは乏しい。より一貫してアウトカムと関連するのは継続性だが、複数の医師・施設を利用すること自体が分断を意味するわけでもない。

だから問うべきは「専門医か総合診療医か」でも「一施設か複数施設か」でもない。必要な専門性を使いながら、誰が全体の責任を持ち、情報と治療方針の連続性をどう担保するかである。

総合診療の価値を証明するために、専門医を「問題」の側に置く必要はない。問うべきなのは、複数の専門性を患者一人のケアとして統合できる仕組みを、誰がどう担うのかである。

訂正 CORRECTIONS

公開後に直したこと。本文は直したうえで、何をどう変えたかをここに残している。本文中の※ が、直した箇所を指す。

  1. 追記「専門医偏重」という曝露が、供給・アクセス・受療の分散・分断という四つの別の意味を行き来していたため、冒頭に区別する表を追加した。2026-09-01 · teigi「専門医偏重」という曝露が、供給・アクセス・受療の分散・分断という四つの別の意味を行き来していた。これらは同じものではなく、本稿の発見は仮説が否定されたことではなく、曝露自体が曖昧でその代理として使われてきた指標が同じものではなかったことである、という位置づけを冒頭で明示した
  2. 追記継続性を単一の概念として扱っていたため、relational・informational・management の区別と、レセプト由来の指標が測っているのは受診の集中度であることを追記した。2026-09-01 · continuity-bunrui継続性を単一の概念として扱っていたため、relational・informational・management の区別と、レセプト由来の指標が測っているのは受診の集中度であることを追記した
  3. 訂正結論を書き直した。2026-09-01 · ketsuron結論を書き直した。「専門医の数ではなく継続性・分断が本質」という形では、複数の医療者を使うことに便益がありうるという知見を説明できない
  4. 訂正オンタリオのコホート研究について「慢性疾患の診断率を低下させた」ことを「疾患を減らした」と読めるように書いていたのを訂正した。2026-09-01 · ontarioオンタリオのコホート研究について「慢性疾患の診断率を低下させた」ことを「疾患を減らした」と読めるように書いていたのを訂正した。レセプトデータであり、疾患の発症そのものを防いだことを示すものではない
  5. 訂正ケア調整・自己管理支援などのRCTを「専門医偏重を是正する介入」として扱っていたのを訂正した。2026-09-01 · rct-ichiケア調整・自己管理支援などのRCTを「専門医偏重を是正する介入」として扱っていたのを訂正した。これらは専門医の比率を減らす介入ではない。専門医偏重そのものをRCTで操作した研究が乏しいため隣接するエビデンスとして見る、という位置づけに改めた
  6. 訂正233万人研究を「この記事のテーマにとって理想的な研究デザイン」と評価していたのを弱めた。2026-09-01 · risou233万人研究を「この記事のテーマにとって理想的な研究デザイン」と評価していたのを弱めた。調整変数は年齢・性別・Charlson指数・地域が中心で、所得や教育などの社会経済的地位は調整できていない。この論点に国内データから最も近づいた大規模観察研究の一つ、が妥当である
  7. 訂正RVF(Regularly Visited Facilities)を継続性の指標として扱っていたのを訂正した。2026-09-01 · rvfRVF(Regularly Visited Facilities)を継続性の指標として扱っていたのを訂正した。年3回以上かつ6か月以上継続して受診した医療機関の数であり、著者らはポリドクタリングの代理指標と定義している。RVF=3は3施設を定期受診しているという意味であって継続性が高いという意味ではなく、同論文の限界にもケアの質や医療者間の調整を評価できないと明記されている
  8. 訂正「著者らは総合した最適なRVFは2-3であると結論づけている」を訂正した。2026-09-01 · saiteki「著者らは総合した最適なRVFは2-3であると結論づけている」を訂正した。死亡はRVFが多いほど低く、外来費用はRVFとともに増え、U字型を描くのはACSC入院である。著者らが2〜3を挙げているのはACSC入院を最小化するという一点についてのバランスであり、複数アウトカムを重みづけした最適解ではない。あわせて、著者ら自身がRVF増加と死亡低下の関連を専門的な医療の便益で説明しうるとしていることを追記した
  9. 追記継続性の保護的な関連が、総合診療医だけでなく専門医との継続性でも認められていたことを追記した。2026-09-01 · specialist-continuity継続性の保護的な関連が、総合診療医だけでなく専門医との継続性でも認められていたことを追記した。本稿の題に直接答える発見であるにもかかわらず書いていなかった
  10. 訂正41万3600人の悉皆診療報酬データを用いた研究を「川崎市」と書いていたが、横浜市である。2026-09-01 · yokohama41万3600人の悉皆診療報酬データを用いた研究を「川崎市」と書いていたが、横浜市である。出典IDは kaneko-fragmentation-yokohama-2022 で正しく、本文だけが誤っていた。968人の85〜89歳の研究のほうが Kawasaki Aging and Wellbeing Project である
  11. 訂正233万8965人の研究を「全国規模の後ろ向きコホート」と書いていたのを訂正した。2026-09-01 · zenkoku233万8965人の研究を「全国規模の後ろ向きコホート」と書いていたのを訂正した。用いられたのは商用レセプトデータベースで、対象は北関東・近畿・東海・四国などの後期高齢者医療制度データに限られ、著者ら自身が一般化可能性の制約を明記している

出典 SOURCES

  1. 1The Contribution of Primary Care Systems to Health Outcomes within Organization for Economic Cooperation and Development (OECD) Countries, 1970-1998Health Services Research · 2003 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 18のOECD諸国の時系列比較で、地理的分布・longitudinality・調整・地域志向性などプライマリケアの特性の強さは全死因死亡率および心血管・呼吸器疾患による早期死亡率の低下と関連していた
