測る道具の点検01 医療費と財源/JAPANEUROPEOTHER
その点数は、誰が付けているのか
重症度・医療・看護必要度、リハビリテーション実績指数、在宅復帰率。三つとも入院料を左右する指標で、三つとも病院が自分で測る。ただし三つは問題の種類が違う——評価者間の一致、除外の裁量、アウトカムの操作的定義。必要度Ⅰは機械判定の必要度Ⅱより一貫して高いが、どの要因が差を生んだかは分離されていない。支払いに使われるこれらの指標は、支払いを受ける施設が生成した記録に依存している。一方、実際の採点を外部評価と突き合わせる制度的な仕組みは確認できず、現行票の再現性に関する公開データも検索範囲では見つからなかった。
ダイジェスト解説 VIDEO
前回、専門科の境界を引いたのは道具ではなく分類だった、というところに着いた。今回は、その分類を実際に記入している人を見る。
指標監査の日本側で、同じ構造を持つものが三つ集まった。重症度、医療・看護必要度。リハビリテーション実績指数。在宅復帰率。
三つとも入院料を左右する。そして三つとも、病院が自分で測る。
誰が記入してよいか
まず看護必要度から。評価者についての規定は、これで全部である1。
評価は、院内研修を受けた者が行うこと。なお、医師、薬剤師、理学療法士等が一部の項目の評価を行う場合も院内研修を受けること。
「看護師でなければならない」とは書かれていない。むしろ他職種が評価することを明示的に想定している。
一方で、同じ手引きの別の箇所にはこうある。
当該病棟で実施しなければならない処置・介助等の実施者…は、当該病棟に所属する看護職員でなければならない。
ケアを実施する者は看護職員に限られ、評価票を記入する者は限られない。
「院内研修」の中身は、規定されていない
では「院内研修」とは何か。別紙7の全文(約930行)を機械走査した。「研修」という語が現れるのは、2箇所4行だけである1。
| 項目 | 規定の有無 |
|---|---|
| 誰が実施するか | 規定なし |
| 時間・回数 | 規定なし(「年1回以上」すら無い) |
| カリキュラム | 規定なし |
| 修了証 | 規定なし |
| 外部機関の関与 | 規定なし |
そして、同じ通知の中に、こう書かれた評価票がある2。
院内研修は、次に掲げる所定の研修を修了したもの(修了証が交付されているもの)又は評価に習熟したものが行う研修であることが望ましい。 ア 国又は医療関係団体等が主催する研修であること(1日程度) イ 講義及び演習により、次の項目を行う研修であること…
日常生活機能評価票である。主催者も、日数も、カリキュラムも書かれている。
同じ通知の中で、支払いへの影響が桁違いに大きいほうに、規定が無い。
そしてFIMも同じだった。回復期リハ病棟の施設基準が求めるのは、これだけである1。
FIMの測定に関わる職員を対象としたFIMの測定に関する研修会を年1回以上開催すること。
開催すればよい。記入する人が受講している必要は、条文上書かれていない。
実際に、受講していない人が記入していた
東北厚生局が公表している、令和6年度の適時調査での指摘事項3。
重症度、医療・看護必要度Ⅰについて、院内研修を受講していない者により評価が行われている不適切な例が認められたので改めること。
ちなみに適時調査の実施要領を全文走査したが、「看護必要度」の語は0件だった4。調査方法は「関係書類を閲覧し、面接懇談方式により調査を実施する」であって、患者を独立に再評価して一致を測る仕組みではない。
基準未満の左裾が、薄い
ここからが数字の話になる。
急性期一般入院料1の該当患者割合について、厚生労働省がDPCデータで分布を出している5。200床以上・必要度Ⅱの群を見る。
| 施設数 | 平均 | 25%点 | 中央値 | 基準未満割合 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和3年(基準29%) | 717 | 37.3% | 34.4% | 37.1% | 2.0% |
| 令和4年(基準28%) | 865 | 33.7% | 30.7% | 33.5% | 6.6% |
717施設のうち、基準を割っていたのは2.0%。
ただし公開時の本文は、この節を「分布の下半分が、存在しない」と題した。二重に誤りである※撤回。
第一に、中央値37.1%より下の施設は実際に半数ある。消えているのは下半分ではなく、基準未満の左裾である。
第二に、この集計対象は「急性期一般入院料1を届け出ている施設」である。そもそも基準を満たすことが届出の要件なのだから、この集団だけを集計すれば基準未満が少ないのは制度上当然でもある。この分布から、自己採点による上方への操作を推論することはできない。必要なのは、全病院を含む分布、入院料を変更した施設、同一施設の変更前後、そして閾値近傍の等幅ビンによる集積の分析である。
そして「基準を1ポイント下げると、分布全体がその分だけ動く」も数字と合わない※撤回。基準は29%→28%で1ポイント下がっているが、平均は37.3%→33.7%、中央値は37.1%→33.5%で、いずれも3.6ポイント動いている。施設数も717→865で、同一施設のパネルではない。年度間の患者構成、改定内容、COVID-19、対象施設の入れ替わりを分離できないので、この記述は撤回する。
同じ形は、別の指標にも出た。地域包括ケア病棟入院料1(基準72.5%)の在宅復帰率の分布6。
| 区分 | 令和5年 | 令和6年 |
|---|---|---|
| 70%未満 | 4.2% | 4.8% |
| 70〜72.5%未満(基準の直下) | 0.6% | 1.8% |
ただしこの二つの区間は、幅が違う※訂正。「70%未満」は最大70ポイント幅、「70〜72.5%未満」は2.5ポイント幅である。等幅でない区間を比べて分布の切断を判断することはできない。65〜67.5、67.5〜70、70〜72.5のような等幅のビンが要る。そしてここでも、集計対象は入院料1を届け出た施設に条件づけられている。
人が判断すると、高く出る
看護必要度には二つの測り方がある。必要度Ⅰは人が評価票を記入し、必要度Ⅱはレセプト電算処理システム用コードで機械的に判定する1。
同じ患者集団を両方で測った研究がある。750施設・6,105病棟・26,294,407件7。
| 病床規模 | 必要度Ⅰ − 必要度Ⅱ |
|---|---|
| 800床以上 | 2.3 |
| 600〜799床 | 2.9 |
| 400〜599床 | 3.0 |
| 200〜399床 | 4.5 |
| 200床未満 | 5.8 |
評価法Iと評価法IIでは前者のほうが看護必要度評価基準を満たす患者割合が高く…これらの差異は施設特性も影響していることが明らかになった
必要度Ⅰのほうが系統的に高く、その差は病院が小さいほど大きい。
ただし公開時の本文は、これを「人が判断すると高く出る」と読み、「成り立ちの違いだけでは説明されない」と書いた。どちらも言いすぎである※訂正。
必要度Ⅱは、必要度Ⅰの正解を機械で再現したものではない。診療実績コードから構成され、項目定義もデータの生成過程も違う。どちらが患者の「真の必要度」に近いかは、この比較だけでは分からない。そして診療内容・患者構成・コード入力・病棟構成が病床規模と関連していれば、成り立ちの違いから単調な差は生じうる。
書ける範囲はこうである。必要度Ⅰは必要度Ⅱより一貫して高い。ただし、評価者の裁量・患者構成・診療記録・コード対応のどれが差を生んだかは分離されていない。
ここまでで言えることと、言えないこと
公開時の本文は、ここに「ばらつきではなく、方向がある」という節を置き、「ランダムな雑さはこの形を作らない」「測定が制度に応答している」と結論した。撤回する※撤回。
- 必要度Ⅰと必要度Ⅱの差は一方向だが、どの要因が差を生んだかは分離されていない。
- 分布の左裾が薄いのは、その入院料を届け出ている施設だけを集計しているからでもある。
- 「基準を1ポイント下げると分布がその分動く」は、数字と合わない。
- 「ランダムな雑さなら上下にばらける」も、閾値化・床効果・天井効果・非対称な誤分類があれば成立しない。
分布の形から操作を証明することは、この材料ではできない。言えるのは別のことである——支払いに使われるこれらの指標は、支払いを受ける施設が生成した記録に依存しており、実際の採点を外部と突き合わせる仕組みを確認できなかった。
ただし「忙しさが原因の一部でない」とも言えない。両方あり得る。それを分けるデータを、私は持っていない。
一致度は、一度だけ測られた
では、人が付ける必要度Ⅰの一致度はどれくらいなのか。
現行の評価票については、報告が見つからない。英語で22の検索式、日本語で CiNii の23語と J-STAGE を走らせた。「看護必要度 評価者間」は0件である。
ただし、一度だけ測られている。2001年、厚生省のプレテストの段階で8。
同じ患者を、婦長・その日のリーダー看護婦・受け持ち看護婦の3人が評価した。
一致度が低かった項目は、順に「31. 不安」36%、「12. 状態」51.6%、「21. 洗髪」55.9%、「6. 血圧測定」61.3%、「19. 移動方法」65.2%、「36. 看護必要度」65.4%、「13. 安静度」65.6%、「16. 起き上がり」70.6%であった
項目36「看護必要度」の一致度が、65.4%。
公開時の本稿は、これを「総合判定である『看護必要度』そのものの一致度」と書いた。原典より強い※訂正。抄録が示しているのは「一致度が低かった項目」8つの列挙で、65.4%はその6番目である。全体一致率でもκでもない。そして列の筆頭は「31. 不安」の36%である。抄録に「総合判定」という語は無く、項目36が票全体の総合評価にあたるかどうかも、抄録からは確かめられない。
