YONAPO
← 記事一覧

測る道具の点検02 アクセスと提供体制/JAPANEUROPE

「できている」とは、誰が言ったのか

地域包括ケアシステムは2025年を目途に構築するとされてきた。その2025年を過ぎた2026年6月、参議院で「どの程度整備されたのか」と正面から問われた老健局長の答弁で示された唯一の量的根拠は、地域包括支援センターの箇所数だった。第10期基本指針では、地域包括ケアに関する当該一文から「二千二十五年(令和七年)を見据え、」だけが削られている。評価そのものは大量に行われている。だが、それを「構築できたのか」という一つの問いに集約する全国共通の判定基準は、確認できなかった。1,741の市町村は毎年800点満点で採点されており、その800点のうち420点、52.5%は「全保険者の上位何割か」という順位で決まる。連携は測られているが、満足・患者の経験・QOL・継続性は評価指標42頁に一度も現れない。

公開2026-08-29
更新2026-09-01
出典53 SOURCES

ダイジェスト解説 VIDEO

「地域包括ケアシステムを2025年を目途に構築する」——この文は、この10年の日本の医療・介護政策で最も多く書かれた文の一つだと思う1。

その2025年は、もう過ぎている。

だから素直な問いが立つ。できたのか。そして、できたかどうかは誰がどうやって判定するのか。

2026年6月、国会で正面から問われた

参議院厚生労働委員会で、本田顕子議員がこう質問している2。

昨年の段階で、地域包括ケアシステム構築の目途としていた二〇二五年を迎えました。地域包括ケアシステムは、全国各地でそれぞれの地域の特性に応じてどの程度整備され、どのような課題が明らかとなったのか。

厚生労働省老健局長の答弁は、こう始まる。

二〇二五年がそのターゲットイヤーだったということでございます。これまでの各地域における取組の結果として、地域包括ケアシステムを支える体制の整備も進んでまいりまして、例えば、地域包括支援センターが全市町村に設置をされ、五千四百八十七か所になるなどの進展もございます。

示された唯一の量的根拠は、地域包括支援センターの箇所数である。

ただし公開時の本稿は、答弁を「以降は2040年と新しい法案の説明に移った」とだけ書いた。落としている部分がある※訂正。答弁は箇所数のすぐ後に、こう続けている。

他方で、市町村の規模別に見ますと、小規模の市町村においては相対的に取組状況が低い傾向、こうしたものも見えてまいりました。

質問は三つの部分からできていた。どの程度整備されたか/どのような課題が明らかとなったか/今回の改正でどうつなげるか。答弁は二つ目に上の一文で答え、三つ目には新サービス類型・協議会の設置・通いの場の改修支援まで具体的に答えている。答えられていないのは、一つ目だけである。

書ける範囲はこうなる。構築できたかどうかを判定する記述は無く、示された量的根拠は地域包括支援センターの箇所数だけだった。

国会会議録を2024年1月から2026年8月まで全文検索した。「地域包括ケアシステム 構築できた」0件。「地域包括ケア 総括」0件。

ただし、この0件を「総括が行われていない証拠」として使うことはできない※訂正。私が選んだ語の組合せが現れなかった、というだけである。同じことは「一定の成果を上げた」「進捗が図られた」といった別の言い方でも書ける。検索の窓も2024年1月から2026年8月までであり、それ以前は見ていない。この0件は、上の答弁を補強する材料にはなるが、それ以上ではない。

基準年は、達成判定を挟まずに重ねられてきた

2003年の原典が置いた基準年は、2025年ではない。2015年だった3。

研究会報告書本文においては、2015(平成27)年までをあるべき高齢者介護を実現するための実施期間として位置づけた。 戦後生まれのいわゆる「団塊の世代」が65歳以上となる2015年は、……

同じ団塊の世代を、65歳ではなく75歳を基準に読み替えることで、基準年が2025年に移った1。

しかも、この「移った」という書き方自体が、本稿の推論である※訂正。2003年報告書が2015年までとしたのは「あるべき高齢者介護」全体の実施期間であって、地域包括ケアシステムだけの完成期限とは書かれていない。そして公式の文書が「2015年目標を2025年へ延長した」と説明しているわけではない。書ける範囲はこうである。2003年報告書は全体の実施期間を2015年までとし、後の厚労省ページは同じ世代が75歳になる2025年を目途とした。両者の政策上の連続性は見えるが、正式な期限延長として説明された資料は確認できなかった。

そして公開時の本稿は、続けて「この報告書に『2025』という数字は一度も出てこない」と書いた。これも誤りである※訂正。本文には確かに0回だが、補論1と補論3の将来推計表には「2025(平成37)年」が計5回現れる。そして補論1は、2002年・2015年・2025年を同じ表に並べたうえで、こう書いている3。

2015年の前期高齢者(65〜74歳)は、その後に続く10年間に後期高齢者となる人々である。 75歳以上人口及び後期高齢化率の伸びは、2015年以降も同様のペースで継続する。

2025年という地平は、2003年の時点ですでに視野に入っていた。正確にはこうである。この報告書は実施期間の終わりを2015年に置き、その先の2025年を同じ表に並べていた。後から移されたのは「目途」の置き場所であって、2025年という年そのものが後から現れたわけではない。

そして次の移動は、いま起きている。第10期基本指針の新旧対照表で、この一文の新旧差は一か所だけである4。

現行(第9期)

介護保険制度においては、いわゆる団塊の世代全てが七十五歳以上となる二千二十五年(令和七年)を見据え、制度の持続可能性を維持しながら……地域包括ケアシステム……を各地域の実情に応じて深化・推進してきたところである。

改正案(第10期)

介護保険制度においては、制度の持続可能性を維持しながら……地域包括ケアシステム……を各地域の実情に応じて深化・推進してきたところである。

「二千二十五年(令和七年)を見据え、」が消えただけである。「深化・推進してきたところである」という経過の記述はそのまま残り、達成したとも未達成とも書かれていない。見出しのほうは「2040年に向けた地域包括ケアシステムの深化」に書き換えられている。

そして「深化・推進」という語自体、2025年の9年前から使われている。2016年12月の介護保険部会の意見書は、第Ⅰ章の見出しがすでに「地域包括ケアシステムの深化・推進」で、本文はこう書く5。

特に、いわゆる団塊世代が75歳以上となる2025年、さらにはいわゆる団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年に向けて、……

2016年の時点で、すでに視線は2040年にある。

だから「2025年に失敗したので2040年へ延期した」という話ではない。三つの年は、そもそも性格が違う。2015年は研究会が置いた「実施期間」の終わり、2025年は厚労省が「目途」と呼ぶターゲットイヤー、2040年は「深化」の向かう先である。しかも2025年を過ぎた2026年現在も、厚労省の公式ページは「二〇二五年を目途に……構築を実現していきます」という現在形の文をそのまま掲げている1。基準年は、判定を挟まずに重ねられてきた。

(念のため確認しておくと、「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」という表題の文書もある。全9頁を検索すると、「達成」「到達」「検証」「総括」「評価」の出現回数はすべて0だった6。)

定義には、達成基準が書かれていない

判定が行われない理由の一つは、単純である。定義に基準が無い。

法定義は医療介護総合確保法第2条にある7。

この法律において「地域包括ケアシステム」とは……医療、介護、介護予防……、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう。

「体制をいう」で終わる。「包括的に確保される」がどの水準なら満たされるのかは規定されていない。同じ定義がプログラム法にもあり、条文内相互参照の括弧を除いて一字一句同一である。両法とも「数値目標」「指標」「評価」の出現回数は0。「2025年」という年も、法律のどこにも書かれていない。

そして介護保険法には、「地域包括ケア」という語が一度も出てこない(全文0回。「地域包括支援センター」は24回)。根拠条文として引かれてきた第5条の規定は、努力義務であり、「地域包括ケアシステム」という語を含まない8。しかも2024年4月、都道府県の生産性向上に関する新しい項が第3項に挿入され、この条文は第4項に繰り下がった。

概念を育ててきた地域包括ケア研究会は、国の審議会ではない。平成20年度の報告書はこう書く9。

平成20年度老人保健健康増進等事業として、有識者をメンバーとする研究会を開催した。 研究会の庶務は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行った。

そして初出の定義は、こういう形をしている。

地域包括ケアシステムは、「……適切に提供できるような地域での体制」と定義してはどうか。

提案形である。よく引かれる「植木鉢」の図が現れるのは、その4年後の平成24年度報告書で、キャプションは「田中滋座長の図をもとに事務局作成」と書かれている10。

政府自身、2016年の白書でこう言い換えている11。

地域包括ケアシステムとは「地域で暮らすための支援の包括化、地域連携、ネットワークづくり」に他ならない

節の見出しは「暮らしと生きがいをともに創る『地域共生社会』へのパラダイムシフト」である。言い換えたその場で、論点が次の概念に移っている。

二木立は、この構造を早くから指摘していた12。

「システム」(制度・体制)という用語は、国が法律またはそれに基づく通知等により、全国一律の基準を作成して……従うものを連想させます。そのために、自治体関係者や医療・福祉関係者に、国がいずれは「地域包括ケアシステム」の青写真を示してくれるとの誤解・幻想・甘えを与えたし、今も与えていると思います。

厚労省老健局長自身の2013年の発言も、同じことを言っている。

「地域包括ケアはこうすればよい」というものがあるわけではなく、地域のことを最もよく知る市区町村が地域の自主性や主体性、特性に基づき、作り上げていくことが必要である。

それでも、1,741市町村は毎年800点で採点されている

先に、はっきりさせておくべきことがある。評価が行われていないわけではない。

2025年12月の介護保険部会に、老健局が「2040年に向けた地域包括ケアシステムの深化について」という参考資料を出している13。そこにはこう書いてある。

地域包括ケアシステムの構築に向けては、介護保険事業(支援)計画、地域包括ケア「見える化」システム、インセンティブ交付金……、効果的な施策を展開するための考え方の点検ツール等の評価指標・ツールを活用しながら、計画の見直しプロセス等において、達成状況の点検や評価を行い、次期計画に反映するなど、各地域において必要な取組が推進されてきた。

むしろ評価は、多い。同じ資料には都道府県の取組例が並ぶ。広島県は5分野24指標64基準で県・保健所の担当者が全市町に対面ヒアリングを行い、長崎県は8分野57項目で同じことをし、長野県はロジックモデルでKGI・KPI・活動指標を置いている。国自身も点検ツールを配っている——ただしその位置づけは「地域包括ケアシステムの構築状況を総合的に自己点検・自己評価するために有効なツールとして国が提供」である。

だから本稿が言えるのは、「何も測っていない」ではない。言えるのは、もっと狭いことである。

2025年というターゲットイヤーを迎えた時点で、地域包括ケアシステム全体について、全国共通の基準に基づく達成/未達成の総括判定を国が行った形跡は、確認できなかった。——地域ごとの点検はある。県ごとの評価指標もある。だがそれらは、次期計画に反映するための材料であって、「2025年にできたのか」という一つの問いへの答えではない。

ここで、反対解釈を先に置いておく※訂正。厚労省は公式ページで「地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です」と明記している1。老健局長の2013年の発言も同じである。全国共通の合否判定が無いことは、それ自体では測定の失敗ではない。意図的な分権設計だという読み方が成り立つ。

だから本稿の批判は、こう限定する。地域ごとの評価を選んだことが問題なのではない。国が「2025年を目途に構築」と全国向けに掲げながら、地域ごとに異なる評価をどう全国の進捗へ集約するのかを示さなかったことが問題である。

そのうえで、「目途」という語の重さも分けておきたい。これが期限・到達点なのか、人口学的な政策視野なのかで、判定義務の有無が変わる。そして老健局長は「二〇二五年がそのターゲットイヤーだった」と答弁した。単なる参考年より強い言い方である。

そして、全国共通の基準で毎年つけられている点数のほうは、存在する。

保険者機能強化推進交付金と介護保険保険者努力支援交付金は、全国1,741の保険者を毎年800点満点で採点する。令和8年度の平均は455.1点、得点率56.9%、トップは江津市(島根県)657点だった14。

この「800点」には、書き足すべきことがある※追記。令和8年度の評価指標は三部からなり、推進交付金400点、成果指向型配分枠100点、努力支援交付金400点である15。公表される800点満点は、真ん中の100点を含まない。

公表の徹底ぶりは、相当なものである。全国一覧表は1,563列×1,741市町村の表計算ファイルで、指標の枝番(ア・イ・ウ・エ)レベルまで各市町村の該当状況と全国順位が入っている16。厚労省は上位30市町村のランキング表も公表している。