  2. 2Quantifying the Health Benefits of Primary Care Physician Supply in the United StatesInternational Journal of Health Services · 2007 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 米国でプライマリケア医師供給の増加(人口1万人あたり1人増)は全死因死亡率の平均5.3%低下と関連していたが、これは生態学的関連であり専門医偏重を直接検証したものではない
  3. 3Commentary: Primary Care and Health Outcomes: A Health Services Research ChallengeHealth Services Research · 2007 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: プライマリケアの中核属性はファーストコンタクト・person-focusedな継続ケア・包括性・調整であり「専門医が少ないほど良い」という単純な主張ではない。専門医供給過剰がプライマリケアの効果を弱めるという議論は仮説的・生態学的な論証にとどまる
  4. 4Detailing the Primary Care Imperative–Remembering Barbara StarfieldThe Milbank Quarterly · 2020 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: ファーストコンタクト・person-focusedな継続ケア・包括性・調整という4属性がプライマリケアの中核であり、専門医の少なさそのものではないことを再確認する
  5. 5Contribution of Primary Care to Health Systems and HealthThe Milbank Quarterly · 2005 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 包括的・継続的なプライマリケアは健康アウトカムを改善すると示すが、「専門医偏重が非効率を招く」ことを直接検証・立証してはいない
  6. 6Interventions for improving outcomes in patients with multimorbidity in primary care and community settingsThe Cochrane Database of Systematic Reviews · 2012 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: プライマリケアにおける多疾患併存介入に関するコクランレビューシリーズの一つ(2007/2012/2016/2021年に更新)。専門医偏重そのものを独立変数として直接検証した比較研究は乏しく、既存研究の多くは継続性・受療集中度・分断指数を測っている
  7. 7Interventions for improving outcomes in patients with multimorbidity in primary care and community settingsThe Cochrane Database of Systematic Reviews · 2016 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 多疾患併存介入に関するコクランレビューシリーズの2016年版(pub3)。2007年(pub1)・2012年(pub2)・2021年(pub4)と版を重ねても、効果に関する不確実性が残るという一貫したパターンを示す
  8. 8Continuity of care with doctors—a matter of life and death? A systematic review of continuity of care and mortalityBMJ Open · 2018 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 死亡に関する系統的レビューで、22件中18件(81.8%)の質の高い研究が医師の継続性向上と死亡率低下の有意な関連を報告した
  9. 9Effects of continuity of care on health outcomes among patients with diabetes mellitus and/or hypertension: a systematic reviewBMC Family Practice · 2021 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 糖尿病・高血圧患者を対象とした系統的レビューで、継続性の高さは入院・救急受診・死亡率・合併症・医療費の減少と関連していた
  10. 10Association between continuity of care and subsequent diagnosis of multimorbidity in Ontario, Canada from 2001–2015: A retrospective cohort studyPLOS ONE · 2021 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 高い継続性ケアは2番目・3番目・4番目の慢性疾患診断率をそれぞれ約8%・8%・9%低下させ、感度分析でも頑健性が確認された
  11. 11The association between multimorbidity and hospitalization is modified by individual demographics and physician continuity of care: a retrospective cohort studyBMC Health Services Research · 2016 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 別のオンタリオ・コホートで、多疾患併存と入院の関連は継続性ケアにより修飾され、継続性の低い群で多疾患併存の増加に伴う入院リスク上昇がより急峻だった