原因の第2に挙げられているのは、こうである。
判断の際に評価者の内的基準を用いることによるばらつき
重要な限定を書いておく。これは2001年のプレテスト版で、項目構成が現行とまったく違う。現行の評価票のデータとして引いてはいけない。そして報告されているのは単純一致率であって、偶然の一致を補正すればκはこれより低くなる。
それでも、時系列の形は残る。支払いに直結する前に測られた記録はあり、私が検索できた範囲では、現行票の評価者間信頼性を報告した研究を確認できなかった※訂正。(医中誌Webは検索できていない。「測られていない」と書くと意図的な不測定を連想させるが、確認できるのは公開研究を見つけられなかったというところまでである。)
開発に携わった研究者の2019年の総説を全文(約61,000字)走査したが、日本の看護必要度の信頼性データへの言及は無かった9。代わりにカリフォルニアについてこう書いている。
その患者分類の妥当性と信頼性を示す研究は、ささやかな研究が一つあるのみで
そして、その次の段落。
同時にシステムの妥当性や信頼性を検証することにも、人的資源や管理に関するコストが必要となる。
悪化の直前で、評価期間を打ち切れる
二つ目の指標に移る。リハビリテーション実績指数である。
分子はFIM運動項目の改善、分母は在棟日数を上限日数で割ったもの。そして条文に、こういう規定がある10。
在棟中又は在室中にFIM運動項目の得点が1週間で10点以上低下したものについては、リハビリテーション実績指数の算出においては、当該低下の直前の時点をもって退棟又は退室したものとみなすことができる。
指数の計算上、悪化した患者を悪化する直前で切って評価期間を終えられる※訂正。令和6年度版と一字一句同じで、令和8年度改定でも残った。(公開時の見出しは「悪化を、なかったことにできる」だったが、これは指数の計算規定であって、診療記録上の悪化が消えるわけではない。)
除外規定もある。死亡した患者は必ず除外され、さらに入棟患者数の20%を上限に、FIM運動20点以下・76点以上・FIM認知14点以下・心大血管疾患の患者を除外できる。
その除外が、どれだけ使えるか
厚生労働省が、1,535施設のDPCデータで数えた11。
いずれかの除外項目が該当する患者の割合が70%を超える施設は、全体の約86%であった。
ここは「除外可能」と「実際に除外された」を分ける必要がある※訂正。除外の候補が70%を超えていても、実際に除外できるのは当時30%、現行制度では20%が上限である。したがって「除外規定が事実上ほぼ全患者に及ぶ」ではなく、多くの施設で除外候補が非常に広く、施設側がその中から上限まで選択できる、が正確である。
そしてこの86%は、旧基準の「80歳以上」「FIM認知24点以下」を用いた2022〜2024年のデータである。2026年度には年齢要件が削除され、認知FIMも14点以下へ狭められた。現在の適格割合として使うことはできない。
そのうえで、除外の前提について指摘がある。
「年齢が80歳以上のもの」、「FIM認知項目の得点が24点以下のもの」に該当する患者のFIM利得は、患者全体と比較して、大きな差は見られなかった。
この二つの群については、FIM利得に大きな差が見られなかった※訂正。(すべての除外条件について示されたわけではない。また未調整の比較なので、「除外に合理性がない」と確定するものでもない。)
分科会のとりまとめが、こう書いている12。
ほぼ全ての患者が実績指数の計算除外基準に該当している施設もあり、現行の基準で病棟の機能を正しく評価されているのか疑問であるため、除外基準を見直すべきではないかとの意見があった。
「80歳以上」や「認知機能が低い」患者と患者全体とで FIM 利得に大きな差はなく、FIM が改善しないから受け入れていないかというとそうではないことから、実績指数の計算対象から除外する必要性は乏しいのではないかとの意見があった。
厚生労働省の分科会が、自分の指標についてこう書いている。その結果、令和8年度改定で「年齢が80歳以上のもの」の除外事由は削除された。
入口の点数も、動きうる
実績指数は「退棟時FIM − 入棟時FIM」で決まる。入棟時を低く付ければ、伸びしろが増える。
これについて、厚生労働省の資料が一枚だけある13。
入院時日常生活機能評価点数が同一の患者について、第三者評価の認定の無い病院と認定を受けている病院とで比較すると、認定の無い病院の方が運動FIMが低い傾向にあった。
差は最大2.6点とされている。
ただし、この一枚がどれだけ薄い土台の上にあるかも書いておく。調整されているのは入院時日常生活機能評価点数のみで、年齢も疾患も発症からの日数も調整されていない。標本数も期間も施設数も図に書かれていない。信頼区間も無い。そして図中の統計量 F(2,38)=3.0, P<0.0005 は内部矛盾している——自由度(2,38)でF=3.0なら、pは概ね0.06である。
FIM そのものが、どれだけ一致するか
FIMの評価者間信頼性については、日常臨床で測った研究がある14。密接に連携する2施設の間で転院した患者143名を、両施設が独立に採点した記録である。
| 統計量 | 対象 | 値 |
|---|---|---|
| ICC(級内相関) | FIM総得点 | .872 |
| 重み付きκ | FIM総得点 | .521 |
| 単純κ | FIM運動下位尺度 | −.007 |
公開時の表は、この三つを同じ対象のものとして並べていた。単純κだけ対象が違う※訂正。
そして統計量は好みの問題でもない。ICCは患者の順位がどれだけ保たれるか、単純κは完全に同じ値になったか、重み付きκは違いの大きさを考慮した一致、Bland–Altmanは絶対的な差と偏り——それぞれ別の問いに答えている。多数の値を取る合計点に単純κを使えば、1点違うだけで完全な不一致になるので低く出る。
原論文の結論も、両面を書いておく。順位相関は高いが絶対的な一致は悪い。そして系統的な採点のバイアスは認められなかった。
著者らの結論。
These findings have implications for the use of the FIM and any patient classification or funding system based on the FIM, especially if poor levels of agreement were found in the presence of all staff being FIM credentialed
全員がFIM認定を持っていた環境で、これだった。
項目レベルの続報では、項目ごとの素点の一致率が平均54%である15。そして令和8年度改定で新設された分子への「+1点」は、「歩行・車椅子」「トイレ動作」が5点以下から6点以上になったかという、まさに項目単位の判定に依存している10。
三つ目——「在宅復帰率」は、一つの指標ではない
条文を当たると、入院料ごとに名前も計算式も違った16。
| 入院料 | 条文上の名称 | 基準 |
|---|---|---|
| 回復期リハ | 他の保険医療機関へ転院した者等を除く者の割合 | 七割 |
| 地域包括ケア | 在宅等に退院するものの割合 | 七割二分五厘 |
| 療養(加算) | 在宅に退院した患者の割合 | 五割 |
| 急性期一般1 | 自宅等に退院するものの割合 | 八割 |
回復期リハの告示・通知の本文に「在宅復帰率」という語は出てこない。届出様式の欄名としてだけ存在する。
そして急性期の「自宅等」に何が入るか。届出様式10の5が、計算式を項目ごとに書いている。
(1)在宅(自宅及び居住系介護施設等)+(2)介護老人保健施設+(3)有床診療所+(4)他院の療養病棟+(5)他院の回復期リハビリテーション病棟+(6)他院の特定機能病院リハビリテーション病棟+(7)他院の地域包括ケア病棟
他院の療養病棟に移った患者も、老健に入所した患者も、「自宅等に退院」に数えられる※追記。
ただしこれを「自宅を偽装している」と読むのは違う。厚生労働省の資料は、自宅以外の病棟への転院も含める理由を「在宅復帰に向けた流れに沿った連携を促すため」と明示している。問題は自己採点の精度ではなく、何をアウトカムと定義したかである。この指標は「自宅帰還率」ではなく、より低い医療強度への移行を含む複合指標である。
そして地域包括ケア病棟では、老健入所を0.5人と数える(施設の種別により0.5または0)。在宅復帰の重みが、行政的に設定されている。
死亡退院は、どの指標でも分母・分子の両方から消える。さらに状態悪化による急性期への転院は、回復期リハと療養病棟では分母から外せる(患者ごとに症状詳記を添付する)。地域包括ケアでは外せない。同じ「在宅復帰率」と呼ばれながら、扱いが逆である。
日本だけの話ではない
ここは慎重に書きたい。同じ構造は各国で実証されている。
英国のQOFを分析した経済学の論文が、一行でまとめている17。
Faced with ratio performance indicators, providers acted on denominators as well as numerators.
比の指標を与えられると、分子だけでなく分母にも手が及ぶ。
そして、分母から外された患者がどうなったか。約246万人の追跡18。