そのうえで、掲載ページにはこう書いてある17。

ただし、集計結果における都道府県又は市町村ごとの評価得点は、国が定める評価指標の視点から見た場合に、このような結果となるに留まるものであり、これら自治体の取組の適否を表すものではありません。 ・全国一律の評価指標を用いていること ・評価指標の中には、その該当性の判断を市町村ごとの自己評価によって行われているものもあること

枝番まで公表したうえで、それが取組の適否を表すものではないと書いている。そして集計結果の冒頭にも「1,741市町村が自らの取組等について評価を行った結果」とある。この800点は、少なくとも一部が市町村自身の該当性判断に依存する複合スコアである。アウトカム指標群や全国順位のように行政データから機械的に決まる部分もあるが、体制・取組指標群の該当・非該当は市町村が判断する。厚労省の説明も「評価指標の中には……ものもある」であって、全部ではない。

そして採点の設計は、法令の側には置かれていない。根拠条文の第122条の3には交付金の名称すら書かれていない18。政令を経て省令に至ると、こう書いてある19。

指標ごとに算定した点数に基づいて算定した額を交付する。

これが終着点である。指標の中身も、配点も、得点から交付額への変換式も、法令には存在しない。具体を政令・省令・行政文書に委任すること自体は、法律の書き方として普通である。効いてくるのは、どこまで委ねたかのほうである。ここで委ねられているのは測定設計そのもの——何を数え、何点を付けるか——であり、それは年度ごとに差し替え可能な層に置かれている。

「地域包括ケアシステム全体」は、直接の採点対象ではない

令和8年度の評価指標は42頁ある。そこに「地域包括ケア」という語は4回しか出てこない15。

4回とも、道具の名前である。制度初年度の平成30年度も同じで、6回すべてが「見える化システム」の名称の一部だった20。

ただし、語が無いことと概念が評価されていないことは別である。800点の中身は、介護予防、認知症総合支援、在宅医療・介護連携、生活支援体制整備、介護人材の確保、地域包括支援センター——地域包括ケアの構成要素そのものである。構成要素は、大量に採点されている。

採点されていないのは、それらが一つの体制として組み上がったかどうかのほうである。800点は構成要素の合計であって、システムの構築度を一つの対象として直接測る項目は無い。

ただし公開時の本稿は、これを語数だけで支えていた。語数では、別の語で測っている項目を除外できない※訂正。そこで42頁の項目そのものを数え直した。

連携は、測られている。「連携」という語は70回現れ、努力支援交付金の目標Ⅲには「在宅医療・在宅介護連携の体制を構築する」に100点が置かれている。その体制・取組指標の第1項は、日常の療養支援・入退院支援・急変時の対応・看取りという四つの場面ごとに目指すべき姿を設定しているかを問う。第3項は、患者・利用者の状態変化に応じた医療・介護関係者間の情報共有の取組を問う。構成要素の間をつなぐ項目は、確かに存在する。

では何が無いのか。同じ42頁で、次の語はいずれも0回である。

語出現回数
連携70
情報共有9
満足0
患者の経験/利用者の経験0
QOL/生活の質0
継続性0

測られているのは、市町村が何を整えたかである。その連携が実際に働いたかどうかを、患者や利用者の側から測る項目は一つも無い。「地域包括ケア」が4回しか出てこないことは、この所見の傍証にすぎない。

800点のうち420点は、順位で決まる

「上位七割」「上位五割」「上位三割」「上位一割」という表現の出現回数を数えると、平成30年度は合わせて11回だった。令和6年度以降は、それぞれ45回ずつ、計180回である15,20。

活動指標群220点と成果指標群200点、合わせて420点は、絶対的な到達水準ではなく、他自治体との相対的な位置で点数が決まる。上位七割で1点目、上位一割で4点目、というかたちである。

この420点という数字は、42頁のPDFを機械的に数え直して確かめた※追記。「上位7割」という表現は45か所に現れ、そのすべてが活動指標群(22項目に29か所)と成果指標群(10項目に16か所)の中にある。両群のどの項目も、相対順位で点数が決まる。体制・取組指標群380点の側には、この表現は一度も現れない。

したがってこのスコアを、「地域包括ケアがどこまで完成したか」という絶対尺度として読むことはできない。全市町村が同じだけ前進しても、この420点の分布は動かないからである。

そして得点率にも、その差が出ている。令和8年度の分野別平均得点率は、体制・取組72.7%、活動37.9%、アウトカム47.8%である14。推進交付金の目標Ⅰでは体制81.8%に対し活動27.6%、目標Ⅲでは体制66.7%に対し活動22.7%。

ただし公開時の本稿は、ここを「絶対基準で測る側は天井に張り付き」と書いた。72.7%は、それ自体では天井効果の証明にならない※訂正。二つを分けて書く。

そして相対順位の側は、全員が前進しても平均得点率が上がらない。設計上そうなる。

そして令和8年度の指標には、こういうものがある15。

1 今年度の評価得点 ア 上位7割 イ 上位5割 ウ 上位3割 エ 上位1割 ○ ここでは、令和8年度評価得点(保険者機能強化推進交付金及び介護保険保険者努力支援交付金に係る合計得点)の全国順位を評価する。 〔配点〕ア〜エ 各3点/エに該当すればア〜ウも得点(最大12点)

採点されていることが、採点項目になっている。

ただし、この自己参照がどこまで閉じているかは分からない※追記。順位を決める合計得点に、この12点自身が含まれるのか、それを除いた基礎点で順位を出すのか——指標本文には書かれていない。時点欄が明示的に除外しているのは「成果指向型配分枠」だけである。

なお公開時の本稿は、ここを原文と違う形で引いていた※訂正。原文は算用数字の全角で「上位7割」と書いており、「【配点】」という見出しは原文には無い(配点は表の一列である)。そして「エに該当すればア〜ウも得点」という累積加点の注記を落としていた。また「令和8年度には、こういう指標が入った」と書いたが、この指標が令和8年度に新設されたものかどうかは確認していない。

厚労省が、指標本文に警告を書き込んでいる

成果指標群の各項目には、同じ注意書きが繰り返し置かれている。

なお、要介護認定は……全国一律の基準に基づき実施される必要があるため、当交付金における評価を考慮し、要介護認定が行われることは不適切であることについて留意されたい。

指標を作った側が、その指標が現場の判定を歪める危険を、指標の本文に書いている。

旧指標では、政府自身が「相関は認められない」と結論した

2022年、財務省の予算執行調査がこの交付金を対象にした。全国200市町村・47都道府県への調査である22。

その得点と要介護認定率・1人当たり介護給付費の相関関係を市町村ごとに分析したところ、結果として得点と要介護認定率等との相関性は認められなかった。つまり、現在の評価指標による得点の増減は、要介護認定率や1人当たり介護給付費の低下・減少につながっていない可能性が高い。

図に添えられた回帰式は、要介護認定率が R² = 0.0117、1人当たり介護給付費が R² = 0.00001 である。

同じ調査に、市町村自身の回答が載っている。「評価指標は適切と思わない」と答えた理由として。

・評価者によって、同じ取組状況でも評価点数が異なる場合があり得るため。 ・自己評価に係る作業負荷が過大であるため。 ・点数獲得のため、効果等を検証せずに事業実施を目的化する面が考えられる。

同じ年の秋の行政事業レビューでは、2つの交付金の得点の相関が0.996であることが示された23。評価者はこう述べている24。

本来はこういうことを担当部局の方が、前もって我々が調べる前に見て、この両交付金は結局のところ同じように配っているという話に相関係数が高過ぎてなっている

厚労省の担当課長の回答も記録されている。

先生のおっしゃるとおり、最終的なアウトカムとして今、要介護認定率等を置いていまして、そことの相関性が低いというのは、私どもも同じ問題意識を持っております。

同じ分析を独立に行った研究も出ている25。

各評価指標と成果指標の相関は極めて低く,中には期待される符号と逆の関係を持っている評価指標が少なくないことがわかった。成果指標に対して,多少なりともプラスの寄与がある評価指標は,わずかに,地域包括支援センター・地域ケア会議に関するものと……介護給付の適正化等に関するものに限られる。

著者は「EBPMの観点からは,データをきちんと公開し,第三者が検証できるようにすることが望ましい」とも書いている。なお市町村別の得点と順位は公表されているが、市町村別の交付額は公表されていない。

これを受けて、令和6年度に指標が全面的に組み替えられた26。満点は2,185点から800点へ、大項目の名前もすべて入れ替わった。

そして満点が動いたのは、このときだけではない。市町村分の合計満点を年度順に並べると、こうなる27,2829,14。

年度満点(市町村分)
平成30年度(2018)612点(推進交付金のみ)
令和3年度(2021)2,475点
令和4年度(2022)2,105点
令和5年度(2023)2,185点
令和6年度〜(2024〜)800点

(介護保険保険者努力支援交付金は令和2年度の創設で、それ以降は2つの交付金の合計である。)物差しの長さ自体が、ほぼ毎年変わっている。新しい柱建ては、旧指標51項目の因子分析から抽出された5因子に対応している30。

だが配点の根拠は、公表されていない。見直しの考え方を説明した文書に、配点についての記述は一文しかない。

その他、配点については……アウトプット・中間アウトカム指標に係る配点を手厚くすることとする。

令和4年度までは、明示的な配点原則があった31。

令和3年度評価指標までは項目によって配点が異なっていたが、令和4年度評価指標では原則として1つ5点とし、項目間の配点の違いによる影響を受けないように見直しを行った。

組み替えのときに、原則のほうが失われている。現在の報告書は、配点を事後的に集計しているだけである。そして委員会内では、こういう議論になっている21。

市町村結果では3分の1以上、都道府県結果では全ての体制・取組指標群の指標で得点率が8割を超える「天井効果」が顕在化しており…… 【委員意見】評価指標を変更しないことが原則だが、予算事業のため変えざるをえないこともある。

指標の検証委員会の委員長を務めた研究者自身が、英語論文でこう書いている32。

due to MHLW’s illogical action in which they changed the items of evaluation indicators every year, it was impossible to measure progress and effectiveness of CBICS

(厚生労働省が毎年評価指標の項目を変更するという不合理な行動をとったため、地域包括ケアシステムの進捗と有効性を測定することが不可能となった)

なお、財務省が相関を調べたのは、組み替え前の指標である。現行の800点について同じ分析が公表されたことは確認できなかった。そして相関が低いことは、交付金に効果が無いことを意味しない——財務省自身の書き方も「得点の増減は……低下・減少につながっていない可能性が高い」までである。ここで確かめられるのは、旧指標について政府自身がそう書いた、という事実だけである。

「先進事例」は、誰が採点したのか

地域包括ケアの先進事例として最もよく引かれるのは、埼玉県和光市と広島県尾道市である。

この2市は、事例集の50事例に入っていない。

厚労省の事例集は、47都道府県408地域から集めた事例を50に絞って作られた。選定方法はこう書かれている33。

専門的見地から事例集に掲載する事例の検討を行いました。その結果、本事例集に掲載する50事例の選定がされました。 ……その他の40事例については……基本的に提供があった情報に基づいて、原稿を作成しました。

数値基準もアウトカム基準も書かれていない。選定の言葉は「専門的見地から」「取組内容の総合性等に鑑み」だけである。そして40事例は自治体の自己申告がそのまま原稿になっている。

和光市と尾道市が出てくるのは、第1章の解説枠だけである34。

地域包括ケアシステムの先駆的な事例として、広島県尾道市と埼玉県和光市の取り組みについて紹介します。

408→50の選定手続きの外側で、「概念の説明役」として置かれている。そして和光市についての効果の記述は、これだけである。

こうした介護予防事業の取り組みにより、和光市では、高齢者の生活機能の改善などの効果が得られています。 (出典) 和光市「高齢者福祉計画及び第5期介護保険事業計画」より作成

数値が無い。そして出典は和光市自身の計画書である。尾道市も同型で、「長期的に在宅で療養を継続することができています」という一文の出典が尾道市の計画書だった。

認定率のデータも同じ構造をしている。国が作成した唯一の比較スライドはあるが、そこにも出典注記が無い35。「和光市の認定率は全国最低水準」という言説の一次データは、和光市自身が作った資料か、国がその数字を転載したスライドに帰着する。

厚労省が公式ページに掲げる「構築モデル例」10事例を通覧すると、要介護認定率や介護給付費を効果として挙げているものは一つも無い36。挙がっているのは「町内会との関係ができた」「緊急通報システム31世帯設置」といったプロセス・アウトプット指標か定性的記述である。世田谷区に至っては「取組の効果」欄そのものが存在しない。

(事例集の「はじめに」は、これを正直に書いている。「到達点を見るのではなく、その事例はどのようなプロセスを辿って形成されてきたのか」を学べ、と。事例集は最初から到達点の記録ではなかった。)