  12. 12The Interplay Between Continuity of Care, Multimorbidity, and Adverse Events in Patients With DiabetesMedical Care · 2016 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 糖尿病患者で継続性の高い群は死亡・入院の複合アウトカムが有意に低く(7.2% 対 13.5%)、この保護効果は多疾患併存の有無で大きく変わらなかった
  13. 13Healthcare fragmentation, multimorbidity, potentially inappropriate medication, and mortality: a Danish nationwide cohort studyBMC Medicine · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: デンマーク全国コホートで、かかりつけ医との接触割合が25%未満の患者は完全な継続性を持つ患者に比べ、不適切処方のIRRが1.49、死亡のHRが2.59と有意に高かった
  14. 14Continuity of care and mortality for patients with chronic disease: an observational study using Norwegian registry dataFamily Practice · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: ノルウェーの慢性疾患患者を対象とした登録データ研究で、COPD・糖尿病・心不全の患者において継続性が低いほど死亡率が高いことが観察された
  15. 15Continuity of care to optimize chronic disease management in the community setting: an evidence-based analysisOntario Health Technology Assessment Series · 2013 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 継続性ケアは医療サービス利用(入院・救急受診)の減少と関連するが、エビデンスの質は低く(GRADE低)、主に横断的コホート等の観察研究に基づく
  16. 16Continuity of care and multimorbidity in the 50+ Swiss population: An analysis of claims dataSSM - Population Health · 2022 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: スイス50歳以上を対象とした請求データ分析で、多疾患併存の疾患数と全体的な継続性の間に弱い正の相関が見られ、複雑な高需要患者ほど継続性が高い傾向があった
  17. 17Outpatient care fragmentation in Veterans Affairs patients at high-risk for hospitalizationHealth Services Research · 2022 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 統合医療システム(VA)の高リスク患者では、ケアの分散は大半の入院指標と関連せず、ACSC入院についてはむしろ分散ケアの方が低かった。複数プロバイダーがタイムリー・専門的なアクセスを提供しリスクを相殺しうる
  18. 18Interventions for improving outcomes in patients with multimorbidity in primary care and community setting: a systematic reviewSystematic Reviews · 2021 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 16件のRCT・参加者4753人を対象に、ケア調整・自己管理支援・薬剤管理を含む全介入を通じて主要アウトカムのエビデンスの確実性は「低」と評価された(コクラン本体の更新版ではなく別誌に掲載された独立の後継研究)
  19. 19Managing patients with multimorbidity: systematic review of interventions in primary care and community settingsBMJ · 2012 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: コクラン版とは別に2012年のBMJ誌に掲載された系統的レビューで、10件のRCT(患者3407人)を対象に複合介入を検討し、処方・服薬アドヒアランス改善の傾向はあったが全体の効果は限定的で一貫しなかった
  20. 20Effectiveness of interventions for the management of multimorbidity in primary care and community settings: systematic review and meta-analysisFamily Practice · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 33研究・参加者9449人を含むレビューで、入院減少の示唆はあったものの、大半のアウトカムでは明確な便益は限定的だった
  21. 21Co-designing care for multimorbidity: a systematic reviewBMC Medicine · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 多疾患併存に対する共同設計(co-design)ケアのレビューで、13件の研究中、健康アウトカムを報告したのはわずか2件にとどまり、この分野でのアウトカム評価そのものの乏しさを示している