Exempted patients had a higher adjusted risk of death in the following year… (hazard ratio 1.37 … for contraindication, 1.20 … for informed dissent)
除外された患者のほうが、翌年死にやすい。
最も純度が高いのは、米国のリスク調整の研究である19。
enrollees in private Medicare plans generate 6% to 16% higher diagnosis-based risk scores than they would under fee-for-service Medicare, where diagnoses do not affect most provider payments.
同じ患者が、診断名が支払いに効く制度の下では6〜16%「重症」になる。
自己申告指標の精度そのものも測られている。ナーシングホームが公表指標に報告した転倒を請求データと突き合わせると、報告されていたのは57.5%、相関は0.22だった20。
反証も置いておく
「ゲーミングが広く起きている」と言い切るのは、文献の状態を超える。
QOFの除外報告について最も引用される研究は、こう結論している21。
In England, rates of exception reporting have generally been low, with little evidence of widespread gaming.
そして米国の再入院削減プログラムでは、改善とされたものの48%が、電子請求様式の変更で1件あたりに書ける診断名が増えたことで説明される22。故意の操作ではない。
測定が制度に応答することと、誰かが不正をすることは、別のことである。この回で書きたいのは前者だけである。
解決の方向
診断だけで終えたくないので、考えたことを書いておく。ここから先は確かめられた事実ではなく、私の案である。
① 精度の確保を、法令上の義務にする。前例は、同じ法律の中にある23。
病院、診療所又は助産所の管理者は…検体検査の業務を行う場合は、検体検査の業務を行う施設の構造設備、管理組織、検体検査の精度の確保の方法その他の事項を…厚生労働省令で定める基準に適合させなければならない。
医療法第十五条の二である。そして検体検査には、実際に動いている仕組みがある24。共通の試料を全国の施設に配り、報告値を突き合わせる。凍乾血清と凍乾尿で49項目。各施設に返るのは自分の測定値ではなく、SDIと評点、そして「全施設における自施設の評価位置」である。参加は3,223施設。
同じ医療法の下で、検体検査には精度の確保が義務づけられ、看護必要度とFIMには何も義務づけられていない。
評価尺度でこれをやるなら、配るのは血清ではなく共通の症例(紙上、あるいは映像)になる。そして返すのは水準ではなく一致度である。いま施設基準が要求しているのは「該当患者割合が28%以上」という水準だけで、一致度はどこにも要求されていない。
② 悉皆でなく、標本の再評価。全患者を独立に測り直すのは無理でも、無作為に抽出した患者を再評価して乖離率を出すことはできる。適時調査は原則年1回・書面と面接で既に行われているので4、枠組み自体はある。足りないのは、現に測られている値を独立に測り直す一段である。
③ 閾値の崖をなくす。分布が切り落とされる形は、28%で支払いが階段状に変わることの帰結である。連続的にすれば、崖の直上に留まる誘因が消える。
令和8年度改定は算式のほうを変えた。該当患者割合に「救急患者応需係数」——病床当たりの年間救急搬送受入件数に0.005を掛けたもの、上限1割——を足した「割合指数」が基準になった1。厚生労働省の試算では、1,110病院の平均が28.3%から35.4%へ動く25。
目の前の患者の状態とは別の量が、指標に加算されたことになる。そして崖は残した。
④ 測るために作られていない記録を使う。この列の準備として進めている指標監査で、七つの型を全部通った日本の指標は乳児死亡率だけだった。理由は、分子と分母が戸籍法の同じ台帳から来ていることである。測る動機と無関係に生成される記録は、動機に汚染されにくい。
機械化については、実験がもう走っていることを書いておきたい。必要度Ⅱがそれである。そして結果は出ている——機械判定のほうが、一方向に低い。したがって問いは「機械化できるか」ではなく、「機械化した値と人の値がずれると分かっているのに、なぜ両方が併存しているのか」になる。加えて、AIを導入し運用するのは病院である。測る主体が変わらなければ、同じ勾配がかかり得る。
最後に、支払いから外すという選択肢もある。急性期一般入院料6は「継続的に測定を行い、その結果に基づき評価を行っていること」だけを求め、閾値を持たない1。ただし分科会のデータでは、実績指数の要件がない入院料2・4に低い値が溜まっている11。外せば歪みは消えるが、動かす力も消える。取引である。
この列にとって
指標を目標にすると壊れる、という話はよく知られている。ただ、より正確な言い方が査読誌にある26。
Assumptions underlying governance by targets represent synecdoche (taking a part to stand for a whole)
提喩——部分を全体の代わりに取ること。
看護必要度は看護の必要量の代わりに置かれ、実績指数はリハビリの効果の代わりに置かれ、在宅復帰率は在宅に帰れたかどうかの代わりに置かれた。そして代わりに置かれた側だけが、支払いに接続された。
ただし三つは、問題の種類が違う※追記。
| 指標 | 主な論点 |
|---|---|
| 看護必要度 | 評価者間の一致と、二方式の差 |
| リハ実績指数 | 除外の裁量とリスク調整 |
| 在宅復帰率 | アウトカムの操作的定義 |
一つにまとめて「自己採点だから歪む」と言うと、この違いが消える。
この列が準備しようとしているのは、何を測るかの合意である。今回の三つは、合意の手前にもう一つ問いがあることを示している——誰が記入するのか。
この記事から堅く言えるのは、こうである※撤回。
支払いに使われる三つの指標は、支払いを受ける施設が生成した記録に依存している。一方、看護必要度とFIMについて、実際の採点を外部評価と突き合わせる制度的な仕組みは確認できず、現行票の再現性に関する公開データも、私の検索範囲では見つからなかった。
分布の形から操作を証明したのではない。独立した検証が欠けている、というのがこの記事の所見である。
条文の側から見ると、答えは薄い。看護必要度の記入者は職種不問で、研修の中身は規定されていない。FIMは研修会の開催義務だけで、記入者の受講は求められていない。同じ通知の中で、日常生活機能評価票だけが主催者と日数とカリキュラムを持っている。
そして、こういう構造がある。
急性期一般入院料1の該当患者割合が基準を割ると、翌月から下位の入院料になる1。認められている緩衝は「暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動」だけである。
評価票を記入する人は、その病棟に勤めている。
この記事で最も確信度が低い箇所を明記しておく。
① 2001年の一致度データは、現行の評価票のものではない。厚生省プレテスト版で、項目構成がまったく違う。「65.4%」を現行の数字として読んではいけない。
② 「評価者間信頼性の報告が無い」は、私の検索範囲での不在である。医中誌Webは購読が必要で検索できていない。
③ 分布の図から読み取った数値には、目盛からの読み取り誤差がある。数値表がある令和5年度分科会資料の数字(基準未満2.0%など)は資料に明記されたものだが、地域包括ケア病棟の分布は図からの読み取りである。
④ 第三者評価と入棟時FIMの2.6点差は、中医協のスライド1枚が公表されている全てである。査読論文版は見つからず、統計量には内部矛盾がある。
⑤ 森脇2020は本文に到達できていない。抄録の数値のみを使った。
⑥ 「解決の方向」の節は、私の案である※追記。引いた条文と資料は一次資料で確認したが、それを評価尺度に適用できるかどうかを検討した研究は探していない。そして案そのものにも留保が要る。
- 共通症例による試験が測れるのは採点知識の標準化までで、実際の病棟での観察・記録・採点の一致までは保証しない。
- 閾値の連続化は崖を減らすが、操作の誘因が消えるとは限らない。全範囲に勾配が生じる。
- 必要度Ⅱが低いことは、機械判定が正しいことを意味しない。二つは成り立ちが違う。
- 入院料2・4に低い実績指数が多いことは、患者構成や病棟機能の違いでも説明でき、「支払いから外すと改善への力が消える」という因果の証拠にはならない。
訂正 CORRECTIONS
公開後に直したこと。本文は直したうえで、何をどう変えたかをここに残している。本文中の※ が、直した箇所を指す。
- 訂正成田ら2001の65.4%を「総合判定である『看護必要度』そのものの一致度」と書いていたが、原典より強い2026-09-02 · soogooJ-STAGE の抄録を取り直して確認した。抄録が示しているのは「一致度が低かった項目は,順に…」という8項目の列挙で、「36. 看護必要度」65.4% はその6番目である。全体一致率でもκでもなく、列の筆頭は「31. 不安」の36%。抄録に「総合判定」という語は無く、項目36が票全体の総合評価にあたるかどうかも抄録からは確かめられない。本文で8項目すべてを引き直し、位置づけを明記した。関連記事の note と指標登録簿の note も同時に直した。