そしてここから、次に引く交付金の順位を「先進事例という位置づけへの反証」として読まないでほしい※訂正。事例集が形成過程を見せる文書である以上、別の物差しで低い点が出ても、それは反証にならない。以下は、二つの物差しが噛み合っていないことの記録である。

そして、この採点制度自身の得点はどうか。

公開時の本稿は、ここで尾道市の平成30年度1,067位だけを引いた。選び方が偏っている※訂正。同じ一覧表を年度ごとに並べると、こうなる27。

平成30年度(612点満点)令和7年度(800点満点)
広島県尾道市391点(1,067位)583点(64位)
大分県竹田市499点(350位)556点(140位)
埼玉県和光市555点(76位)536点(226位)
千葉県柏市527点(186位)469点(678位)
三重県いなべ市446点(704位)440点(890位)

尾道市は、いま64位である。1,067位だけを引いて「先進事例とされる自治体は、この採点では上位ではない」と読ませたのは、公平ではなかった。

(ただしこの2時点の間には、指標体系の全面改定も、自治体自身の取組の変化も入っている。どちらがどれだけ効いたのかは、分けられない。分けられないまま同じ自治体が1,000位動くという事実のほうが、この順位を経年の進捗尺度として読めないことを示している。実際、複数の自治体が自らのサイトで「経年比較はできない」と注記している。)

和光市の件について

公開時の本稿は、ここを「介護保険関連の補助金をめぐる事件で有罪となり、市は国への交付金返還を求められた」と一続きに書いた。二つは別の事柄である※訂正。百条委員会の最終報告書によれば、こうなる37。

そして、刑事判決文そのものには到達できていない。上は百条委員会報告書の記述による。

この事件は、和光モデルの成果が虚偽だったという話ではない。第三者委員会も百条委員会も、そうは述べていない。ここで引くのは、第三者委員会の分析のうち一点だけである。

報告書は「II. 和光市が置かれている状況」の中に「2. 地域包括ケア」という節を立て、こう書いている38。

こうした元市職員の「名声」により、当時の和光市は……数多くの視察を受け入れていた状況であった。……全国に対してその存在をアピールするツールとしての「和光モデル」を推進するインセンティブがあるのは当然のことであると考えられる。……元市職員と和光市の間には「共依存」ともいうべき関係が存在していたと想定される。

評価されているという状態そのものが、組織にとって資源になる。——これは個人の不正の説明ではなく、外形的な達成基準が無い制度で「先進」という評判が何をしうるかについての、委員会自身の観察である。

ただし「達成基準が無い→評判が資源になる→監督が弱まる」という連鎖は、委員会が検証したものではない。委員会が書いたのは「共依存」という関係の存在までである。事件の印象が制度の評価へ流れ込まないよう、ここは委員会の記述の範囲で止める。

(和光市の認定率は、2014年の資料で9.4%、2023年の市の自己評価シートで12.5%とされている39。ただし作成主体も出典データも異なり、認定率の定義が同一であることは確認できていない。同シートは第8期の目標について「新規認定の発生予防」「要支援1、2の改善率」がいずれも目標未達成だったとも記している。)

システム全体の実装度は、一つの全国指標としては測られていない

個別の事業や体制は、繰り返し評価されている。交付金の800点があり、地域包括支援センターの事業評価があり、都道府県ごとの評価指標がある。測られていないのは、それらを束ねた「構築状況」のほうである。国がそれを定量的に公表した文書は、見つからなかった。あるのは事例集である。

理由の一端は、法律にある40。介護保険法第118条の2は、給付費と認定調査については「公表するものとする」、市町村には「提供しなければならない」と定める。だが地域支援事業——地域包括支援センター、地域ケア会議、生活支援体制整備——は第4号にあり、公表は努力義務、提供は「求めることができる」にとどまる。

見える化システムの公開指標252件の内訳を数えると、給付・サービス利用・定員が124件を占める。地域ケア会議に関する公開指標は「F25 地域ケア会議」の1件だけ——開催回数である41。介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の結果は、この2023年版マニュアルのデータソース一覧にも指標一覧にも現れない。2025年の手引きでは見える化システムへの登録が求められているが、その言い方は「お願いしています」であり、調査票自体が「例示」である42。登録後にどこまで公開指標になったかは、今回確認できていない。

地域ケア会議の条文を開くと、見出しは「(会議)」で、「地域ケア会議」という語は条文中に一度も出てこない。努力義務であり、第6項は「会議の組織及び運営に関し必要な事項は、会議が定める」と書く43。そして2025年2月の審議会に提出された地域ケア会議の全国像は、6年前の委託調査によるものだった44。

いちばん率直なのは、地域包括支援センターの事業評価をめぐる2024年の通知である45。

評価指標は、これまで、地域包括支援センターと市町村それぞれの業務チェックリストとして機能し、年を追うごとに達成率が高い項目が増加してきた。……一方で、……具体的な業務改善につながっているかを評価することは困難な状況である。

これを受けて、指標は市町村59項目→24項目、センター55項目→26項目に削られた。

公開時の本稿は「削る基準は『達成率90%未満か』だった」と書いた。逆にも読める※訂正。報告書の方針はこうである46。

現在の評価指標の達成率90%未満の項目(30 項目)およびそれらと全55 項目との相関の分析結果等を踏まえて……実施率をもとに評価項目を絞り込む

達成率90%未満の30項目を出発点にし、実施率をもとに絞り込んだ、が正確である。ほぼ全員が達成している項目は、自治体間の差を測れない。

達成率を並べると、何が起きていたかが見える46。

項目(2022年度・市町村およびセンター)達成率
センターの相談件数を把握しているか98.4%
センターに三職種を配置しているか61.3%
地域課題を政策として提言したか49.0%
地域ケア会議の内容を住民に公表しているか15.6%

数えることは9割以上でできている。人を置くことは6割、政策に上げることは5割、住民に見せることは1割5分である。

英国も、同じ場所で止まっている

比較のために英国を見ると、構図がよく似ている。ただし英国は、統合のプロセスそのものを最終成果に置かないと、文書に書いている。

2022年の統合白書は、こう書く47。

outcomes should focus on areas such as people’s experience of care, wellbeing, and independence, not on organisational processes or decision-making (アウトカムは、組織のプロセスや意思決定ではなく、人々のケアの経験、ウェルビーイング、自立といった領域に焦点を合わせるべきである)

その前の文には「Although outcomes are harder to measure」とある。測りにくいことを認めたうえで、評価の中心を組織のプロセスではなく住民のアウトカムに置くと宣言している。

証拠の順序を直す※訂正。公開時の本稿は語数を先に置いたが、語数だけでは、連携や退院や継続性を別の語で測る指標を除外できない。主証拠は、会計検査院の名指しのほうである48。

all the indicators in the oversight framework are focused on delivering NHS objectives and none relate to the wider ICS. (監督枠組みの指標はすべてNHSの目的の達成に焦点を合わせており、より広いICSに関係するものは一つもない)

同じ報告書は「it is less clear who will monitor whether integration between the NHS, local government, and others is working well」とも書き、関係性については「This is very hard to measure or mandate」と述べている。

そのうえで補助証拠として、NHS Oversight Framework の86指標(ICBに適用されるのは43本)を Annex B まで検査した結果を置く49。“integrat” という語は「Integrated care board」という組織名としてしか現れず、統合の度合いを測る指標は無い。ICBの Domain 3(Experience of care)の3指標も、GPへのアクセスのしやすさ、希望する医療専門職に会えたか、苦情の滞留であって、サービス間の連携・調整を患者に尋ねる設問は含まれていない。

そして統合を評価するはずだった法定機関は、止まっている。CQCは Health and Care Act 2022 により統合ケアシステムの評価責務を負い、評価テーマに Integration を掲げていた。だが2025年3月、こう公表した50。

DHSC has withdrawn its request for a proposal from CQC on the future of ICS assessment activity. This work will pause for at least six months

これは2025年3月の公表である※追記。「少なくとも6か月」はとうに過ぎているので、現在の案内を確認した。2026年9月1日時点のCQCのICS評価ページには、依然として「Interim guidance on our approach to assessing integrated care systems」と、「pilot assessments of 2 integrated care systems that volunteered to participate」の2件の報告書しか掲示されていない。本格評価の開始は、いまも掲示されていない。

実際に評価されたのは42システム中2つだけ(いずれも志願制)で、その「Integration」テーマの判定は点数でも格付けでもなく、「統合されたガバナンス体制の構築には前向きな方向性がある」といった叙述だった。

つまり英国は、統合を測らないと決めたのではない。アウトカムを評価の中心に置くと決めたうえで、統合そのものをどう監督・評価するかは、いまも定まっていない。測ろうとして、42分の2で止まっている。

日本と英国の違いは、測れているかどうかではない。測れていないことを書いたかどうかである。——前回の記事で得た形が、ここでも出てくる。

政策パッケージ全体の効果検証は、見つからなかった

最後に、効果の側を見ておく。

地域包括ケアシステムという政策パッケージ全体の推進度・実装度を独立変数に置き、アウトカムを検証した査読論文は、今回の検索では特定できなかった。(49種の検索語で PubMed・Europe PMC・CiNii・J-STAGE を検索した。)

「見つからなかった」ではなく「今回の検索では特定できなかった」と書く※訂正。検索式・実施日・包含基準・除外件数を残していないため、再現も反証もできない形の不在である。同じことは、この後の見える化システムの252指標にも当てはまる——あれは2023年版マニュアルが載せた公開層の一覧であって、現行の一覧ではない。

見つかるのはすべて構成要素の研究である。最も近いのは一般介護予防事業の実施状況と認定率を結んだ2026年の全国エコロジカル分析で、完全実施の自治体では認定率の上昇が0.12ポイント小さかった(95%信頼区間 −0.23〜−0.01)と報告している。著者ら自身が「ecological design, single-time assessment of implementation status」といった限界を明示している51。

日本の地域包括ケアの「効果」として最もよく引かれる御調町の論文は、こう書く52。

After the system took effect, the proportion of bedridden people and medical care costs for the elderly dropped in Mitsugi while it continued to rise everywhere else in Japan.

公開時の本稿は「対照群も統計的検定も付いていない」と書いた。前半は言い過ぎである※訂正。引用文自体が「while it continued to rise everywhere else in Japan」と、日本の他地域との比較を述べている。比較の系列はある。

正確にはこうである。事前に設定した対照群を持つ因果推論のデザインではなく、統計的検定も付いていない。論文自体が効果検証の設計をとった研究ではなく、歴史的な事例記述である。

そして2014年、国際誌の政策レビューはこう結んでいた53。

In the future, it will be necessary to conduct empirical assessments of the effectiveness of these measures.

12年経っている。

総合診療にとって

四つ、持ち帰れることがある。

第一に、「採点されている」と「判定されている」は違う。1,741市町村は毎年800点で採点され、広島県は5分野24指標64基準で全市町を対面ヒアリングし、国は自己点検ツールを配っている。測定は、むしろ大量にある。だがそれらは構成要素を個別に数え、次期計画に反映するための材料であって、「2025年に地域包括ケアシステムはできたのか」という一つの問いには集約されない。熱心に測っていることは、知りたいことを測っていることを意味しない。

第二に、達成基準の無い目標は、判定されずに次の基準年へ重なる。2015年、2025年、2040年。しかも2040年は、2025年を過ぎる9年前から併置されていた。失敗して延期したのではなく、はじめから次の人口学的な節目が視野に入っている。重なりの記録は残るが、到達の記録は残らない。基本指針の新旧対照で消えたのは年号だけで、達成したとも未達成とも書かれていない。

第三に、外形的な基準が無いと、「評価されているという評判」自体が資源になる。和光市の第三者委員会が「共依存」という語で書いたのは、そのことである。総合診療は「先進事例」として紹介されやすい分野でもある。紹介されたとき、誰が何を見てそう言ったのかを、自分で確かめられる状態にしておいたほうがいい。

第四に、それでも測ろうとした痕跡は残っている。厚労省は指標本文に「当交付金における評価を考慮し、要介護認定が行われることは不適切」と書き込んだ。2024年の通知は「業務改善につながっているかを評価することは困難な状況である」と書いた。財務省は「相関性は認められなかった」と書いた。英国の会計検査院は「none relate to the wider ICS」と書いた。

書いてあれば、次に来た人が動かせる。そして今のところ、動かせるだけの記録は、日本にも英国にも残っている。

結論を一文に畳んでおく※追記。

地域包括ケアは測られていないのではない。地域ごとの取組、個別事業、行政体制は大量に測られている。欠けているのは、それらを「2025年に全国として何が実現したのか」へ集約する規則である。