  22. 22Challenges in Multimorbidity Research: Lessons Learned From the Most Recent Randomized Controlled Trials in Primary CareFrontiers in Medicine · 2022 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 多疾患併存向けの複雑な介入の評価において、RCTという研究デザイン自体が最適でない可能性を指摘し、質的要素を含む代替デザインの検討を提言している
  23. 23Interventions and management on multimorbidity: an overview of systematic reviewsAgeing Research Reviews · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医療利用・ケアプロセスのアウトカムについては、組織レベルの介入および組織要素を含む複合的介入がより効果的だった
  24. 24Complex community health and social care interventions - Which features lead to reductions in hospitalizations for ambulatory care sensitive conditions? A systematic literature reviewHealth Policy · 2022 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: ACSC(外来ケア可能状態)による入院削減に成功した介入(32件)に共通する特徴は、プライマリケア医の関与とケアマネジメントの実施だった
  25. 25Primary care team and its association with quality of care for people with multimorbidity: a systematic reviewBMC Primary Care · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: プライマリケアチーム(専門医連携型・非専門職連携型・伝統型の3類型)によるケアは、多疾患併存患者のケアプロセス・満足度・精神心理的アウトカムの改善と関連していたが、臨床アウトカムへの効果は一貫せず、すべての地域・医療制度に適合する単一のチーム型は存在しないとされた
  26. 26Fragmentation of ambulatory care among older adults: an exhaustive database study in an ageing city in JapanBMJ Open · 2022 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 横浜市の75歳以上高齢者41万3600人の悉皆診療報酬データ(Yokohama Original Medical Database、2018年4月-2019年3月)で、Fragmentation of Care Index(FCI)が0を超える割合は85.0%、平均受診医療機関数は3.42件だった。対象は年4回以上受診した者に限られている
  27. 27Measurement of polydoctoring as a crucial component of fragmentation of care among patients with multimorbidity: Cross-sectional study in JapanJournal of General and Family Medicine · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 川崎在住の85-89歳高齢者968人のうち65.3%が定期受診医療機関数(RVF)2以上で、RVFの上昇はポリファーマシー有病率比・外来医療費の増加と有意に関連した
  28. 28Association of Care Fragmentation with Polypharmacy and Inappropriate Medication Among Older Adults with MultimorbidityAnnals of Family Medicine · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 63.4%が定期的に2施設以上を受診しており、受診医療機関数が多いほど処方薬剤数・ポリファーマシー有病率比が有意に高かった
  29. 29Impact of polydoctoring on admission among older adults with multimorbidity; a large-scale claims database analysis in JapanAnnals of Family Medicine · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 全国規模診療報酬データベース(254万7456人)の解析で、RVF=0群はRVF=1群より全入院・ACSC入院とも有意にリスクが高く、RVF2以上ではACSC入院が減少する傾向が見られた
  30. 30Association of polydoctoring and mortality among persons over 85 years with multimorbidity: a prospective cohort study in JapanBJGP Open · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2-4疾患併存の高齢者ではRVF3以上が有意な死亡リスク低下(HR 0.43)と関連し、5疾患以上ではRVFによる有意差はなかったが、両群ともRVF0(定期的なかかり先ゼロ)が数値上最も予後不良だった