- 撤回「分布の下半分が存在しない」という節を撤回した2026-09-01 · bunpu二重に誤りだった。第一に、中央値37.1%より下の施設は実際に半数ある。消えているのは下半分ではなく基準未満の左裾である。第二に、この集計対象は急性期一般入院料1を届け出ている施設であり、そもそも基準を満たすことが届出の要件なのだから、この集団だけを集計すれば基準未満が少ないのは制度上当然でもある。この分布から自己採点による上方への操作を推論することはできない。必要なのは全病院を含む分布、入院料を変更した施設、同一施設の変更前後、閾値近傍の等幅ビンによる集積の分析である。節見出しも「基準未満の左裾が、薄い」に改めた。
- 撤回「基準を1ポイント下げると、分布全体がその分だけ動く」を撤回した2026-09-01 · 1point数字と合わない。基準は29%から28%へ1ポイント下がっているが、平均は37.3%から33.7%、中央値は37.1%から33.5%で、いずれも3.6ポイント動いている。施設数も717から865で同一施設のパネルではない。年度間の患者構成、改定内容、COVID-19、対象施設の入れ替わりを分離できない。
- 訂正在宅復帰率の二つの区間を、幅を揃えずに比較していた2026-09-01 · kukan「70%未満」は最大70ポイント幅、「70〜72.5%未満」は2.5ポイント幅であり、等幅でない区間を比べて分布の切断を判断することはできない。65〜67.5、67.5〜70、70〜72.5のような等幅のビンが要る。そしてここでも集計対象は入院料1を届け出た施設に条件づけられている。
- 訂正「人が判断すると高く出る」「成り立ちの違いだけでは説明されない」を撤回した2026-09-01 · hitsuyoudo必要度IIは必要度Iの正解を機械で再現したものではない。診療実績コードから構成され、項目定義もデータの生成過程も違うため、どちらが患者の真の必要度に近いかはこの比較だけでは分からない。また診療内容・患者構成・コード入力・病棟構成が病床規模と関連していれば、成り立ちの違いから単調な差は生じうる。「必要度Iは必要度IIより一貫して高い。ただし、評価者の裁量・患者構成・診療記録・コード対応のどれが差を生んだかは分離されていない」に改めた。
- 撤回「測定が制度に応答している」という結論を撤回した2026-09-01 · outou分布の形から操作を証明することはできない。「ランダムな雑さなら上下にばらける」も、閾値化・床効果・天井効果・非対称な誤分類があれば成立しない。節を「ここまでで言えることと、言えないこと」に組み替え、記事全体の結論も「支払いに使われる三つの指標は、支払いを受ける施設が生成した記録に依存している。一方、実際の採点を外部評価と突き合わせる制度的な仕組みは確認できず、現行票の再現性に関する公開データも検索範囲では見つからなかった」——独立した検証が欠けている、という所見に置き直した。記事の説明文も修正した。
- 訂正FIMの三つの統計量を同じ対象のものとして並べていた2026-09-01 · fimICC .872 と重み付きκ .521 はFIM総得点、単純κ -.007 はFIM運動下位尺度についてのものである。また統計量は好みの問題ではなく、ICCは順位の保存、単純κは完全一致、重み付きκは違いの大きさを考慮した一致、Bland-Altmanは絶対的な差と偏りという別の問いに答える。多数の値を取る合計点に単純κを使えば1点違うだけで完全な不一致になるため低く出る。原論文の結論として「順位相関は高いが絶対的な一致は悪い」に加え、「系統的な採点のバイアスは認められなかった」も併記した。
- 訂正「直結してからは測られていない」を検索結果の記述に改めた2026-09-01 · kensaku医中誌Webは検索できていない。「測られていない」と書くと意図的な不測定を連想させるが、確認できるのは「私が検索できた範囲では、現行票の評価者間信頼性を報告した研究を確認できなかった」というところまでである。記事の説明文も修正した。
- 訂正「除外可能」と「実際に除外された」を分けていなかった2026-09-01 · jogai除外の候補が70%を超えていても、実際に除外できるのは当時30%、現行制度では20%が上限である。「除外規定が事実上ほぼ全患者に及ぶ」ではなく「多くの施設で除外候補が非常に広く、施設側がその中から上限まで選択できる」が正確である。また86%は旧基準の「80歳以上」「FIM認知24点以下」を用いた2022〜2024年のデータであり、2026年度には年齢要件が削除され認知FIMも14点以下へ狭められたため、現在の適格割合として使うことはできない。あわせて「除外できる患者は他と同じくらい改善していた」も、FIM利得に大きな差がなかったのは二つの群についてであり、すべての除外条件について示されたわけではなく、未調整の比較である旨を明記した。
- 訂正「悪化を、なかったことにできる」という見出しを改めた2026-09-01 · akkaこれは指数の計算上、評価期間を急激な悪化の直前で打ち切れる規定であって、診療記録上の悪化が消えるわけではない。節見出しを「悪化の直前で、評価期間を打ち切れる」に改めた。
- 追記在宅復帰率の論点がアウトカムの定義であることを明記した2026-09-01 · zaitaku厚生労働省の資料は、自宅以外の病棟への転院も含める理由を「在宅復帰に向けた流れに沿った連携を促すため」と明示している。他院の療養病棟や老健が「自宅等」に数えられるという発見は正しいが、「自宅を偽装している」という含意は避けるべきである。この指標は「自宅帰還率」ではなく、より低い医療強度への移行を含む複合指標であり、問題は自己採点の精度ではなく何をアウトカムと定義したかである。
- 追記三つの指標の論点が異なることを明記した2026-09-01 · sanshihyo看護必要度は評価者間の一致と二方式の差、リハ実績指数は除外の裁量とリスク調整、在宅復帰率はアウトカムの操作的定義であり、問題の種類が違う。一つにまとめて「自己採点だから歪む」と言うとこの違いが消える。表を追加して整理した。
- 追記「解決の方向」の各案に留保を補った2026-09-01 · kaiketsu共通症例による試験が測れるのは採点知識の標準化までで、実際の病棟での観察・記録・採点の一致までは保証しない。閾値の連続化は崖を減らすが操作の誘因が消えるとは限らず、全範囲に勾配が生じる。必要度IIが低いことは機械判定が正しいことを意味しない。入院料2・4に低い実績指数が多いことは患者構成や病棟機能の違いでも説明でき、「支払いから外すと改善への力が消える」という因果の証拠にはならない。
出典 SOURCES
- 1基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第7号)厚生労働省保険局医療課(令和8年7月30日訂正後版) · 2026 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 令和8年度診療報酬改定の施設基準通知。別添6 別紙7が一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の評価票と「評価の手引き」を収める。評価者について、必要度Ⅰは「評価は、院内研修を受けた者が行うこと。なお、医師、薬剤師、理学療法士等が一部の項目の評価を行う場合も院内研修を受けること」、必要度Ⅱは「B項目の評価は、院内研修を受けた者が行うこと」と定める。看護師でなければならないという規定はない。一方で処置・介助の実施者については「当該病棟で実施しなければならない処置・介助等の実施者、又は医師の補助の実施者は、当該病棟に所属する看護職員でなければならない」と定める。本稿が別紙7の全文(約930行)を機械走査したところ、「研修」の出現は上記2箇所4行のみで、研修の主催者・時間・回数・カリキュラム・修了証・外部機関の関与についての規定はいずれも存在しない。評価票末尾の注は「急性期病院一般入院基本料、急性期一般入院料1及び7対1入院基本料…において、患者の状況等に係る得点(B得点)については、基準には用いないが、毎日評価を行うこと」とする。別添1 第3の1は「届出を受理した後において、届出の内容と異なった事情が生じ、当該施設基準を満たさなくなった場合…には、保険医療機関の開設者は遅滞なく変更の届出等を行うものであること」とし、同2により「変更の届出を行った日の属する月の翌月…から変更後の入院基本料等を算定すること」と定める。認められる例外は同1(5)の「暦月で3か月を超えない期間の1割以内の一時的な変動」のみである
- 2日常生活機能評価票の記入者要件(保医発0305第7号 別添2 回復期リハビリテーション病棟入院料の項)厚生労働省保険局医療課 · 2026 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 同一の通知の中に、次の規定がある——「当該日常生活機能評価票の記入は、院内研修を受けたものが行うものであること。なお、院内研修は、次に掲げる所定の研修を修了したもの(修了証が交付されているもの)又は評価に習熟したものが行う研修であることが望ましい。ア 国又は医療関係団体等が主催する研修であること(1日程度) イ 講義及び演習により、次の項目を行う研修であること (イ)日常生活機能評価の考え方、日常生活機能評価票の構成と評価方法 (ロ)日常生活機能評価に係る院内研修の企画・実施・評価方法」。すなわち日常生活機能評価票には研修の主催者・日数・カリキュラムが規定されている。同じ通知の中で、重症度、医療・看護必要度にはこれらの規定がなく、FIMについては「FIMの測定に関わる職員を対象としたFIMの測定に関する研修会を年1回以上開催すること」という開催義務のみで、記入者が受講している必要は条文上書かれていない