この列では、指標を一つずつ点検している。優先順位は指標監査のページに置いた。

本稿で確かめられなかったことを、三つ書いておく。一つは、会計検査院がこの交付金に言及したことがあるかどうか。令和4〜6年度の決算検査報告 計2,407頁を全文検索して0件だったが、平成30〜令和3年度は全文PDFが配布されておらず、目次しか確認できていない。二つめは、和光市の認定率の2014年9.4%と2023年12.5%が同じ定義かどうか。作成主体も出典データも異なり、確認できなかった。三つめは、現行の800点について、財務省が旧指標に対して行ったのと同じ相関分析が行われたかどうか。公表された形跡は見つけられなかったが、無いことの証明にはならない。——どれも、確かめられれば書き足す。

訂正 CORRECTIONS

公開後に直したこと。本文は直したうえで、何をどう変えたかをここに残している。本文中の※ が、直した箇所を指す。

  1. 訂正和光市の元職員の有罪を「介護保険関連の補助金をめぐる事件」と書いていたが、有罪判決の対象は窃盗・詐欺・業務上横領である2026-09-01 · wako-jiken百条委員会の最終報告書によれば、有罪判決の対象は、認知症の高齢者夫婦や障害者から市が預かったキャッシュカードを使った窃盗、生活保護受給者から市が預かっていた現金を職員から騙し取った詐欺、預かった現金の業務上横領等(被害金額の合計約7,978万円)であり、さいたま地裁が懲役7年、東京高裁が令和4年4月12日に控訴を棄却している。交付金4,500万円(平成21年度地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金)の返還は別問題として記録されている。二つを分けて書き直し、刑事判決文そのものには到達していないことも明記した。
  2. 訂正「基準年が2015年から2025年に移った」が本稿の推論であることを明示していなかった2026-09-01 · idou2003年報告書が2015年までとしたのは「あるべき高齢者介護」全体の実施期間であって、地域包括ケアシステムだけの完成期限とは書かれていない。また、公式の文書が「2015年目標を2025年へ延長した」と説明しているわけでもない。「両者の政策上の連続性は見えるが、正式な期限延長として説明された資料は確認できなかった」に限定した。
  3. 訂正全国共通の合否判定が無いことを、そのまま測定の失敗として扱っていた2026-09-01 · bunken厚労省は公式ページで「地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です」と明記しており、意図的な分権設計だという反対解釈が成り立つ。批判を「地域ごとの評価を選んだことが問題なのではない。国が『2025年を目途に構築』と全国向けに掲げながら、地域ごとに異なる評価をどう全国の進捗へ集約するのかを示さなかったことが問題である」に限定した。あわせて「目途」が期限なのか政策視野なのかを分け、老健局長が「ターゲットイヤー」と答弁したことがその反証になることを書いた。
  4. 追記公表される800点満点が、成果指向型配分枠100点を含まないことを追記した2026-09-01 · haibunwaku令和8年度の評価指標は三部からなり、推進交付金400点、成果指向型配分枠100点、努力支援交付金400点である。集計結果が用いる800点満点は、真ん中の100点を含まない。
  5. 訂正「システム全体を直接測る項目が無い」を語数だけで支えていたので、項目そのものを監査し直した2026-09-01 · renkei語数では別の語で測っている項目を除外できない。42頁を数え直すと「連携」は70回現れ、努力支援交付金の目標Ⅲ「在宅医療・在宅介護連携の体制を構築する」に100点が置かれ、その第1項は日常の療養支援・入退院支援・急変時の対応・看取りの四場面ごとの目指すべき姿を、第3項は患者・利用者の状態変化に応じた情報共有の取組を問う。構成要素の間をつなぐ項目は実在する。一方で「満足」「患者の経験」「利用者の経験」「QOL」「生活の質」「継続性」はいずれも0回である。測られているのは市町村が何を整えたかであり、その連携が働いたかを患者や利用者の側から測る項目は無い、という形に置き直した。
  6. 訂正「絶対基準で測る側は天井に張り付き」が強すぎた2026-09-01 · tenjo平均得点率72.7%は、それ自体では天井効果の証明にならない。「平均得点率が絶対基準の側で高く相対順位の側で低い」ことと、「別の検証報告が個別項目の天井効果(市町村結果では3分の1以上の指標で得点率8割超)を確認している」ことを分けて書いた。
  7. 追記「今年度の評価得点」の自己参照がどこまで閉じているかは、指標本文から確認できない2026-09-01 · jikosansho順位を決める合計得点にこの12点自身が含まれるのか、それを除いた基礎点で順位を出すのかは書かれていない。時点欄が明示的に除外しているのは「成果指向型配分枠」だけである。
  8. 訂正「削る基準は達成率90%未満か」が逆にも読める書き方だった2026-09-01 · sakugen報告書の方針は「現在の評価指標の達成率90%未満の項目(30 項目)およびそれらと全55 項目との相関の分析結果等を踏まえて」「実施率をもとに評価項目を絞り込む」である。達成率90%未満の30項目を出発点にし、実施率をもとに絞り込んだ、が正確である。
  9. 訂正交付金の順位を「先進事例という位置づけへの反証」として読める形で置いていた2026-09-01 · jirei事例集は自ら「到達点を見るのではなく、その事例はどのようなプロセスを辿って形成されてきたのか」を学ぶ文書だと述べている。別の物差しで低い点が出ても反証にはならない。二つの物差しが噛み合っていないことの記録である、と位置づけ直した。あわせて和光市の節について、「達成基準が無い→評判が資源になる→監督が弱まる」という連鎖は第三者委員会が検証したものではないことを明記した。
  10. 訂正御調町論文に「対照群も統計的検定も付いていない」と書いたが、比較の系列自体はある2026-09-01 · mitsugi引用文自体が「while it continued to rise everywhere else in Japan」と日本の他地域との比較を述べている。「事前に設定した対照群を持つ因果推論のデザインではなく、統計的検定も付いていない」に改めた。
  11. 訂正英国の証拠の順序を、語数から会計検査院の指摘へ入れ替えた2026-09-01 · uk語数だけでは、連携や退院や継続性を別の語で測る指標を除外できない。NAOの「all the indicators in the oversight framework are focused on delivering NHS objectives and none relate to the wider ICS」を主証拠に置き、86指標(ICB適用は43本)のAnnex Bまでの検査結果と、ICBのDomain 3の3指標にサービス間の連携・調整を患者に尋ねる設問が無いことを補助証拠として並べ直した。
  12. 追記CQCの「少なくとも6か月停止」が2025年3月の公表であることを明示し、現況を確認した2026-09-01 · cqc「少なくとも6か月」はとうに過ぎているため、2026年9月1日時点のCQCのICS評価ページを確認した。依然として「Interim guidance on our approach to assessing integrated care systems」と、志願した2システムのパイロット評価報告書だけが掲示されており、本格評価の開始は掲示されていない。
  13. 訂正「査読論文は見つからなかった」を「今回の検索では特定できなかった」に改めた2026-09-01 · hanni検索式・実施日・包含基準・除外件数を残していないため、再現も反証もできない形の不在である。同じことは見える化システムの252指標にも当てはまり、あれは2023年版マニュアルが載せた公開層の一覧であって現行の一覧ではない。
  14. 追記結論を一文に畳んだ2026-09-01 · shime「地域包括ケアは測られていないのではない。地域ごとの取組、個別事業、行政体制は大量に測られている。欠けているのは、それらを『2025年に全国として何が実現したのか』へ集約する規則である。」を末尾に置いた。
  15. 訂正老健局長の答弁を「以降は2040年と新法案の説明に移った」とだけ書いたが、課題についても答えていた2026-09-01 · kokkai答弁は箇所数の直後に「他方で、市町村の規模別に見ますと、小規模の市町村においては相対的に取組状況が低い傾向、こうしたものも見えてまいりました」と続けている。質問は「どの程度整備されたか」「どのような課題が明らかとなったか」「今回の改正でどうつなげるか」の三部構成で、答弁は二つ目と三つ目には具体的に答えている。答えられていないのは一つ目だけである。国会会議録から答弁全文を取り直して確認した。
  16. 訂正「地域包括ケアシステム 構築できた」0件という語句検索を、総括の不在の証拠として使っていた2026-09-01 · zeroken現れなかったのは私が選んだ語の組合せであって、同じことは「一定の成果を上げた」「進捗が図られた」といった別の言い方でも書ける。検索の窓も2024年1月から2026年8月までである。この0件は答弁を補強する材料にはなるが、それ以上ではない。
  17. 訂正2003年報告書に「2025」が一度も出てこないと書いたが、補論に計5回現れる2026-09-01 · k2003本文(3.html)では0回だが、補論1の「高齢者人口とその割合の年次比較」表は2002年・2015年・2025(平成37)年の三列を並べており、補論3の推計表にも2025年の列がある。さらに補論1は「2015年の前期高齢者(65〜74歳)は、その後に続く10年間に後期高齢者となる人々である」「75歳以上人口及び後期高齢化率の伸びは、2015年以降も同様のペースで継続する」と書いている。2025年という地平は2003年の時点で視野に入っていた。後から移されたのは「目途」の置き場所であって、2025年という年そのものではない。
  18. 訂正先進事例とされる自治体の順位について、尾道市の平成30年度1,067位だけを引いていた2026-09-01 · onomichi同じ全国一覧表の令和7年度では、尾道市は583点で64位、竹田市は556点で140位である。1,067位だけを引いて「先進事例とされる自治体はこの採点では上位ではない」と読ませたのは公平ではなかった。5市の2時点を表にして両方を示した。あわせて、本文が年度を書いていなかった点も直した(和光226位・柏678位・いなべ890位はいずれも令和7年度)。
  19. 訂正評価指標の引用が原文と違っていた2026-09-01 · inyou原文は全角の算用数字で「上位7割」と書いており、「【配点】」という見出しは原文には無い(配点は表の一列である)。また「エに該当すればア〜ウも得点」という累積加点の注記を落としていた。あわせて「令和8年度には、こういう指標が入った」と新設であるかのように書いたが、この指標が令和8年度に新設されたものかどうかは確認していない。
  20. 追記420点が相対評価であることを、指標PDFの機械的な数え直しと分野別得点率で裏づけた2026-09-01 · tokuten42頁のPDFで「上位7割」は45か所に現れ、そのすべてが活動指標群(22項目に29か所)と成果指標群(10項目に16か所)の中にある。体制・取組指標群380点の側には一度も現れない。あわせて令和8年度の分野別平均得点率(体制・取組72.7%、活動37.9%、アウトカム47.8%)を示し、絶対基準の側が天井に張り付き相対順位の側が定義上そうならないことを本文に加えた。