  31. 31Polydoctoring and health outcomes among the very old population with multimorbidity: a retrospective cohort study in JapanScientific Reports · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 全国規模の後ろ向きコホート(75-89歳の多疾患併存者233万8965人)で、RVF0の死亡ハザード比は3.23(最悪)、RVF5以上は0.67(最良)だが、ACSC入院リスクはU字型でRVF5以上で再上昇(HR 1.13)し、外来医療費もRVF5以上で1に対し3.21倍。著者らは「最適なRVFは2-3」と結論しているが、これはACSC入院を最小化するという一点についてのバランスであり、死亡・入院・費用を重みづけした総合的な最適解ではない(死亡はRVFが多いほど低く、外来費用はRVFとともに単調に増え、U字型を描くのはACSC入院だけである)
  32. 32Determinants of polydoctoring among multimorbid older adults; a cross-sectional study in an urban area of JapanJournal of General and Family Medicine · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: ポリドクタリングを促す疾患として眼科疾患・骨粗鬆症・前立腺疾患・変形性関節症が挙げられ、いずれも総合診療の守備範囲内にあるとして、総合診療医の育成が受療の分断とコスト・治療負担を減らしうると論じた
  33. 33Associations of primary care structures with polypharmacy and patient-reported indicators in patients with complex multimorbidity: a multicentre cross-sectional study in JapanBMJ Open · 2022 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 複雑な多疾患併存患者492人を対象とした横断研究で、診療所ベースのプライマリケアは病院ベースに比べポリファーマシー有病率が低く、ケア調整・地域志向性のスコアが高く、自己評価健康感も良好だった(横断研究のため因果関係は証明できない)
  34. 34Primary care physicians' perspectives and challenges on managing multimorbidity for patients with dementia: a Japan–Michigan qualitative comparative studyBMC Primary Care · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 日本とミシガンの家庭医への質的比較研究で、診察時間不足・ケア調整専門職の不足は日米共通の課題として、複数機関受診の問題を内包するフリーアクセス制度は日本特有の課題として挙げられた(メカニズム仮説生成型の質的研究で、アウトカム研究ではない)
  35. 35The characteristics of general practitioners and geriatricians who emphasise integrated care for older patients with multimorbidityJournal of Integrated Care · 2025 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 日本の家庭医療・老年科専門医への調査(有効回答738人)で、統合ケア重視スコアの高い医師は経験年数の長さ・在宅医療の提供・複数医療機関受診患者への対応経験といった特徴を持っていた
  36. 36プライマリケアにおけるmultimorbidityの現状と課題日本プライマリ・ケア連合学会誌 · 2019 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 医中誌を検索した結果、日本語で書かれたmultimorbidityの原著論文は該当なしで、確認できたのは英語で発表された横断研究4件のみだったと報告。日本には海外と比べ縦断研究・介入研究が不足していると指摘
  37. 37令和5年度老人保健健康増進等事業「かかりつけ医と多職種連携に関する調査研究事業」報告書厚生労働省老人保健健康増進等事業(一般社団法人未来研究所臥龍) · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 重複検査・重複受診・ポリファーマシーは費用の問題としてだけでなく患者のケアの質の問題としても捉えるべきとし、日本のフリーアクセス制度下ではケアの調整が患者自身に委ねられがちであるためにかかりつけ医が構造的に必要だと論じた
  38. 38外来医療の機能分化・連携の推進(かかりつけ医機能の強化・普及等)厚生労働省・中央社会保険医療協議会 · 2023 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: かかりつけ医機能は特定の医師一人が単独で担うものではなく、地域の医療機関間の連携によって提供されるべきだとする中医協委員の議論と、紹介率が目標を下回り紹介状なしの大病院受診が増加している実態を示す
  39. 39Rural generalist medicine: a developing approach to health care in rural and island JapanRural and Remote Health · 2024 · accessed 2026-08-15裏付けた主張: 2018年に総合診療専門医制度が19番目の基本領域として制度化されたこと(登録者数は2018年184/8410人、2022年250/9448人)

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