- 3令和6年度 適時調査における主な指摘事項東北厚生局 · 2025 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 「10.入院基本料等に関する施設基準」の項に次の指摘がある——「(2)重症度、医療・看護必要度に係る評価票に関する研修の実施記録について、各受講者の受講日時が記録されておらず、当該受講時間を病棟勤務時間から控除していない不適切な例が認められたことから、改めること。(3)重症度、医療・看護必要度Ⅰについて、院内研修を受講していない者により評価が行われている不適切な例が認められたので改めること。」。また「(1)重症度、医療・看護必要度に係る評価表の記入について、一部の項目が実施した記録及びその内容記録として残されてなかったため、記録に残すこと。」
- 4適時調査実施要領等厚生労働省保険局医療課 医療指導監査室 · 2026 · accessed 2026-08-31裏付けた主張: 地方厚生局が行う適時調査の方法を定める。全11頁。調査方法は「(3)関係書類に基づく調査 関係書類を閲覧し、面接懇談方式により調査を実施する。……なお、保険指導看護師については、入院基本料の7基準を含む看護に係る要件等の施設基準に関する内容を確認する」。すなわち書面と面接による行政調査であり、患者を独立に再評価して評価者間の一致を測る仕組みではない。「看護必要度」の語は0件、「在宅療養支援診療所」の語も0件である(全文を取得して走査)。実施機関の選定について「医科(病院、診療所)、歯科、薬局」と書く一方、「①臨場による適時調査における保険医療機関等については、当分の間、原則「医科(病院)」を対象とする」と定めており、臨場調査の対象から診療所が外れている。届出要件の確認は「各施設基準が毎年8月1日現在において、届出要件を満たしているか否かを自己点検させて、その結果を8月31日までに報告するよう通知する」という自己点検に委ねられている。なお保医発0305第7号 別添1 第3の4は「届出を受理した保険医療機関については、適時調査を行い(原則として年1回、受理後6か月以内を目途)」と定める
- 5令和5年度第5回 入院・外来医療等の調査・評価分科会 診調組 入-1(2023年8月10日)厚生労働省(出典:DPCデータ 令和3年8月〜10月および令和4年8月〜10月分) · 2023 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: スライド36「入院料・病床規模別の重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の比較(R3/R4)①」。急性期一般入院料1について、基準値の破線を引いたヒストグラムと数値表を併記する。200床以上・必要度Ⅱでは、令和3年(基準29%)が施設数717、平均37.3%、25%点34.4%、中央値37.1%、75%点40.2%、基準未満割合2.0%。令和4年(基準28%)が施設数865、平均33.7%、25%点30.7%、中央値33.5%、75%点36.2%、基準未満割合6.6%。200床未満・必要度Ⅰは令和3年(基準31%)が308施設、基準未満7.5%、令和4年(基準28%)が245施設、基準未満23.3%。200床未満・必要度Ⅱは令和3年(基準29%)144施設で基準未満6.3%、令和4年(基準25%)191施設で基準未満6.8%。図では令和3年と令和4年の分布が重ね描きされており、基準値を1ポイント下げると分布全体がその分だけ左に移動している。なお200床以上・必要度Ⅰの令和4年(n=57、基準未満57.9%)だけは逆方向に見えるが、これは令和4年度改定で200床以上の急性期一般入院料1に必要度Ⅱが原則義務化されたことによる移行期の残余群と考えられる(この解釈は資料に明記されていない)
- 6令和7年度第13回 入院・外来医療等の調査・評価分科会 入ー1参考2(2025年9月25日)厚生労働省(出典:令和6年度入院・外来医療等における実態調査 病棟調査票B票) · 2025 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: p.45「地域包括ケア病棟・病室の在宅復帰率」。本文は「地域包括ケア病棟及び病室を届け出ている病棟における在宅復帰率は、入院料・管理料1~2において90%以上の施設が基準を満たしており、改定前後を比較すると、改定後に高い傾向がみられた」「入院料・管理料3~4においては在宅復帰率の施設基準を満たしていない施設がみられた」とする。入院料・管理料1(n=333、施設基準72.5%以上)の分布を本稿が図から読み取ったところ、令和5年8月〜10月/令和6年8月〜10月の順で、70%未満が4.2%/4.8%、70〜72.5%未満が0.6%/1.8%、72.5〜75%未満が5.1%/0.5%、75〜77.5%未満が6.0%/2.1%であり、最頻帯は82.5〜85%未満(14.7%/18.6%)であった。すなわち分布の山は基準値より10ポイント以上高いところにあり、「基準値の直上に集中している」形ではない。一方で基準値の直下にあたる70〜72.5%未満の帯は、その下の70%未満の帯より少ない。数値は図からの読み取りであり、目盛からの読み取り誤差を含む
- 7重症度,医療・看護必要度における評価法Iと評価法IIの差異に関する検討森脇睦子, 林田賢史, 松田晋哉. 日本医療・病院管理学会誌 57(4):131-140 · 2020 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 750施設・6,105病棟・26,294,407件を分析。抄録は「評価法Iと評価法IIでは前者のほうが看護必要度評価基準を満たす患者割合が高く,その差の平均値は『≧800床』=2.3,『600–799床』=2.9,『400–599床』=3.0,『200–399床』=4.5,『200床未満』=5.8であった。また,A項目はC項目と比較して評価法Iと評価法IIの一致率が低かった。評価法Iと評価法IIは成り立ちが異なり完全には一致しないが,これらの差異は施設特性も影響していることが明らかになった」とする。評価法Ⅰは人が評価票を記入し、評価法Ⅱはレセプト電算処理システム用コードで機械的に判定する。すなわち人が判断するほうが系統的に高く出て、その差は病床規模が小さいほど大きい。2020年時点の評価票に基づく分析であり、現行版ではない。本稿は抄録の逐語を確認したが、J-STAGEの本文PDFには到達できていないため、A項目とC項目の一致率の具体的な数値は未確認である
- 8「看護必要度による患者分類」導入に関する研究——看護必要度チェック結果の一致度調査成田康子, 田中由紀子, 西川美智子, 金井Pak雅子, 鶴田恵子, 平井さよ子, 藤本真記子, 佐藤愛, 上泉和子. 日本看護管理学会誌 5:32-43 · 2001 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 厚生省看護必要度プレテスト20病院から2病院を選び、チームナーシングを行う病棟を各1病棟選んで調査した。「看護必要度チェック表は,1人の患者に対して,婦長・その日のリーダー看護婦・受け持ち看護婦の3者がチェックし,各項目ごとに3者の一致度を見た」。結果は「一致度が低かった項目は,順に『31. 不安』36%,『12. 状態』51.6%,『21. 洗髪』55.9%,『6. 血圧測定』61.3%,『19. 移動方法』65.2%,『36. 看護必要度』65.4%,『13. 安静度』65.6%,『16. 起き上がり』70.6%であった」。一致度を下げる原因として8点を挙げ、その第2に「判断の際に評価者の内的基準を用いることによるばらつき」を置く。重要な限定として、対象は2001年当時の厚生省プレテスト版チェック票であり、現行の診療報酬A・B・C評価票ではない。また報告されているのは単純一致率であってκ係数ではないため、偶然の一致を補正すればκはこれより低くなる(この点は本稿の指摘であり、論文の記述ではない)
- 9患者分類システムを巡る研究動向からみた新たな臨床看護マネジメント筒井孝子. 日本臨床看護マネジメント学会誌 1:2- · 2019 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 看護必要度の開発に携わった研究者による総説。本稿が全文(約61,000字)を取得して走査したところ、「信頼性」の語の出現は4箇所のみで、日本の重症度、医療・看護必要度の評価者間信頼性データへの言及は無い。海外事情として次を述べる——「例えば、カルフォルニアでは、全ての救急病院は信頼性,妥当性がある患者分類システムが求められている。しかし、その患者分類の妥当性と信頼性を示す研究は、ささやかな研究が一つあるのみで、患者タイプの妥当性を比較して、公表しているデータは、ほとんどない(J Seago 2002).」。また「同時にシステムの妥当性や信頼性を検証することにも、人的資源や管理に関するコストが必要となる」とする