出典 SOURCES

  1. 1地域包括ケアシステム厚生労働省 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます」と記す。2003年の原典と同じ団塊の世代を、65歳ではなく75歳を基準に読み替えることで、目標年次が2015年から2025年に移っている
  2. 2第217回国会 参議院厚生労働委員会 会議録(令和8年6月11日)国立国会図書館 国会会議録検索システム · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 本田顕子議員の「昨年の段階で、地域包括ケアシステム構築の目途としていた二〇二五年を迎えました。地域包括ケアシステムは、全国各地でそれぞれの地域の特性に応じてどの程度整備され、どのような課題が明らかとなったのか」という質問に対し、黒田秀郎厚生労働省老健局長は「二〇二五年がそのターゲットイヤーだったということでございます。これまでの各地域における取組の結果として、地域包括ケアシステムを支える体制の整備も進んでまいりまして、例えば、地域包括支援センターが全市町村に設置をされ、五千四百八十七か所になるなどの進展もございます。他方で、市町村の規模別に見ますと、小規模の市町村においては相対的に取組状況が低い傾向、こうしたものも見えてまいりました」と答弁している。質問は「どの程度整備され」「どのような課題が明らかとなったのか」「それらを克服するために、今回の改正において通いの場の充実、整備を含めて包括的な支援体制を拡充することにどのようにつなげていくのか」の三部構成であり、答弁は二つ目に上記の小規模市町村の一文で答え、三つ目には中山間・人口減少地域向けの新サービス類型の創設、人材確保・生産性向上のための協議会の設置、介護予防と地域の支え合いを一体的に実施する拠点事業の創設、通いの場の施設改修への地域医療介護総合確保基金による支援まで具体的に答えている。答えられていないのは一つ目、すなわち構築できたかどうかの判定だけであり、示された量的根拠は地域包括支援センターの箇所数のみである。なお国会会議録全文検索(2024年1月1日から2026年8月29日)で「地域包括ケアシステム 構築できた」「地域包括ケア 総括」「地域包括ケアシステム 未完」はいずれも0件
  3. 32015年の高齢者介護 — 高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて高齢者介護研究会(厚生労働省老健局長の私的研究会) · 2003 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 地域包括ケアという語を厚生労働省関連文書として最初に提起した報告書。補論1に「研究会報告書本文においては、2015(平成27)年までをあるべき高齢者介護を実現するための実施期間として位置づけた」「戦後生まれのいわゆる『団塊の世代(1947(昭和22)年〜1949(昭和24)年生まれ)』が65歳以上となる2015年は、…」とある。すなわち当初の期限は2015年であり、基準は団塊の世代が65歳になる年であった。本文(3.html)における「2025」の出現は0回、「数値目標」も0回。ただし補論1(3a.html)の「高齢者人口とその割合の年次比較」表は2002年・2015年・2025(平成37)年の三列を並べており、補論3(3c.html)の推計表にも2025年の列がある。両補論を合わせると「2025」は5回現れる。補論1はさらに「2015年の前期高齢者(65〜74歳)は、その後に続く10年間に後期高齢者となる人々である」「75歳以上人口及び後期高齢化率の伸びは、2015年以降も同様のペースで継続する」と記しており、2025年の地平は2003年時点で視野に入っている。本文(節見出し「(4)地域包括ケアシステムの確立」)では「介護以外の問題にも対処しながら、介護サービスを提供するには、介護保険のサービスを中核としつつ、保健・福祉・医療の専門職相互の連携、さらにはボランティアなどの住民活動も含めた連携によって、地域の様々な資源を統合した包括的なケア(地域包括ケア)を提供することが必要である」と定義している
  4. 4基本指針(案)について(新旧案) — 社会保障審議会介護保険部会(第135回)資料2-2厚生労働省老健局 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 第9期(現行)の基本指針は「介護保険制度においては、いわゆる団塊の世代全てが七十五歳以上となる二千二十五年(令和七年)を見据え、制度の持続可能性を維持しながら…地域包括ケアシステム…を各地域の実情に応じて深化・推進してきたところである」と書く。第10期(令和9〜11年度)の改正案では、この文から「いわゆる団塊の世代全てが七十五歳以上となる二千二十五年(令和七年)を見据え、」が削除されており、それが唯一の変更である。「深化・推進してきたところである」という経過の記述はそのまま残り、達成・未達成の判定は挿入されていない。第一 基本的事項の見出しも「一 地域包括ケアシステムの基本的理念と地域共生社会の実現」から「一 2040年に向けた地域包括ケアシステムの深化と地域共生社会の実現」に書き換えられている。同資料および構成資料に「2025」「到達」「総括」の出現回数はいずれも0
  5. 5介護保険制度の見直しに関する意見(平成28年12月9日)社会保障審議会介護保険部会 · 2016 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 第Ⅰ章の見出しが「地域包括ケアシステムの深化・推進」であり、「特に、いわゆる団塊世代が75歳以上となる2025年、さらにはいわゆる団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年に向けて、…地域実情に合わせた地域包括ケアシステムを深化・推進していくことが重要である」と述べる。すなわち2016年の時点で既に「構築」ではなく「深化・推進」という語が用いられ、視線は2040年に及んでいる。また「【適切な指標による実績評価】○ 各市町村において様々な取り組みを進めていくこととなるが、地域マネジメントによる地域包括ケアシステムの深化が着実に進むよう、取組のアウトカム指標やアウトプット指標(プロセス指標)を国が設定し、PDCAの一環として、市町村や都道府県が自己評価するとともに、国に報告する仕組みを設けることが適当である」「アウトカム指標については、要介護認定率の抑制等、適正なサービス利用の阻害につながることのないものとする必要があり」と記し、保険者機能強化推進交付金の設計を決めている
  6. 6ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿(素案) — 第18回医療介護総合確保促進会議 資料3厚生労働省 · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「いわゆる団塊の世代が全て75年以上となる2025年に向けて、医療機能の分化・連携や地域包括ケアシステムの構築が進められてきたが、……」と書き出す全9頁の文書。文書全体で「達成」「到達」「検証」「総括」「評価」の出現回数はいずれも0である
  7. 7地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律 第2条e-Gov法令検索(総務省)/平成元年法律第64号 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「この法律において『地域包括ケアシステム』とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防…、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう」と定義する。持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(平成25年法律第112号)第4条第4項の括弧書きにある定義と、条文内相互参照の括弧を除いて一字一句同一である。両法とも「数値目標」「指標」「評価」「二千二十五」「平成三十七年」の出現回数はいずれも0であり、達成基準・数値目標・期限は含まれていない
  8. 8介護保険法 第5条(国及び地方公共団体の責務)e-Gov法令検索(総務省)/平成9年法律第123号 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「地域包括ケアの根拠条文」として引かれてきた規定は「国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう…医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない」という努力義務規定である。平成23年法律第72号により第3項として新設されたが、令和5年法律第31号第13条が第3項に都道府県の生産性向上に関する規定を挿入したため、令和6年4月1日以降は第4項に繰り下がっている。この条文に「地域包括ケアシステム」という語は現れない。介護保険法の全文を検索しても「地域包括ケア」という語の出現は0回である(「地域包括支援センター」は24回)
  9. 9地域包括ケア研究会 報告書 〜今後の検討のための論点整理〜三菱UFJリサーチ&コンサルティング(平成20年度老人保健健康増進等事業) · 2009 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 冒頭に「1.開催の趣旨…平成20年度老人保健健康増進等事業として、有識者をメンバーとする研究会を開催した」「3.研究会の運営 研究会の庶務は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が行った」と明記する。座長は田中滋(慶應義塾大学大学院教授)。すなわち社会保障審議会等の法令に基づく審議会ではなく、老人保健健康増進等事業として実施された受託研究である。この位置づけは平成30年度報告書まで一貫している。初出の定義は「地域包括ケアシステムは、『ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制』と定義してはどうか」という提案の形で書かれている。この報告書に「住まい」の語は0回(「住宅」は11回)、「植木鉢」も0回である
  10. 10地域包括ケアシステムの構築における今後の検討のための論点(平成24年度地域包括ケア研究会報告書)三菱UFJリサーチ&コンサルティング(平成24年度老人保健健康増進等事業) · 2013 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: いわゆる「植木鉢」の図が初めて登場した報告書。「『住まいと住まい方』を地域での生活の基盤をなす『植木鉢』に例えると、それぞれの『住まい』で生活を構築するための『生活支援・福祉サービス』は植木鉢に満たされる養分を含んだ『土』と考えることができるだろう。『生活(生活支援・福祉サービス)』という『土』がないところに、専門職の提供する『介護』や『医療』『予防』を植えても、それらは十分な力を発揮することなく、枯れてしまうだろう」と説明する。図のキャプションは「地域包括ケアシステムとは 田中滋座長の図をもとに事務局作成」。なお同報告書は5つの構成要素について「これまで…掲げてきた」と過去形で書くが、平成20年度・21年度報告書の本文に5要素の明示的な列挙は見当たらず、5要素の初出は今回の資料からは確定できなかった
  11. 11平成28年版厚生労働白書 第1部第4章第4節厚生労働省 · 2016 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 201頁に「ここまでで、……『地域包括ケアシステムの構築』を提案し、その実現のための方策を示してきた。地域包括ケアシステムとは『地域で暮らすための支援の包括化、地域連携、ネットワークづくり』に他ならないが、このような発想は、高齢者だけに当てはまるものではない」と記す。節の見出しは「暮らしと生きがいをともに創る『地域共生社会』へのパラダイムシフト」であり、地域包括ケアシステムを言い換えたうえで論点を地域共生社会へ移している
  12. 12地域包括ケアシステムから『全世代・全対象型地域包括支援』へ(二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター141号)日本福祉大学(二木立)/初出『文化連情報』2016年4月号 · 2016 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「結論的に言えば、地域包括ケアシステムの実態はシステムではなくネットワークであり、全国一律の『統一された概念』はなく、『誰が旗を振』るかは地域によって異なります」「(1)地域包括ケアシステムは2013年に法的に定義されたが、理念にとどまる」「ただし、これはいわば『理念規定』であり、この条文を読んだだけでは、地域包括ケアシステムの具体的イメージはわかず、……疑問が湧くのは当然だと思います」「しかし、『システム』(制度・体制)という用語は、国が法律またはそれに基づく通知等により、全国一律の基準を作成して、都道府県・市町村、医療機関等がそれに従うものを連想させます。そのために、自治体関係者や医療・福祉関係者に、国がいずれは『地域包括ケアシステム』の青写真を示してくれるとの誤解・幻想・甘えを与えたし、今も与えていると思います」と述べる。また原勝則厚生労働省老健局長の2013年2月「全国厚生労働関係部局長会議」での発言「『地域包括ケアはこうすればよい』というものがあるわけではなく、地域のことを最もよく知る市区町村が地域の自主性や主体性、特性に基づき、作り上げていくことが必要である。医療・介護・生活支援といったそれぞれの要素が必要なことは、どの地域でも変わらないことだと思うが、誰が中心を担うのか、どのような連携体制を図るのか、これは地域によって違ってくる」(『週刊社会保障』2717号22頁)を引用している
  13. 13論点ごとの議論の状況 — 社会保障審議会介護保険部会(第130回)資料2厚生労働省老健局 · 2025 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全56頁。末尾の参考「2040年に向けた地域包括ケアシステムの深化について」(53〜55頁)に「地域包括ケアシステムの構築に向けては、介護保険事業(支援)計画、地域包括ケア『見える化』システム、インセンティブ交付金(保険者機能強化推進交付金、介護保険保険者努力支援交付金)、効果的な施策を展開するための考え方の点検ツール等の評価指標・ツールを活用しながら、計画の見直しプロセス等において、達成状況の点検や評価を行い、次期計画に反映するなど、各地域において必要な取組が推進されてきた」とある。点検ツールについては「地域包括ケアシステムの構築状況を総合的に自己点検・自己評価するために有効なツールとして国が提供し、伴走支援や集合研修を実施」と説明する。都道府県の取組例として、長野県(ロジックモデルを活用しKGI・KPI・活動指標等を設定)、広島県(地域包括ケアシステム評価指標 5分野・24指標・64基準に基づき県・保健所の担当者が全市町に対面ヒアリング)、長崎県(評価基準 8分野・57項目に基づき全市町に対面ヒアリング)が挙げられている。すなわち評価そのものは地域単位・都道府県単位で多数行われている。一方この参考資料にも、2025年時点で全国的に構築が達成されたか否かの判定は記されていない
  14. 14令和8年度(市町村分)保険者機能強化推進交付金等に係る評価結果の概要厚生労働省老健局 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「2026年(令和8年度)における保険者機能強化推進交付金等の配分に活用するため、国において令和8年度評価指標を定め、これに基づき、1,741市町村が自らの取組等について評価を行った結果」とし、平均点455.1点(800点満点)、平均得点率56.9%、得点トップは江津市(島根県)657点(82.1%)と報告する。前年度は平均435.0点、得点率54.4%、トップは荒尾市(熊本県)649点(81.1%)。分野別平均得点率は体制・取組が72.7%、活動が37.9%、アウトカムが47.8%。推進の目標Ⅰ(持続可能な地域のあるべき姿)は体制81.8%に対し活動27.6%、推進の目標Ⅲ(介護人材)は体制66.7%に対し活動22.7%である。厚生労働省は総合得点上位30市町村のランキング表も第1号被保険者規模別に公表している
  15. 15令和8年度(2026年度)保険者機能強化推進交付金及び介護保険保険者努力支援交付金に係る評価指標(市町村分)厚生労働省老健局 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全42頁。保険者機能強化推進交付金400点(目標Ⅰ 持続可能な地域のあるべき姿100点/目標Ⅱ 公正・公平な給付を行う体制100点/目標Ⅲ 介護人材の確保その他のサービス提供基盤の整備100点/目標Ⅳ 成果指標群100点)と、介護保険保険者努力支援交付金400点(目標Ⅰ 介護予防・日常生活支援の推進/目標Ⅱ 認知症総合支援の推進/目標Ⅲ 在宅医療・在宅介護連携の体制構築/目標Ⅳ 成果指標群)の計800点。群別配点は体制・取組指標群380点、活動指標群220点、成果指標群200点。目標Ⅰの指標1は「地域の介護保険事業の特徴を把握しているか」で、選択肢アが「『地域包括ケア「見える化」システム』を活用し、サービス資源や給付費等の現状把握・分析等を行っている」(各4点、最大16点)。留意点に「保険者として取り組むべき課題の考察に至る現状把握や地域分析を対象とし、単に認定率や保険料額の高低を認識するに留まる場合は、非該当とする」とある。推進交付金 目標Ⅰ 活動指標群の指標1は「今年度の評価得点」で、「令和8年度評価得点(保険者機能強化推進交付金及び介護保険保険者努力支援交付金に係る合計得点)の全国順位を評価する」(ア〜エ 各3点、最大12点)。成果指標群の各指標には「なお、要介護認定は、被保険者本人の心身の状態や介護の手間を丁寧に把握した上で、介護サービスの必要度を判定する重要なプロセスであり、全国一律の基準に基づき実施される必要があるため、当交付金における評価を考慮し、要介護認定が行われることは不適切であることについて留意されたい」という注意書きが繰り返し置かれている。文書全体で「地域包括ケア」の語は4回のみ現れ、うち3回は「地域包括ケア『見える化』システム」というツール名、1回は「地域包括ケアシステム構築に向けた地域リハビリテーション体制整備マニュアル」という参考文献名である。「全保険者の上位七割/五割/三割/一割」という相対評価の表現はそれぞれ45回ずつ出現する
