INDICATOR
受診回数
doctor consultations per capita
国民一人あたりの年間受診回数
- 測定の単位
- 集団・国
- 制度への組み込み
- 政府統計
- 分母は何か/誰が落ちるか
- 人口。日本は2019年以降オンライン診療を分離集計できない
- 所在
- OECD Health Statistics/厚生労働省保険局「医療保険に関する基礎資料」
- 空白の埋めにくさ
- 既存データで埋まる
- 優先度
- 30.0(3 × 10 ÷ 1)
指標監査で確かめたこと
記事とは別の出所この欄は、記事の執筆ではなく指標監査(2026-08-20)で直接確かめたもの。 記事由来の証拠とは出所が違うので、分けて記録している。
有効性の根拠は確かめられていない
出所を特定し、割り算で再現した(2026-08-21)。OECD に載る日本の値は患者調査ではなく厚生労働省保険局『医療保険に関する基礎資料』由来で、令和元年度の入院外 日数1,553,086,171 ÷ 年度平均加入者数125,640,056 = 12.3614 となり OECD の12.4と一致する。同じ表の『受診率』は8.11(件数÷加入者数)であって12.4ではない。すなわち単位は回ではなく診療実日数であり、同一日に複数科を受診しても1日と数えられる。分母は人口ではなく被保険者で、生活保護の医療扶助は分子・分母とも除外される。OECD自身が定義文書の日本欄に「The figures refer to days of out-patient surgery per subscriber」「Deviation from the definition: Data include remote consultations」と記し、SDMX の観測ステータスに 2018-2023年の全年で D = Definition differs のフラグを立てている。比較相手も揃っていない——ドイツは3か月に1回しか数えず OECD 自身が「A substantial under-reporting has to be assumed」と書き、米国は世帯標本調査(MEPS)、英国は2009年以降データ供給が止まっている。OECD平均という行はデータベース本体に存在せず、刊行物の平均は各図が載せた国だけの非加重平均である(2023年で対面30か国6.58、総数26か国8.04)。流通する12.1/12.5/14は定義差ではなく年次差で、14は1996年のピーク14.8由来。1996年から2023年で約16%減っている。なお OECD はこの指標を Access の章に置き「This indicator should not be taken as a measure of doctors' productivity」と明記している。追加の確認(2026-08-21)で三点。第一に、保険局の1人当たり日数と OECD 値は複数年で一致する——平成30年度12.51→12.5、令和元年度12.36→12.4、令和4年度12.12→12.1、令和5年度12.42→12.4。第二に、記載要領は「同一日に初診、再診が2回以上行われた場合の実日数は、1日として数えること」と定めるが明細書は医療機関ごとに分かれるため、同じ日に三科でも一つの医療機関の中なら1日、三つの診療所を回れば3日になる(検査結果を聞きに来ただけの日、薬だけ取りに来た日は0日)。第三に、この食い違いは2013年に保険局調査課自身が書いている——「国際比較統計では我が国の人口一人当たり年間外来診察回数は13日程度と最も多く…レセプト統計では、外来受診延日数…は減少傾向にある」。この一文自体が回と日を混ぜている。また厚生労働省の国際比較スライドは「電話やメールによるコンサルテーションは除く」と注記する一方、OECD の日本欄は「Data include remote consultations」と記しており、送り出す側と受け取る側で記述が逆になっている
1 定義2 分母3 閾値6 単位
記事で確かめたこと
1定義が一つでない
- 「かかりすぎ」は、どの数字の上に乗っているのか単位が日で分母が被保険者。OECDが全年に Definition differs のフラグを立てている
- 医療制度の持続可能性に、地域医療はどう応えられるか12.1回・12.5回・14回が併存する
2分母が対象を落とす
- 「かかりすぎ」は、どの数字の上に乗っているのか単位が日で分母が被保険者。OECDが全年に Definition differs のフラグを立てている
3閾値が現象から来ていない
- 「かかりすぎ」は、どの数字の上に乗っているのか単位が日で分母が被保険者。OECDが全年に Definition differs のフラグを立てている
- 受診しない人は、どれだけいるのか日本は2019年以降オンライン診療を分離集計できない
4交絡で消える / 別の変数の代理
- フリーアクセス=非効率、という前提を検証する多さ自体を非効率と断定する根拠は乏しい
- 医療費が増えても、医療の質が上がるとは限らない受診回数の水準だけでは質を測れない
5介入しても動かない
- フリーアクセス=非効率、という前提を検証する多さ自体を非効率と断定する根拠は乏しい
6制度実装で単位が変わる
- 「かかりすぎ」は、どの数字の上に乗っているのか単位が日で分母が被保険者。OECDが全年に Definition differs のフラグを立てている
- 受診しない人は、どれだけいるのか日本は2019年以降オンライン診療を分離集計できない
まだ確かめていない型
7 空白
ここが空欄なのは「問題がない」という意味ではなく、「調べていない」という意味である。