- 10診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について 別添1 A308 回復期リハビリテーション病棟入院料(令和8年3月5日 保医発0305第6号)厚生労働省保険局医療課(令和8年7月30日訂正後版) · 2026 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: リハビリテーション実績指数の算定式と除外規定の本体。(13)イは分子を「退棟時又は退室時のFIM運動項目の得点から、入棟時又は入室時のFIM運動項目の得点を控除したもの。ただし、FIM運動項目のうち、『歩行・車椅子』及び『トイレ動作』については、得点が入棟時又は入室時に5点以下、かつ退棟時又は退室時に6点以上だった場合は、それぞれの項目の得点の当該控除したものに1点を加える」とする(この+1点は令和8年度改定の新設)。(13)ウは「在棟中又は在室中に死亡した患者はリハビリテーション実績指数の算出対象から除外する」とし、さらに「当該月の入棟患者数又は入室患者数…の100分の20を超えない範囲で」除外できる患者として「①FIM運動項目の得点が20点以下のもの ②FIM運動項目の得点が76点以上のもの ③FIM認知項目の得点が14点以下のもの ④…急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態に該当するもの」を挙げる。(13)エは高次脳機能障害の患者が4割以上の医療機関では当該患者を全て除外できるとする。(13)カは「在棟中又は在室中にFIM運動項目の得点が1週間で10点以上低下したものについては、リハビリテーション実績指数の算出においては、当該低下の直前の時点をもって退棟又は退室したものとみなすことができる」と定める。令和6年度版(保医発0305第4号)のカと一字一句同一であることを、両通知のPDFを突き合わせて確認した。令和6年度からの変更は、除外上限が100分の30から100分の20へ、包括発動の閾値が2回連続27未満から30未満へ、除外事由③がFIM認知項目24点以下から14点以下へ、除外事由「年齢が80歳以上のもの」の削除、分子への+1点の新設、およびFIM運動20点以下でも1日平均6単位超のリハを受けた者は除外できないとするただし書きの新設である
- 11令和7年度第9回 入院・外来医療等の調査・評価分科会 入-2(2025年8月21日)厚生労働省(出典:DPCデータ) · 2025 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: スライド126は「リハビリテーション実績指数の算出から除外できる基準のうち、『年齢が80歳以上のもの』の該当割合が高い施設が多く見られる。いずれかの除外項目が該当する患者の割合が70%を超える施設は、全体の約86%であった」とし、データ期間を令和4年4月〜令和6年5月、対象を回復期リハビリテーション病棟入院料を算定している1,535施設とする。スライド125は「リハビリテーション実績指数の算出から除外できる基準のうち、『年齢が80歳以上のもの』、『FIM認知項目の得点が24点以下のもの』に該当する患者のFIM利得は、患者全体と比較して、大きな差は見られなかった」とする。スライド124「実績指数の分布」は「実績指数の要件がある入院料1,3では、基準を満たす病棟が大半であり、基準を大きく上回る病棟も見られる。実績指数の要件がない入院料2,4では、実績指数が低い病棟が存在する」とし、注記で「本集計では除外可能対象者も含まれているため、実際に届け出ている実績指数とは誤差がある点に注意が必要」と述べる
- 12入院・外来医療等の調査・評価分科会における検討結果(とりまとめ)令和7年10月1日厚生労働省 · 2025 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 回復期リハビリテーション病棟の項に次の記述がある——「実績指数から除外が可能な要件のうち、『年齢が 80 歳以上のもの』の該当割合が 50%以上の施設が9割を超えており、いずれかの除外項目が該当する患者の割合が 70%を超える施設は、全体の 86%であった。また、『年齢が 80 歳以上のもの』、『FIM 認知項目の得点が 24 点以下のもの』に該当する患者の FIM 利得の分布は、患者全体と概ね同様であった。」。そして「ほぼ全ての患者が実績指数の計算除外基準に該当している施設もあり、現行の基準で病棟の機能を正しく評価されているのか疑問であるため、除外基準を見直すべきではないかとの意見があった。」「『80 歳以上』や『認知機能が低い』患者と患者全体とで FIM 利得に大きな差はなく、FIM が改善しないから受け入れていないかというとそうではないことから、実績指数の計算対象から除外する必要性は乏しいのではないかとの意見があった。」とする
- 13中央社会保険医療協議会 総会 総-2-1「入院(その3)回復期入院医療について」(2021年11月12日)厚生労働省(図の出所は「一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会より提供」) · 2021 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: スライド107「第三者評価」は「入院時日常生活機能評価点数が同一の患者について、第三者評価の認定の無い病院と認定を受けている病院とで比較すると、認定の無い病院の方が運動FIMが低い傾向にあった」とし、図中に「線形回帰式:入院時運動FIM=69.7−3.76x日常生活機能評価点数+1.3 x (0,1,2)」「認定無し病院では、同じ入院時の日常生活機能点数に対する入院時運動FIM得点が有意に低く(本体認定より −1.3点、本体・付加認定より −2.6点)評価」と記す。群分けは「0 認定無/1 本体認定有/2 本体・付加ないし高度専門認定有」である。ただし調整されているのは入院時日常生活機能評価点数のみで、年齢・疾患・発症からの日数は調整されていない。標本数・期間・施設数は図に記載がなく、信頼区間も示されていない。また図中の統計量「F(2,38)=3.0, P<0.0005」は内部矛盾している——自由度(2,38)でF=3.0ならpは概ね0.06前後であり、0.0005にはならない(この指摘は本稿のものであり、出典側は何も注記していない)。なおこの図の出典を「中医協 総-1-2、令和3年10月27日」とする記述が本サイトの指標登録にあったが誤りで、正しくは上記である
- 14Interrater reliability of functional status scores for patients transferred from one rehabilitation setting to anotherKohler F, Redmond H, Dickson H, Connolly C, Estell J. Archives of Physical Medicine and Rehabilitation. 2010;91(7):1031-1037. PMID 20599041 · 2010 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: シドニーの密接に連携する2つのリハビリテーション施設の間で転院した全患者143名(2006年8月〜2007年10月)について、日常臨床の中で行われた採点の評価者間信頼性を報告する。抄録は「To report the interrater reliability of FIM total score, FIM motor subscore, and FIM cognitive subscore from scoring that occurred in routine clinical practice」とし、結果を「The range of differences between the 2 FIM totals was −32 to 50 … Bland-Altman plots demonstrated poor agreement. Few FIM totals were perfectly matched. The intraclass correlation coefficients ranged from .872 for the FIM total to .830 for the cognitive subscales. Values for kappa ranged from −.007 (FIM motor subscore) to .123 (FIM cognitive subscore). Values for weighted kappa ranged from .465 (FIM cognitive subscore) to .521 (FIM total)」とする。結論は「Intraclass correlation coefficients were high, but tests of agreement demonstrated poor agreement. These findings have implications for the use of the FIM and any patient classification or funding system based on the FIM, especially if poor levels of agreement were found in the presence of all staff being FIM credentialed and standardization of methods of assessment」。本稿は抄録の逐語を確認したが、本文には到達していない