  16. 16令和8年度(市町村分)保険者機能強化推進交付金等に係る評価結果 全国一覧表厚生労働省老健局 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 1,563列×1,741市町村の表計算ファイルで、評価指標の枝番(ア・イ・ウ・エ、①②③④)レベルまで各市町村の該当状況と全国順位が収録されている。令和8年度の推進・支援合計(800点満点)は平均455.13点、中央値469点、標準偏差87.70。令和7年度は平均434.99点、中央値446点、標準偏差92.33
  17. 17保険者機能強化推進交付金及び介護保険保険者努力支援交付金の集計結果について厚生労働省老健局介護保険計画課 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「保険者機能強化推進交付金等の集計結果については、事業者や住民を含めた関係者の参考になるよう、更なる『見える化』を推進するため、当ページへの掲載を開始いたしました。ただし、集計結果における都道府県又は市町村ごとの評価得点は、国が定める評価指標の視点から見た場合に、このような結果となるに留まるものであり、これら自治体の取組の適否を表すものではありません」とし、その理由として「市町村ごとの人口規模、地理的条件、地域資源、職員体制、取組の優先度など取組の前提条件にかかわらず、全国一律の評価指標を用いていること」「評価指標に掲げている取組以外にも、市町村独自に地域の実情を踏まえながら工夫した取組を行っている場合があること」「評価指標の中には、その該当性の判断を市町村ごとの自己評価によって行われているものもあること」を挙げる。市町村別の得点と全国順位は公表されているが、市町村別の交付額は公表されていない
  18. 18介護保険法 第122条の3e-Gov法令検索(総務省)/平成9年法律第123号 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「国は、前二条に定めるもののほか、市町村によるその被保険者の地域における自立した日常生活の支援、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止及び介護給付等に要する費用の適正化に関する取組を支援するため、政令で定めるところにより、市町村に対し、予算の範囲内において、交付金を交付する」。第2項が都道府県分。平成29年法律第52号(地域包括ケア強化法)により追加され、2018年4月1日施行。条文本体には「保険者機能強化推進交付金」という名称も、指標も、点数も、配分方法も書かれていない。なお総合事業に対する国庫負担を定めるのは第122条の2であり、本交付金の根拠条文ではない
  19. 19介護保険の調整交付金等の交付額の算定に関する省令 第10条e-Gov法令検索(総務省)/平成12年厚生省令第26号 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「法第百二十二条の三第一項に規定する交付金は、介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令…第一条の四第二項及び第三項に規定する市町村に対し、これらの規定に規定する状況を示す指標ごとに算定した点数に基づいて算定した額を交付する」と定める。法律から政令(平成10年政令第413号第1条の4)を経て省令に至っても、記述は「指標ごとに算定した点数に基づいて算定した額」で終わり、指標の中身・配点・得点から交付額への変換式は法令に存在しない。e-Gov法令検索で「保険者機能強化推進交付金」の語を含む法令は同政令1本のみである
  20. 20平成30年度(2018年度)保険者機能強化推進交付金に係る評価指標(市町村分)厚生労働省老健局 · 2018 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 制度初年度の評価指標。大項目は「Ⅰ PDCAサイクルの活用による保険者機能の強化に向けた体制等の構築」「Ⅱ 自立支援、重度化防止等に資する施策の推進」「Ⅲ 介護保険運営の安定化に資する施策の推進」の3つ。指標①は「地域包括ケア『見える化』システムを活用して他の保険者と比較する等、当該地域の介護保険事業の特徴を把握しているか」。地域ケア会議については指標⑨「地域ケア会議が発揮すべき機能、構成員、スケジュールを盛り込んだ開催計画を策定しているか」(10点)、指標⑪「個別事例の検討等を行う地域ケア会議における個別事例の検討件数割合はどの程度か」(全保険者の上位3割で10点、上位5割で5点)などが置かれた。文書全体で「地域包括ケア」の語は6回現れ、6回とも「見える化システム」の名称の一部である。「上位五割」は5回、「上位三割」は6回の出現で、「上位七割」「上位一割」は0回
  21. 21令和7年度老人保健健康増進等事業 保険者機能強化推進交付金等に関する調査研究事業 報告書株式会社日本能率協会総合研究所(厚生労働省 老人保健健康増進等事業) · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「市町村結果では3分の1以上、都道府県結果では全ての体制・取組指標群の指標で得点率が8割を超える『天井効果』が顕在化しており、『指標の該当』の有無だけでは自治体間の努力の差が測りにくい」と指摘する。委員意見として「評価指標を変更しないことが原則だが、予算事業のため変えざるをえないこともある。天井効果が表れている指標は項目を変えずに配点を変える」が記録されている。また「第1号被保険者規模別で3千人未満などの小規模自治体においては、少数の重度化ケースや死亡ケースが認定率や給付費の指標に過大な変動をもたらす『サンプルの不安定さ』が避けられない。このため、単一自治体のアウトカム指標をそのまま評価に用いることには科学的な限界があり」とも述べる。配点については「1指標あたりの配点をみると、都道府県では4点…〜68点…、市町村では5.3点…〜34点…の幅がみられた」と事後的に集計するにとどまる
  22. 22予算執行調査 総括調査票(令和4年7月公表分)(17)保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金財務省主計局(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業 WARP 経由) · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全国200市町村・47都道府県への調査票調査。「その得点と要介護認定率・1人当たり介護給付費の相関関係を市町村ごとに分析したところ、結果として得点と要介護認定率等との相関性は認められなかった【図1】。つまり、現在の評価指標による得点の増減は、要介護認定率や1人当たり介護給付費の低下・減少につながっていない可能性が高い」と結論する。図中の回帰式は要介護認定率が y = -0.0012x + 19.48(R² = 0.0117)、1人当たり介護給付費が y = -0.00003x + 25.25975(R² = 0.00001)。「評価指標は適切と思わない」と回答した自治体の理由として「評価者によって、同じ取組状況でも評価点数が異なる場合があり得るため」「自己評価に係る作業負荷が過大であるため」「評価指標が多過ぎるため」「点数獲得のため、効果等を検証せずに事業実施を目的化する面が考えられる」が挙げられている。結論は「現在の評価指標では、市町村等の取組に対応した成果(要介護認定率の低下等)が示されず…交付金の配分方法として適切ではなく、抜本的見直しが必要である…その予算額についても圧縮を図るべきである」。※財務省サイトの原URLは現在404であり、国立国会図書館WARPのアーカイブから取得した
  23. 23令和4年秋の年次公開検証(秋のレビュー)行政改革推進本部事務局説明資料 — 保険者機能強化推進交付金等内閣官房行政改革推進本部事務局 · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全35頁。7〜18頁に全評価細目指標と9つの成果指標の相関行列が掲載され、ほぼすべてが−0.1から+0.2に収まる。「平均要介護度の変化率の差(重度)」は期待される符号が負であるのに対し+0.11から+0.69と一貫して逆符号である。また2つの交付金の得点の相関は令和2年度0.996433496、令和3年度0.998092746、令和4年度(見込み)0.995722956と報告されている
  24. 24令和4年秋の年次公開検証(秋のレビュー)議事録(11月9日)内閣官房行政改革推進本部事務局 · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 評価者の伊藤由希子(津田塾大学)は「一番上の相関というところを見ると、極めて高い正の相関、0.99という正の相関がこの両交付金の間にあるということが分かったわけであります。本来はこういうことを担当部局の方が、前もって我々が調べる前に見て、この両交付金は結局のところ同じように配っているという話に相関係数が高過ぎてなっている」と述べる。鈴木亘(学習院大学)は「相関はあるけれども小さいというぐらいだったらまだ良いのですけれども、相関がマイナスというものもあります」と指摘。厚生労働省老健局介護保険計画課長は「先生のおっしゃるとおり、最終的なアウトカムとして今、要介護認定率等を置いていまして、そことの相関性が低いというのは、私どもも同じ問題意識を持っております」と回答している。出席した宮崎市は「私たちも今、地域の方々が介護予防に取り組んでいる中で、今後、それが認定率にどのように影響していくかといったところを予測していくところにすごく苦慮しております」と述べた。※このサイトは既定のUser-Agentでは404を返し、ブラウザのUser-Agentを付けると取得できる
  25. 25保険者機能強化推進交付金・介護保険保険者努力支援交付金の政策評価に関する基礎的研究學習院大學經濟論集 59(4):403-440(鈴木亘) · 2023 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「相関分析および回帰分析を行った結果,各評価指標と成果指標の相関は極めて低く,中には期待される符号と逆の関係を持っている評価指標が少なくないことがわかった。成果指標に対して,多少なりともプラスの寄与がある評価指標は,わずかに,地域包括支援センター・地域ケア会議に関するものと(特に,介護保険保険者努力支援交付金の場合),介護給付の適正化等に関するものに限られる。両交付金の評価指標については,抜本的な見直しが必要なことが示唆される結果となった」「EBPMの観点からは,データをきちんと公開し,第三者が検証できるようにすることが望ましい。早期に,政策評価に必要な全データが公開されることを期待したい」。著者は令和4年秋の行政事業レビューの評価者でもある
  26. 26令和5年度全国介護保険担当課長会議資料 — 保険者機能強化推進交付金等の見直しについて厚生労働省老健局介護保険計画課 · 2023 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 見直しの背景として「令和4年度において、財務省が行う予算執行調査や、秋の行政事業レビューの対象となり、・保険者機能強化推進交付金等における役割の重複 ・評価指標と要介護認定率等のアウトカムとの関連性が不明確 ・評価指標の縮減・簡素化 ・評価結果の見える化の徹底 などの課題が指摘された」と記す。参考資料「保険者機能強化推進交付金等の評価指標の見直しの考え方(案)」には、新しい柱建ての内容と「評価指標は、『体制・取組指標群』『活動指標群』、『成果指標群』の3つに再編」する方針、「都道府県指標約3割、市町村指標約4割の項目を縮減」する方針が示される。配点についての記述は「その他、配点については、保険者等に対し、アウトプット・中間アウトカム指標も意識した取組を一層促す観点から、アウトプット・中間アウトカム指標に係る配点を手厚くすることとする」の一文のみで、各目標を100点とした根拠や群別配点の根拠は示されていない
  27. 27平成30年度(市町村分)保険者機能強化推進交付金に係る評価結果 全国一覧表厚生労働省老健局 · 2018 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 制度初年度の全1,741保険者の得点一覧。満点612点、平均411.0点。この生データから集計すると、埼玉県和光市555点(76位)、千葉県柏市527点(186位)、大分県竹田市499点(350位)、三重県いなべ市446点(704位)、広島県尾道市391点(1,067位)である。令和7年度の全国一覧表(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001732645.xlsx 、満点800点、平均435.0点)では、広島県尾道市583点(64位)、大分県竹田市556点(140位)、埼玉県和光市536点(226位)、千葉県柏市469点(678位)、三重県いなべ市440点(890位)となる。ただし評価指標は年度ごとに改定されており、複数の自治体が自らのサイトで経年比較ができない旨を注記している
  28. 28令和4年度市町村保険者機能強化推進交付金等の集計結果概要(都道府県別平均)厚生労働省老健局 · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 冒頭の「令和3、4年度評価指標における得点状況の変化について(市町村分)」の表で、推進+支援の配点合計が令和3年度2,475点、令和4年度2,105点と示されている。得点率はそれぞれ51%、50%
  29. 29令和5年度市町村保険者機能強化推進交付金等の集計結果概要(都道府県別平均)厚生労働省老健局 · 2023 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 冒頭の「2023年度(市町村分)保険者機能強化推進交付金等に係る得点状況の変化〈推進+支援〉」の表で、推進+支援の満点が令和5年度2,185点(平均1,156点、平均得点率52.9%)、令和4年度2,105点(平均1,060点、50.4%)と示されている
  30. 30令和5年度老人保健健康増進等事業 保険者機能強化推進交付金等に関する調査研究事業 報告書株式会社日本能率協会総合研究所(厚生労働省 老人保健健康増進等事業) · 2024 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 評価指標の縮減にあたり因子分析が用いられたことを記す。「令和4年度評価指標は60項目で構成されているが、この中にはアウトカム・アウトプットに近い性質を持つ指標等が含まれていることから、それらを除いた51項目で因子分析を行った」「因子分析の結果、5つの因子が抽出され、5つの因子と相関のみられる評価指標は27項目であった」「51項目と27項目の関連性の比較を合計点と得点率それぞれで確認したところ、合計点、得点率ともに非常に相関が高く(相関係数0.95以上)、また、順位の変動をみても、およそ±50位程度の変動幅に収まる市町村が多かった」。抽出された5因子(保険者としての分析・方針の決定、持続可能な運営/自立支援、地域づくりの推進/認知症施策の推進/在宅医療・介護連携の推進、重度化防止/介護人材、多様な人材の活躍)が、令和6年度以降の目標Ⅰ〜Ⅲの柱建てに対応している。検証委員会の委員長は筒井孝子(埼玉県立大学大学院教授)
  31. 31令和3年度老人保健健康増進等事業 保険者機能強化推進交付金等に関する調査研究事業 報告書株式会社日本能率協会総合研究所(厚生労働省 老人保健健康増進等事業) · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「令和3年度評価指標までは項目によって配点が異なっていたが、令和4年度評価指標では原則として1つ5点とし、項目間の配点の違いによる影響を受けないように見直しを行った」と記す。また交付額の配分方式について「制度創設当初は得点に応じた全保険者での配分が行われていたが、令和2年(2020年)度以降は第1号被保険者規模別での傾斜配分へと見直された」と説明している
  32. 32Impact of assessment of long-term care insurance management and financial incentives for local governmentsInternational Journal of Integrated Care(Tsutsui T) · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「However, due to MHLW's illogical action in which they changed the items of evaluation indicators every year, it was impossible to measure progress and effectiveness of CBICS and caused confusion among local governments」(しかし、厚生労働省が毎年評価指標の項目を変更するという不合理な行動をとったため、地域包括ケアシステムの進捗と有効性を測定することが不可能となり、地方自治体に混乱をもたらした)、「This program which was aimed at minimizing regional disparities in integrated care by means of financial incentives resulted in creating even greater regional disparities than those in three years ago」(財政インセンティブによって統合ケアの地域格差を最小化することを目的としたこの制度は、結果として3年前よりもさらに大きな地域格差を生み出した)と述べる。著者は評価指標の検証委員会委員長を務めた研究者である
  33. 33「地域包括ケアシステム」事例集成 〜できること探しの素材集〜 参考資料2 事例選定および事例集成作成方法株式会社日本総合研究所(平成25年度老人保健健康増進等事業) · 2014 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 選定方法は3段階として説明される。「STEP1: 厚生労働省より各都道府県・指定都市・中核市に対して事例提供を収集…その結果、47都道府県408地域…から、事例の提出がありました」「STEP2: 検討委員会による検討により掲載事例を選定…専門的見地から事例集に掲載する事例の検討を行いました。その結果、本事例集に掲載する50事例の選定がされました」「STEP3: …検討ワーキンググループでの検討により取組内容の総合性等に鑑み、総合的な取組が実施されていると考えられた10事例については、ヒアリング調査を実施し…その他の40事例については…基本的に提供があった情報に基づいて、原稿を作成しました」。数値基準やアウトカム基準は示されておらず、選定の言葉は「専門的見地から」「取組内容の総合性等に鑑み」のみである。検討ワーキンググループ第1回の議題に「本事例集成における事例選定の視点について」があるが、その視点の中身は報告書に掲載されていない。参考文献として挙げられた5件はいずれも商業誌・専門誌記事であり、査読論文は含まれていない
  34. 34「地域包括ケアシステム」事例集成 第1章 地域包括ケアシステムとは株式会社日本総合研究所(平成25年度老人保健健康増進等事業) · 2014 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 5〜7頁の「2. 地域包括ケアシステムの実際(先駆的な取組事例)」において「地域包括ケアシステムの先駆的な事例として、広島県尾道市と埼玉県和光市の取り組みについて紹介します」として2市を紹介する。和光市については「こうした介護予防事業の取り組みにより、和光市では、高齢者の生活機能の改善などの効果が得られています」とし、出典を「和光市『高齢者福祉計画及び第5期介護保険事業計画(長寿あんしんプラン)』より作成」と記す。尾道市については「『尾道方式』の最大の特徴は…主治医医療機関で行う15分間のケアカンファレンスの実施が徹底されていることです。…こうした体制により、複数の疾患を抱える慢性期の高齢患者が、長期的に在宅で療養を継続することができています」とし、出典を「尾道市『高齢者福祉計画及び第5期介護保険事業計画』より引用」と記す。いずれも効果の数値は示されず、典拠は当該市自身の計画書である。なお事例集の全章を検索したところ、和光市・尾道市が現れるのは第1章のこの箇所のみであり、408事例から選定された50事例の本体には含まれていない。また事例集の「はじめに」は「到達点を見るのではなく、その事例はどのようなプロセスを辿って形成されてきたのか。そのなかで行政担当者、専門職、地域リーダー、事業者はどのような役割を果たしてきたのかなどを学ぶことは、地域地域で個性的な『ご当地型』の地域包括ケアシステムの構築の大きな力となるであろう」と述べる
  35. 35保険者機能の強化 〜効果的な介護予防の横展開〜(平成28年度地域づくりによる介護予防推進支援事業 第1回都道府県介護予防担当者・アドバイザー合同会議 資料1)厚生労働省老健局老人保健課 · 2016 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「高齢者の自立支援・介護予防に取り組む先進的な保険者の取組の全国展開」として、市町村の好事例に和光市、都道府県の好事例に大分県を挙げる。和光市の評価軸として枠内に記されるのは「介護予防への重点的な取組により、要支援者の状態が改善」「保険者のリーダーシップ」「地域のニーズ把握」「保険者主導の多職種連携」の4項目である。要介護認定率の比較グラフ(目視により平成23年→平成27年で全国17.3→18.0、和光市9.6→9.3、大分県19.6→18.6)に「全国平均の認定率は4年間で上昇しているものの、和光市・大分県は低下」との吹き出しが付されるが、グラフに出典注記はない。方針として「和光市等の自立支援に向けた介護予防ケアマネジメントの仕組を全国に普及」と記される。なお社会保障審議会介護保険部会(第82回)参考資料1では、大分県の手法が「和光市方式の地域ケア会議の導入」「和光市講師の派遣」と明記されており、両者は独立した2事例ではない
  36. 36地域包括ケアシステム構築モデル例(東京都世田谷区/千葉県柏市ほか)厚生労働省 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 厚生労働省が地域包括ケアシステムの公式ページに掲げる10のモデル例のうち、千葉県柏市のテーマは「行政と医師会の協働による在宅医療の推進と医療介護連携」で、「取組の効果」欄には「医療・看護・介護をトータルで提供することにより、住み慣れた我が家にて、ずっと暮らすことができる」「多職種団体が参加することにより、効果的に関係作りやルール作りを行うことができる」とあり、数値としては「主治医-副主治医制試行症例:22症例」「在宅医療研修受講者:50名」「市民啓発:約1,600名」(いずれも平成24年度実績)が挙げられている。10事例を通覧すると、要介護認定率や介護給付費といった保険財政上のアウトカムを効果として挙げているものはなく、いずれも体制・関係・拠点が整ったことを示すプロセス指標か定性的記述である。東京都世田谷区のモデル例には「取組の効果」欄そのものが存在しない
  37. 37元和光市職員の不祥事に関する調査特別委員会 最終報告書和光市議会 · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全62頁。地方自治法第98条第1項に基づき令和2年9月25日に設置され、令和3年12月2日に同法第100条の調査権限を付与された委員会の最終報告書(委員長 安保友博議員)。「元市職員は、保健福祉部長兼和光市福祉事務所長等であった平成24年12月から平成31年4月までの間に、認知症の高齢者夫婦や障害者から市が預かったキャッシュカードを使用して現金を引き出すなどした窃盗、認知症の生活保護受給者から市が預かっていた現金を市の職員から騙し取った詐欺、上記認知症の高齢者夫婦から預かった現金を横領した業務上横領等(被害金額の合計約7,978万円)の罪で逮捕、起訴された」とし、さいたま地方裁判所が懲役7年の実刑判決を言い渡し、東京高等裁判所が令和4年4月12日に控訴を棄却したこと、元市職員が同月19日に上告したことを記す。懲戒処分は令和元年8月14日の懲戒免職。また41頁では、市が返還を求められた交付金が「平成21年度地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金(先進的事業支援特例交付金のうち、介護療養型医療施設転換整備計画に係る分)4,500万円」であったこと、49頁では「係る国交付金の申請手続は、国に対し、交付金の対象を偽ってされたものであり、国交付金交付要綱等に反するものである」と認定されたことが記されている。36頁には地域ケア会議について「元市職員は、地域ケア会議…の進行を主導していた」「地域ケア会議に出席を求められた事業者の中には、地域ケア会議が定期的ではなく元市職員の都合で開催されるため予定変更を余儀なくされることから業務に支障が生じる、会議を行うことについて利用者、相談員にメリットがない等と感じていた事業者がいた」との記述がある。※刑事判決文そのものには到達できておらず、判決内容は本報告書の記述による
  38. 38和光市職員による不祥事の再発防止に関する第三者委員会 調査報告書和光市職員による不祥事の再発防止に関する第三者委員会 · 2021 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全39頁。「II. 和光市が置かれている状況 → 2. 地域包括ケア」という節を設け、「元市職員の不祥事再発防止に当たっては…元市職員の存在が和光市にとってどのような意味を持っていたかを考えることが、不祥事の起きた背景を検討する上で重要」と述べる。7頁では和光モデルが「国の制度改正にも大きな影響を及ぼした」とし、「政府の経済財政諮問会議でも平成26年4月、平成28年4月、同年11月の会合で、和光モデルが先進事例として取り上げられ、介護予防などに関する市町村の施策を評価する平成30年度制度改正のモデルとなった」「和光市の取り組みが参考事例とされ、平成27年度から全市町村に設置が義務付けられた」(地域ケア会議について)と記す。18頁では「こうした元市職員の『名声』により、当時の和光市は、国の政治家や自治体職員・議員、研究者など数多くの視察を受け入れていた状況であった。このような状況によって、元市職員は、『市や国に貢献しているのだから、多少のことを行っても許されるべき』という考えを持つに至ったものと想定される」「当時の市長をはじめとする市の幹部にとって、地域包括ケアの和光モデルを全国にアピールし、和光市のプレゼンスを上げている元市職員の存在は、大きなものであったと想定できる。その意味で、元市職員の暴走を感知したとしても、『大目に見る』といったバイアスが働いてしまうことは避けがたかったかもしれない」と分析し、19頁で「和光市側に存在する元市職員の不正を正当化しかねない要因としては、全国に対してその存在をアピールするツールとしての『和光モデル』を推進するインセンティブがあるのは当然のことであると考えられる。…元市職員と和光市の間には『共依存』ともいうべき関係が存在していたと想定される」と述べる。本報告書は和光モデルの成果そのものが虚偽であったとは述べていない。※本文はスキャン画像PDFのためテキスト層がなく、レンダリングして目視により読み取った
  39. 39和光市 第9期介護保険事業計画 自己評価シート和光市 · 2025 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「本市の令和5(2023)年度の認定率は、12.5%と全国平均の19.0%に比較すると大きく下回っており、本市における介護予防・日常生活支援総合事業が一定の成果を挙げていると評価できる。第8期計画での目標『新規認定の発生予防』では、目標未達成となり、目標『認定者の要介護状態の改善・維持』では、要支援1、2の改善率がいずれも目標未達成となった」と記す。※和光市の認定率は国土交通省サイト掲載の和光市長作成資料では平成26年度9.4%、厚生労働省老健局資料では平成27年度9.3%とされるが、これらと本シートの12.5%は作成主体も出典データも異なり、認定率の定義(第2号被保険者を含むか等)が同一であることは確認できていない
  40. 40介護保険法 第118条の2(介護保険等関連情報の調査及び分析等)e-Gov法令検索(総務省)/平成9年法律第123号 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 厚生労働大臣は、第1号(介護給付等に要する費用の額の状況)および第2号(要介護認定及び要支援認定における調査に関する状況)について「調査及び分析を行い、その結果を公表するものとする」とされ、第3号および第4号(地域支援事業の実施の状況等)については「調査及び分析を行い、その結果を公表するよう努めるものとする」とされている。第2項は「市町村は、厚生労働大臣に対し、前項第一号及び第二号に掲げる事項に関する情報を、厚生労働省令で定める方法により提供しなければならない」と定める一方、第3項は「厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、都道府県、市町村、介護サービス事業者…に対し、介護保険等関連情報を…提供するよう求めることができる」とする。すなわち提供義務があるのは給付費と認定調査のみで、地域包括支援センター・地域ケア会議・生活支援体制整備を含む地域支援事業の実施状況は義務ではなく、公表も努力義務である
  41. 41地域包括ケア「見える化」システム利用マニュアル 第7.0版厚生労働省老健局老人保健課 · 2023 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全178頁。巻末の「別紙1 地域包括ケア『見える化』システムにおいて提供される指標(現状分析編)」に、一般公開されている指標が252件収録されている。区分別の内訳は、ポータル4、人口・世帯12、被保険者・認定者・認定率11、保険料4、給付・サービス利用・定員124、通いの場や地域包括支援センター・地域ケア会議など27、医療費・受療率等9、介護人材2、認知症関連研修15、在宅医療44。252指標のうち103が「介護保険事業状況報告」、17が「介護保険総合データベース」を出典とする。地域ケア会議に関する公開指標は「F25 地域ケア会議」の1件のみである。データソース一覧にも252指標の一覧にも「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」は現れない。システムは「平成 27 年 7 月の本格稼働以降、一部の機能を除いて誰でも利用することができるようになりました」と記されている。※ログイン後の機能は自治体職員向けアカウントを要するため未確認であり、2023年4月以降に追加された指標は反映されていない
  42. 42介護予防・日常生活圏域ニーズ調査 実施の手引き厚生労働省老健局介護保険計画課・認知症施策地域介護推進課・老人保健課 · 2025 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「7. 調査結果の地域包括ケア「見える化」システムへの登録 調査結果は、地域診断支援情報送信ソフトを経由して、地域包括ケア「見える化」システムの指標として登録することをお願いしています」と記す。調査票そのものについても「もともとは保険者が地域の実情を把握できるよう独自の調査を実施してきたところですが、これに資する調査票として第5期介護保険事業計画策定時から厚生労働省が調査票などを例示しています。(中略)なお、調査票等は例示ですが、地域の実情を円滑かつ効果的に把握するために活用いただくことを想定しています」とされる。根拠条文も介護保険法第117条第5項の「市町村介護保険事業計画を作成するよう努めるものとする」、基本指針の「各種調査等の実施に努めるものとする」という努力義務である
  43. 43介護保険法 第115条の48(会議)e-Gov法令検索(総務省)/平成9年法律第123号 · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「市町村は、第百十五条の四十五第二項第三号に掲げる事業の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者、関係機関及び関係団体…により構成される会議…を置くように努めなければならない」と定める努力義務規定。第6項は「前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、会議が定める」とする。条文の見出しは「(会議)」であり、「地域ケア会議」という語は条文中に一度も現れない。開催頻度・構成・成果に関する基準は置かれていない
  44. 44地域包括ケアシステムの推進、相談支援、認知症施策の推進について — 社会保障審議会介護保険部会(第117回)資料1厚生労働省老健局 · 2025 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「地域ケア会議の取組状況(令和元年度調査)」として「地域ケア個別会議を通して、関係者のネットワーク強化に取り組む市町村が多くみられる一方で、地域課題の抽出・整理を行っている市町村は7割程度となっている」「地域ケア推進会議を通して、資源開発や地域づくり、政策形成につなげている市町村は半数程度にとどまっている」と記す。出典は「令和元年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)『地域ケア会議に関する総合的なあり方検討のための調査研究事業』(株式会社日本総合研究所)」。すなわち2025年2月の審議会に提出された地域ケア会議の全国像は、6年前の委託調査による