- 15Interrater reliability of functional status scores for patients transferred from one rehabilitation setting to another(項目レベル)Kohler F, Dickson H, Redmond H, Estell J, Connolly C. European Journal of Physical and Rehabilitation Medicine. 2009;45(4):479-485. PMID 20032905 · 2009 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 同一データの項目レベル解析。抄録は「Classification and payment systems that incorporate a functional measure used in routine clinical practice can only be as accurate as the underlying functional measure」で始まり、「Raw agreement between the two scores for each FIM item was low, with a mean of 54 ± 18 pairs (%) matching」「variation in scoring because of the large number of staff involved in scoring the FIM in the multidisciplinary team」「Caution needs to be exercised when utilizing the FIM individual item scores in clinical practice as part of clinical or funding classifications or in benchmarking」とする。DOIは付与されていない。本稿は抄録の逐語を確認したが、本文には到達していない
- 16在宅復帰率に相当する各指標の算定方法(保医発0305第7号 別添2、および届出様式10の5)厚生労働省保険局医療課 · 2026 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 「在宅復帰率」という単一の指標は存在せず、入院料ごとに名称も計算式も異なる。回復期リハビリテーション病棟入院料では告示上の名称が「他の保険医療機関へ転院した者等を除く者の割合」(七割以上)で、通知は分母を「直近6か月間に退院した患者数(…再入院患者及び死亡退院した患者を除き、他の保険医療機関へ転院した者等を含む。ただし、同一の保険医療機関の当該入院料等に係る病棟以外の病棟(一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定する病棟に限る。)へ転棟した患者及び他の保険医療機関に転院した患者…を除く。なお、当該患者の数及び各患者の症状詳記の一覧を、届出の際に添付の上提出すること。)」と定める。地域包括ケア病棟入院料は「在宅等に退院するものの割合」(入院料1・2は七割二分五厘以上、3・4は七割以上)で、分子から控除する数のうち介護老人保健施設については、一定の届出を行っている施設に入所した患者を「その5割の数」として控除する。療養病棟入院基本料 注10 在宅復帰機能強化加算は「在宅に退院した患者の割合」(五割以上)で、届出様式10の8の注記は計算から除く患者として「当該保険医療機関の他病棟(療養病棟以外の病棟)から転棟して1月未満の患者」「死亡退院した患者」「病状の急性増悪等により、他の保険医療機関…での治療が必要になり転院した患者」等を挙げる。急性期一般入院料1等は「自宅等に退院するものの割合」(八割以上)で、届出様式10の5はその計算式を「② 自宅等に退院するものの割合=((1)在宅(自宅及び居住系介護施設等)+(2)介護老人保健施設+(3)有床診療所+(4)他院の療養病棟+(5)他院の回復期リハビリテーション病棟+(6)他院の特定機能病院リハビリテーション病棟+(7)他院の地域包括ケア病棟又は病室)/①直近6月間における退院患者数」と明示する。すなわち他院の療養病棟・回復期リハ病棟・地域包括ケア病棟への転院も、介護老人保健施設への入所も、「自宅等に退院」に算入される。死亡退院はいずれの指標でも分母・分子の双方から除外される
- 17Doctor Behaviour under a Pay for Performance Contract: Treating, Cheating and Case Finding?Gravelle H, Sutton M, Ma A. The Economic Journal. 2010;120(542):F129-F156 · 2010 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 英国のQuality and Outcomes Framework(QOF)における医師の行動を分析する。抄録は「Using rich provider level data, we find that differences in reported disease rates between providers, and differences in exception rates both between and within providers, suggest gaming. Faced with ratio performance indicators, providers acted on denominators as well as numerators」とする。本稿は抄録の逐語を確認したが、本文には到達していないため効果量の数値は未確認である
- 18Associations between exemption and survival outcomes in the UK's primary care pay-for-performance programme: a retrospective cohort studyKontopantelis E, et al. BMJ Quality & Safety. 2016;25(9):657-670. PMC5013124 · 2016 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: QOFで達成率の計算から除外(exception reporting)された患者の予後を追跡した。約246万人。抄録は「Exempted patients had a higher adjusted risk of death in the following year than non-exempted patients, regardless of whether this exemption was for contraindication (hazard ratio 1.37, 99% CI 1.33 to 1.40) or for informed dissent (1.20, 99% CI 1.17 to 1.24)」とする。すなわち分母から外された患者のほうが翌年の死亡リスクが高い
- 19Upcoding: Evidence from Medicare on Squishy Risk AdjustmentGeruso M, Layton T. Journal of Political Economy. 2020;128(3):984-1026. PMC7384673 · 2020 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 米国のMedicare Advantage(民間プラン)と出来高払いのMedicareを比較した。抄録は「enrollees in private Medicare plans generate 6% to 16% higher diagnosis-based risk scores than they would under fee-for-service Medicare, where diagnoses do not affect most provider payments」とする。すなわち同じ患者が、診断名が支払いに影響する制度の下では6〜16%高いリスクスコアを生む。なおPubMedはこの論文の巻を12と記載するが、CrossRef基準の正しい巻は128である
- 20Assessment of Nursing Home Reporting of Major Injury Falls for Quality Measurement on Nursing Home CompareSanghavi P, Pan S, Caudry D. Health Services Research. 2020;55(2):201-210. PMC7080404 · 2020 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 米国のナーシングホームが公表指標のために自己申告する転倒の記録を、請求データと突き合わせた。抄録は「We identified 150,828 major injury falls in claims … For the MDS item used by NHC, only 57.5 percent were reported. … The correlation between fall rates based on claims vs the MDS was 0.22」「The nursing home-reported data used for the NHC falls measure may be highly inaccurate」とする。すなわち請求データで確認できる重傷を伴う転倒のうち、公表指標に報告されていたのは57.5%で、両者の相関は0.22であった
- 21Exclusion of patients from pay-for-performance targets by English physiciansDoran T, Fullwood C, Reeves D, Gravelle H, Roland M. New England Journal of Medicine. 2008;359(3):274-284. PMID 18635432 · 2008 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: QOFの除外報告を分析した最も引用される研究。抄録は「From April 2005 through March 2006, physicians excluded a median of 5.3% of patients (interquartile range, 4.0 to 6.9) from the quality calculations. … The characteristics of patients and practices explained only 2.7% of the variance in exception reporting. We estimate that exception reporting accounted for approximately 1.5% of the cost of the pay-for-performance program」とし、「In England, rates of exception reporting have generally been low, with little evidence of widespread gaming」と結論する。すなわち除外の存在は確認しつつ、広範なゲーミングの証拠は乏しいとする。本稿はこれを反証側の材料として引く
- 22Decreases In Readmissions Credited To Medicare's Program To Reduce Hospital Readmissions Have Been OverstatedOdy C, Msall L, Dafny LS, Grabowski DC, Cutler DM. Health Affairs. 2019;38(1):36-43. PMID 30615522 · 2019 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 米国の Hospital Readmissions Reduction Program による再入院率の低下を再検討した。抄録は「a concurrent change in electronic transaction standards allowed hospitals to document a larger number of diagnoses per claim, which had the effect of reducing risk-adjusted patient readmission rates. … Accounting for the revised standards reduced the decline in risk-adjusted readmission rates for targeted conditions by 48 percent」とする。すなわち改善とされたものの48%は、電子請求様式の変更により1件あたりに記録できる診断名が増えたことで説明される。故意の操作ではなく、記録できる欄が増えたことによる
- 23医療法 第十五条の二(検体検査の業務の基準)昭和二十三年法律第二百五号(e-Gov 法令検索、法令APIで全文取得) · 2026 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 「病院、診療所又は助産所の管理者は、当該病院、診療所又は助産所において、臨床検査技師等に関する法律(昭和三十三年法律第七十六号)第二条に規定する検体検査(以下この条及び次条第一項において「検体検査」という。)の業務を行う場合は、検体検査の業務を行う施設の構造設備、管理組織、検体検査の精度の確保の方法その他の事項を検体検査の業務の適正な実施に必要なものとして厚生労働省令で定める基準に適合させなければならない。」と定める。本稿が e-Gov 法令API で医療法の全文を取得して数えたところ、「検体検査」は13回、「精度の確保」は2回現れる。すなわち検体検査については精度の確保が医療法上の義務であり、同じ法律の下にある重症度、医療・看護必要度やFIMには、精度の確保についての規定が置かれていない
- 24日本医師会臨床検査精度管理調査の現状(第2回 検体検査の精度管理等に関する検討会 資料、2017年11月20日)臨床検査精度管理検討委員会 羽鳥裕・高木康(厚生労働省 検体検査の精度管理等に関する検討会) · 2017 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 日本医師会が実施する臨床検査精度管理調査の仕組みを説明する。調査項目は臨床化学25項目・免疫学検査13項目・尿検査3項目・血液学検査8項目で、「配布試料-調査項目49項目-」として凍乾血清(2濃度・3濃度)および凍乾尿(2濃度)を各施設に配布する。各施設の報告値から評価を行い、「評価評点一覧表」は項目別に「参加の有無、報告値、SDI、評価(ABCD)、評点」を記載し、「全施設における自施設の評価位置」を加える。「絶対評価をコンセンサスCV値で行う」「測定系の標準化や試薬・装置の精密性…を考慮して適切なコンセンサスCV値を設定する」とし、血液検査は機種群別、止血凝固検査は機器×試薬の群別評価とする。参加施設の施設分類の内訳は、一般・200床未満1,110(34.4%)、一般・200床以上849(26.3%)、厚労省臨床研修指定病院270(8.4%)等で、図中に3,223と示される。すなわち共通の試料を配って各施設の測定値を突き合わせ、施設に自らの相対位置を返す仕組みが、検体検査については全国規模で運用されている。本稿はPDFを取得しテキスト層から確認した。開始年はこの資料には記載がない
- 25中央社会保険医療協議会 総会(第630回)総-2「入院について(その7)」(2025年11月26日)厚生労働省(出典:DPCデータ 2025年1月〜3月、救急応需件数は令和5年度病床機能報告) · 2025 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: スライド12「急性期一般入院料1におけるAC項目追加・救急係数による重症度、医療・看護必要度の変化」。必要度Ⅱで救急応需件数の記録が確認できた1,110病院を対象に集計し、現行の該当患者割合の平均は28.3%、A項目・C項目の対象コードを追加し救急患者応需係数を加えた場合の平均は35.4%とする。基準①20%の位置に破線が引かれ、基準値より下はほぼ空で、ピークは0.24〜0.26の帯にある。スライド14の数値表は、全体平均(n=1,110)が現行28.3%→AC追加29.4%→救急加算まで含めて35.4%、救急少・手術なし多(n=280)が25.7%→26.9%→30.9%、救急多・手術なし多(n=286)が25.9%→27.0%→35.1%とする。なおこの図は必要度Ⅱの「割合①」のみで、急性期一般入院料1は割合①と割合②の両方を満たす必要がある
- 26What's Measured is What Matters: Targets and Gaming in the English Public Health Care SystemBevan G, Hood C. Public Administration. 2006;84(3):517-538 · 2006 · accessed 2026-08-22裏付けた主張: 英国NHSの目標管理とゲーミングを分析する。抄録は「Assumptions underlying governance by targets represent synecdoche (taking a part to stand for a whole); and that problems of measurement and gaming do not matter」とする。すなわち目標による統治は提喩——部分を全体の代わりに取ること——を前提にしており、測定とゲーミングの問題は無視されている、とする。本稿は抄録の逐語を確認したが、本文には到達していない
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