  45. 45「地域包括支援センターの事業評価を通じた機能強化について(通知)」の一部改正について(介護保険最新情報 Vol.1271)厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課(老認発0607第1号) · 2024 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「同通知により示されている地域包括支援センター及び市町村の評価指標は、これまで、地域包括支援センターと市町村それぞれの業務チェックリストとして機能し、年を追うごとに達成率が高い項目が増加してきた。加えて、地域包括支援センターと市町村との間のコミュニケーションツールとしても活用され、地域包括支援センターの機能強化に貢献してきた。一方で、介護保険法(平成9年法律第 123 号)第 115 条の 46 第4項及び同条第9項に規定される具体的な業務改善につながっているかを評価することは困難な状況である」と記す。これを受けて評価指標は市町村59項目から24項目へ、地域包括支援センター55項目から26項目へ縮減された。令和6年4月1日適用
  46. 46令和5年度老人保健健康増進等事業 地域の介護予防を推進するための包括的・継続的ケアマネジメント支援業務のあり方と地域包括支援センターの事業評価に関する調査研究事業 報告書三菱UFJリサーチ&コンサルティング(厚生労働省 老人保健健康増進等事業) · 2024 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 参考資料2「現評価指標の各評価項目の実施率」に、市町村59項目・地域包括支援センター55項目すべての2018年度から2022年度の実施率が掲載されている。2022年度の市町村指標では、項目23「1年間におけるセンターの相談件数を把握しているか」が98.4%、項目8「センターの三職種一人当たり高齢者数が1,500人以下であるか」が61.6%、項目48「複数の個別事例から地域課題を明らかにし、これを解決するための政策を、地域ケア推進会議から市町村に提言しているか」が49.0%、項目47「センター主催及び市町村主催も含めた地域ケア会議の検討内容をとりまとめて、住民向けに公表しているか」が15.6%(2018年度は10.4%)である。センター指標では項目7「三職種(準ずる者は含まない)を配置しているか」が61.3%、項目44「センター主催の地域ケア会議において、地域課題に関して検討しているか」が70.3%(2018年度75.0%から低下)。指標見直しの方針として「現在の評価指標の達成率90%未満の項目(30 項目)およびそれらと全55 項目との相関の分析結果等を踏まえて」「実施率をもとに評価項目を絞り込む」と記されている。この報告書は令和6年の一部改正通知本文からURL付きで参照指定されている
  47. 47Health and social care integration: joining up care for people, places and populationsDepartment of Health and Social Care (UK) · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 2.15項に「Our outcomes-centred approach must therefore be focused on the end goals of better person-centred health and care, improving population health and addressing disparities rather than on the process of integration per se. So, for example, outcomes should focus on areas such as people's experience of care, wellbeing, and independence, not on organisational processes or decision-making」(我々のアウトカム中心のアプローチは、統合のプロセスそのものではなく、より人を中心とした保健・ケア、住民の健康の改善、格差への対処という最終目標に焦点を合わせなければならない。したがって例えばアウトカムは、組織のプロセスや意思決定ではなく、人々のケアの経験、ウェルビーイング、自立といった領域に焦点を合わせるべきである)と記す。2.14項では「Although outcomes are harder to measure and can take longer to deliver」とも述べている。すなわち統合の度合いを測る全国指標を作らないという明示的な政策選択の表明である
  48. 48Introducing Integrated Care Systems: joining up local services to improve health outcomes (HC 655)National Audit Office (UK) · 2022 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 要約13項で「it is less clear who will monitor whether integration between the NHS, local government, and others is working well, or what will happen if it is not」(NHS・地方自治体・その他の間の統合がうまく機能しているかどうかを誰が監視するのか、機能していない場合に何が起きるのかは、明確ではない)と述べる。1.23項では監督枠組みの指標について「However, all the indicators in the oversight framework are focused on delivering NHS objectives and none relate to the wider ICS」(しかし監督枠組みの指標はすべてNHSの目的の達成に焦点を合わせており、より広いICSに関係するものは一つもない)と記す。Figure 18では「Clarity of objectives」をHIGH RISKと評定し「NHS England (NHSE) has set out four high level purposes for ICSs but not articulated what improvement it expects to see against these objectives or by when it expects to see them」、また「Neither NHSE or DHSC has set out what benefits they expect from the move to ICSs, or by when」とする。関係性については「Stakeholders we spoke to highlight the importance of personal relationships, openness and trust for establishing ICSs. This is very hard to measure or mandate and so remains an area of inherent risk」と述べる。1.5項では「The NHS has been testing approaches to improve integration and focus on prevention since the NHS Next Stage Review in 2008. These pilots have evolved through integrated care organisations, integrated care pioneers and vanguards, and are now taking statutory form as ICSs」と記す
  49. 49NHS Oversight Framework 2026/27 および methodology manualNHS England · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 「There are 86 metrics underpinning the NHS Oversight Framework; however, no organisation is assessed against all of them」とし、Integrated care boardに適用される指標は43本。区分(segment)の閾値は分布から引かれており、methodology manualは「Across all organisations in 2025/26, the mean average metric score was 2.34. This value therefore acts as the threshold between segment 2 and segment 3 for 2026/27」「We have then used the standard deviation…An average metric score of 1.94 would be one standard deviation lower than the mean」と説明する。指標の選定基準は6つで「aligns to a published objective or duty」「is comparable between organisations (of a similar type)」「is based on publicly available data」「can be interpreted without excessive caveats」「provides a clear indicator of 'good' performance」「results in a score that has consistency over time」。Annex Bの全指標を検査した結果、integrat という語は「Integrated care board」という組織名としてのみ現れ、統合の度合いを測る指標は存在しない。ICBのDomain 3(Experience of care)の指標は「% of patients rating their experience of GP access as easy」「% of patients with a preferred general practice professional able to see that professional」「% of complaints open beyond 6 months」の3本であり、サービス間の連携・調整を患者に尋ねる設問は含まれていない。※NHS Englandのサイトは自動取得を拒否するため、Internet Archiveのスナップショット(2026年7月11日取得)から本文を確認した
  50. 50Integrated care system assessmentsCare Quality Commission (UK) · 2025 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: Health and Care Act 2022により統合ケアシステムの評価責務を負ったCQCは、評価テーマとして「Quality and safety / Integration / Leadership」の3つを掲げていた。しかし2025年3月の公表文では「Following successful piloting work in 2023, we initially paused this work in early 2024 to refine our approach to ICS assessments. This delay was further impacted by the General Election in July 2024 and the Dash review in October 2024, which recommended continuing a pause on this work」「Following uncertainty as a result of the recent government announcement that NHS England will be brought back under the Department of Health and Social Care (DHSC) along with reductions planned for ICBs, DHSC has withdrawn its request for a proposal from CQC on the future of ICS assessment activity. This work will pause for at least six months」と述べる。実際に評価されたのは42システムのうち志願した2つ(Birmingham and Solihull、Dorset)のみで、その「Integration」テーマの判定は点数でも格付けでもなく「There is a positive direction of travel for the development of an integrated governance structure」といった叙述である
  51. 51Municipal implementation of community-based preventive programs during the COVID-19 pandemic and long-term care certification trends in Japan: a nationwide ecological analysisBMC Health Services Research (Kuroda et al.) · 2026 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 全国エコロジカル分析および差分の差分法により、一般介護予防事業の実施状況と要介護認定率の推移の関連を検討した研究。「Full implementation of physical activity programs was associated with smaller increases in LTCI certification rates during the pandemic period compared with incomplete implementation (-0.12% points, 95% confidence intervals: -0.23 to -0.01)」とし、認知機能訓練でも同様(-0.14 pp, -0.25 to -0.03)であったと報告する。著者らは「However, causal interpretation is limited by the ecological design, single-time assessment of implementation status, potential exposure misclassification, and possible pandemic-related changes in LTCI certification procedures」と限界を明示する。対象は一般介護予防事業であり、地域包括ケアシステム全体の実装度ではない。曝露は完全実施か不完全実施かの2値かつ1時点の測定である
  52. 52The Vanguard of Community-based Integrated Care in Japan: The Effect of a Rural Town on National PolicyInternational Journal of Integrated Care (Hatano Y, Matsumoto M, et al.) · 2017 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 広島県御調町(現・尾道市)の公立みつぎ総合病院を起点とする取組を記述した論文。「After the system took effect, the proportion of bedridden people and medical care costs for the elderly dropped in Mitsugi while it continued to rise everywhere else in Japan」(システムが実施された後、御調町では寝たきりの人の割合と高齢者の医療費が低下した。一方、日本の他の場所ではそれらは上昇し続けた)と述べるが、この記述に対照群も統計的検定も付されていない。日本の地域包括ケアの効果の根拠としてしばしば引用されるが、論文自体は効果検証の設計をとった研究ではなく歴史的な事例記述である
  53. 53Towards community-based integrated care: trends and issues in Japan's long-term care policyInternational Journal of Integrated Care (Morikawa M) · 2014 · accessed 2026-08-29裏付けた主張: 日本の介護保険政策の動向を整理した政策レビュー。実証分析は含まれておらず、結びに「In the future, it will be necessary to conduct empirical assessments of the effectiveness of these measures」(今後、これらの施策の有効性について実証的な評価を行うことが必要になるだろう)と記す

関連記事 RELATED